飽きない戦闘描写を書くのもそうだし、書きたいもの書いてると長々となっちゃいますね…それで投稿期間空き過ぎるのもあれだし、ちょっと反省
大きな破砕音が聞こえる。地面が割れた音だ
目を凝らして見れば、約500メートルほど先で爵銀龍と戦っている部下と弟子の姿が確認出来た。明らかに苦戦している、手助けに入らねばならぬ
「地面から強襲!生存重視で行け!」
レッカが小さく頷くのを確認すると、俺はレッカの背から翔蟲を使って高く飛び、単独になったオトモが地面を掘り進んで消える。そして飛翔する先では、急に膝をついて息切れするシキと、その隙を狙って攻撃を仕掛けようとするメル・ゼナ
「させるかっ!」
翔蟲をメル・ゼナにくっつけ加速し、気を纏わせた抜き身のエルサルカを持ったまま、縦方向にコマの如く回転する。翔蟲が意図的に当たった感触から俺の存在に気づいたようだが、もう遅い!
通常の2倍の高さまでジャンプし100万×2で200万パワー!翔蟲による2倍の加速で200万×2の400万パワーっ!!そこに3倍の縦回転を加えれば、400万×3で!!
メル・ゼナ!!おまえをうわまわる1200万パワーだ───っ!!
「うお〜っ!!」
ギャリギャリギャリギャリギャリギャリッ!
『グォォォオン!?』
俺自身が巨大な武器と化しメル・ゼナに襲い掛かる。迎撃しようと翼を構えていたようだが一足遅く、冰龍の太刀はまるでチェンソーが大木を切り落とすように、刀身と後からやってくる氣刃で右翼の外殻を削り、翼膜をズタズタに引き裂いてゆく。俺がチェンソーマンだ
堪らないと言わんばかりに翼を振るって俺を吹き飛ばすメル・ゼナ。空中でクルリと回って綺麗に着地する。右翼は骨組みの一部が欠けていて、翼膜は所々裂けて血を垂れ流していた。あれだけの攻撃を食らわせたというのに翼膜全部を持っていけないとは、つくづく古龍ってのは規格外だな
「フィオレーネ!!」
シキに駆け寄っているフィオレーネに向けて2本の強走薬グレートを投げ渡す
「先にシキに飲ませろっ!その後にお前も!」
フィオレーネの判断は早かった。即座に開封した瓶の中身をシキに少量飲ます。それを飲み込んだシキは目を見開くと同時に息切れが止み、強走薬グレートの瓶を引ったくるように取って、ゴキュゴキュと飲み干していく。それを見たフィオレーネも同じように2本目の黄色い液体を胃に収めていく
怒り心頭になった爵銀龍の猛攻を受け流しつつその様子を見届けた俺は、劫血やられの詳細を叫ぶ
「聞け2人とも!!キュリアに咬まれれば2つの症状が発症する!!まずは毒による体力の大きな消耗!!ただしこれは体内に耐性があれば緩やかに体力が減る程度になる!!それは大丈夫か!?」
「だ、大丈夫!!新しい薬のおかげで、エスピナスの毒よりはずっとマシです!!」
「ヨシっ!」
俺は修行をつける前日、大量に捕獲したエスピナスの毒から、キュリア毒用の
おそらくメル・ゼナに挑む2人には事前にワクチンを接種させておいたのだろう。…俺?実は俺、食らった毒を1回でも治癒したらもう同じ毒は効かなくなる体質なんだよね。即抗体でも出来るからだろうか?だからこそ、その耐性すら貫通してくるキュリアの毒が如何にヤバいか分かる訳だが
しかし、あんな曖昧な開発案からもうここまで効果のあるワクチンを精製するとは、流石バハリとタドリだ。特にバハリは友達としても誇らしい。今度から
「それと、毒に犯されてる時はアイテムによる回復力が弱まる!!粉塵や秘薬も効果が半減する!!気をつけろ!!」
「何!?」
「そしてスタミナ!!キュリアはこいつを生気として吸い取ってると考えられる!!だからキュリアに咬まれれば一気にスタミナ切れを起こして自然に回復しなくなる!!強走薬グレートの効果が切れたら即座に戦線から離れろ!!」
「スタミナを…!?」
「そうか。だから直ぐに息切れを…」
説明を聞いた2人はメル・ゼナの狩りに参戦する。強走薬グレートによって5時間は休みなく動けるだろうが、精神的疲労までは無視出来ない。長期戦は不利、早い内にこいつを仕留める!
