隣のガンダムさん   作:雪月 風花

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【ククルスドアンの島】

はい、皆さんこんにちは!
雪月風花です。

今回はえっと……映画版で書いてみました。
本放送版とで齟齬が生じるということも無いのでしょうが、
一応、気になって劇場まで見に行ったので。

それではどうぞ!


第21話 隣のドアンさん

 ククルス・ドアンはジオン公国軍にあっては、脱走兵という扱いになる。

 

 シャアかドアンか、と言われるほど優秀な軍人だった彼であるが、ある日、突如軍を脱走し、戦災孤児二十名を抱えて大西洋に浮かぶ小島・スペイン領アレグランサ島に隠れ住んでいた……。

 

「お、起きたか。無理せずもう少し寝てていいんだぞ。カーラ、こいつに何か食うものを用意してくれ。俺はそろそろ出かける。頼んだぞ」

「ど、どうも……」

 

 ドアンを見送った戦災孤児たちと、保護されたガンダムのパイロット、アムロ・レイは、微妙な空気に包まれた。

 なにせアムロはまだ十六歳とはいえ、連邦軍に属している以上、ドアンの敵だ。

 子供たちがサっと陰に隠れてアムロを睨む。

 

「あはは……はぁ」

「まぁ徐々にね。お腹空いてるでしょ? 食べたいの選んで?」

「え、これ?」

 

 ため息をつくアムロにカーラがスマホを見せる。

 見ると、スマホの画面でファイブGのアンテナがフルに立っている。

 

 ――は?

 

 アムロの目が点になる。

 それを尻目に、カーラが手慣れた感じでスマホをフリックする。

 スマホには食関係の色々な店がブクマしてあるようだ。

 

「選べないっか。じゃ、とりあえずハンバーガーでいいかな? コレとコレと……。男の子だし多めにしとこっか。はい、オッケー」

 

 焦るアムロをよそに、カーラが笑う。

 

「いや、だってここ無人島でしょ? あ、自分たちがいるから有人島なのか。いやでも、インフラが通ってるわけでも無いし……」

 

 ピンポーン。

 

「え? ここ、隠れ家なのにインターホン付いてるの??」

「まいどー。ウーバーイーツです!」

「はーい。支払いはペイペイでお願いしますー」

 

 配達員からハンバーガーの包みを受け取ったカーラがアムロに包みを渡す。

 

「さ、冷めないうちに食べて。大丈夫よ、支払いはドアンの口座からだから遠慮しないで」

「いや、そういうことじゃなくって、ここ絶海の孤島……。あっれぇ?」

 

 あまりの出来事に、アムロはしばらくハンバーガーの包みを手に立ち尽くしていた。

 

 ◇◆◇◆◇ 

 

「どうだ? 直りそうか?」

「配線が切れてるみたいだ。替えのコードがあれば何とかなると思うんだけど、さて、どうやって入手したものか……」

「規格は?」

「は?」

「規格だよ。ネット注文するから必要な規格教えてくれよ」

 

 子供たちに懇願されて灯台を調べていたアムロは、一緒についてきたマルコスからスマホを見せられた。

 

 ここでも当然のようにファイブGのアンテナがフルに立っていた。

 

「え? いやあの、スケア三のコードが六メートルもあれば何とかなると思うんだけど……」

「スケア三を六メートルだな? よし、今注文した。急ぎ便指定したから程なく着くと思う」

「マルコス、いくらなんでもそりゃ無茶だよ。ここは絶海の孤島だろ? どんなに早くたって……」

「来たぞ!」

 

 慌てるアムロをマルコスが制し、上空を指差した。

 ミカン箱大のダンボール箱を抱えたドローンがゆっくり降りてくると、アムロの頭上でアームを開いた。

 ダンボール箱が狙いすませたように、アムロの腕の中に入る。

 よく見ると、ダンボール箱にはニヤっと笑うかのような、おかしなマークが入っている。

 

「アマゾンかよ!」

 

 アムロのツッコミを聞き流し、マルコスがスマホを操作する。

 

「えっと、ペイペイ払いで……。よし、会計終わり。じゃ、早速開けてみようぜ。……どうした? アムロ」

 

 スマホをポケットに仕舞ったマルコスが、会計処理を終えて飛び立つドローンを、口をあんぐり開けて見送っていたアムロの方に振り返った。

 

「……エッチな円盤が一緒に入ってる」

 

 見るとそれは、金髪の女性がセクシーポーズをしたブルーレイディスクだった。

 

「ドアンが頼んどいたヤツだな。武士の情けだ。見なかった事にしてやってくれ」

 

 マルコスは慣れた感じで、アマゾンの箱にエッチな円盤を戻した。

 無事(あか)りの復活した灯台を見ながら、アムロは深いため息をつくのであった。




はい、ということで第21話でした。

ドアンが実は現代っ子で、絶海の孤島に住みながらも文明から離れられない生活を送っていたらな~というのが本作の起点です。
こういう意外さが面白いかなと思って書いてみました。
っていうか、コレもドアンがタイトルで無くっても良かった気が……。

ということで、ここでちょっと業務連絡させて頂きます。

同じくハーメルンさんで

『水星の魔女 予想展開』
https://syosetu.org/novel/316000/

というのを書き始めました。
こちらは真面目なお話なんですけど、私なりの今後の展開を予想した
水星の魔女の物語を書いています。
本放送が流れて、「これ、ハズれたね!」という展開もあるでしょうが、
それはそれとしてifストーリーとして楽しんで頂けたらと。

そんでもって、下記は外部サイトさん分。

『月光旅譚 ~あずきとおはぎと月の女王~』
https://ncode.syosetu.com/n2992if/
https://kakuyomu.jp/works/16817330655299697158

という作品を毎日投稿で発表してます。
小学生の女の子が魔法使いの最初の修行として、魔法世界を
旅する物語です。
良ければご一読ください。

ではまた次回、お会いしましょう!

( ฅ•ω•)ฅ ニャー!
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