ウマ娘ハーメルンダービー   作:ダシマ

19 / 25
第18話「鎖威拒宇血夷武!波羅離螺!」

 

 

 ある日のトレセン学園。ウマ娘達はターフの上でヤンキーごっこにいそしんでいた。近くで見ていたウマ娘達や人間たちは何事かと思ってずっと見守っていた。だが、一部のウマ娘としてはそれをやるくらいなら別の場所でやって、自分達に譲って欲しいと思っていた。

 

 そんな中、一人の男がやってきた。

 

「あのー…皆さん…」

 

 その男の名前は風見天智である。気まずそうにやってきた。

 

「あ、あんたは…」

「邪魔しないで!!」

「そうそう…って、あれ? アンタテツマと同じクラスの…」

「か、風見天智です…」

 

 天智に話しかけたのはウオッカ、ダイワスカーレット、トーセンジョーダンの3人だった。だが、普通の人間ごときに臆する彼女達ではなかった。

 

「とにかく邪魔しないで!」

「そうよそうよ!」

「アンタには悪いが、普通の人間ごときにビビってられるオレ達じゃないんでね!」

「あ、僕はただ伝言を預かってまして…」

「伝言?」

 

 天智がとても気まずそうにウマ娘達を見ていた。

 

「…カフェさんのお友達からのご伝言でして、『お前ら今夜はお灸を据えてやる。と畜場行きよりも恐ろしいものを見せてやるから覚悟しろ』との事です」

 

 天智のこの言葉を聞いてウマ娘達はこれでもかという程青ざめて半泣きになった。

 

「ウ、ウソだ!! ウソだと言ってくれぇえええええ!」

「そんなの嘘よ!!」

「え? マジ…? マジなの…?」

 

 狼狽えるウオッカ達に天智は気まずそうに視線をそらすと、本当にそう言っているんだとウマ娘達も確信して更に絶望していた。

 

「その…お気の毒ですが…反省なさってください… それでは!!」

 

 そう言って天智が逃げようとすると、ウオッカ達が止めようとしたが、この時天智は空高く飛び上がった。

 

「飛んだァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?」

 

 さあ、ここからが本編です。

 

**************************

 

 騒動を起こしたメンバーは主にこの通り。

 

・ スペシャルウィーク

・ サイレンススズカ

・ ダイワスカーレット

・ ウオッカ

・ タニノギムレット

・ マヤノトップガン

・ トーセンジョーダン

・ エアグルーヴ

・ ウイニングチケット

 

 

「ど、どうしましょう~。スズカさん…」

「こ、困ったことになったわね…」

 

 自室でスペシャルウィークとサイレンススズカが恐怖で夜眠れなくなっていた。何でも良いが問題を起こした主犯格の9人は全員栗東寮であり、美浦寮はいつもと変わらなかった…。

 

「カフェさんのお友達って結構ヤバいって聞いたよ~!?」

「うう…。夜眠れるかなぁ…」

 

 トーセンジョーダンとウイニングチケットも自室で震えあがっていた。この2人は意外とオバケが苦手なのである。

 

「……」

「どうしたの? グルーヴ」

「な、何でもない! さっさと寝るぞ!」

 

 エアグルーヴもまた自室でそわそわしていて、同室のファインモーションから様子を聞かれたが、強がって布団に籠っていた。生徒会副会長として無様な姿を見せたくはないのだろう。

 

「ふっ…饗宴の始まりか…」

 

 タニノギムレットはとにかくカッコつけていたが、膝がこれでもかという程震えていて、同室のナリタブライアンは一体どうしたんだろうと心の中で思っていた。

 

 

「マヤノはオトナだからこわくない…マヤノはオトナだからこわくない…」

「…何やってんの? マヤノ」

 

 マヤノトップガンは既に毛布にくるまっていたが、興奮していて眠れる状態ではなく、エアグルーヴ同様、同室のトウカイテイオーから様子を聞かれていた。

 

 そしてこの2人も…。

 

「ふ、ふん! アタシはおばけなんて怖くないんだから!」

「強がっちゃって。先に寝てもいいんだぜ?」

「はぁ!? あんたこそビビッて恥をかいても知らないわよ!?」

「はーん!? お前こそビビッてしっこ漏らすんじゃねーぞ!」

「アンタってホントデリカシーないわね! ガキじゃないんだから…」

 

