ランチラッシュのサイドキックは正義の味方   作:アイン_BD’sR

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 また遅くなってしまいました……おっかしいなぁ、自分の中では9月までには投稿するつもりだったのに……
 というわけで11話です。短いかも?と思ってましたがプッタネスカ回が長かっただけですね。よかったよかった……

 あとヒロアカアニメヤバイですね!私は既にコミックで最後まで読んでいますが声が入ると違いますね!何処をとってもスゴイ!としか言いようが無いです……!


第11話 短時間で作る3種のサンドイッチ

 

 

「俺と爆豪に因縁?」

 

 緑谷と飯田、轟と八百万。4人が衛宮宅に訪れた日の事、剣道場にて行われていた特訓の休憩時間に緑谷は衛宮へ一つの疑問を投げかけていた。

 

「はい、知り合いだとか……」

「爆豪とはあの食堂の時が初対面だったな。まぁ、互いに互いのことを一方的に知ってたとは思うけど。」

 

 その回答にやはり疑問を抱いているのか、緑谷は顎に手を当て考え始めてしまう。普段の癖をよく見ていた衛宮はこれは長くなると思ったのか、結露して水滴をたくさん付けた氷入りコップを持ち手土産で貰ったスポーツドリンクを注ぎ入れ一口飲む。

 先程まで聞こえていた会話が消えて気になったのか、轟が近付き緑谷に声をかける。

 

「なァ緑谷、どうして2人の関連性を知りたがるんだ?」

 

 その言葉にハッとした緑谷は慌てて説明を始めた。

 

「ご、ごめんなさい!自分ばっかり考えちゃって。えぇと……期末試験で僕とかっちゃんがオールマイトと戦ったことは話しましたよね。」

「あぁ、まさかあのオールマイトさんから勝利をもぎ取ることができるなんて…‥本当に驚いたな。」

「そ、それは!ハンデとか勝利条件とかのおかげで……ってそうじゃなく、その時のオールマイトとかっちゃんの会話に衛宮さんの名前が出てきたので……」

「俺の?」

 

 

『あと20分くらいかな?さて……この暴れ馬たち、どう拘束したものか……』

『……っ』

『……うっ』

 

 距離を取ろうと後退していた僕とかっちゃんがとんでもないスピードで追い付かれて、動けなくするように僕は腕を掴まれてかっちゃんは踏みつけられていた時……オールマイトはかっちゃんに話しかけ始めたんです。

 

『爆豪少年。緑谷少年が圧倒的な勢いで成長していることに焦りを感じていることはさっきも話した通り理解しているよ。』

『っるせぇ……!』

『っ……?』

『だが衛宮くん。……そう、アーチャーに対しての態度が理解できない。相澤くんから報告は聞いてる。厳重注意で同じような事があったら次はないってな。でも明らかにクラスメイトや他の人との接し方が違いすぎていたよね。』

『黙ってろよ……っ!』

『まるで緑谷少年に対して突っかかるような……もしかして知り合いだったりしたのかな?』

『うるせェッてんだよオールマイト!!!』

 

 

「その時のかっちゃんの様子があまりにもおかしくて……」

「フム。俺には普段から変わりないように思えたが……」

「いえ、明らかに衛宮さんのお名前に反応を示していますわね。どうしたのでしょうか。」

 

 いつの間にか全員が集まり会話へ参加していたが、その答えを衛宮は持っていなかった。あの日の爆豪との会話も初対面でもあり、因縁をつけられた物でもない。ふと外を見ると既に日も暮れ始め、目が慣れていたからか道場も薄暗くなっている事にようやく気がつく。4人の帰宅時間も考えると予想以上に時間が無いと考えた彼は手を叩き、注目を集める。

 

「そうだな。今度俺から聞いてみる事にする。まぁ、そうは言っても夏休み明けの話だけどな。」

「それよりも!いつの間にかこんな時間だ。みんな夜ご飯食べるだろ?そろそろ戻ろう!」

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことがあった数日後。衛宮はその予定が簡単には叶わない事を知る事となった。

 

「衛宮くん。何をしようとしてるのかしら?」

 

 どこかに連絡しようとしていた衛宮はその手に持っていた携帯を遠坂に取られてしまう。

 

「なっ……遠坂!」

「『相澤さん』ね……」

 

 遠坂はため息を吐くとその目線をニュースが映っているテレビへと向ける。そこには合宿中の雄英生徒がヴィラン連合に襲撃され、その内の1人……爆豪が拉致されてしまったことを報じるニュースキャスターが映っていた。

 