「だがメリットもある!!どういう理屈かは知らんが、
「そんな事まで…!」
「流石王子だ…1時間にも満たぬ時間で、メル・ゼナの情報をここまで把握するとは…」
前世によるカンニングです、とは口が裂けても言えない俺は、とりあえずエルサルカを強く握り、キュリアが集まってない鈍い銀色の重殻を切りつける
ザリッ!
よし、切れる。硬さはかつて戦ったイヴェルカーナの氷鎧と同じくらいだが、得物が良い分戦いやすさは段違いだ。しかし好き勝手動かれてはキュリアが密集した部位にぶつかってしまう。両前脚、胸部、尾の先が近い時は注意せねば
(しかし…)
俺達をこれから喰らう食糧程度にしか見てない見下した視線を受け流しながら…俺は内心思った
(違う…こいつは…あの時のメル・ゼナではない)
約6年前、王都でイヴェルカーナと縄張り争いを繰り広げたメル・ゼナ。思い返してみればあいつは、目の前のメル・ゼナと比べて翼はもっとゴツかったし、翼膜もボロボロではなく色も深い蒼色だった。体格も俺の知るメル・ゼナより大きく、堅牢そうなイメージがある
だが、何より感じたのは、あの時共に戦ったメル・ゼナには強い知性が…理性が感じられたことだ。今まで数多のモンスターと戦ってきたからこそ、強大な存在でありながらあれほど明確な意思疎通が出来るモンスターがいる事実に驚きを禁じ得ない
あいつと目の前の奴の大きな違いは、キュリアを従えてるかどうかだ。前に
『グォォオ!!』
「ぐう!? こ、こいつ…!」
「この威圧感…攻め切れない…!」
一進一退の攻防を繰り広げている俺とは違い、シキとフィオレーネはメル・ゼナの並々ならぬ気配に加え、通常攻撃の感覚で繰り出される一撃必殺の応酬に攻めあぐねていた
しかし、本来マスターランクの古龍は最も死亡率の高い狩猟対象なのだ。その古龍を相手に逃げ惑わず切り結べてる時点で、2人の実力は明らかに高くなっている。特にシキの力は、既に俺の領域まで足を踏み入れている
「一皮剥けたか…シッ!」
ギャリィ!
「シャァ!」
『キィオォォォォン!!』
ギギギギリリリリリィィッ!!
槍翼の先端を弾きながらカウンターを見舞うが、メル・ゼナの1番硬い部位である翼爪に受け止められる。力を込め鍔迫り合いに持ち込むが、メル・ゼナが軽く力を加えただけで押し返されそうになったため、脱力してわざと弾き飛ばされる
まずいな、このままじゃ長引く。キュリアを考えればそれはもっとも避けたい事。キュリアを全部処理出来れば、あるいは速攻で攻めてメル・ゼナ自体を消耗させればいいんだが…
(………待てよ?)
攻めをわざと弛めて攻撃を引き受けつつ、俺は思考の海にダイビングする
キュリアを減らす方法はひとつ。奴の体に纏わりついてるキュリアに直接攻撃して絶命させること。先の戦闘では数体しか仕留められなかったが、もし全力で攻撃して一斉に爆発を起こせば、誘爆でゲームのような大爆発を起こすことが出来るのでは?至近距離で大爆発が起きればメル・ゼナも消耗するのでは?
