ウマ娘ハーメルンダービー   作:ダシマ

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第22話「追加の自主トレ(スーパークリーク編)」

 

 

 ある日のトレセン学園。

 

「ふー…。お疲れさまでした。トレーナーさん」

「お疲れさまでした」

 

 クリークとトレーナーである黒島太一はトレセン学園の正門前で話をしていた。先ほどまでトレーニングをしていて、帰って来たばかりである。

 

スーパークリーク「トレーナーさんもお疲れでしょう? 今日はゆっくりと…」

 

 クリークがそう話しかけた次の瞬間だった。

 

「はっ、はっ、はー…」

 

 クリークの同期でチームメイトであるオグリキャップが走ってきた。

 

スーパークリーク「あら、オグリちゃんもトレーニングから帰ってきたようですね」

オグリキャップ「ああ…。だが、まだやろうと思っている」

太一「……」

 

 オグリの言葉に太一は反応した。

 

オグリキャップ「その前に軽食を取ろうと思ってな」

太一「…という事は、また夜に走るつもりですか?」

 

 太一がそう言うと、オグリが太一を見つめた。

 

オグリキャップ「無理はしない。約束する」

太一「いえ、そうではなく夜に1人で走るのは危険です」

 

 正規のトレーナーではないとはいえ、指導する立場としては賛成できない太一であった。

 

オグリキャップ「車にも気を付ける」

スーパークリーク「それでも心配です」

 

 クリークもオグリの身を案じて心配し始める。

 

スーパークリーク「トレーナーさん。私もオグリちゃんに付き合ってあげてもいいでしょうか? 2人でなら、何があってもすぐに対処できると思いますし…」

太一「いえ、オレが元々行くつもりなので…」

スーパークリーク「それなら3人で行きましょう」

オグリキャップ「…済まない。気遣い、感謝する」

スーパークリーク「いいえ、お友達ですし…今は同じ『仲間』ですから♪」

 

 かつてはトゥインクル・シリーズで『ライバル』として数々の名勝負を繰り広げてきたクリークとオグリ。しかし、今となっては『太一を助ける』という共通の目的の為に、同じチームとして奮闘するのだった。

 

スーパークリーク「それでは軽食も作りましょう♪」

太一「…作る?」

スーパークリーク「すぐに終わりますので待っていてください♪」

 

***************

 

 ちなみに別のパターン。

 

 オグリが夜のトレーニングに行こうとしていたが、太一は止めることにした。

 

太一「…夜は足元が見えづらくなります」

オグリキャップ「確かにそうだ。だが、少しくらいなら…」

スーパークリーク「そんな…。もしオグリちゃんが夜道でケガなんてしたら私…私…う、うう…泣いてしまいますっ」

 

 オグリの心配をするあまり、クリークが泣きそうになるとオグリは慌てた。

 

オグリキャップ「す、すまない! 今日はもうやめておく! だから泣くのは…」

 

 とまあ、結局オグリはトレーニングをやめて、そのまま学園に戻るとクリークは安心したように笑ったのだった。

 

 

***************

 

 とまあ、ここからはオリジナルで、仲間が無理をすれば心を痛めるクリーク。

 

 そんなある日の事。太一が無茶をした。というのも、クリークに隠れて内職をしたのがバレたのだ。

 

スーパークリーク「トレーナーさん」

太一「…申し訳ございません」

 

 案の定、緊急会議が行われることになり、太一はクリークに叱られていた。チームメイトも参加していたが、困惑気味だった。

 

タマモクロス「…そんなに金に困っとるんか?」

太一「…困っているわけではございませんが、何が起こるか分かりません」

スーパークリーク「タマちゃん。私は内職をしていることに文句を言ってるんじゃないんです。どうして私に言ってくれなかったんですか?」

イナリワン「いや、言いづれぇだろ。確かに内職を手伝ってくれれば楽にはなるけど、内職代もその分訳ないといけねーし」

スーパークリーク「いりませんよ!」

タマモクロス「そういう訳にはいかんやろ。仮にも先輩やのに」

 

 と、タマモクロスたちが揉め始めた。オグリは慌てふためくばかり。

 

太一「…皆さん」

「!」

太一「内職をしていたことについては、もう謝る事しかできません。ですが、親はもういないので妹の事はオレが何とかしないといけません」

 

 太一がそう言うと、4人が顔を合わせた。

 

スーパークリーク「…分かりました」

太一「……」

スーパークリーク「…その代わり」

太一「?」

スーパークリーク「内職は手伝わせてください!」

 

 クリークの言葉に太一は反応した。

 

タマモクロス「クリーク! 話聞いとらんかったのか!?」

太一「分かりました」

「!」

 

 太一がそう答えると、タマモクロスたちが反応した。

 

イナリワン「太一…」

 

 太一がクリークを見つめた。

 

太一「…その時が来たらお願いします」

スーパークリーク「約束ですよ?」

 

 こうして約束をした太一とクリークではあったが…。

 

*****

 

「優勝は黒島太一選手!!」

「ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 太一は賞レースに手を出すようになった。今回は全部倒せば賞金10万円のキックターゲットに挑戦していた。そして4人は唖然としている。

 

イナリワン「た、太一…」

太一「内職ではございません」

タマモクロス「それはただの屁理屈や!!!」

スーパークリーク「……」

 

 これにはクリークも無表情になった。

 

スーパークリーク「トレーナーさん」

太一「はい」

 

 そしてどうなったかというと…。

 

『とある相撲大会・ウマ娘の部優勝は…スーパークリーク選手!!』

 

 何という事だろう。クリークが相撲大会に出て優勝したのだ。しかも賞金付きである。これには太一も困惑していた。

 

太一「…クリークさん」

スーパークリーク「内職ではありませんよ?」

タマモクロス「言うたやろ太一。クリークから逃げられると思わん事やって」

 

 クリークの予想以上の頑固さを侮っていたと痛感した太一だった。

 

オグリキャップ「わ、私も大食いなら自信あるぞ…?」

スーパークリーク「その前にごはん食べに行きましょう。勿論、トレーナーさんも!」

太一「…はい」

 

 

おしまい

 

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