「ねぇ……私が言った事覚えている?」

「今それどころじゃないんだ!早く連絡を……」

「衛宮くん。」

 

 トーンが下がる。その目は衛宮を睨みつけ、彼女の感情は彼から見てもあまりにもわかりやすかった。

 

「夏休みの期間は『絶対に』投影をしない事と緊急時も含めてヒーロー活動もできる限りしない事。」

「これが私と約束した事。そうでしょ?」

「いや……それは………….」

 

 言い淀む衛宮。しかしその目線は彼女の方を向いては無く、奪い取られた携帯の方を向いていた。そんな様子に遠坂は表情を崩し「あー……もう!」と声を荒げる。

 

「はぁ……あんたのその性格は筋金入りだって事、誰よりも理解していたつもりだったんだけどね……」

「と、遠坂……?」

「あんたは何?」

 

 突然の質問に衛宮はきょとんとしてしまう。自分が何か。そんな漠然とした質問の答えが……遠坂が求めている答えは何なのかわからず固まっていると、もう一度問いが投げかけられる。

 

「あんたはどこのヒーロー事務所に所属している何なのかを聞いているの。」

「……ランチラッシュ事務所のヒーロー」

「そう。あんたはランチラッシュのサイドキック。そんな正義の味方ができる事は何?戦闘をすることだけがあんたの目指す正義の味方なのかしら?」

 

 その再三の問い掛けでハッとする衛宮。USJやらステインの一件やらで思考が固まってしまっていたのだろうか。数拍置いてそんな簡単なことにすら気がつく事ができなかった衛宮は少し耳が赤くなっていた。

 

「……ありがとう遠坂。今度こそは約束を守る。だから……」

「分かればいいのよ。はい、携帯ね。」

 

 返されたその画面には既に電話帳のランチラッシュが表示されていた。最初から遠坂はその話へ持っていくつもりだったのだろう。

 

「……遠坂。ランチラッシュさんの電話番号消えてるんだけど……なんかしたか?」

「……………あ、あら?私何もしていないわよー?」

「なんでさ……」

 

 

 

 

 

 

 

「衛宮くんに凛さんっ!来てくれてありがとね〜〜!!」

「ランチラッシュさん、遅くなりました!」

「いつも彼がお世話になっています。今日は私も手伝いますね。」

「助かるよ!それじゃ先ずは作戦会議だ!みんな一旦集合!!手離せない人はそのままでいいよー!!」

 

 ランチラッシュが両手を広げて2人の到着を歓迎する。……その背後ではサイドキック達が食器洗いに仕込みにてんてこ舞いだったが、彼の集合の一声で殆どの人は集まるのであった。

 

「えーっと現状を理解してる人がほとんどだと思うけど、おさらいで全体共有。ヒーロー科1年の林間学校が敵の襲撃に遭った。その結果、重症軽症者多数。けど命に関わる生徒はなし!」

「ただ……A組生徒の爆豪くんとプロヒーロープシーキャッツのラグドールさんが拉致に遭ってしまった。これが現在起きている事件の概要。それじゃネコさん!我々のすべき事は!?」

「はいはーい。先生達の様子確認してきたけどありゃマズイねぇ……鳴り止まない電話に記者会見、それに拉致の対応があるからみんな精神的に参っちゃってる。だからこそ!わたし達はごはんを作る!」

 

 その回答にランチラッシュはうんうんと頷く。彼らのヒーロー活動は戦闘でも救助活動でもなく、ヒーロー達が全力で活動できるための健康維持……料理だからこそ今の緊迫した状況での行動が必要なのである。

 彼らの発言を聞き、遠坂も満足そうに頷くのであった。

 

「そして時間が限られている今!みんなはどんな料理が必要かな?」

「うーん……エミヤんはどんな料理がいいと思う〜?」

「……サンドイッチがいいと思う。手早く作れて作業しながら食べる事もできる。何より色々な種類の具材で好き嫌い分かれる人も問題なく食べれる。」

 

 彼女から話を振られると数拍置いて衛宮はポツリと呟く。その回答と同じ事を考えていたのであろう。今度は全員が力強く頷く。

 

「定番だね!でも今はそれが1番かな。具材も仕込みが大体できているから作り始めよう!今回は時間と量が最優先だから各々適切だと思う具材を1人か2人で作って、大量に持っていこう!」

「「「了解!」」」

 

 ランチラッシュの号令と共に各々が調理へと入るため散り散りに動きだし、衛宮と遠坂も調理台へ立ち調理を始める。

 

