神竜娘と邪竜娘の妹たちに愛されすぎてる件   作:りんご(仮)

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原作にない展開起きてるけどまあついてこれるよな。


基本投稿は遅いです。ゆるして


神竜娘と一緒にお風呂に入った (後)

「兄さんの背中、大きいですね」

 

 

ちょっとしたハプニングで妹と一緒にお風呂に入ることになりその妹ことリュールは俺の背中を流してくれていた。

 

 

「こうやって兄さんの背中をいつか流してあげたいってずっと思ってたんです」

 

「そっか。けどできれば・・・」

 

「できれば?」

 

「・・・いやっ、なんでもないよ。にしてもリュールに背中を流してもらう日が来るなんてな」

 

 

 

千年前はよく母さんがリュールの背中流してたっけ?あのときのリュールは良い意味でも悪い意味でも空っぽだったからな。あの頃のリュールはどう思ってたかは知らないけどけど今のリュールを見るとなんとなく分かる。だから母さんのやってきたことは愛情を注ぐ事は決して無駄ではなかったってことだな。まあちょっとやりすぎな気もするけど

 

母親らしいスキルなんてなにも持ってなかったくせに変に母親らしく振る舞おうとして・・・いつも通りでいいとは思ったけど母さんはそれじゃ納得しなかったんだよな。けど今にして思うと母さんは立派にリュールの母親を出来てたと思うよ。この二人は多分俺以上に親子してたと思う。

 

 

 

「それにしても未来というのはどうなるか分からないものだな」

 

「そうですね。そういえば兄さん。聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

 

「聞きたいこと?」

 

「はいっ・・・千年前のことです」

 

「・・・・・」

 

 

いつか聞いてくると思っていた。千年前のことを。ヴェイルはずっと幽閉されてたし母さんももうこの世にいない。リュールの記憶が飛んでる以上あの頃のリュールとの記憶を持ってるのは俺だけだ。

 

けど正直千年前の記憶は記憶で箱の中にしまったままにしてほしい。良い思い出ばかりじゃないし辛いことも・・・辛い思いもさせてしまった。

 

 

「マルスが言ってました。もし何かあったときに私に12の紋章士の呼び方を教えたのを。でもその存在をマルスは教えてくれませんでした。もし思い出したら『今のキミではとても耐えられない』と」

 

「・・・・・」

 

「その時から私にとって兄さんは・・・・ラインハルトはとても大切な存在だったんですよね。マルスは言ってました『その竜はとても強くて気高くて・・・だれよりも優しい竜だった』と『その竜が身を挺して守ってくれなかったらあの時点でエレオス大陸全土は崩壊していた』とも言ってました。改めて兄さん・・・あの時は守ってくれてありがとう・・・ござい・・・・」

 

 

そこまで言いかけてリュールの手が止まる。振り向くとリュールの瞳から涙が流れていた。

 

 

「ぐすっ・・・ダメですね・・・私は。あの時・・・母さんが死ぬ間際に教えてくれたのに。ラインハルト(あの人)の事は思い出さない方が私のためだって。でもっこうしてあなたが・・・兄さんが生きててくれたから」

 

 

以前、リュールには俺にしかない一面を見せることについて話した事がある。極端な甘えん坊になるのも一つだけどもう一つは弱みだ。神竜ノ王として人の上に立つものとしてのリュールは人に一切弱みをみせない。竜の守り人も王族のみんなにもだ。

 

 

リュールはその負の感情を蓄積していってその感情とソンブルの邪竜の力に取り込まれて昔のリュール(邪竜ノ子)に戻りかけたことがあった。ヴェイルが魔道具で人格を封印されて更に紋章士と唯一の神竜だったリュールが敵の手に落ちるという絶体絶命の状況になった時。あの時は俺が・・・正体を隠していたときの俺が全力でリュールを止めたけど・・・

 

 

それほどまでにリュールは強く、そして感情で変わりやすい存在だった。自分の父親だったソンブルを千年前に手をかけたのも母さんの願いと俺の死が招いた結果だ。父親を殺すことに躊躇いは一切なかったのだろう。それがリュールの本質だから。

 

 

「兄さん・・・」

 

「なんだ?」

 

「頭・・・撫でてくれませんか?不安なんです・・・ソンブルがいなくなり平和になった今ですが・・・いつ何が起きるか分からない。あの時みたいに兄さんが消えてしまうとしたら私は・・・」

 

「・・・・」

 

 

俺は無言でリュールの頭を撫でる。服を着ていない分リュールの感触と体温がダイレクトで伝わってくるが今はそんなこと言ってられない。妹が苦しんでるならそれを助けるのが兄貴として・・・今の俺としての役割だ。そうだな、頭を撫でていたら一つ思い出したことがある。今はこうやってリュールの頭をよく撫でてるけど、

 

 

「リュールは覚えてないかもしれないが・・・一つ千年前のエピソードについて話そうか」

 

「・・・兄さん?」

 

千年前(あのころ)もこうしてリュールの頭を撫でたことがある」

 

「・・・そうなんですか?」

 

