Rimworld 四天王の軌跡   作:壺大好き大佐

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1話目その2

姿を現したエルフに対し、すかさず狙いを定める襲撃者達。だが引き金に掛けた指を動かそうとした時には、既に仲間の1人に剣が突き刺さっていた

 

目にも留まらぬ速さで得物を投擲したエルフは、ぐっと脚に力を込め襲撃者達の陣形に飛び込む。その勢いのまま着地点に居た相手2人の頭を鷲掴みにし、飛来する銃弾から身を護る肉盾とした

 

同士討ちを恐れた襲撃者達がたじろぐのもお構い無しに、エルフは1番近い相手に右手で掴んだ仲間を押し付け、続けざまに蹴り飛ばす。爆風に巻き込まれたかの様に吹き飛ぶ襲撃者達は、その先の木にぶつかり、ぐったりと横たわる

 

続けて左手で掴んだ相手を真上に放り投げ、魚の様な尻尾へ掴み直す。そのまま目の前に居る仲間へと振り下ろし、相手ごと地面に叩きつけた

 

身体を捻り、掴んだままの相手を背後の襲撃者達へ放り投げる。そして思い出したかの様に、突き刺さったままの剣を取りに行く。それを逃すまいと襲撃者の1人が、剣を手に取る瞬間を狙う

 

しかし指を動かす前に、襲撃者の体が前のめりに倒れ込む。仲間が目を見遣ると、後頭部に銃弾が貫通した形跡が残っていた。それを確認した直後、上空から推進器が発する爆音が鳴り響く

 

空を覆う雲から宇宙船が姿を現す。その船体後部に有る格納庫のハッチから覗く人影、兎耳を生やした軍服姿のラビ族の少女が、スナイパーライフルで狙撃を行なっていた

 

さらなる襲来に襲撃者達の混乱が広がり、リーダー格がロケット砲持ちの攻城担当に宇宙船の撃墜を指示するも、担当者は仲間を次々と切り刻むエルフを優先すべきと意見が割れ、その攻城担当も狙撃され反撃もままならない状況となった

 

リーダー格が仲間達に退却を指示を促し、周囲の部隊がそれに続く。しかし前衛の者達は、移動を開始した部隊との間に位置する逃走経路のド真ん中で暴れ回るエルフに恐怖し、冷静さを欠いた残党が、当初の目的であった襲撃地点の建物へ突撃する

 

上空からの狙撃と背後から聞こえる斬撃音…先頭を駆ける者が振り向いた時には仲間が全員倒れており、息が乱れる様子も無いエルフが、最後の1人に笑みを浮かべながら迫りくる

 

不意に尾ひれを掴まれ、体勢を崩して頭を地面に打ち付ける。見るとラットキン族の少女が、残り僅かの力を振り絞って握り締めていた

 

「行かせ…ない…!」

 

少女もまた必死だった。捕まった襲撃者も振り解こうともがくが、掴まれた部分から少し離れた所に表れた鋭い痛みが、抵抗を止めさせる

 

襲撃者の傍には、尾ひれに剣を突き立てたエルフが見下ろしていた。そして笑みを崩さぬまま片脚を上げ、襲撃者の頭を踏みつける

 

ヘルムが陥没し、赤い液体が飛び散る。短い痙攣が断続的に繰り返された後、遂に動かなくなった襲撃者の頭から脚を退かし、エルフは辺りを見渡す

 

夥しい数の死体に、自分の直ぐ側の建物、その向こうに着陸する宇宙船を確認したエルフは安堵の表情を見せ、ラットキンの少女とバンの男を担いて建物へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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