邪悪を清める叛逆の王   作:ガンダムラザーニャ

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黒い幻想さんからのリクエストで二人のキャラを出させてもらいました。


叛逆の暴走族

「いや待って!?

 

これめっちゃ速いって、元の世界なら法定速度余裕で超えてるって!!」

 

「いいじゃん当たらなきゃさ」

 

バイクのような装飾の着けた牛が草原を爆走していた。

 

牛に載ってるカズマは涙目になりながら、必死にしがみついている。

 

牛を操縦するこの男は金髪で暴走族の特攻服を肩に羽織った小柄な少年だ。

 

名前はマイキー、カズマと同じくキングオージャーの一人だ。

 

職業は冒険者で、特典は生き物をバイクみたいに乗りこなす技術(バイクがなかったから)。

 

キングオージャーとして復活する前はならず者たちと一緒に暴走族(この世界にバイクはないのでバイクみたいな装飾を取り付けた馬か牛に乗ってた)をしていたが、カッコいい暴走族を目指してたので、魔王軍と戦うこともあり、ある国の自警団もしていた。

 

ならず者たちの集まりだったから、すぐに手が出る連中ではあったものの、マイキーからすれば掛け替えのない友達(ダチ)でもあり、仲は良かったとのことだ。

 

だがある日、バグナラクの進軍により、マイキーたち暴走族は壊滅、仲間は連れ去られ自身は死んだ。

 

キングオージャーとして復活したのも、ダチを攫ったダサい連中をブチのめすという理由からである。

 

「ふぅ…、良い運動になったなカズマっち」

 

「あ''〜っ、もうダメ吐きそう…うぷっ」

 

「ちょっと休憩するか」

 

近くの丘で降りた二人はその場に座って休むことにした。

 

「ほらカズマっち、水だよ」

 

「ありがどう……」

 

「…なぁカズマっち、お前は連れ去られた仲間のこと、どう思ってる?」

 

「えっ、何だよ急に」

 

「別に?ただお前がどう思ってるのか聞いてみただけだよ」

 

マイキーはカズマの方を見ずに前を見て答える。

 

カズマはそれを聞いて少し考える。

 

アクア、めぐみん、ダクネス。

 

彼女たちは、それぞれ致命的な欠点を持ってたが、それでも共に冒険者生活をしていく中で何だかんだ大切な仲間になっていったと思ってる。

 

「確かに助けてやりてーけど、あいつらがいるのは多分バグナラクだ。

 

どこにいるのかわかんねぇし、転生者も倒したら消えちまうから、手がかりも掴めねぇからどうしたら良いかわかんねぇよ」

 

「だったらやっちまう前に聞けばいい。

 

どこにいるのかをな」

 

「それができたら苦労しないんだよ。

 

それに仮に聞くことができたとしてもどうやって聞き出すつもりだよ。

 

相手はバグナラクだぞ」

 

マイキーの提案にカズマは否定的な考えを持つ。

 

だがその時にエリス教のお守りが光りだした。

 

「これは!」

 

「どうやら探す手間が省けたみたいだな。

 

来てんじゃねぇか、バグナラクの転生者が」

 

転生者を探してしばらくすると小さな村が見えた。

 

だがその村は奇妙なことに、建物は全て破壊され、人形やおもちゃが散乱して、その上に二人の人影が見えてきた。

 

一人は博物館の館長みたいな服を着た少年。

 

もう一人は踊り子みたいな服を着た褐色の少女だ。

 

少年の方はカズマたちを見ると少女に声をかけた。

 

「おいアピト、奴らが例のキングオージャーだ。

 

行くぞ」

 

「うん、土山くん。

 

待っててくださいね。

 

私の人形コレクションに入れてあげますから♪」

 

「…おいおいあれってまさかだけどよ」

 

「どうもきな臭ぇなあの人形。

 

あいつらの仕業か。

 

…カズマっち、行くぞ」

 

