Rimworld 四天王の軌跡   作:壺大好き大佐

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1話目その1

それは季節にして春の出来事だった

 

真っ白な壁や天井と敷き詰められた抗菌タイルで、これ以上ない程の清潔感を醸し出す部屋に並べられた研究器材に埋もれる様に、頭を抱える男が呟く

 

「この襲撃が終われば…」

 

外の様子を伺う様に、部屋の出入り口へ目を遣る。そのドアの向こう、防壁の外では戦闘が起こっていた

 

乱立する木々の間から飛来する無数の銃弾、瓦解するバリケード、力尽きた者達の亡骸…此処リムワールドではよくある光景が広がっている

 

「もう保たない!依頼主を連れて離脱を!」

 

人型の鼠、ラットキン族の少女が、銃撃に晒される土嚢に身を屈めながら叫ぶ。その声は、隣で自動小銃を盲撃ちする人物に向けたものだ

 

「ダメだ!此処を死守が条件だぞ!」

 

同じく人型の兎、バン族の男が提案を却下する。約束の為か、逃げ切れないと踏んだか…そんな遣り取りも、銃撃に紛れ投擲された爆発物によって、土嚢ごと吹き飛ばされる

 

極僅かな時間、気を失っていたのだろう…身体中に走る痛みによって徐々に意識を取り戻した少女は、土埃が巻き上がる中、地面に突っ伏した男を見つける

 

何とか体を起こし、近付いて様子を見る。男は微動だにせず、弱々しい呼吸だけだ。少女は焦りをみせる、このままでは…

 

だが状況は待ってくれない。最後の砦が崩れたのを皮切りに、林から数人、銃を構えながら姿を現す。人間の容姿を持ちながら下半身が魚の様な、所謂人魚に酷似した種族…ゼノオーカだ

 

死神の手先かの様な邪悪さを感じさせるアーマーとヘルムで身を固めたそれら襲撃者は、オルキヌス旅団と呼ばれる強大で過激な派閥で知られる者達である

 

少女は絶望し、観念する。自身が身に着けていたラットキン族特有の鎧は、最早防具として機能しない状態であり、半包囲されているこの場から、自力で動けない男を連れて離脱も不可能…

 

「私達の悪運も、ここまでか…」

 

男に寄り添う様に少女は倒れる。仲間達は既に全滅、残った自分達も直に…少女は泣いた。死への恐怖か、はたまた己の無力さにか

 

襲撃者は2人に狙いをつける。その先に在る何かの為に、邪魔になる障害を確実に排除せんとした

 

無数の痛みの訪れを覚悟し、少女は身構える。しかし、鈍い様な鋭い様な音が響き、この場の空気が変わる

 

襲撃者達は音の出どころに目を向け、その光景に戸惑う。仲間の1人に、首の後ろから腹にかけて、剣が突き抜けていたのだ

 

すぐさま周囲の警戒を強め、事切れた仲間の死体から剣を引き抜こうとするも、身体を穿いたままの勢いで地面に深く突き刺さっており、3人掛かりでもびくともしない

 

その間に索敵係が、突如出現した生体反応を確認するも、それを伝達する前に反応の主が、仲間の上から勢い良く落ちてきた

 

剣に重なる様に落ちてきたそれを確認すべく、舞い上がる土煙に襲撃者達が包囲する。徐々に煙がはれ、落下地点の惨状を目の当たりにした

 

剣を引き抜こうとした3人が踏み潰され、その上には純白の鎧を身に着けたエルフが立っていた。そして剣を地面と死体から引き抜き、襲撃者達へと構えた

 

 

 

 

 

 

 

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