ウマ娘ハーメルンダービー   作:ダシマ

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第24話「テツマとゴールドシチー」

第24話

 

1. 08:36/朝寝坊、やばっ

 

 それはある日の事。ゴールドシチーはやる気がなさそうに登校してきた。とても眠そうである。

 

ゴールドシチー「ふぁあ…。昨日遅くまでモデルの仕事でさ。お陰で時間もギリギリ…まあでも遅刻はしないだろうからゆっくり…」

 

 しかし、チャイムが鳴った。

 

ゴールドシチー「って! 予鈴なってるし! 部屋の目覚ましズレてたかも…走れば間に合うか…!?」

 

 そう言ってシチーが走り出すと、偶然教室からのぞき込んだであろう縹テツマと目が合った。

 

ゴールドシチー「……!」

テツマ「……」

 

 勿論テツマがそんな事をするはずはないというのは分かっていたが、何故か見下されたような気がした。先ほど遅刻はしないだろうという慢心から予鈴がなって焦りだして走り出す。傍から見れば滑稽だ。しかもそんな滑稽な姿をよりによって一番見られたくない人物に見られていた。彼女にとって屈辱なものはない…。

 

 しかし、テツマはどうでもよさそうに姿を消して、元の席に戻った。

 

ゴールドシチー(次こそは…!!!)

 

 シチーがそう思っている中で、テツマは同じトレーナー科の仲間である黒島太一に話しかけられる。

 

太一「何かございましたか?」

テツマ「いいや。予鈴がなって慌てて走ってたやつがいただけだ。ああいう油断を本番でしなければいいがな…」

 

2. 13:12/ 昼休み、気合入れなきゃ

 

「であるからして、プリエンプションというのは実行中のタスクからCPUの使用権を奪って他のタスクに割り当てることを言う!」

 

 この授業が終われば昼休憩。生徒達は1秒でも早くチャイムが鳴る事を願っていた。

 

「分かるよ。先生も昔はそうだった。だからもう授業終わり!!!」

「サンキュー先生!!!」

「抱いて!!」

 

 そんなこんなで楽しいお昼休み。中央広場で沢山の生徒が賑わう中…

 

「またマネジから連絡だ。えっと…この後差し込みの撮影? はぁ!? トレーニングの時間とかぶってんじゃん!!」

 

 シチーはスマホで仕事の確認をしていたが、トレーニングの時間とかぶっていたのだ。

 

ゴールドシチー「ちょっともう、最近こういうのが多すぎるって…」

 

 そんな中、そのトレーナーである縹テツマが通りかかった。

 

ゴールドシチー「あ、丁度いい所に…ねえ」

テツマ「?」

 

 シチーが声をかけるとテツマが何も言わずにシチーの方を向いた。

 

テツマ「またトレーニングと被ったのか?」

ゴールドシチー「そ、そうなの…ゴメン…」

テツマ「…まあ、オレは一向に構わねぇが、負けても自己責任だ」

ゴールドシチー「…アンタならそう言うと思ったよ。それに、アタシが決めた事だしね」

 

 シチーの言葉にテツマは何も言わなかった。

 

ゴールドシチー「よし、気合を入れなきゃ…」

テツマ「…じゃあ、オレはもう行くぜ」

 

 そう言ってテツマが去っていくと、シチーはテツマの後ろ姿を見つめていた。

 

ゴールドシチー(…仕事中にも出来るトレーニングを見つけよう)

 

2. アタシだって自力で

 

「ふぅ…」

 

 寮に帰ってきたシチーはうなだれていた。

 

ゴールドシチー「今日の撮影は長丁場だったな…。また寮のご飯食べ損ねちゃったし」

 

 最近仕事が多すぎて食事をまともに取れていないのだ。特に今日は昼しか食べれず、このままだと体を壊すことが目に見えていた。

 

 そんなこんなで料理をする事となったが、思った他上手く行かなかった。

 

ゴールドシチー「また焦げた!! 卵、急に焼けすぎじゃね!?」

 

 そして持っていったのはいいが、やっぱりマズかった上に案の定腹痛迄起こした…。

 

**********

 

「…事情は良く分かった。で、何故その解決をオレに?」

 

 後日、トレセン学園の会議室にて、シチーが自分の料理で腹を壊したことがテツマにも報告したマネジ。何故かそのトラブルの解決をテツマに依頼することになった。

 

マネジ「その…私だと意地を張って…」

テツマ「あいつは誰に対しても意地を張るぜ」

マネジ「確かにそうかもしれないけれど、貴方シチーのトレーナーでしょう!?」

テツマ「そっくりそのまま返すぜ。人任せにしてる上にその態度は社会人としてどうなんだ?」

 

 テツマの言葉にマネジは額に青筋を浮かんだ。

 

テツマ「まあ、話を聞いてる限りだと、料理が上手くなりてぇんじゃねぇか?」

マネジ「え?」

 

 テツマの言葉にマネジは驚いた。

 

テツマ「じゃなきゃ、マズいと分かってる自分の弁当を食ったりしねぇし、アンタの言う通りにしてる。モデルってプロ意識高くないと出来ねぇんだろう?」

マネジ「そ、そうだけど…はっ!!」

 

 テツマの言葉にマネジはある事に気づいた。

 

テツマ「そう。アンタの言う通りにした所で、料理は下手糞のまま。プロ意識の高いアイツがそんな事を許せるはずもねぇ。アンタ…料理できるか?」

マネジ「で、出来るわ…」

テツマ「じゃあ適当なタイミングを見計らって、声をかけてみな。すぐにOKは出るとは思えねぇが、頭のどこかには引っかけるはずだ」

 

 テツマの言葉にマネジは俯いた。

 

テツマ「…こりゃあ、トレーニングに支障が出そうだ。オレが直接言うと食って掛かる。ヒシアマにでも」

「その必要はないよ。テツマ」

 

 シチー本人が現れた。

 

マネジ「シ、シチー…」

テツマ「どっから聞いてたんだ?」

ゴールドシチー「最初から。入っていく所を偶然見たの…」

テツマ「…まあ、オレは気づいてたけどな」

マネジ「えっ!?」

テツマ「まあいい。で、結局どうするつもりだ」

 

 テツマの言葉にシチーは俯いた。

 

ゴールドシチー「…その前に一言言っていい?」

テツマ「何だ?」

ゴールドシチー「二人ともゴメン。アタシが意地張ってた…」

 

 シチーの言葉にマネジが驚くも、テツマは表情を変えなかった。

 

ゴールドシチー「…本当はこのまま自分の力で何とかしようって思ったけど、結局上手く行かないし…それこそテツマやマネジだけじゃなくて、他の皆にも迷惑かけるからさ。料理、ちゃんと教えて貰う事にするよ」

テツマ「分かった。で、誰に教えて貰うんだ?」

 

 テツマがそう言うと、シチーはマネジを見つめた。

 

ゴールドシチー「マネジ、今度…教えて貰っていいかな」

マネジ「シチー…勿論よ」

 

 マネジが口角を上げると、テツマは一息ついて事件解決だと悟った。

 

 

 

 で、この後どうなったかというと…。

 

ゴールドシチー「テツマ。お弁当作ったんだけど、食べてくれる?」

テツマ「今度はもう少し周りの状況を見るのと、言葉に気を付けるべきだな…」

 

 シチーがテツマの教室にやってきてそう言うと、周りのクラスメイトは唖然としていたそうな。

 

太一「……」

 

 無表情で2人を見つめる例外もいたが、

 

 

おしまい

 

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