「わ、わかった!」 

 

【ハチ!】 

 

【トンボ!】

 

カズマはオージャカリバーを取り出して操作するのに対して、マイキーは腰の後ろに帯刀した状態でトンボのハンドルを回してからカマキリ、パピヨン、クワガタ、ハチの順番で操作し、二人でクワガタのレバーを引く。

 

『王鎧武装!』

 

【You are the KING, You are the You are the KING!】

 

【ハチオージャー!】

 

【トンボオージャー!】

 

カズマはハチオージャーに、マイキーは青い鎧にトンボのバイザーそして左肩に青いマントを靡かせトンボオージャーに変身した。

 

「なぁそこのあんたら、もしかしてこれやったの、あんたらなの?」

 

「おぉキングオージャーとやらですか、わざわざ僕たちに殺されに来るなんてご苦労様です」

 

「私たちに会いたかったんでしょ?なら、会わせてあげるから感謝しなさいよね」

 

その瞬間、マイキーは勢いよくオージャカリバーを地面に叩きつけた。

 

「…質問に答えろよ。

 

ここの人形、全部人間なんだろ?

 

人間を人形に変えるなんてダサいことしたの、あんたらかって聞いてんだよ」

 

「うふふ、さっきも言ったでしょ。

 

私は人形に変えてコレクションにするの。

 

この世界に来て、バグナラクから私に素晴らしい力を貰ったんです。

 

だからこの力で人形にしてあげたんですよね」

 

「応じないやつは私が全て建物から引きずり出して、そこにいるナビアの前に差し出したのさ。

 

こんな風になってな」

 

【岩石王ゴーレム!】

 

掌に収まるサイズの小さな本を開くと、少年の体がゴーレムを思わせる体になる。

 

「このゴーレムメギドの姿になると、建物がまるで砂のお城みたいに脆い。

 

瓦礫や建物に隠れようと無意味なのさ」

 

「土山くん、あまりはしゃぎ過ぎて、壊しちゃだめですよ。

 

壊れたおもちゃなんてつまらないもの」

 

「わかってるよナビア」

 

まるで仲のいいカップルのような会話で、マイキーとカズマをどうやって潰そうか考える二人に冷たい目で見下ろすマイキー。

 

「なぁカズマっち、わかってると思うけど、あの女、多分ワンピのホビホビの実の特典持ってる。

 

スケベなお前でも、触られたら一瞬でおもちゃにされてお陀仏だからな」

 

「あ、あぁ」

 

「話は終わったか?

 

じゃあ行かせてもらうぞ」

 

「さぁ私のかわいい人形さんたち?

 

あの人たちをとっ捕まえちゃってね?」

 

土山がズンズンと歩き、ナビアは倒れてるおもちゃや人形に命令させて二人に襲い掛かる。

 

「来るぞカズマっち!」

 

「くそっ!こうなったらやるしかねぇな。

 

あの人形たちは俺が惹きつけるからな!」

 

そう言ってカズマは人形をバカにしながら逃げ回る。

 

「黒い奴め、私が相手を「おいおい」…?」

 

土山の前にマイキーがオージャカリバーを肩で構えて立ち塞がる。

 

「お前の相手は俺だろ?」

 

「ふんっ、いいだろう。

 

今すぐ叩きのめ──」

 

言葉が、続かなかった。

 

理由はなんてことはない、マイキーが一瞬で近付いて、側頭部を蹴りつけたからだ。

 

それも、かなり重い蹴りを。

 

まるで、直接ミサイルを撃ち込まれた感覚を、土山は覚えた。

 

「うぐぅ!?」

 

「ゴーレムって言う割には、意外と簡単に倒れるんだな」

 

「くっ、舐めるなぁ!!」

 

土山は巨大化し、踏みつけようと足を持ち上げる。

 

「あら土山くんったら張り切っちゃって。

 

でも、そんな土山くんも素敵なだわ「スティールッ!!」…え?」

 

楽しそうに笑ってるナビアだが、つい先程まで逃げ回っていたカズマが現れ、ナビアから何かを奪って手に持っていた。

 

それは。

 

「あ~!私のパンツ返して〜!」

 

「わっはははは!パンツ奪ってやったぜ!」

 

カズマはその手握りしめた可愛らしいパンツを振り回しながら逃げる。

 

「おいおい、何やってんだよあいつ。

 

…まぁ、あいつが変態なのは知ってたがな」

 

マイキーはため息を吐きながら呆れていた。

 

「よくもやってくれましたね!

