邪悪を清める叛逆の王   作:ガンダムラザーニャ

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遅くなりましたが2話目投稿になります。

活動報告リクエスト募集もしてますので、皆様のリクエストをお待ちしております。


壊されたはじまりの街

アクセル。

 

そこは駆け出し冒険者の街にして、はじまりの街。

 

ひょんなことからこの世界に転生した高校生・カズマはこの街ででこぼこなパーティーと一緒に冒険者生活を送っていた。

 

しかし、ある存在によってその生活は崩壊した。

 

アクセルや他の街や国がその存在によって、壊滅状態に陥ってしまった。

 

それも魔王軍も同じ状況らしい。

 

しかもカズマのパーティーも、その存在に連れ去られてしまい、自身も一度死んでしまった。

 

アクアがいなくなってしまったので、本来ならまた別の世界で別の存在として転生させられるはずが、エリスから世界を立て直して欲しいと頼まれ、あるものと新たな4人の仲間たちと共に復活させられた。

 

全員カズマと同じく一度この世界に転生し、この騒動で死んでしまった存在だ。

 

ちなみに全員カズマと同じ屋敷で暮らしてる。

 

そして現在。

 

「…」

 

「…てなわけだからよ、今から一緒にクエストに、ってお前話聞いてたのか?」

 

「あ、すみません。

 

おっぱいに目が行ってました」

 

「ハァ!?テメェあれ程言ったのにオレのこと女として見てたってのか、あぁん!?」

 

ギルドで男勝りな金髪の少女に胸倉を掴まれていた。

 

「ひいっ!?ごめんなさいごめんなさい!

 

だって仕方ねぇじゃん!?そんな男物の癖に露出度高い服着て、平らだけどしっかりとある胸とか見たら誰だって女だって思うじゃん!?」

 

「テメェぶっ殺すぞコラ!!

 

…チッ、まぁいい。

 

それよりもクエスト行くぞクエスト」

 

「はいはい分かりましたよっと……。

 

そういえば今日は何すんだ?まだ何も決めてないけど」

 

「決まってんだろ?

 

ジャイアントトードの討伐だ。

 

最近大量発生してるからな、駆除しておかないと安心出来ねえんだよ」

 

「あーはいはい。

 

んじゃ早速行こうぜモードレッド」

 

「おうっ!」

 

二人はそのままギルドを出ていった。

 

モードレッドと呼ばれた金髪の少女は、カズマと同じく転生者で、新しい仲間だ。

 

元々はある国に仕えた女騎士だったらしいが、その国は滅ぼされ自身も死んだ。

 

だから国を滅ぼした存在に叛逆するために、カズマと行動を共にしている。

 

見た目通りどこからどう見ても男装した少女なのだが、女だと見下されるから自分を女扱いするな、でも男扱いはそれはそれで何か嫌だからするなと、とにかく性別に関してはあまり触れないで欲しいということだ。

 

その割には男装で動きやすいからと露出度の高い服を着てるのでスケベでクズなカズマからはいやらしい目で見られては締め上げるのが日常である。

 

ちなみに男口調も男装もこうして復活してからするようになった。

 

ちなみに職業はクルセイダー。

 

元々与えられた特典はFateのモードレッドの能力。

 

カズマたちは確かに世界を立て直すためにもう一度復活したが、別に職業が王様になったわけでもないので今は復興が進んでるアクセルで冒険者をやってるというわけだ。

 

「オラァッ!!」

 

ジャイアントトードを蹴散らしていくモードレッド。

 

彼女の実力はかなり高く、ジャイアントトードなど敵ではない。

 

(うわぁ…、同じクルセイダーでも、ここまで違うのかよ…)

 

自分も苦戦しながらモードレッドの戦いぶりを見てかつてのパーティーの一人だったダクネスを思い出していた。

 