(これしかないっ!!)
本日、2回目の粉塵が舞い散る。惜しみなく使用した“生命の大粉塵”によってテッカとシキの体力も元に戻るが、フィオレーネの胸中にあるのは焦燥と自責の念だった
(王子が最も前線で戦っているというのに…なんと情けない女なのだフィオレーネッ!これでは6年前の王都の戦いの時と何も変わらんではないか…!)
そう自分を罵るものの、周りから見ればフィオレーネも十分最前線で戦ってると言える。そも、今のフィオレーネと同等以上の戦いができる人間は、王国内では他所から来たシキを除けばテッカ以外誰もいない。それはつまり、現在の王国における最強の騎士はフィオレーネだという事の証明でもあるのだ
しかし、フィオレーネにとって最強の称号など無価値に等しい。何より大切なのは、忠義を誓った未来の王を守る事なのだから。彼を守る事が王国とその民、そして殿下と女王陛下とチッチェ姫を守る事に繋がる。だからこそ、その王子の前に出て戦えない自分の無力さが悔しくて仕方なかった
「シキっ!!」
その時だ。テッカが大声で弟子を呼んだのは
「俺が合図を送る!そのタイミングで仕掛けろ!フィオレーネは不測の事態に備えて待機!!」
「合図って……ッ! …了解!!」
「分かりました!!」
師匠の『重ねた両掌』を見て大きく返事をするシキに合わせて了承するフィオレーネ。本音を言えば自分が前に出たかったとフィオレーネは思うが、その気持ちを一旦抑え込んで指示通り状況を見渡せる位置まで下がる
ザムゥ!
“冰霊エルサルカ”が左翼に深い切創を刻む。だがその攻撃は、今まで慎重に攻撃を重ねてきたテッカとは思えぬほど後先の考えない攻撃だった。現に脚で急ブレーキを掛けて止まろうとしているテッカの背後から、メル・ゼナはチャンスを言わんばかりに三又の槍を突き立てようとしていた
「王子っ!!」
手に持った閃光玉を勢いよく投げつけようと構えた…その時だった
パァン!!
破裂音のようなものが聞こえた。見ればテッカは一瞬エルサルカを手放して宙に投げ、まるで祈るように手を合わせていた。先の音の正体は、手拍子によって発生したものだ
「何を」
ギャリィ!
その疑問の答えが、突如聞こえてくる。シキだ。シキの渾身の一太刀がメル・ゼナの甲殻に軽く傷をつける。軽く、などと侮ることなかれ。この
しかし、シキもテッカと同じく後の先を省みない攻撃だった。当然隙だらけの英雄を、千切れた肉塊に変えるべくメル・ゼナは前脚を振り上げ…
ザン!
だがその瞬間、得物を握り締めたテッカが龍の体を切り裂く。不届き千万と言わんばかりに怒りを顕にしたメル・ゼナの注意がテッカの方に向き
パン!!
ザリィ!
再び、音が鳴る
「これ、は…!」
テッカがした事は至極単純。手拍子という手軽な合図で攻撃タイミングを弟子に伝える、ただそれだけ。だが、神速の速さでシキが、それ以上の速度で攻撃出来るテッカがこれらを行えばどうなるか?
パン!! パン!! パン!!
フィオレーネの目には音が鳴り響く度に、火の玉めいたオレンジ色と影めいた黒色が、まるで色のついた
『グルォォォオ!!』
しかし、メル・ゼナとて知能を持つ古龍、阿呆ではない。攻撃後の音が鳴る時に他の人間が攻撃してくるというのならば、それに合わせてターゲットを変えればいいだけのこと。そして
かくしてテッカの一撃がメル・ゼナの重殻を深く傷つけ、太刀を手放すと同時にメル・ゼナはシキの方を向いた──
パパン!! パシィ!
ザギャァ!