 

人形さんたち、早くその野蛮な男からパンツを取り返して!」

 

「おっとそうはいかねぇな!」

 

そう言ってカズマが取り出したのは、追い掛けてたはずの人形たちで、全て袋に詰め込んでいた。

 

「な、何で人形さんたちが」

 

「俺は逃げると見せ掛けて誘い込んだのさ。

 

それで待ち伏せして一網打尽にしてやったってことだよ」

 

ギチギチに袋に詰め込まれた人形、これではもう操ることはできない。

 

「くっ、私のパンツと人形さんたちを返しなさいっ!!」

 

「返してほしけりゃ自分で来るんだな!」

 

「こらーっ、待ちなさーい!!」

 

そう言い残し、カズマは再び逃げ出し、それを追い掛けるナビア。

 

踊り子という、かなり露出度の高い服を着てるせいで、しかもパンツを奪われたのもあって大事なところが見えないように隠しながら走るのに必死だ。

 

「うわぁ…、あいつに任せた俺も大概だけど、改めて見たらやっぱ変態じゃねぇか」

 

その光景を見てドン引きするマイキーだった。

 

「余所見してる余裕があるのか?」

 

「おっと!」

 

土山が頭から飛ばした手を、マイキーは軽々しく避ける。

 

「デケェ図体をその手で補ってるのか」

 

銃モードにしたキングズウエポンを手に、マイキーは駆け回る。

 

「オラァ!」

 

飛ばした手を撃って弾きながら接近するマイキー。

 

「ふんっ!」

 

「とぉっ」

 

隕石を思わせるその巨大な拳をジャンプして避ける。

 

そしてそのまま、オージャカリバーを操作し、手放すと同時に土山の頭に目掛けて蹴り飛ばした。

 

【オージャチャージ!

 

オージャフィニッシュ!!】

 

ズガーーーーーンッ!!と、まるで爆撃のような轟音が響き渡る。

 

「うごぁぁぁぁぁぁ…!!」

 

「…ほら、終わった」

 

巨大な頭部に、クレーターを作ったオージャカリバーが突き立てられ、土山はそのまま爆散する。

 

「つ、土山くーーん!!」

 

「そら隙有り!!」

 

【オージャチャージ!

 

オージャフィニッシュ!!】

 

「あだっ!?」

 

カズマに逃げられながら何度もスティールを食らってほぼ全裸にされたナビアは、カズマのオージャカリバーの腹で思い切り頭を叩かれて消えた。

 

「はぁ、はぁ、何とか倒したな」

 

「そうだな。

 

けど仲間たちのこと、聞きそびれちまったな」

 

マイキーとカズマは疲れ果てながらも、パーティーや仲間たちの情報を聞き出せなかった事を悔やんでいた。

 

「まぁでも、転生者を倒したってことはもうすぐ人形にされた皆も元に戻るってわけだな」

 

「そうだな。

 

…それなら早いところ袋から出してやったらどうだ?

 

ギチギチに詰め込まれてる状態で元に戻ったら、色々の悲惨だぞ?」

 

「……それもそうだな」

 

カズマは人形にされた人達を全員袋から出した。

 

そのまま帰ろうとしたときに、マイキーがカズマがナビアから奪った下着や服を大事そうに持って家宝にすると言ってたので、鳩尾を蹴りつけて捨てさせた。

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