ランチラッシュのサイドキックは正義の味方   作:アイン_BD’sR

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パッと思いついただけの作品です。
ヒロアカは最近一気読みしたのでキャラの口調とかおかしければ教えてくれると助かります……
他の作品については……うん、迷走してます。
もう少しお待ち下さい……


第1話 3種のおにぎり

 

 

 

 

 

 

 

 国立雄英高等学校。現No.1ヒーロー『オールマイト』やNo.2『エンデヴァー』など現代社会において欠かせないヒーロー達を輩出した超名門校。その高校は常に忙しなく、ヒーロー科に至っては通常6限に対して7限まで遅くまで授業がある。正しくヒーロー科に特化した学校である。

 その忙しい日々の中で唯一の安息の時間とも言える1時間……昼休みは学校のある一箇所のみ戦場に化ける。その場所とは……

 

 

「衛宮君!日替わり3……いや、6お願い!2つは多めに!」

「わかりました。3つは先にできてるのでそれを。」

 

「衛宮先輩!卵残り2パックしかありません!」

「昨晩の在庫確認を間違えたか……わかった。君は買い出しに行ってくれ。その間の仕事は俺がやっておくから。」

 

「えみやーん!まーたランチラッシュさんが生徒とおしゃべりしてるぞー!」

「……はぁ。その分俺がフォローに入る。その間に連れ戻してくれ!」

 

 

 ここは戦場。クックヒーローランチラッシュが運営する雄英の食堂。その人の波は数年前から急増した。その理由は今もキッチンで技を繰り出す1人のサイドキック。

 

 『衛宮士郎』の存在だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何度も言ってるけど、昨日の飯田くんは本当凄かったね!」

「……いいや!麗日くんの助けが無ければあれは出来なかった。元々かなり混雑している食堂……あの時に手が届かなかったらどうなっていたか……とても感謝している!」

「でもおかげでみんな安心できたし、結果オーライだ!それより今日のご飯決めないと時間無くなっちゃうよ!」

 

 お盆を持つ3人が各料理のプレートが書かれた窓口の前で立ち止まる。今年入学したヒーロー科の1年A組。倍率300倍を乗り越えて入学してみせた数少ない生徒の中の3人。それがこの緑谷出久、飯田天哉、麗日お茶子である。

 昨日マスコミが『何故か』校内に侵入した事により警報が起動。食堂でパニックになった生徒達を治めたのが飯田天哉であった。かなり目立つ行動をしたのに周りから何も反応が無いのは壁に張り付いた時とは違い眼鏡を着けているからか。

 

「立ち止まってると周りの迷惑になるぞ。」

 

 雑談をしながらどの料理にしようか悩んでいる3人の背中から声が掛かる。困った様な優しい声だったが、突然話しかけられると誰でも驚くだろう。3人も例外ではなかった。

 驚きながら振り向くとそこにはごく一般的な白い肌に所々火傷の様な痕を左側に残す顔。赤銅色の髪と一箇所のみ白の髪が混ざっている何処かクラスメイトの1人を思い出す様な青年が立っていた。

 

「え、衛宮さんっ!?」

「……誰だ?」

「私にもわからないけど……デクくん知り合い?」

 

 三者三様な反応をする様子を見て衛宮と呼ばれた青年は苦笑いをした。『ヒーロー』である身としては知名度が1/3なのが少し悲しいが「しょうがないか」の一言で衛宮は納得する。その1/3である緑谷のみは目をキラキラと光らせ、彼の正体に『気が付かない』2人に解説するかのよう特有の早口で語り始める。

 

「衛宮士郎さん!この食堂を運営しているランチラッシュのサイドキック!料理の腕前と柔軟なサポートを認められて事務所に入ってから僅か数ヶ月でサイドキックにまで登り詰めたヒーロー……でもそれだけじゃなくてデビューしてからサイドキックになる前に…………」

「ヒーローだったんだ!」

「ム!道の真ん中で立ち話を……すみませんでした!」

 

 ブツブツとひたすらに話し続ける緑谷を引き摺りカッチリした動きで飯田が端に寄る。そんな2人に着いていく麗日は「あ!」と声をあげて衛宮に振り向き、話し始める。

 