ボォン!!
『ギュゥオオオン!?』
だが直後、メル・ゼナを攻撃したのはシキではなく、
思わぬ不意打ちに混乱するメル・ゼナは、その元凶に憎しみの視線を向け
パパパン!!
ギャリン!
今度は
この連携は、かつてカムラの里でシキに攻撃の感覚を掴ませる初歩の修行を応用したものだった。手拍子の音の回数で、どのタイミングで攻撃を入れるべきかを体に直接覚えさせるというものだ
テッカはフェイントも多く混ぜる為、修行期間中の初期はよくフェイントに引っ掛っては生傷の耐えない日々が多いシキだった。が、今ではフェイントにも引っ掛からず適切に体が動くほど、彼の体はその音を記憶していた──
その状況を客観的に見ていたフィオレーネは、その洗練された連携に驚きを禁じ得なかった
(手を叩く回数で誰が攻撃するかを既に頭に叩き込んでいる!いや違う、体の感覚に刻み込んでいるのか!?すごい!!これならばメル・ゼナはもうこの猛攻から──)
パン!! パパパン!!
ギャリィ! ギャギャィ!
パパパン!!
ザン!
古龍同士の縄張り争いは、嵐が自由自在に動き回ってぶつかり合うに等しいものだとテッカはかつて語っている
その言葉通り、力を合わせることでひとつの脅威となった2人と、キュリアと一緒に暴れ狂うメル・ゼナは、まさしく二つの嵐がぶつかり合うような苛烈な戦いを繰り広げていた
もはや見守ることしか出来ないのかと歯噛みする中、フィオレーネは
その一方で、古龍の足掻きとせめぎ合うテッカ達の肉体も限界に近かった。ただでさえ古龍という圧倒的格上が相手で普段以上に消耗が激しい上、肉体のコンディションを台無しにするキュリア毒の脅威。特にテッカは戦闘と指揮を同時並行で行ってる為、体力とスタミナの消耗も大きかった
(クソッ、体が思考に追いつかねェ!まだ3時間も切ってないのに強走薬の効果が切れてる!それほど激しい消耗を強いられてるってわけか……!)
『ッ……キィオォォォォンッ!!』
「!! 下がれええぇぇぇっ!!」
瞬間、膨れ上がった龍気にテッカは叫びながら背を向けて距離をとる。シキも合わせて逃げ出した直前、上空に舞い上がったメル・ゼナが真下に大量の龍気ブレスを放つ。大地に墜ちた龍エネルギーは尚も蛇行しながら無差別に周囲を破壊し…最後に墜ちた黒い塊が爆ぜて、スプーンでくり抜いたみたいに大地を抉った
「──ッスゥー……!!」
「何を!?」
余波だけで、遠く離れた今の2人の命すら刈り取らんとする衝撃波を前に、テッカは迷うことなくシキの前に立ち…
「喝ッッ!!!」
ドバァン!!
ティガレックスの咆哮を思わせる轟音と共に刀を薙ぎ払い…
『グオォォォォ!!』
「ぐッ……う……!ハッ、ハッ…!」
「師匠!? ッ…!?ヤバい…!」
テッカとメル・ゼナは共に崩れ落ちるが、ギリギリ余力が残っている龍に対して狩人は立つこともままならない程だ。自分を置いて2人で逃げろと言いたいテッカだったが、呼吸するのに精一杯でその暇もない
このまま為す術なく殺されるのか!そうシキが考えた時だった
ドン!
