ウマ娘ハーメルンダービー   作:ダシマ

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第7話「レッツはちみー♪」

 

 

 ある日の放課後。

 

「はちみーはちみーはっちっみー♪ はちみーをなめーるとー♪」

 

 トウカイテイオーが高らかに歌い上げ、それを横で聞いていたメジロマックイーンが困惑していた。彼女たちは今練習を終えて一息つこうと、はちみーを売っているお店に来ていた。

 

 ちなみにはちみーとは、恐らくであるがはちみつドリンクの事である。テイオーはこのはちみーが大好物で、先ほどのようにオリジナルソングを作るほどだ。リアルでもフ〇ミリーマートでコラボ商品として販売した事があったが、数日でほぼ売り切れになったよ!

 

トウカイテイオー「あしがーあしがーあっしがー♪ はやーくーなるー♪」

 

 トウカイテイオーはとにかく上機嫌だったが、マックイーンはテイオーが歌っている歌の意味が分からず困惑していた。

 

「ハチミツと足の速さに直接的な因果関係はないと思いますけど…」

「マックイーン。あまりそういう事言ってると、皆からつまんないって言われるよ?」

「そんなに!!?」

 

 テイオーのガチツッコミにマックイーンは酷く驚いていた。確かにボケに対して真面目に受け答えして、先日ゴルシからも堅すぎると言われた。

 

**

 

「まあ、冗談はさておき、無敵の僕の存在が何よりの証拠なんだよ! そういう訳で店員さん! いつも通り『硬め・濃いめ・多め』でよろしく~!!」

 

 と、テイオーが愛想良く注文をしたが店員さんは困惑した。

 

「申し訳ございません…。実は先ほどのお客様で売り切れてしまいました…」

「えええええ~~~~~~~~~~~~~~~っ!!?」

 

 まさかの売り切れという事態にテイオーは酷く絶叫していた。

 

「ないのでしたら仕方ありませんね。はちみつパイを…」

「すみません。それも売り切れなので…」

「じゃ、じゃあ売ってるものは…」

「ですから、全部売り切れたので今日はもう店じまいです。すいません…」

 

 こうしてテイオーとマックイーンははちみーにありつけなかった。

 

「ショックだよぉ…」

 

****

 

 翌日、テイオーとマックイーンは練習を終えた後またはちみーを売っている販売車の所にやってきた。だが…。

 

「すみません。もうはちみーが売り切れてしまって…」

「な、なんで!?」

「なんでって…」

 

 店員が申し訳なさそうに頭を下げると、テイオーが店員に何故はちみーが売り切れてるのか問い詰め、マックイーンが呆れていた。

 

「その…。はちみードリンクが最近メディアで取り上げられるようになって、買いに来られるお客様が急増されたんです…」

「それは良い事だけど、1杯くらい残ってないの!?」

「すみません…1滴残らず…」

「もぉおおおおおお!!!」

 

 店員の申し訳なさそうな態度にお構いなく、テイオーが地団駄(ステップ)を踏むと、

 

「コラ! 何騒いでるんだテイオー!」

「!?」

 

 一丈字飛鳥が現れた。2つ年が違うがテイオーとマックイーンと仲良しであり、マックイーンとはちょっとした知り合いなのである。

 

「飛鳥さん…」

「まあ、何があったか大体見当つくけど…」

 

 飛鳥が呆れたようにテイオーを見つめると、テイオーは半泣き状態だった。

 

「だ…だってだってぇ! 二日も連続で売り切れて飲めなかったんだよ!? 練習だって一生懸命やったのにぃ!」

 

 テイオーの言葉に飛鳥はまたテイオーに対して呆れていて、マックイーンも飛鳥の顔を見て何とも言えない顔をしていた。

 

「…テイオー」

「な、なに? お説教なら聞かないからね!?」

「お前、此間のレースでインタビュー受けたろう。そこでなんて言ったか覚えてるか?」

 

