Blue Archive -Ancient Japan-   作: 宵月醍醐

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大分投稿遅くなりまして申し訳ありません。
リアルが立て込むと書く時間はともかく、推敲する時間が取れないですね。
あまり遅くならないよう頑張ります。

今回の復刻イベントで、キャスパリーグのことをようやく知ることができました。
カズサかわいい!レイサもいい子ですね。
ガチャから出てくれなかったけども!





第3話 シャーレ銃撃戦 (2)

──D.U.外郭地区シャーレ部室付近──

 

 リンに拉致、もとい連れ出された4人と先生は連邦生徒会のヘリでシャーレ部室付近までやって来ていた。

 

「なんで私たちが不良たちと戦わなきゃいけないの!!」

 

 ヘリの中で改めて自己紹介して貰った、ミレニアムサイエンススクールセミナーの早瀬ユウカが叫ぶ。

 

「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、あの部室の奪還が必要ですから……」

 

 ヘリが着陸しようと、高度を下げている最中にも叫んでいるユウカを宥めようと、ゲヘナ風紀委員会の火宮チナツが声を掛ける。

 

「それは聞いたけど……!私これでも、うちの学校では生徒会に所属してて、それなりの扱いなんだけど!なんで私が……!」

 

 ユウカが叫んでいるのが聞こえたのか、不良が銃撃を加えてきたが、話しているユウカは気がつかずに被弾した。

 

「い、痛っ!」

 

「隠れてください、ユウカ。しかし、このままではヘリから降りるのは困難です」

 

 トリニティー総合学園正義実現委員会の羽川ハスミが、ユウカへ扉の裏へ隠れるよう促しつつ、不良たちの弾幕の厚さに降りられないと判断した。

 

『しっかり捕まってください!回避しつつ、高度あげます!』

 

 このままでは危険だと、パイロットは判断したようだ。

 ヘリのコクピットからの無線が流れると、ヘリは急機動でその場から遠ざかるようにして高度を上げた。

 

 皆、どこかしらに捕まってはいたが、急機動で盛大に揺られてしまう。

 

 先生は、揺れるハスミやチナツの胸を直視してしまい、目をそらした。

 

 銃撃の届かない高度に到達したのか、ヘリの機動が安定した。

 

「機長、機体に目立つダメージなし!燃料漏れもなし!」

 

「副機長、ありがとう」

 

『先生、現場付近に降りるのは危険です。少し離れたところに降りるしかありません。それでよろしいですか?』

 

 "わかった。でも、降りる前に上空から現場を見てもいいかな?"

 

『……了解です。先生は一発でも被弾したら危険ですので、身を乗り出さないように。地上の無線が傍受できましたら、そちらに流します』

 

 "ありがとう"

 

 先生は、ヘリの機長に頼み込んで降りる前に現場を上空から確認することにした。

 

 ライフル程度の小火器ならば当たらない高度に上がったヘリから、先生と生徒たちは地上の様子を観察する。

 

「あそこがシャーレの部室でしょうか」

 

 トリニティー総合学園自警団の守月スズミがあるビルを指さした。

 

「おそらくそうでしょう。ビルの前で誰かが戦っていますね」

 

 ハスミがそれを肯定する。

 

 確かに目をこらせば、誰かが戦っている様子が見える。

 

 "よく見えたね"

 

「狙撃手ですから。この程度なら観察できます」

 

 "なるほど。すごいね"

 

 先生が、ハスミの視力の良さに感心していると、操縦室から通信が入った。

 

『先生、地上の通信を傍受しました。あまり気分の良いものでは無いと思いますが……どうなさいますか?』

 

 ”ありがとう。聞かせてくれるかな”

 

『わかりました。全員のヘッドホンに流します』

 

 パイロットが渋っていたが、その理由は無線を聞くとすぐにわかった。

 

『第9分隊!分隊長被弾!』

 

『第15分隊より中隊本部。機関銃残弾なし。繰り返す、機関銃残弾なし』

 

『第5小隊、次席指揮官負傷!今後の指揮は、ぎゃっ!?』

 

「秋津島は、なかなかの損害を受けているようです」

 

「今戦っているのは、トリニティ、ゲヘナの正義実現委員会や風紀委員会と同等の組織じゃない!?どれだけ不良たちが強いのよ!?」

 

「不良相手にこの損害は大きすぎます。報道どおり、戦車があるようですね」

 

「っ!状況がさらに悪化したようです」

 

『第二中隊より大隊本部。敵戦車後方より再び接近。数2。第5,6小隊残存と交戦中。至急援護求む!』

 

 生徒たちが状況について話している間に、戦車が現れたようだ。大きな砲撃音が二回響いた。

 

 

 ドオォン!

