第21話「夏合宿・クラシック(メジロライアン編)」
「はぁ…」
夏合宿のとある夜。ライアンはとてつもなく落ち込んでいた。
というのも…
「へー。ウマ娘がこんな所にいるなんて珍しいですね。やっぱりチャームポイントって耳なの?」
メジロライアン「い、いえ…。その…ハムストリングスですっ! 石粒も弾き返せるんですよ?」
「え…?」
合宿中。ライアンは海水浴に来た男性たちに話しかけられていたが、どうも上手く行ってない感じがしていた。
ちなみにハムストリングとは尻の付け根から太ももの裏側、太ももから膝裏周辺にある、3つの筋肉(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)の総称で、硬くなってしまったり機能してないと腰痛になりやすい。
だが、筋トレをしない人にとってはピンと来ないので、今みたいな空気になっちゃうんですね…。
そしてまた…
「ねえねえ。今晩一緒に花火しようよ。迎えに行くからさ」
メジロライアン「えっ…/////
また別の客から花火に誘われたのだが…。
メジロライアン「そ、それじゃ午前0時に迎えに来てください…//////」
「は? いくらなんでも遅すぎるだろ」
メジロライアン「え? こういうのって0時に来るものじゃ…」
で、また…
「ねえねえ。ゲームしようよ」
メジロライアン「え? もしかしてアレですか? 告った方が負けって言う…」
「…え?」
後はもうお察しください。
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メジロライアン「うわぁ~ん!! アタシこんなに恋愛耐性なかったんだ~!!!!」
と、ライアンは嘆いていてその近くでテツマ、チケット、ネイチャが聞いていたが、3人とも呆れていた。
テツマ「お前らを見てつくづく思うよ。レースよりも一般常識を学ばせた方が良いってな…」
ウイニングチケット「テツマくん!!」
テツマの皮肉にチケットがツッコミを入れるが、正直ライアンも酷すぎたのでネイチャ共々何とも言えなかった。
メジロライアン「どうせなら完全に嫌われたかったよ~…。これじゃただの変な子だよぉ…」
テツマ「悪気がねぇから猶更質が悪いぜ」
テツマの辛らつな言葉にライアンは更に涙目になりながら肩を落とした。
メジロライアン「…マックイーンならこうならないんだろうな。見た目も可愛いし、服装もいいから」
テツマ「いや、なるぜ」
メジロライアン「え?」
テツマ「お前の場合。見た目とかそれ以前の問題だよ」
メジロライアン「」
テツマの言葉にライアンは完全に心が折れた。
ウイニングチケット「テツマくん! どうしてそんな酷い事を言うの!」
テツマ「なら、こいつが変人扱いされたままでいいんだな?」
ウイニングチケット「そ、それは…」
ナイスネイチャ「と、とりあえずライアン先輩の良くなかったところを纏めましょう」
メジロライアン「お願いします!!!」
ライアンが勢いよく頭を下げるが、テツマはこういう所なんだよなぁ…と、遠い顔をした。
***
その1
テツマ「まず、いきなり筋肉の話をするな」
メジロライアン「そ、そうですよね…。ついついやっちゃうんですよ…」
テツマ「ボディビルダーなら食いつくが、一般庶民は殆どそういうのに縁がねぇんだ」
ナイスネイチャ「まー。ちょっと言い方を変えた方が良かったかもしれませんね。ハムストリングスがどういう部分なのかを説明しながら話すとか」
メジロライアン「成程…」
ライアンはメモ帳でメモをしていた。
その2
テツマ「で、2人目の奴だが…。午前0時ってシンデレラじゃねぇか。ここ日本だぞ」
ナイスネイチャ「…しかも踊る時間帯じゃなくて、帰る時間帯ですよ」
メジロライアン「はずかしい…//////」
テツマとネイチャにカチで突っ込まれてライアンは顔を真っ赤にして両手で覆っていた。
ウイニングチケット「時間を聞いた方が良かったかもね」
テツマ「てか、そもそも一般客と花火ってしていいものなのか…?」
ナイスネイチャ「トラブルになるからあんまり良くないんじゃないですかね…」
その3
テツマ「で、3つ目は…もういいや」
メジロライアン「諦めないでくださいよぉ!!!」
テツマが匙を投げ始めてライアンが涙目で突っ込んだ。
ナイスネイチャ「告白するのに勝ちも負けもありませんよ。多分ですけど」
ウイニングチケット「とにかくライアンがするべき事は…筋肉の話をしない事で合ってるの?」
テツマ「相手の話を聞いて、それに合った回答をする事だな」
メジロライアン「わ、分かりました…」
テツマ「…それもそうだが、恋愛漫画を当てにしてるだろう」
メジロライアン「や、やっぱり分かっちゃいましたか!?」
テツマ「漫画はあくまで理想をえがいたものだ。あまり当てにはならねぇぜ」
テツマの言葉にチケットとネイチャ驚いた。
メジロライアン「そ、そうですよね…。分かりました! あたし、自分の力でやってみます!」
で、どうなったかというと。ライアンは本を読みまくった。
メジロライアン「とにかく余計な事は言わない…よし!」
そしてどうなったかというと、ライアンは砂浜の上で仁王立ちをしていた。
メジロライアン(声をかけられたら、余計な事を言わずに頷くだけ…)
しかし、今度は不思議な目でライアンを遠くから見るだけで、誰も声をかけてこなかった…。
メジロライアン「誰も声をかけてくれなかったー!!!」
それを遠くからテツマ、チケット、ネイチャが困惑していた。
ウイニングチケット「何がいけなかったのかなぁ…?」
テツマ「脳筋…」
ナイスネイチャ「トレーナーさん」
テツマが悪口を言いかけたのでネイチャが止めた。
メジロライアン「うおおおおー!!!! 何がいけないんだぁー!!!!!」
ライアンの戦いはまだまだ続く…。
ちなみにマックイーンはどうだったかというと…。
「あ、メジロマックイーンだ!」
声をかけられるところまでは良かったのだが…。
「スイーツ食べ過ぎるなよー!!」
「今度のレースに負けて、トレーナーさんに正座させられるなよー!!」
「試合見に行くからちゃんとダイエットするんだぞー!!!」
メジロマックイーン「ここは空気を呼んでくださいまし~!!!!」
飛鳥「自業自得だ」
…マックイーンもマックイーンであまり上手く行ってなかったそうです。
おしまい