俺は今結婚式に出ている。勿論自分のではない。エレノア様だ、エレノア様は1年ほど前に交際を始めた、ユグノア王国騎士団長のアーウィンだ。奴のエレノア様の思う気持ちは本物だ。開心術で深い心まで視たが奴の心はエレノア様一筋だ、奴はエレノア様のためならば喜んで死を受け入れるだろう。
気に入らん。この気持ちはなんだ?俺がエレノア様に恋をしているわけではない。わからぬ。このヴォルデモート卿が恋をしているわけではない。分からない。どう表せばよいのだ。
「複雑な顔をしているね、トム。」
「母さん。..えぇ僕はエレノア様の結婚はめでたい事だと思っています。しかし、納得できないのです。アーウィン殿の事を悪く思っているつもりはありません。アーウィン殿のエレノア様に対する気持ちは本物です。納得はできませんが理解はできます。どういうものでしょう。」
「それはね、トム。貴方がエレノアを愛しているのよ。トム、恋愛かもしれない。親愛かもしれないし、家族愛かもしれない。ユグノアにきて6年。エレノアとの関りが貴方との特別な繋がりができたのよ、その気持ちは貴方だけのものよ。」
俺がエレノア様を愛しているのだと?瞑目して思考する、エレノア様とのチェスの日々を思い出す。俺が一手を出すたびに穏やかな笑みを浮かべ対抗するように駒を動かす。 最初の頃を圧勝だったが、俺が勝つたびに感想戦と称して、エレノア様に負けた理由を述べるとそれを生かして次の試合で発揮して来る。これによって月に8回はエレノア様とチェスを打つようになった。マルティナはその試合を俺が淹れた紅茶を飲みながら眺める。 俺はこの光景が好きだ。最初は嫌でたまらなかったがこの時間がかけがえのない記憶となっていた。
「そうかもしれません。僕はエレノア様を愛していたのかもしれない。」
俺はそう言い指定席を立ち新郎新婦の元へ向かう。結婚式を重要部分、即ち儀式部分はすでに終わっている。新郎新婦は来客にあいさつ回りをしている
「エレノア様、アーウィン殿。結婚おめでとうございます。」
「あら、トム。ありがとう。あなた、トムよ。」
「やぁ。トム君、ありがとう。今はとっても幸せだよ。」
「......アーウィン殿、申し訳ないですが、後ほど手合わせお願いしたい。」
俺はアーウィンに決闘を申し込んだ。自分の気持ちに折を付けるためだ。俺の真剣な目を見たアーウィンは俺の申し出を受け入れた。
「‥わかった。今日の夜、中庭で会おう。」
夜、俺は中庭へやってきた。城の魔法使いから両手杖を借りて。 アーウィンは既に鎧を着こみ、剣を片手に黙想している。
「お待たせしました、アーウィン殿。」
「時間には早いよ、トム君。」
「相手が既に来ているなら、それは待たせているのですよ。」
「トム君。鎧や盾は?」
「必要ないです。僕は魔法だけで戦えます。」
見物にユグノア王、エレノア様、母、マルティナがやってきていた。
「二人共用意はいいな?‥‥始めるのじゃ!」
ユグノア王の始まりの掛け声と同時に魔法を放つ、両手杖は使ったことがないが無杖呪文よりはましだ。
「
無数の蛇を出現させアーウィンに襲い掛かる。アーウィンはその蛇を一瞬で切り捨て剣を片手に向かって来る。
「
衝撃呪文で怯んだすきに武器を飛ばす。
構えていた剣が飛んだアーウィンは背中に背負っていた予備の剣を出すと再び走ってきた。
「
床を滑らせ、転ばせて、縛る。しかし、短剣を使い縄を解き。一瞬で立ち上がるアーウィン。
アーウィンは剣を振う
「
盾の呪文をだし、アーウィンに話しかける。
「うらぁ!、トム君こそ、私の剣をを吹き飛ばし、縛りつけるとは。」
「僕は、エレノア様を大事に思っています。
「それは私もだ、トム君。君がエレノアを愛しているのはわかる。この一年、睨みつけられたらね。おらぁ!。 だけど私もエレノアを深く愛しているのだ、結婚式での誓いは嘘ではない、何が何でもエレノア様を守り抜く。たとえこの身が朽ち果てようとも。」
「貴方ならば確かに安心かもしれません、
目を眩ませ、腕を拘束する。 しかしもう片方の手で切りつけてきた。
「
自分の身体を浮かし切りつけを回避し、衝撃呪文でカウンターをする。
吹き飛んだことでお互い余裕ができたのかアーウィンは腕縛りを解き、両手に大剣を構え、向かって来る。
「
霧をだし、視界を奪う。
「これで終わりにしよう。トム君。」
アーウィンは霧の中、切りつけてきた。
「!?
盾の呪文を破られたため、上位盾の呪文を使ったがその衝撃は盾を貫通し俺に伝わった。その瞬間、最後に力を使い失神呪文を飛ばした。俺はそこで眠りについた。
俺は次の日に目を覚ました。 そばにはマルティナが付き添っており、目が覚ましたことにきがついたマルティナは話しかけてきた。
「目が覚めた! トムお兄ちゃん!大丈夫?」
「マルティナ? 僕は大丈夫だ。アーウィン殿は?」
「アーウィン様も大丈夫だよ。さっき目が覚めたの」
「会いに行かねば。」
俺はベットを出てアーウィン殿の私室へ向かう。
「おはよう、トム君。」
「おはようございます、アーウィン殿。昨日は突然失礼しました。」
「いいんだ。トム君、私も思うところがあってね、君との戦いで決意ができたよ、これからも君の分。エレノアを守っていくと。」
「決闘は引き分けでしたが、僕は負けを認めます。アーウィン殿、貴方の方が、貴方ならばエレノア様をずっと守っていけるでしょう。」
「‥‥トム君。ありがとう。」
「最後に一つ、エレノア様をどんなものからでも守っていけますか?」
「!.....
「わかりました。僕は引きましょう、貴方を認めます。」
「ありがとう。トム君。」
アーウィン殿との話を終え俺はエレノア様の私室へ向かう。このヴォルデモート卿も負けを認めるしかないか。俺が、ここまで変わるとはな。前まで愛などと、一蹴していたが今となってはダンブルドアの言葉が分かる。エレノア様を傷つける奴は俺様が消してやる。多分この気持ちが愛なのだろうな。
トム君11歳
ヴォルデモートのドラクエ呪文使用について。
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