 

 

 ドオオォン!

 

 

『第8分隊より、大隊本部。第5.6小隊残存全滅。敵戦車健在』

 

「……いまの砲撃でもっとやられたようです」

 

「戦車はどこにいるのよ!やっつけないと私たちも危険よ!」

 

 ‘‘あれかな?’’

 

 先生が不良たちの戦車とおぼしきものを指差す。

 

「クルセイダーⅠ型……!私の学園の制式戦車と同じ型です」

 

 ‘‘それじゃ、弱点もわかるね?’’

 

「え、ええ。後部のエンジンか、装甲の薄い部分を打ち抜くことができれば撃破できる可能性はあると思います」

 

 ‘‘私が指揮を執る。今から私の指示に従って。’’

 

 先生は、これ以上生徒が傷つくことを阻止しようと、自ら戦闘指揮を執ろうとする。

 

 先生はキヴォトスの外から来た人であり、弾丸一つで死ぬかも知れない。

 だが、先生というものは自分よりも生徒が大事な人である。

 

「生徒が先生に従うのは自然ですね。よろしくお願いします」

 

「わかりました。これより先生の指揮に従います」

 

「先生、危ないことはしないでくださいね!」

 

 ‘‘わかった。ヘリから降ろしてくれるかな?’’

 

『わかりました。敵戦車の後方に降ろします。ご武運を』

 

 

 

 

 

 ──シャーレ前通り シャーレより1.2キロ地点──

 

 

 

 

 

 横転した車の陰に深緑色の軍服を着た4人の生徒が身を潜めていた。

 

「分隊長~、大隊本部に報告したよ~」

 

 背中に通信機を背負った通信官が、分隊長に報告を終えたことを伝える。

 

「ありがと。転属そうそう、こんな目に遭うとはね。擲弾残弾は?」

 

 分隊長と呼ばれた少女は、しかめっ面をして溜息をついた。

 坂上大隊第一中隊に所属する彼女たち第8分隊は、不良操る戦車に奇襲され半壊した第二中隊の5,6小隊の援護を行っていたが、結局壊滅したうえ、原隊に合流できずに孤立していた。

 分隊長は、擲弾手二人に擲弾筒の残弾数を尋ねる。

 

「私は、残り1だよ」

 

「ん、同じく」

 

 残念ながら、残弾はそれぞれ一発。戦車撃破を狙うには厳しい数だった。

 

「これじゃあ、1両できるか、できないかだね。どうしよっか」

 

 分隊長は、1年の頃から分隊を組んできた仲間たちを見回しながら尋ねた。3年間、いろいろな部隊で任務にあたったが、こんなピンチは初めてだった。

 

「分隊長の~お好きなように~」

 

「いつも通り、分隊長に従うよ」

 

「ん、同じく」

 

 こんなピンチでも仲間のいつも通りな感じを見て、分隊長は真剣に悩んでいるのが馬鹿みたくなり、しかめっ面するのをやめた。

 

「りょうかい。それじゃ、まずは擲弾で1両潰す。もう1両はとりついて乗員を潰そっか。最悪、二中隊残存が後退する時間を稼げればいいしね」

 

「さんせ~い!」

 

「賛成!」

 

「ん、同じく」

 

「よし、第8分隊。行くぞー!」

 

 その場でたてた作戦に、皆賛成した。分隊長のかけ声で第8分隊は攻撃位置へと散らばっていった。

 

 待つこと、2分。

 

「きた!合図!」

 

 先ほど、隠れていた車のそばまで戦車2両がやってきた。ビルとビルの隙間に隠れていた分隊長は、一緒に隠れていた茶髪の通信官に合図を出した。

 

「りょうか~い!」

 

 

 ヒュー

 

 

 信号弾が撃たれ、赤い光が空中に浮かぶ。

 戦車に乗っている不良は、信号弾に気づいて周りを見回していたが、第8分隊には気づいていなかった。

 

 

 ポンッ

 

 

 ポンッ

 

 

 ドカーン!

 

 

 戦車の側面を狙い、左右それぞれから擲弾が発射され、1両目の戦車のキャタピラーを直撃、動きを止めることに成功した。

 

「よしッ!第8分隊突撃ぃー!」

 

 分隊長は、戦車の動きを止めたことを確認すると、突撃を指示し、64式小銃をぶっ放しながら先頭に立って突撃した。

 

 撃破できなかった戦車は、後退しつつ機銃を発射したが、慌てて狙いも付けずに撃った弾が当たるはずもない。

 

「あんな照準で~当たるわけがないですよ~」

 

「それフラグ!」

 

 横で通信官が不吉なことを言ったが、不安になるからやめて欲しいと分隊長は思った。

 

 動きを止めた戦車から脱出しようとしている不良へ銃撃を加えて行動不能にしつつ、後退していく戦車を追撃する。

 

 

 ダダダッ

 

 

 機銃を避けるため、擱座した戦車の物陰に通信官と2人で隠れる。

 

「主砲を撃ってこない?」

 

「弾切れか~?」

 

 残る戦車は、機銃しか撃ってこなかった。弾切れか、それとも

 

「欺瞞の可能性もある。もう少し近づいて確かめ……」

 

 

 ドオォンン!

