隣のガンダムさん   作:雪月 風花

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【THE ORIGIN】

はい、皆さんこんにちは!
雪月風花です。

今回はえっと……第6話の「誕生 赤い彗星」の辺りです。
それではどうぞ!


第19話 隣のデギンさん

 カポコーン。

 

 ジオン軍の総大将・デギン公王の旗艦グレート・デギンは、大将艦だけあって設備がとても充実している。

 

 そして今。

 捕虜となった地球連邦軍の総司令官レビル将軍は、デギン公王に招かれてグレート・デギンの大パノラマ展望露天風呂で湯に浸かっていた……。

 

 ここはデギン自慢の風呂だけあって、目の前の巨大ガラスを通して、手が届くんじゃないかと思えるほど近くに星の海が見える。

 そこかしこに椰子の木が植えられ、宇宙にいながらにして南国を味わえるという、とても贅沢な作りとなっていた。

 

 ぶち抜きの広いスペースがスパエリアとプールエリアに分かれており、先ほどまでジジィ二人で遊んでいたプールには、巨大ウォータースライダーや流れるプールまで完備されていた。

 そして、遊び疲れてやってきたスパには、滝湯やツボ湯、洞窟風呂と、飽きさせない趣向が満載となっている。

 

 さすがに宇宙船だけあって天然温泉とはいかないが、広さや設備だけ見れば、そこらのスパより遥かに充実していた。

 

 ◇◆◇◆◇ 

 

「なぁレビルちゃん。ワシは戦争なんぞ本当はしたく無いのだよ。不幸にも戦端が開かれてしまったが、出来ることなら一刻も早く終結したい。それはお前さんも同じだろう?」

「勿論だとも、デギンちゃん」

 

 サウナルームの中で、紅白のサウナハットをかぶったデギン公王が、並んで座るレビル将軍に話し掛ける。

 二人のでっぷり太った腹の上を、玉の汗が滑り落ちていく。

 その様子は、まるで二柱の大根の神さまだ。

 

 ベンチに移動したデギンとレビルは二人仲良く並んで座ると、持ってきて貰った大ジョッキのビールを飲みながら、火照った身体を冷ました。

 

「だいたい、殺し合いなんぞ馬鹿げておる。行き違いなんざ、ラブ&ピースの精神でハグすれば全て解決するというのに。んぐんぐ、ぷはぁ」

「うむうむ。んごっごっご……。おほぉ、ビールが身体に染み渡るぅぅ」

 

 洗い場に移動したデギンとレビルは、今度はゴツい身体を並べて、背中の流しっこをする。

 

「戦争なんて何もいいこと無いのになぜ続けたがるかな。あ、このシャンプー、おすすめー。スースーするよ、レビルちゃん」

「おぉ、こりゃ確かにスースーするの。頭が冴えるようじゃ。だがデギンちゃん、お主、髪なんぞ生えておらんだろうに」

「いやいやいや! ワシはまだあきらめておらんよ。頭皮を刺激しておればいつか必ず!」

「毛根が死んでおるから無理じゃろう。潔くあきらめたらどうだ?」

 

 浴場に二人の老人の笑い声がこだまする。

 

 風呂を出た二人は、並んでマッサージチェアに座った。

 最新式の、無重力式とかいうやつだ。

 二人とも、あまりの気持ち良さに目をつぶる。

 

「ということで逃がすんで、そっち側の工作よろしくね、レビルちゃん。もう戦争は、おしまーい! うはぁ、そこそこ!」

「そいつはスマンの、デギンちゃん。あーー、効く効く!!」

 

 こうしてデギン公王の歓待を受けたレビル将軍は、密かにグレード・デギンから移送され、連絡を受けた連邦軍に引き渡されたのであった。

 

 ◇◆◇◆◇ 

 

「くっ! あの恩知らずが!!」

 

 それからほんの一か月後。 

 デギン公王は、一向に進まぬどころか地球連邦軍が軍備増強をしているとの報を受け、レビルが約束した和平を蹴ったことに気付いて怒り狂った。

 

 一方その頃。

 レビルは、デギンがスパイより報告を受けたまさにその『軍備増強』たる現場にいた。

 そう。

 レビル将軍は、旗艦マゼランの大改装を決定し、のみならずわざわざ現場まで来てみずから指揮を執っていたのである。

 

「おぉ、出来とる出来とる! このウォータースライダーの三回転ループは思っていた以上に見事だのぉ。デギンちゃんのとこは一回転だったからの。今度はこっちが艦に招いて度肝を抜いてやるんじゃ! そっち! 洞窟風呂の出来はどうか! ちゃんと青の洞窟風になっておるじゃろうな! ジャングル風呂はリアリティ重視で、ちゃんと熱帯植物を植えるんじゃぞ!」

 

 デギン公王の旗艦グレート・デギンのスパ&プールに大いにライバル心を刺激されたレビルは、当初の和平の話などすっかり忘れ、自分の艦でも同じような、否、より豪華な設備を作るべく、旗艦の改装を急がせていたのであった。




はい、ということで第19話でした。

THE ORIGINはCSでしょちゅうやっていたので、そこで見ました。

デギン公王とレビル将軍が会話しているのを見て、立場的には敵同士ですけど、
実際は爺さん同士、意外と気が合うんじゃなかろうか、なんて思ったもので、
こんなお話を作ってしまいました。

なんとなーく似てる気がするんですよね。


ということで、ここでちょっと業務連絡させて頂きます。
今、雪月はカクヨムさんで

『月光旅譚 ~あずきとおはぎと月の女王~』
https://kakuyomu.jp/works/16817330655299697158
というのを書いております。

小学六年生の女の子が、魔法世界を旅するお話です。
ちょっとこっちの執筆が忙しくって……。
毎日投稿しているので、読んで頂けたら嬉しいな、と。

ではまた次回、お会いしましょう!

( ฅ•ω•)ฅ ニャー!
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