『グォォォン!!』
『キュォン!?』
「ルナガロン!?」
「王子、シキ殿、無事か!?」
「その声、フィオレーネか!!」
突如2人の背後から飛び出した大きな影…氷狼竜ルナガロンが疲弊したメル・ゼナに飛び掛かり、攻撃し始めた。乱入者に驚くシキだったが、その背に乗る仲間の騎士の姿を見て、彼女が操竜してきたルナガロンなのだと気づく
氷狼竜の猛攻に抵抗する爵銀龍だが、長時間の濃密な戦闘は古龍と言えど簡単に耐え切れるものではなく、操竜で野生の個体より洗練とされた動きをするルナガロンに反撃することも出来ないでいた
「こいつッ、まだ動けるのか…!?」
『グルォォォオ!!』
「うあっ!? ……ハッ!しまった!」
だが、それでも古龍。最後の力を振り絞ってルナガロンの拘束から抜け出すと、引き出された凶暴性より強い生存本能で逃走を選び、ズタボロになった翼で飛んで逃げ出す
「まずい、このままではっ!」
王子と英雄が命懸けで追い詰めた怨敵に逃げられてしまう。しかしルナガロンの操竜時間はもう残っていない。逃げられてしまうのか、とフィオレーネは悔しさに表情を歪め…
ダン!
『バゥ!』
「うおおおおおおおっ!!」
その時、空にいるメル・ゼナの近辺の高い山場から飛び出す影がひとつ。その正体は…人を背負って最短で山を駆け登ったレッカと、あの場で唯一余力が残っていたシキだった。人を乗せて空高く跳んだガルクの、更にその背中を蹴って跳び、天を翔ける古龍の懐まで辿り着く
「喰らぇえええええ!!」
棘竜の太刀を手に絶叫し
バキャァァァ!
振るわれた太刀は……半ばから砕けた
「───」
「そんな!?」
ハンターの半身とも言える武器を失ったシキ。もはや彼に出来ることは何もない
「シキィッ!!」
…そのはずだった
しかし、声と共に放り投げられた『それ』を反射的に掴んだシキは、思わず目を見開く
(エル……サルカ……?)
『それ』は、美しくも冷酷な古龍の素材を元に鍛刀された太刀“氷霊エルサルカ”だった。氷で構成された抜き身の刀身が紅い月光を綺麗に反射させる
猛き焔が下を一瞬見れば、己の師がこちらを見上げていた。フィオレーネに支えられている彼は一言も発さなかったが、その視線が弟子にこう語っていた
(やれっ!!)
「…うおおおおおおおっ!!」
力任せに刀を振るう。ローゼンフェーダー改ではあれだけ苦労したメル・ゼナの重殻を容易く切り裂いて、血飛沫が凍りつく
しかし同時に、エルサルカを握っていた手の指先も軽く凍りついていた。力を扱い切れぬ者が何のリスクも無しに使用できるほど、古龍の力は甘くない
(それが、どうしたッ!!)
「アアアアアアアッ!!」
胴を、脚を、翼を切りつける度、指に、手に、腕に氷が侵食していく。砕けた氷が肌を突き破り、飛び散る血潮すらも凍てつかせていく
それでもシキは止まらない。止まる訳がなかった。託してくれた者の為に、信じてくれた者達の為に
「ト ド メ だ ぁ ぁ あ あ っ !!!」
そして…最後の一振りが爵銀龍の頭部に深く食い込み、勢いよく振り下ろされる
『キィオオォォォォン!!?』
羽ばたくことすらも止めてメル・ゼナは吼えるが、段々と掠れて小さくなっていき、やがて肩まで氷に覆われたシキと共に落下していく
ズドォォォ………ン……!
メル・ゼナは完全に意識を失ったシキとは違い、その四肢で尚も立ち上がろうとするが、徐々に大きな体躯を支えることも出来ぬほど脱力していき、やがて己の鼓動がジワジワと弱まっていく現実を自覚する
『キュォ…キィォォ、ォォォ………』
その弱々しい咆哮は、生物の頂点である自身が朽ち果てる事への嘆きか?それとも
その真意を誰にも知られることがないまま…城塞高地の支配者は命尽き果てた
そして……
…その体からフワリと…紅い簒奪者が飛び出していき、紅く染まる月下の夜空に去っていった──