「えー……っと。衛宮さん?もここでお料理するんですよね。どのお料理を担当しているんですか?今日のごはん悩んでいて……」

「ん?あぁ、俺はあそこの端っこにある『日替わり』だ。」

 

 衛宮はそう言うと食堂の端にある日替わりの文字が書いてある看板が目立つ場所を指差す。そこには人気メニューなのであろう『カレー』や『ラーメン』、『ハンバーグ』に勝るとも劣らない人数が並んでおり、麗日は口に手を当て驚いてみせる。

 

「わわ!結構並んでる……!でも日替わり……?こんなに種類があるのになんで日替わりを選ぶ人があんなにいるんですか?」

「それがな、かなりいるんだ。君たちも『今日何食べたい?』って聞かれた時『なんでもいい』って答えた事が何回かあるだろ?実際あれは食べたい物を悩んだ末に決められないから『なんでもいい』なんだ。だからこそ、そんな悩んでいる時間があったら自分の時間にしたいと思う人の為の日替わりメニューを作ったんだ。」

 

 一通り説明した衛宮は食堂の時計を見てそそくさと厨房へ戻っていった。そんな後ろ姿を見ながら麗日は暴走している緑谷とそれを宥めている飯田に振り返る。

 

「ね!今日はみんなで衛宮さんの『日替わり』にしない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「衛宮さーん!日替わり3お願いします!」

「……おっ?あの子達は……わかった!すぐ作る!」

 

 

 

 具材は作る前にあらかじめ用意しておく。

 まずは基本的な梅。そのまま入れてもいいが今回は種を取り出し、包丁で叩く。急いでいる人もいるだろうし種無しでいいだろう。ここで胡麻とか薬味を入れて叩いても美味しいが今回はシンプルにそのままで。

 次にツナマヨ。シーチキンの缶詰を開き蓋で身を押さえながら油を切る。この時にしっかりと油を取らないとご飯に染み込みギトギトしたご飯になってしまう。さらに握る時と食べる時にご飯がくっつかなくなるのでしっかりと油を切らないといけない。油が落ちなくなったらボウルに移しマヨネーズを加えて混ぜる。量は1:1がベスト。これに一味加えたい時は醤油か出汁醤油などがおすすめだ。

 続いておかか。醤油とみりんを鍋に入れ弱火一煮立ちさせる。1分程度煮てアルコールを飛ばしたら鰹節を入れ焦げないように混ぜる。ある程度水気が飛び、しっとりとする位になったら火から下ろしてゆっくりと冷ます。

 これで下準備は終わりだ。

 

 

 握る前に手を入れられる塩水と具材に海苔、少し冷ました硬めに炊いたご飯を置いておく。握る時はスピード勝負だからな。まず片手を塩水に入れ少し強めに水を切る。(手にご飯がくっつかない程度が丁度いい)もう片方の手でご飯を塩水に潜らせた手に乗せ続けて具材をご飯の中心に置く。この時に乗せる量は多めがいい。あまりに多く乗せ過ぎなければ基本握る事ができるので問題ない。

 そして具材の上に更にご飯を乗せる。乗せた後すぐにご飯を持っていない手を塩水に入れ今度は水を軽く切って握り始める。そうする事でご飯自体に塩味をつける事ができる。握る時のコツとしてよく2.3回しか握らないとか、軽く抑える程度とかがある。あれらは表面の米を潰さない様にするのと、中に空気を含ませるためだ。握り方がよくわからないという人は『1回目は具材を閉じ込める』『2.3回目は形を整える』を意識して優しく握るとやりやすい。

 最後に海苔を巻き、どの具材が入ってるかわかるよう少しだけ具材を頭に乗せたら……

 

「お待たせしました。今日のごはんは『3種のおにぎり』です。」

「おぉ!おにぎり!しかもてっぺんに具材が乗っていて豪華!」

「テレビに出る高級おにぎりのお店とかで見るやつや!」

「そこに沢庵とかお茶があるから欲しければ取っていくといい。」

「ありがとうございます!」

 

 お礼の言葉を言いながら90°のお辞儀をする飯田と共に3人はテーブルへと向かう。緑谷としては憧れの対象であるヒーローともう少し話したかったが後ろに列ができてしまっては退かざるを得ない。セルフの麦茶と一口大の沢庵を2枚ほど取り席に着く。

 