クルセイダーなのに剣の腕は全然で当たらない、しかも本人はダメージを喰らう度に喜びを抱くドM、ステータスも剣術ではなく防御や囮に振って、攻撃系のスキルを一つも入れる気もない徹底振りで、パーティーの中ではタンクを担っていた。

 

それに対してモードレッドはクルセイダーだが荒々しく、剣術に喧嘩上等のステゴロ混じりだ。

 

剣を投げつけてそのまま抉るように引き抜くこともよくやってる。

 

「おっしゃあっ!こんなもんか?」

 

「ああ、十分だろ」

 

「じゃあ帰ろうぜ」

 

「そうだな」

 

ジャイアントトードの討伐クエストが終わったことを報告するため、街へ戻ろうとしたその時。

 

「……ん?」

 

「これは」

 

二人は服の中に首にかけてあるお守りを取り出した。

 

エリス教の紋章が入ったお守りだ。

 

生き返った時に、盗賊のクリスが『危険が迫ってるのを知らせてくれるから使って』と渡されたものだ。

 

ちなみにその危険というのは。

 

「…へっ、こいつは丁度いいぜ。

 

カエル共じゃ物足りねぇって思ってたからな」

 

「くそっ、こんな時に奴らが来んのかよ!

 

バグナラクッ!!」

 

バグナラク、それはこの世界を壊滅状態に陥らせ、カズマのパーティーを奪った存在。

 

バグナラクもまた人間の魂を転生させる存在だが、こちらの場合は特典の付与と共に魂と精神を汚染し、手駒にしている。

 

カズマたちのこのお守りは、そのバグナラクの転生者が近付いてることを指していた。

 

「一人で来るとは良い度胸してんじゃねぇか」

 

近付いてくる影に剣を向けるモードレッド。

 

「いやぁ俺もね、バグナラクさんには助けてもらってるし、ここは媚び売ってどんどん昇格したいんだよ」

 

近づくに連れて、その姿がはっきりとする。

 

鹿を思わせる角や毛皮を鎧として身に纏った男だ。

 

右足には、鹿型の足甲がある。

 

「…仮面ライダーインペラーか」

 

「まっ、そういうとこ!

 

んじゃあまっ、さくっと倒してお前らの首をバグナラクさんに渡して媚び売るとすっかね!」

 

「ふっ、上等だてめぇ。

 

まっ、首が飛ぶのは、てめぇの方だろうがな!」

 

「悪いがアクセルには踏み込ませないからな!」

 

【オージャカリバー!】

 

モードレッドとカズマは5体の昆虫の意匠が入った剣・オージャカリバーを構える。

 

【クワガタ!】

 

【ハチ!】

 

それぞれで、クワガタの顎のレバー、ハチの腹のボタンを操作し、続いてトンボの腹のハンドル、カマキリのカマのリング、パピヨンの羽のボタン、ハチの腹のボタンを押し、最後にクワガタの顎のレバーを引く。

 

『王鎧武装!』

 

【You are the KING, You are the You are the KING!】

 

【クワガタオージャー!】

 

【ハチオージャー!】

 

二人の体がそれぞれ赤と黒の結晶に覆われ、どこからかクワガタとハチのオーラが飛んできて結晶に激突。

 

結晶が砕け、二人の姿も変わった。

 

モードレッドは赤い鎧にクワガタのバイザーを、カズマは黒い鎧にハチのバイザーを纏い、左肩にはモードレッドは赤の、カズマは黒のマントを靡かせている。

 

「へぇ、それが噂に聞く転生者殺しの王様の姿ってやつか」

 

「えっ、やだ。

 

合ってるけどすっごい不穏な響きなんですけど」

 

「はっ、転生者殺しの王様ねぇ。

 

そいつはちげぇな」

 

ケラケラ笑いながら、モードレッドはオージャカリバーの剣先をインペラーに突きつける。

 

「聞けっ!!

 

我らの名はキングオージャー!!

 

そして我が名はモードレッド!

 

テメェらのような理不尽な蛮族を屠る叛逆の王だ!!