 そう言って喧嘩していると、誰かが思いっきり扉を開けた。寮長のフジキセキで消灯前に騒ぐ2人を注意しようとしたが、今の彼女達に対しての行為としては最悪そのものだった…。ウオッカとスカーレットは一瞬心臓が止まり、パニック状態になってフジキセキがカフェのお友達の仲間に見えた。

 

「君たち。もう消灯ま…」

 

 フジキセキがそう注意した瞬間、ウオッカとダイワスカーレットは抱き合って、声にならない叫びをあげた。その叫びは栗東寮中に響き渡って、今回の騒動に関わっていない生徒達も何事かとはねあがった。

 

「え!? あ!!? ふぇええええ!!?」

「ス、スペちゃん!! 絶対に外に出たらだめ!!」

 

 ウオッカとスカーレットの叫び声にスペシャルウィークが青ざめたが、サイレンススズカがスぺを抱きしめて外に出ないように説得した。

 

「ぎゃあああああああああああああああああ!!」

「うわぁあああああああああああああああん!!」

 

 トーセンジョーダンとウイニングチケットは自室で泣きながら抱き合っていた。

 

「うわぁあああああああ!! い、一体何なのぉ!!?」

 

 テイオーもウオッカとスカーレットの悲鳴が聞こえてきたので、思わず声を上げると、マヤノトップガンは更に布団に籠った。

 

「マヤノハキコエテナイマヤノハキコエテナイマヤノハキコエテナイ…」

「ちょ、ちょっとマヤノ!! 何が遭ったのコレ!! もうワケワカンナイヨォ~!!!」

 

 そう言ってテイオーもマヤノと同様布団に籠った。とにかくこの事態から現実逃避をしたくて仕方がなかったのだ…。

 

「来たな黒き魔物よ! 私が夢の中で粛清してくれる!」

 

 と、タニノギムレットはまたカッコつけているが、怖いから早く寝ようとしていて、それをブライアンに見透かされていたがどうでも良かったのでブライアンも早く寝ることにした。

 

 

「お、おのれぇ!! この私が成敗してくれる!!」

「ちょ、ちょっとグルーヴ! 落ち着いて!!」

 

 ウオッカとスカーレットの悲鳴を聞いて、幽霊が現れたと思ったグルーヴは、生徒会副会長の誇りにかけて成敗しにウオッカとスカーレットの部屋に向かった。まあ、元はと言えば問題を起こしたのはグルーヴたちなので、誇りもクソもないのだが。

 

 そしてウオッカとスカーレットの部屋では、ウオッカとスカーレットが半狂乱になって、フジキセキにモノを投げつけてきた。

 

「い、いたたたたた!! イタイイタイ!! ポニーちゃん達落ち着いて!!」

「来ないでぇ!! 来ないでぇええええええええええ!!」

「オラァアアアアアア!! フジ先輩に化けるなんて卑怯な真似しやがって!! 正々堂々と戦えオラァアアアアアアアアアアアア!!」

「いや、私本物…」

「コラァアアアアアアアアアア! 何をしとるかぁあああああああ!!」

 

 エアグルーヴを筆頭に他のウマ娘達が現れた。フジキセキとしてはグルーヴが助けに来てくれたと思っていた。だが…。

 

「フジに化けてウオッカとスカーレットに何をしとるかぁあああああああああ!!!」

「いや、私本物ぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 何という事だろう。エアグルーヴはフジキセキに対してプロレス技を仕掛けた。

 

 とにかく栗東寮はカフェのお友達が言っていた通り、と畜場より恐ろしいものを見せられたというが、一番の被害者はフジキセキだった…。

 

 

 そして天智はというと…。

 

「気に病むな風見。お前はようやった」

 

 男子寮の談話室で一人落ち込んでいて、後ろから寮長である香川伝助に肩を叩かれて慰められていた…。

 

 

『アトハマカセロ』

「!!?」

 

 どこからか聞こえた声に天智は驚いていた。

 

 

おしまい

 




 キャスト

風見 天智
香川 伝助

スペシャルウィーク
サイレンススズカ
ウオッカ
ダイワスカーレット
タニノギムレット
ウイニングチケット
トーセンジョーダン
エアグルーヴ
マヤノトップガン

トウカイテイオー
フジキセキ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。