「さて……ガッツリしたものとあっさりしたもの、あとは甘いものってところかな。冷蔵庫は……」

「なるほど、定番なものかしら。私も手伝うわ。」

 

 

 

 まずは食パンを用意しトースターに入れ焼き目を付ける。食べる時間すら惜しいが満腹感は満たしたい今回は耳は切り離さず、トーストにする事で食感がアクセントとなり満足感が高くなるためだ。

 

 トーストを焼いている内に具材の準備をする。既に揚げ物の惣菜はできているので、挟む具材の調理は省略する。(スーパーで買った惣菜でも代用可能。)

 一つ目はカツサンド。とんかつの衣が湿っている時はグリルで焦がさないように確認しながら表面がカリッとするまで焼く。そしてパンに比べて大きめな物は半分くらいに切っておく。また、キャべツも切ってザル越しに水に浸けておく。

 二つ目はポテトサラダサンド。きゅうりと玉ねぎを切り、じゃがいもは芽を取り除き皮を剥く。皮をとにかくよく洗えば皮ごと使っても問題ない。塩で揉み込みよく水気を取ったきゅうりと水に浸けて辛味を抜いた玉ねぎ、蒸したじゃがいもをボウルに入れる。塩と胡椒、そして多めにマヨネーズを加えてじゃがいもがお好みの大きさになるよう潰しながら混ぜる。蒸したじゃがいもは皮をよく洗ってラップで包みレンジで温めて抵抗なく爪楊枝が刺されば簡単にできる。そして一緒に挟み込むレタスは洗ってよく水気を切り、トマトはスライスして取っておく。

 最後にバナナシュガーサンド。バナナを斜めに切り一口大にする。そしてバターをたっぷり溶かしたフライパンに入れ少し焼き目がついたら砂糖と水を入れ煮立たせる。非常に直ぐ焦げる為ここは極弱火にするとやりやすい。色がついて来たら火を止め全体的に絡むように混ぜ合わせる。これで下順番は完了。

 

 トーストし終わったパンにクッキングペーパーの上に乗せ、具材を乗せていく。

 カツサンドはパン、よく水気を切ったキャペツ、カツ、ソース、好みでからし、そしてマヨネーズを塗ったパン

 ポテトサラダサンドはパン、ポテトサラダ、トマト、レタス、バターを塗ったパン

 バナナシュガーサンドはパン、キャラメリゼしたバナナ、シナモン、そしてパンといった順番で重ねる。

 最後に敷いて置いたペーパーで全体を包み、半分に切って中身が見えるように盛り付けたら完成!

 

 

 

「皆さん!お疲れさまです!差し入れのサンドイッチ持ってきましたよ〜!」

「ランチラッシュさん。ありがとうございます。とりあえずそこに置いといて下さい。」

 

 薄暗い部屋にプロジェクターから映し出された資料。即席で作ったのか見やすさを度外視した情報を頭にインプットするためだけの資料と側から見てもわかるものだった。そんな資料の情報を見逃さないようにサンドイッチには目もくれないヒーロー達が20人以上横長の簡素なテーブルとパイプ椅子に着いていた。

 置いといて下さいと言ったヒーロー・イレイザーヘッドである相澤は「一区切りつきましたし少しだけ休みましょうか」と腕時計を見て言うと、部屋の電気を明るくした。

 その言葉を皮切りにヒーロー達は各々の行動へ移る。少しでも睡眠時間を確保するために机に倒れこみ眠る者、理解ができていない情報を理解するため他のヒーローに聞きに行く者、スピードに着いてこれずパラパラと資料を捲り読み込む者、そしてエネルギー補給のためサンドイッチに手をつけ「うまいうまい」と怒涛の勢いで口に放り込む者。

 そして会議室に入って来た衛宮を見て声をかける者が1人。

 

「あれ?衛宮くんじゃないか。」

「お疲れさまです。オールマイトさん。」

 

 その一言でその場の殆どのヒーローは衛宮に目線を向ける。それほどまでにオールマイトの発言力が強いのだろうか。その圧に衛宮は少し気圧されてしまう。

 

「はぁ……皆さん。彼はヒーロー名アーチャーで活動しているヒーロー、衛宮士郎です。理由は知りませんけどコスチュームを着ていない時は本名の方で呼ばせているらしいです。」

 

 周りの懐疑的な反応に気がついた相澤は衛宮のことを説明する。そのヒーロー名に覚えがあるのかヒーロー達の雰囲気が一気に緊張へと走り今度は相澤へと目線が移る。その様子に彼は肩を落とし頭を掻きながら再び口を開く。

 