 

オレの名を、そしてオレたちの存在を手向けとして受け取れ!」

 

「あ~もうそういうのはとっくに受け取ってるから、早く行くぞ」

 

カズマはそう言ってモードレッドを促し、二人は走り出した。

 

「ちぃっ、舐めた口利いてんじゃねぇよ!!」

 

「ハッハァッ!!」

 

モードレッドは剣を振り回しながら駆け、カズマは空中で旋回しながら跳び、蹴りを叩き込む。

 

「うおっ!?」

 

「オラァッ!!」

 

怯んだ隙にモードレッドの剣が振り下ろすも。

 

「とうっ!」 

 

「あ?いでっ!?」

 

インペラーは高くジャンプし、そのまま落下した勢いを乗せた踵落としをモードレッドの脳天に喰らわせる。

 

「この野郎……っ!」

 

「はい残念、それじゃまだ遅いな」

 

「ぐあっ!」

 

続けて繰り出された蹴りの乱打を喰らい、吹き飛ばされた。

 

「モードレッド!」

 

「俺の仮面ライダーインペラーはジャンプ力が売りなんだよ。

 

それともう一つ」

 

【アドベント!】

 

腰のバックルからカードを取り出して、膝の召喚機に装填すると水溜りの表面から大量の鹿の角を生やした怪物がジャンプしながらやってきた。

 

「な、なんだそりゃ?」

 

「俺の特典の仮面ライダーインペラー。

 

そいつの契約してるモンスターがどんなのか知ってるだろ?」

 

「まさか、ギガゼール!

 

やつの能力でゼール系のミラーモンスターを呼び寄せやがったな!」

 

「正解、んじゃま、さっさとやられてくれよ」

 

インペラーが親指を下に向けたと同時に、モンスターが飛び掛かる。

 

「うわっ!」

 

「ちっ、くそっ!」

 

「ほれほれどうしたよ」

 

モードレッドとカズマが必死に戦う中、インペラーは余裕綽々と言わんばかりに煽って、そこから更にカードを一枚取り出して装填した。

 

【スピンベント!】

 

「とう!」

 

2つの巨大なドリルがついた手甲を召喚し、大きく振り被りながら二人に襲い掛かる。

 

「やべぇっ!」

 

「モードレッド!」

 

カズマはモードレッドを抱えてそのまま転がる。

 

「おい、大丈夫か!」

 

「ああ、なんとかな。

 

だが数が多いぜ。

 

…そうだ、良いこと思いついたぜ。

 

おい、お前はそこでガタガタ震えながら伏せてろ」

 

「おいマジかよ!」

 

カズマは何か焦った様子でその場に頭を伏せると。

 

「赤雷よ!!」

 

天高く掲げたモードレッドのオージャカリバーに魔力が集まり、赤雷となって激しく降り注ぐ。

 

「うおおおぉぉっ!!!」

 

その威力たるや凄まじく、インペラーのモンスターたちを一掃する。

 

「うげっ、マジかよ…」

 

「終わりだバグナラクの転生者!

 

今のうちに好きなだけ命乞いをしな!

 

首を跳ねられりゃ、悲鳴をあげられなくなるってもんだ!」

 

「くっ、くそっ!」

 

「あっ、待て!」

 

インペラーも流石に分が悪いと思ったからか、素早くジャンプしながら逃走しようとする。

 

「待ちやがれ!」

 

モードレッドが追いかける中で、カズマは金色の盾を取り出す。

 

オージャカリバーと共に渡された武器であるキングズウエポンだ。

 

それを銃のように持って、飛び跳ねるインペラーに狙いを定め。

 

「狙撃っ!!」

 

イケメンボイスと共に銃弾を射出。

 

それは見事にインペラーに命中し、地面に叩き落とした。

 

「いてぇっ!! な、なにしやがん……」

 

「さっきモンスターで俺らのこと甚振ってくれたんだ!これくらいの仕返しは当然だろ!」

 