 飛鳥にそう言われてテイオーはレースのインタビューの事を想いだした。レースの事もそうだったが、勝利の秘訣について聞かれ、こう答えた。

 

『ふっふーん。勿論僕のたゆまぬ努力もだけど、やっぱりはちみーだよね! 練習した後の一杯が今の僕を作っていると思っても過言じゃないよ!』

 

 そしてインタビューで自分の発言を思い出したテイオーは青ざめた。

 

「あ~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!」

「調子に乗るなってアレほど言ったのに…」

 

 叫んでいるテイオーの様子を見て、飛鳥は困り顔で腕を組み、目を閉じた。テイオーは確かに才能も実力もあるのだが、とにかく調子に乗るという勝負師としては致命傷と言ってもいいほどの短所があったのだ。

 

「確かにテイオーほどの実力者がそう言うと、皆買いに行きたくなりますわね…」

「そういう事。自分の影響力を考えないからこういう事になるんだ。自業自得だよ」

「そ、そんなぁ~~~~~!!!」

 

 飛鳥の言葉にテイオーは半泣きでへたり込んだが、結局どうする事も出来ないので飛鳥に回収されていった。そんな様子を見たはちみーの店員は困った顔で3人を見守る事しか出来なかった。

 

 そして飛鳥もこのままだとテイオーが真面目に練習しないと考えていた…。

 

***

 

 とある休日。この日はテイオーの練習日だったが…。

 

「はちみーショップ。トレセン学園へ出張販売でーす!」

「……!」

 

 何という事だろう。はちみーのあの移動車がトレセン学園へケータリングをしていたのだ。これを見たテイオーとマックイーンは酷く驚いていた。

 

「ど、どうして移動車が…テ、テイオー!!?」

 

 マックイーンがそう呟くと、テイオーは即座に受付に向かって注文した。

 

***

 

「ん~。やっぱコレだね~♪♪」

 

 数日ぶりのはちみーにテイオーは感涙しながら飲んでいて、隣にはマックイーンが困惑した様子でテイオーを見つめていた。すると飛鳥がやってきた。

 

「飛鳥!」

「飛鳥さん…」

 

 すると飛鳥は苦笑いした様子でテイオーとマックイーンを見つめる。

 

「数日ぶりのはちみーはどうだい? テイオー」

「うん! サイッコー!」

「そりゃ良かった。じゃあ練習も最高のパフォーマンスで頼むよ」

 

 飛鳥が何かしたと判断したマックイーンは飛鳥の顔を見る。

 

「もしかして飛鳥さんが手配したんですか…?」

「えっ!? そうなの!?」

「違うよ。オレ達が販売所で会ったときに居合わせた店員さんがいたでしょう」

「あっ。あのおねーさん…」

 

 飛鳥の言葉にテイオーがはちみーショップの女性店員の事を思い出した。恐らく女子大学生のアルバイトだと思われる。

 

「あの人が店長さんに相談して、お前にはちみーショップを売る事が出来ないか相談したみたいなんだ。まあ、流石にお前ひとりを贔屓するのは問題があるから、ああやってトレセン学園に出張をかけたって事。だから後で礼を言っときなよ」

「そっか! それは確かにお礼を言わなきゃね!」

 

 と、テイオーがにこやかに返事すると、飛鳥は何とか解決したと一息ついた。

 

「よーし! 今日も無敵のテイオーさまが走るぞー!!」

「あ、急だけど今度の月曜日健康診断やるから逃げんなよ?」

「……」

「逃げようとしたらとっ捕まえるけど、無敵のテイオー様がそんな事するわけないよな?」

「あ…飛鳥のいじわる~~~~!!!!!」

 

 今日もトレセン学園は平和です…。

 

「マックイーンも他人事だと思わないように」

「はい…」

 

 

おしまい

 




出演

一丈字 飛鳥

トウカイテイオー
メジロマックイーン
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