Blue Archive -Ancient Japan-   作: 宵月醍醐

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ブルアカメンテでできなかったので、初投稿です。
今回から、メインストーリーに入ります。


第2話 シャーレ銃撃戦 (1)

 ──連邦生徒会事務局──

 

 連邦生徒会室のロビーで、目を覚ました彼、‘‘先生’’。

 彼は、連邦生徒会幹部の七神リンからキヴォトスについての説明を受け、レセプションルームへ移動した。

 そこには各学園の幹部級の生徒が待ち構えており、リンが追求されている様子を眺めていた。

 

「この前なんか、うちの学校の風力発電所がシャットダウンしたんだから!」

 

「連邦矯正局で停学中の生徒たちについて、一部が脱出したという情報もありました」

 

「戦車やヘリコプターなど、出所のわからない武器の不法流通も2000%以上増加しました。これでは正常な学園生活に支障が生じてしまいます」

 

 先生は学園都市と聞いていたが、とてつもなく物騒なところだな、という感想を抱いた。

 おまけに、連邦生徒会長が行方不明、行政制御権の損失という話まで飛び出した。

 

「この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです」

 

 ‘‘私が?’’

 

 

 リンは、私が解決のフィクサーになると発言し生徒たちがざわついているが、私にそんな事を解決する能力があるとは思えなかった。

 

 

「ちょっと待って。そういえばこの大人の方、いえ、先生?がどうしてここにいるの?」

 

 ‘‘こんにちは’’

 

「こ、こんにちは。私はミレニアムサ……」

 

「先生は元々連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになりました。

『連邦捜査部』、通称『S.C.H.A.L.E(シャーレ)』。

 単なる部活ではなく、一種の超法規的機関。連邦組織のため、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒達を、制限なく加入させることすらも可能です。また、各学園の自治区で、制約無しに戦闘活動を行うことも可能です」

 

 生徒に挨拶をしている途中でリンの説明で阻まれてしまった。それにしても、

 

 ‘‘私はそんな権限が’’

 

 先生というからには、教職をイメージしていたがそんなことはなかったようだ。

 

 その後もリンは、シャーレについての説明を続けた。

 

 

「シャーレの部室はここから約30㎞離れた外郭地区にあります。今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令で、そこの地下に『とある物』を持ち込んでいます。先生を、そこにお連れしなければなりません」

 

『モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど……』

 

 

『シャーレの部室?……ああ、外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?』

 

「大騒ぎ……?」

 

 何か嫌な予感がする。

 

『矯正局を脱出した停学中の生徒が騒ぎを起こしたの。そこは今戦場になってるよ』

 

「……うん?」

 

『連邦生徒会に恨みを抱いて、地域の不良達を先頭に、周りを焼け野原にしてるみたいなの。ああ、今はその場にいた秋津島学園の兵部局と交戦してるみたいだよ。戦車まで持ち出して』

 

 まるで私には関係ないと言うかのように軽い調子で状況を説明するモモカ。

 

 いや、それはあなたの仕事じゃないの……?

 

 

『それで、どうやら連邦生徒会所有のシャーレの建物を占拠しようとしてるらしいの。まるでそこに何か大事なものでもあるみたいな動きだけど?』

 

「……」

 

『まあでも、もうとっくにめちゃくちゃな場所なんだから、別に大した事な……あっ、先輩、お昼ごはんのデリバリーが来たから、また連絡するね!クロノスでもこのこと報道してるから、後はそっち見てね!』

 

 仕事より、昼飯か。

 

 チラッと、横に立っているリンの様子をうかがうと大分ご立腹な感じだった。

 

 

「……っ」

 

 ‘‘大丈夫?’’

 

「だ、大丈夫です。……少々問題が発生しましたが、大したことではありません」

 

 落ち着いているように見えるが、下手に触れない方が良さそうだ。

 すると、彼女がある一点を見つめていることに気がついた。

 リンの視線の先を追うと、携帯端末で報道を見ている4人の生徒がいた。

 

「ほんとね、大規模な戦闘がおきているわ」

 

「戦車もいるようですね。厄介です」

 

「この戦車は、うちの学園の制式戦車と同じものの様に見えますね。おそらくは不正流通したものでしょう」

 

「秋津島学園の部隊は大分劣勢なようです。D.U.内の事件ですが、ヴァルキューレは出動しないのでしょうか?」

 

 リンはにっこり笑うと、4人の方へ近づいていった。

 

「……?」

 

「な、何?どうして私達を見つめてるの?」

 

「丁度ここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので、私は心強いです」

 

 ‘‘まさかとは思うが.’’ 

 

「……えっ?」

 

「キヴォトスの正常化のために、暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。行きましょう」

 

「ちょ、ちょっと待って!?どこに行くのよ!?」

 

 リンは彼女たちを連行して、部屋を出て行こうとする。

 私はその後を追った。

 

 

 

 

 

 

 ──シャーレビル前──

 

 

 

 

 

 

 ヘイローが浮かび、透き通る青空が広がるD.U.郊外。

 ヘルメットを被った不良たちと秋津島学園兵部局による銃撃戦が行われていた。

 

 バァン!