「ハッハァッ!! そういうことだ!! テメェの命はここで終いだぁっ!!」

 

「チィッ!」

 

最後の悪足掻きとばかりにバックルからカードを取り出すと、カズマはそれを待ってたとばかりに手を翳し。

 

「スティールッ!!」

 

「なっ」

 

「やれぇっ、モードレッド!!」

 

インペラーからカードを奪い取り、モードレッドに向かって叫ぶ。

 

「おうよっ!!」

 

【オージャチャージ!】

 

オージャカリバーのトリガーを引き、すぐさまクワガタの顎のレバーを3回引きながらその剣にエネルギーを溜め込む。

 

「喰らえっ!!」

 

【オージャフィニッシュ!!】

 

「がぁっ!!」

 

大きな袈裟斬りにより、インペラーの体は斬り裂かれ、同時に爆散した。

 

インペラーの撃破と同時に、カズマが奪ったカードも消滅する。

 

「よーっし!勝った勝ったぁ!!

 

さぁ凱旋だぁー!!」

 

「いやいやもう帰ろ帰ろー!」

 

テンションが上がりまくっているモードレッドとは逆に、カズマは疲れ果てた表情で呟いた。

 

「何だよつまんねぇなぁ〜」

 

「もうクエストも終わったし転生者も倒したから、もう限界なんだよ!」

 

「仕方ねぇやつだな。

 

まぁ確かに汗かいちまって気持ち悪ぃし、とっとと帰るとするか。

 

舌噛むなよ?」

 

「お、おい何で俺を担いでってぎゃあああああ!!!???」

 

二人は変身を解除し、カズマを担いだモードレッドはそのままアクセルへと突っ走る。

 

そして屋敷に着くと。

 

「ふぅ、着いたぜ」

 

「あ、ありがとう。

 

助かったよ」

 

「な〜に、気にすんな。

 

オレたちは仲間だろ?」

 

「……あ、うん」

 

「なんだよ、ノリわりぃな」

 

そう言いながらも、カズマの前のパーティーのことを思い出してるのを察してか、モードレッドはため息混じりに言う。

 

「てめぇが連れ去られたってパーティーのことを思い出して気になるってんなら、オレは別にどうでもいいと思ってる。

 

だがな、お前がそいつらを連れ戻したいってんなら、こんなクソみたいな世界に叛逆しろ。

 

オレもお前も、他の連中も、それぞれ理由は別だが奴らに叛逆するためにキングオージャーとして生き返ったようなもんだからよ」

 

「…そうだな」

 

カズマは改めてオージャカリバーを見る。

 

これはエリスから与えられた世直しの剣にしてバグナラクに襲撃され続ける世界に叛逆する王剣だ。

 

文字通り、叛逆の心が強ければ強いほど、切れ味が増し、変身者の力を強める。

 

それでカズマはふと思った。

 

「なぁモードレッド」

 

「何だよ」

 

「お前の叛逆したい理由ってなんだ?」

 

「あ?そんなこと聞いてどうするんだよ?

 

…まぁ、強いて言うならバグナラクの連中に誇りを奪われた挙げ句、屈辱を与えられたからってところだな。

 

それらの礼を、きっちりとしてやりてぇってことだよ。

 

だからオレは女を捨てた。

 

エリスにこれを貰ったときにいっそのこと性別を変えてもらおうかお願いしたがそれは無理だったがな。

 

…チッ、あの上げ底女神が」 

 

「あー…」

 

詳しい理由はわからないけど、モードレッドにとっては女でいることには複雑な事情があるらしい。

 

「じゃあオレ先に浴びてくるから覗くなよ?」

 

「あっ、そこはちゃんと女の子なんだ」

 

「てめぇぶっ殺すぞ!?」

 

顔を真っ赤にして、モードレッドはそのまま脱衣場のドアを締めたので、カズマはモードレッドが上がるまで待たなくてはいけなくなった。

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