「ご飯出来たー?」
「コーゼズ!戻って来なさいって!」
次の日の朝を迎え、四天王の面々が依頼の準備に掛かる。といっても、シャワーを浴びたり朝食の用意等、至って普通の日常サイクルの一部を行なっている程度であった
「ちゃんと拭いて着替えないと、いつものやつ減らしちゃうからね」
「むー!ユミねーちゃんのケチ!レストラン!NAOKI!」
「ほーら、足元水滴溜まってるじゃない。風邪引かれちゃ面倒なんだから…」
湯上がり後禄に拭き終えず、裸のままダイニングに飛び込んだコーゼズに、ユミは調理の手を止めず注意する。その後一緒にシャワーを浴びていたパンジーに抱きかかえられ、洗面所に連れ戻された
「朝から元気だな」
「おはようございます!」
「おはよう。いつもながら良い匂いだ、腹が減るなぁ」
木の実や果物を詰め込んだ籠を担ぎながら、モリアネンが部屋へ入って来る。誰よりも早く起きた彼女は、周囲の警戒を兼ねて食料になりうる物を採って帰ってきたのだ
「いつもありがとうございます!」
「私に出来るのはこれ位だからな」
「あっ!モリねーちゃんおはよー!」
「おはよ。シャワー空いたわよ」
「おはよう。後で入るとしよう」
着替え終わったコーゼズとパンジーが合流し、調理した料理を配膳する頃に、朝の挨拶と共にサラも入室する。全ての料理が並んだ所で皆が席に着き、食事を始めた
目の前の料理を食べ尽くす勢いで掻っ込むモリアネン、小動物の様に頬張るコーゼズ、茹で卵や肉団子を1つずつ呑み込むパンジー、上品にスープを啜るサラと、各々の様々な食べ方が見て取れるが、皆美味しそうに食べていた。それが嬉しかったのか、ユミの食べる手も嬉々と進んでいた
全員食べ終わり、モリアネンはシャワーを浴びに、ユミとコーゼズが片付け、パンジーが渋々皿洗いをこなす。そこへ、プラスチック製のケースを手にサラが戻って来た
「皆さん、小型通信機の調整が終わりましたので、渡しておきますね」
スパイスティーの容器を仕舞い込んでいたユミの元へ、ケースから小さな機器を取り出したサラが近寄り、彼女に手渡す。受け取った物をよく見ると、髪留めに近い形のクリップと一体化しており、耳に挟むようになっていた
テーブルの布巾掛けと皿洗いが終わったコーゼズとパンジーも通信機を受け取り、感度調整を行う。身を清めてきたモリアネンも後から参加し、順次装着を完了する
「うむ、付け心地も悪くない。流石の出来栄えだ!」
皆が外へ向かう中、機械音痴な為サラと2人で何とか調整を終わらせたモリアネンが誉める。素っ気なく流そうとするサラの頭に手を置き、優しく撫でる
「また無理をしたんじゃないか?その身体になっても、相変わらずだな。大丈夫、お前はお前だ」
行こうか、と部屋を出るモリアネンの背中を見つめるサラの目は、どこか戸惑いと寂しさを感じさせる雰囲気であった