「それでは早速頂くとしよう。」

「そうだね。それじゃあ……」

 

「「「いただきます。」」」

 

 3人が各々好きな具材の入ったおにぎりを手に取る。握り方によるものか手に取るだけで軽く指が沈み込み、ふっくらと握られている事がよく分かる。そんな柔らかいおにぎりを崩さないようにゆっくりと口元へ運び外側に出ている具材と共に一口。

 

「……!す、凄い……」

「うん……!お米が解けるというか……すごく心地いい食感!ウチこんなおにぎり初めてや!」

「それに具材も凄いな……見栄えや中身がわかる様にあると思っていた外側の具材!これのおかげで米単体で食べる事がなくなっている!俺の食べたおかか……味が濃いがそのおかげで米とよく合うな。具の量自体も少し抑えめで飽きを感じない!」

「僕はツナマヨだったけど、ぎっしりと具材が詰まってて食べ応えがあるよ!油っこいと思ったけど全然そんな事ない……幾らでも食べれそう!」

「私は梅〜!すっぱさがお米で和らいでとても食べやすいよ!酸っぱくなり過ぎない様に他に比べてお米が多めだし、凄くいいバランスだー!」

 

 それぞれが選んだ具材を褒めながらどんどんと食べ進めていく。そんな様子を遠くから見ていた衛宮は懐かしむ様な優しい笑顔を見せて……

 

「『アーチャー』くんっ!何してるのー?」

「うおっ!?……ってランチラッシュさんですか。此処では衛宮でお願いしたじゃないですか……」

「ごめんごめん!……ん?あれは……A組かい?」

 

 ……無防備な背中から上司に揶揄われていた。

 

 

 

 

 

 

「「「ごちそうさまでした!」」」

 

「いやぁ、実に美味しかった!おにぎり3個で足るのかと考えていたが意外とボリュームがあった!」

「うん!僕はお腹いっぱいになっちゃったよ〜!」

「……そういえば気になっていたんだけどさ。」

 

 食べ終わった感想を言い合っていると突然麗日が思い出したかの様に話しかける。

 

「さっきの衛宮さんって本名だよね?なんでヒーロー名で呼ばれないのかな?」

「あ、それはね!」

 

 これに緑谷が反応する。先程の衛宮との会話で彼のことを知っているのは緑谷だけと理解していたので麗日の質問も緑谷に向けてだろう。

 そして緑谷は懐よりスマホを取り出して1枚の写真を2人に見せた。

 

「2人共、このヒーローは知ってる?」

「あっ!知ってる知ってる!『アーチャー』だよね!この前テレビで取り上げられていたの見たよ!」

「うん……俺も知っている。あの『ホークス』並のスピードで名を上げているヒーロー……っ!?あの髪色はもしや!?」

 

 写真には頭に包帯の様なものを頭に血の様に赤黒いバンダナを巻き、片方の肩を露出する様に着崩した赤色の着物と赤い射籠手のコスチュームを身に纏うヒーロー。剣の(ブレイド)ヒーロー『アーチャー』の姿を見て2人は驚いた顔をしていた。

 それもそのはず。オールマイトやエンデヴァー、ホークスやジーニストといったヒーローランキング上位というわけではないが、デビューしてからメキメキと認知度を上げ、その戦い方と人当たりの良さから数年後にはランキング入りすると噂されている期待のヒーローなのだから。

 

「えっ!?ホンマに!?ホンマにあの『アーチャー』!?」

「う、うん。確かにコスチュームだと分かりにくい姿してるけど……」

「では何故『アーチャー』ではなく『衛宮』で呼ばれているんだ……?」

「そこは衛宮さんしか知らないらしいよ。ただ、コスチュームを着ていない時は『衛宮』で呼ばれているからファンからはオンとオフを切り替える為だって予想されてるんだ。」

「はぇ〜……凄い人やったんやね衛宮さん……」

 

 ちらっと衛宮の方を見る麗日。そこにはひたすらにランチラッシュに絡まれ苦笑いをしている姿があった。




最後まで読んでいただきありがとうございました!
士郎のコスチュームはプリズマイリヤドライの士郎にFGOのアサシンエミヤの様な包帯ぐるぐる巻きみたいな感じです。
反応良ければ続き書くかも〜?

2024/11/10:加筆修正しました。
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