「衛宮。この前は疑ったりして悪かったな。」

「え……?あ、あぁ……!いえ、全然。」

「そんな手前申し訳ない。後で連絡しようとしていたが、ここにいる以上話しておかない訳にはいかないからな。」

 

「衛宮。今回の爆豪救出作戦にお前の力を借りたい。」

 

 その発言に遠坂は顔を顰めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「んで?結局戦わせるのね〜遠坂さん?」

「……あいつの決断よ。それに遠距離からのサポート。余程のことがなければ無理はしないはず。そうでしょ?岳山先輩。」

 

 学生の頃から憎まれ口を叩き合っていた二人だったが、遠坂のその淡白な返しにむすっと表情を落とすMt.レディ。

 

 会議室で戦闘参加を要請された衛宮は少し遠坂の方を見て、ゆっくりと頷いた。約束をしていた遠坂はその衛宮の回答に静かに激怒した。周りのヒーロー達の目など気にする事もなく歯を食いしばり、血が溢れそうな程力強く拳を握り、眉間に深い皺を作り、しかし無言のまま怒りを露わにしていた。

 

『相澤さん。』

『ど、どうした……?』

 

 その鬼のような形相にたじろいでいた相澤は衛宮に声をかけられ視線を戻す。そこに居たヒーローは覚悟を決めた良い顔をしていた。

 

『今、俺は全力で力を使えない。せいぜい一度矢を射ることができる程度です。』

『……そうか』

『もしもが起きた時にのみ遠くから一回だけ射る。それならどうですか?』

 

 その問いかけはどちらに向けてのものか。はたまたどちらにも向けてか。相澤は少し残念そうに目を閉じて頷き、遠坂は肩を落とし溜息を軽く吐き出した。

 

「ま、あいつの近くにはいるから無理しようものなら引きずってでも連れて帰るわ。」

「ほんと相っ変わらずねぇ……それで衛宮くんの嫁なんてちゃんとできてるのかしら?」

「あら、厄介なファンばっか付いて彼氏すらできていない先輩よりかはマシですわよ?」

 

 調子を取り戻した遠坂とMt.レディの棘がある言葉のやりとりに車内のヒーロー達のモチベーションはどんどんと削られすり減っていく。尤も彼女達からしたら互いに軽口と思っているので余計に救いようがなかった。

 

 

 

 やがて車が止まると遠坂のみがその場で降りる。そこには既に衛宮の姿があった。会議室での険悪なやりとりからか無理矢理に別の車で移動をし、ヒーロー達のモチベーションを維持しようとしてだろう。それも衛宮の車のみの話であったが。

 

「遠坂……別に来なくても……」

「ダメ。私がいないと絶対に無茶するクセに。」

 

 衛宮は背中を向けながら言うが、速攻で遠坂から反論をされてしまい何も言い返せなくなってしまう。やがて作戦開始前の最終確認が通信機から聞こえてくる。投影開始(トレース・オン)という小さな呟きと共にあっという間に鈍く輝く黒い洋弓が左手に収まると、少しだけ遠坂の方を振り向く。その瞬間、丁度月が衛宮の真後ろに到達し遠坂から彼の姿が黒く塗り潰されるように見えた。その姿は……その後ろ姿は……弓を持ち安心させるように振り向くその姿はまるで…………

 

「…………衛宮くん。」

「遠坂?どうした?」

「ちょっとこっち来て。」

 

 呼ばれた衛宮は遠坂の元へと駆け寄る。遠坂は右手の甲を突き出す。何もない手入れが施されている綺麗な肌色の右手を出し、意を決したかのように重々しく口を開く。

 

「おまじないみたいなもの……ね?」

「『令呪を持って命ずる』体も心も絶対に無事に帰って来るようにしなさい。最低限の投影二回……さっきの弓で後一回だけ。それ以上は絶対にダメ。」

「……大丈夫だ。遠坂。それ以降は何もしないから。」

「なら良し。それじゃ、行きなさい。」

 

 大きな木の上に登り高所を取った衛宮は通信機をポケットに入れ、イヤホンを取り付ける。そして突入作戦開始の合図を今か今かと待つのであった。

 

 

 

 




 最後まで読んで頂きありがとうございました!お分かりでしょうが次回はとうとうあの方が出ます!……ちゃんと書けるかな。
 遠坂が最後にとんでもない事を言ってましたね。まあ、薄々気付いている方もいらっしゃるかとは思いますがね!
 投稿した直後にこれ書いてますが、前にサンドイッチやっていた……忘れてた……

 最後にいつも感想と誤字脱字報告、ここすきありがとうございます!とても励みになっています!
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