 

 

 言い切る前に戦車の主砲が火を噴き、擲弾手2人が隠れていた車ごと吹っ飛んだ。

 

「欺瞞だったね~」

 

「二人ともやられたか……。火力が減っちゃった」

 

「ね~。残弾無いよ~」

 

 擲弾手2人がやられ、火力が半分に減ってしまった。元から乏しかった勝率が減ってしまった。

 もともと撃破より時間を稼ごうとしてはいたが、もくろみはあっさりと消えそうだった。

 

「しょうがない。突撃するか。本隊がどうにかする時間を稼ぐよ」

 

「だね~。がんばろか~」

 

 通信官も同じ事は考えていたようで、突撃に賛成してくれた。

 

 腰に付けていた銃剣を取り出し、小銃にとり付ける。老朽化で部品が取れやすくなっているのでテープでの補強が大丈夫か確認する。

 

「まだ、気づかれてないみたいだね~」

 

 戦車は、こちらに気づいていないようだった。死角から近づけば、

 

「よし!とつげ……」

 

 

 タァーン!

 

 

 タァーン!

 

 

 ボカァン!

 

 

 突撃の号令をかけようとしたとき、戦車の後方から発砲音が聞こえたかと思えば、戦車のエンジン部から火が上がり、爆発した。

 前方のハッチから脱出しようとした不良もいたが、短機関銃のものと思われる銃撃を受けて、その場に倒れた。

 

「援軍です~?」

 

「そんなの聞いてない!敵か味方か」

 

 撃破された戦車の後から、ミレニアムとゲヘナ、トリニティの制服を来た生徒が歩いてきた。だが、先ほど倒した不良の中にもそれらの制服を着た連中がいたので分隊長は警戒を解かなかった。

 

「っ!武器を捨てて両手を挙げろ!」

 

 分隊長は、物陰から飛び出し、歩いてきた生徒に銃を突きつける。

 ミレニアムの生徒が素っ頓狂な声を上げる

 

「うえぇっ?私たちは味方よ!?」

 

 ‘‘そんなに興奮しないで’’

 

「……大人?」

 

 生徒たちの後から、連邦生徒会の白いジャケットを羽織った大人が歩いてきた。

 

「大人の人だ~。分隊長、悪い人たちじゃなさそうだし~いいじゃないです~?」

 

「……それもそうだね」

 

 物陰から通信官も出てきてしまった。通信官の言うとおり、敵対的ではなかったので武器を下ろす。

 

「申し訳ありませんでした。我々は、秋津島学園兵部局第一大隊第一中隊所属第8分隊です。援護ありがとうございます」

 

「ありがとうございます~。第二中隊が壊滅したタイミングで困っていたので助かりました~!」

 

 武器を向けたことを謝り、助けてくれたことのお礼を言った。

 

「わ、わかったならいいわ。私は、ミレニアムセミナーの早瀬ユウカよ」

 

「ゲヘナ風紀委員会の火宮チナツです。連邦生徒会の頼みで来ました。もう一人、正義実現委員会の方がいます」

 

「私は、トリニティ自警団の守月スズミです。私たちは、先生をシャーレのビルにお連れする途中です」

 

「シャーレ?連邦生徒会が作った部活の?」

 

 ‘‘うん。私が顧問として赴任した先生’’

 

「先生ですか……。よろしくお願いします」

 

「分隊長~、大隊長が援軍を連れきて~って」

 

 通信官は、分隊長が先生と話している間に大隊長と通信していたようで、命令を伝えてきた。

 

「先生、私たちの部隊の隊長がお呼びです。一緒に来てくださいますか?」

 

 分隊長は、先生と同行している生徒3人、いや、スナイパー(羽川ハスミ)も含めて4人を大隊長のところへ連れて行くことにした。




戦闘描写、もっと上手くなりたいですね。
もう2.3話、プロローグ続く予定ですが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです。

諸事情により、次回更新は7月末頃の予定です。
誠に勝手ですが、気長に待っていただけると幸いです。


感想、誤字報告お願いします。


今回の更新に合わせて、他の話を一部修正しました。
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