 

 鉄帽を被り、白色の記章の付いた深緑色の軍服を着た生徒が脳天への一撃を食らい、倒れた。

 同じ格好の生徒たちが倒れた生徒を物陰へ引きずっていく。

 

『第3小隊、小隊長負傷!狙撃手がいる!』

 

『第3小隊は後退!第2小隊は後退を援護!』

 

 ダダダッ!

 

 

 秋津島学園兵部局の制式小銃である64式小銃が一斉にスナイパーがいると思われる方角へ火を噴いた。が、見当違いの位置だったようで、再び狙撃によって生徒が倒れる。

 

『第10分隊長、被弾!』

 

「大隊長!このままでは5,6小隊に続いて第3小隊も壊滅します!撤退すべきです!」

 

 少し離れたところにいた第1小隊。通信機を握っていた1年の生徒が、損害の多さから大隊長へ撤退を上申した。

 他の生徒たち、特に1年生は不良に鉛玉をたたき込みながら、撤退という言葉が大隊長から発せられることを期待し、聞き耳を立てた。

 

「それは無理。負傷者が多すぎる」

 

 黄色の記章がついた深緑色の軍服に身を包んだ小柄な茶髪の少女、秋津島学園兵部局坂上隊隊長‘‘坂上マコ’’はぶっきらぼうに答えた。

 その言葉に、1年生は落胆したが、2.3年生は動じず、鉛玉をひたすらたたき込む。

 

「おまけに、テラ様が狐を追っかけて連邦のビルの真ん前にいる。あの方を見捨てて撤退はできない。踏ん張るぞ」

 

「そ、そんなー」

 

 1年生の通信官が半泣きで言うのを聞いたマコは、私も泣きたいよ!と心の中で叫んでいた。

 

 ‘‘あの狐に対して突っ込みたいことはあるけど、こっちのことも考えてよテラ様!’’

 

 と、心の中で天津テラへ文句を言いつつ、マコは不良を倒して離れた位置のテラとの合流を目指そうとする。

 

『第2中隊より大隊本部。敵戦車後方より出現。数2。第5,6小隊残存と交戦中。至急援護求む』

 

 そこへ、マコの頼れる部下、第二中隊長田村スズカが淡々と敵戦車の出現を告げる。

 交戦当初、戦車によって戦力の大半を失っていた第5,6小隊の残存は必死に抵抗したが、再度現れた戦車によって吹き飛ばされた。

 わずか数分の出来事での損害に、マコは思わず顔をしかめる。

 

「損害報告!」

 

「第5,6小隊通信途絶!輸送車2台大破!」

 

 通信官が泣きそうにながら報告を挙げる。

 

 ‘‘ここまでか?精鋭である私たちがたかが不良ごときに負ける?’’

 

「総員、着剣!突撃用意!第二中隊残存の後退を援護!敵戦車へ突撃し、撃破する!」

 

 マコは、せめて戦車だけでも撃破しようと、突撃の用意をさせることにした。小銃に銃剣*1では、適わないことはわかっていたが、プライドがたとえ戦車を持っていようとも、不良ごときに負ける事を許さなかった。

 

「第二中隊、および後方にいる分隊に伝達!」

 

「はい!!」

 

 通信官は、泣きべそをかきながら、第二中隊に後退するよう命令を伝えた。

 

「帰ったら、始末書かな……」

 

「だ、大隊長。第8分隊が、残っている擲弾筒で戦車の撃破を試みるといっていますが。どうしますか?」

 

 独り言を呟いていると、通信官が第8分隊の上申を伝えてきた。

第8分隊は、他大隊から転属してきたばかりであったが、古参揃いで経験豊富な分隊であった。彼女らなら、なんとかなるかも知れないと、マコは淡い期待を抱いた。

 

「許可する。やれることは全部やっておけ」

 

「わかりました!」

 

『大隊本部より第8分隊、敵戦車に対し……』

 

 ‘‘これで撃破できたらいいけど、そんな虫のいい話ないよね’’

 

 マコは、通信を聴きながら撃破できたらいいなーと、いう願望を抱きながら、拳銃、刀を抜き、突撃に備えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『第8分隊より大隊本部~。敵戦車、2撃破~!増援も来ました~』

 

「なに!?」

 

 諦めかけていたところに入った通信にマコは驚いた。対戦車火器のない状態で1両どころか、2両もの戦車を撃破したのだ。

 

「増援?」

 

「通信機を貸してくれ」

 

「あ、はい」

 

 通信官から通信機を受け取ったマコは、第6分隊に増援部隊について尋ねた。

 

『大隊長より、第8分隊。増援はどこの隊だ』

 

『ほへ!?大隊長~!?れ、連邦!連邦生徒会からの増援です~!』

 

『は?』

 

 マコには戦車をすべて撃破できただけでも驚きだったのに、増援、それも連邦生徒会からだと聞き、何が何だかさっぱり理解できなかった。

*1
62式機関銃などを装備している生徒もいたが、撃破もしくは故障により戦力になっていない。




次回は、先生たちの視点。
今回でストック切れたので、次回の投稿は少し遅くなります。

感想お待ちしてます。


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