はい、皆さんこんにちは!
雪月風花です。
今回はえっと……第1話の『ガンダム大地に立つ!!』と
第34話の『宿命の出会い』の辺りになるかと。
それではどうぞ!
地球連邦軍技術士官テム・レイは、控え目に言って天才である。
どのくらい天才かというと、サイドセブンでザクの襲撃により宇宙空間に放り出されて死んだはずが、自ら開発したオーバーテクノロジーによって、『どっこい生きていた』を体現する程の天才である。
宇宙空間を漂っていたテムは、息子のアムロが撃破したザクに取り付くと、亡くなっているジオン兵を無造作に放り出し、代わりにコックピットに座った。
ハッチを閉めると同時にヘルメットを脱ぎ捨てる。
「ザクの空気も一時間はもつか。何とかいけそうだな。よし行け、ナノマシン・テム細胞よ。まずは穴を塞げ。その後、酸素発生装置と推進装置の修理だ!」
テムのノーマルスーツの襟元から黒い煙が出て行く。
コクピットのそこかしこで赤く点滅していた異常表示が、たった五分で全て緑色に変わる。
「よし、このまま瓦礫に紛れて脱出だ。行き先は……そうだな、サイドシックスにしておくか。アムロにはしばらく会えなくなるが仕方あるまい。ガンダムに乗っている限り安全だろう。それより、愚民どもにこの叡智を利用させるわけにはいかないからな」
こうして、自らを死んだことにして無事サイドセブンから脱出したテム・レイ技術士官は、サイドシックスに逃げ延びたのであった。
「やれやれ。よもや首の骨を折って死ぬとは思わなかったぞ」
隠れ住んでいたサイドシックスのアパートの階段から転がり落ちたテム・レイは、自分を映していたカメラが切り替わってキッカリ五分後、おもむろに動き出した。
全身を黒い煙が纏うと、あり得ない方向に曲がっていた首や手足が見る見るうちに治っていく。
ゴキゴキと、両手で挟むようにして頭の角度を調整したテムは、ヒビの入ったメガネを掛け直すとため息をついた。
「こんな事もあろうかとナノマシンを身体に融合させておいたのだが、代わりに死ねない身体になってしまうとは。数値では分かっていたが、こんなの実験出来ることじゃないからな。しかも……」
テムが右手を前に出すと、目の前の空間が揺らぎ、裂けた。
裂け目から別の空間が見える。
「死なないどころか、次元をも超えられるようになるとは。これでは通りすがりの何とやらではないか。ここまでくると自分の才能が怖いな」
実はすでに前の話でピンクの髪の歌姫が、デタラメで謎な能力を使い、別の世界と行き来しているのだが、さすがのテムもそれには気付かなかった。
「とりあえずどこか別の世界でほとぼりをさまそう。そうだ、テム細胞よ。究極の細胞と化したお前のことを、これからはアルティメット細胞と呼ぶことにしよう。さぁ、別の次元に移動するぞ」
こうして次元を超えたテム・レイは、別の世界で偽名、ドクター・ミカムラを名乗り生活することになるのだが、天才テム・レイにも一つだけ誤算があった。
それは、次元移動の際に起こったナノレベルでの破損が原因で、アルティメット細胞がDG細胞へと変化し、最終的にはネオジャパンの存亡にも関わる大事件を引き起こしてしまうのだが……それはまた別のお話。
はい、ということで第12話でした。
カティさんの回と同じく『中の人繋がり』を書きたかったという作品です。
でも実は、書いたのは、こっちの方が早かったんです。
諸々の事情であっちを先に発表しちゃったもんだから、ラクスの次元移動
の方が先になっちゃったという。
だけどまぁ、天才テムレイより先を行くラクスというのも面白いかなと。
ではまた次回、お会いしましょう!
( ฅ•ω•)ฅ ニャー!