「ああっ・・・よく母さんがリュールの頭を撫でていてな。まあ俺は頭を撫でられるのが好きじゃなかったからな。あの頃のお前が無垢なのをいいことに割とやりたい放題やってたというか・・・」

 

 

母さんは唯一の家族であった俺のことをよく撫でていた。けど撫でられることが恥ずかしくて・・・子ども扱いされてるのが嫌で露骨に母親とのスキンシップは避けてた気がする。今なら母さんの気持ちもよく分かる。本当に親不孝だったなって。母さん・・・ルミエルより先に死んでしまった・・・まあ結果的には生きてたけど目を覚ましたときには既に母さんは命を落としたらしいから。

 

 

「それである日リュールは言ったんだよ。『ラインハルトは頭を撫でてくれないんですか?』って」

 

「それで撫でたんですか?今みたいに」

 

「・・・・まあうんっ」

 

 

結果的にリュールの頭をよく撫でてた事に関しては事実なんだが今みたいにお願いされてすぐに撫でていたわけでない。あのときの俺は異性に撫でることに関してはかなり抵抗があったくらいだ。おまけにリュールとは人間基準に換算すると歳は近かったらしいし。というより少なくとも俺がリュールの頭を撫でるのは違うだろと思う。リュールの願いを聞いた母さんがラインハルトに褒められるようなことをしたら撫でてあげると抜かしやがった。

 

反論しようとしたら母さんにギロッと睨まれたことを覚えている。まあそんな家族関係だったからソンブルに記憶を植え付けられた母さん見ても俺に対しては割といつもの反応だなと逆に安心したよ。まあソンブルは母さんの中にあった俺の存在の記憶は消してたみたいだけど。リュールが生きてる以上その方が都合が良かったのだろう。ちなみに俺なりのケジメってのもあって異形兵として蘇った母さんは俺がぶん殴って記憶を呼び起こさせた。

 

 

「まあでもある意味母さんのファインプレーだったよな。母さんがラインハルト()に褒められるようなことをしたら頭を撫でてくれると言ってそこで初めてリュールは善行を自分の意思でやろうと思ったのだろう」

 

 

本当に子どもだなと思った。褒められるようなことをすればラインハルト()に頭を撫でてもらえるだなんて。俺に頭を撫でてもらってもあまり良いことないと思うぞとも言ったけど・・・確かあの時は。

 

 

『いえっ、わたしはラインハルトになでてもらいたいです』

 

『・・・ああそう』

 

『いいじゃないですかラインハルト。形はどうであれあの子は自分の意思で頑張ろうとしています』

 

 

動機はともかく確かにこれは良いきっかけだったのかもしれない。世界を救う竜を目指している。俺はリュールに出会った頃にそう言ったことがある。そして俺とリュールは一緒に旅をするようになって俺が人たちに何をしてきたのかも見てきた。だから俺が今までやってきたことを自分もやろうとおもったのだろう。

 

 

『ラインハルト、むらのもんだいをかいけつしました』

 

『助かったよお嬢ちゃん。ラインハルト様も良い従者を持ったね』

 

『別に従者ってわけじゃないんだが・・・けどそっか』

 

 

 

父親(・・)の命令だけで動く殺戮のお人形だったこいつが動機はともかく自分の意思で村の人たちを助けたのか。あの時、マルスの忠告を無視して殺さなかったのはやっぱり間違ってなかったのかもしれない。

 

 

『ラインハルト。わたし、むらのためにいいことしました。あたまをなでてください』

 

『えっ、ここでか?今じゃなくてソラネルに戻ってでも』

 

『いまがいいです。ごほうびください』

 

 

村のみんなが見てるから恥ずかしいから何としても避けたかったのだけど、村のみんなもラインハルト様と期待の眼差しを向けてくる。こういう事はすごく苦手なんだけどな。

 

 

俺はリュールの頭にポンッと手を置いて撫でた。誰かの頭を撫でるなんて初めてかもしれない。リュールの髪はとてもサラサラで不思議といい匂いがした。小さい子相手ならともかく歳が近い異性にするのはかなり恥ずかしい。そもそも頭を撫でるのってのはこういう感覚なのだろうかと思ったくらいだ。

 

 

『・・・これでいいか?てかどうなんだよ。頭を撫でた事ないから上手くできてるか分からないけど』

 

『・・・・』

 

『リュール?』

 

『よくわからないです。ルミエルとはなでかたがちがいますが、いやではないです。ふしぎなかんかくです』

 

『・・・今日はもうソラネルに戻るからな』

 

 

それからリュールは少しずつ小さなことから人を助けたり森に出るクマを退治したりとしていった。全ては俺に頭を撫でられたいがために。ゆくゆくは頭なでなでなくても自分の意思でこういうことをしてほしいと思ったけど・・・

 

 

「頭を撫でるからはじまったんだよな。神竜としてのリュールの人生が動き出したのって」

 

 

きっとリュール自身の本質は昔も今も変わってない。昔は甘えるということをそもそも分かってなかったと思うんだけど分からないリュールなりの甘え方だったのかもしれない。母さんはベッタベタに甘やかしてたけどあまり褒めない俺から褒められるのが好きだった。

 

そして今のリュールは母さんを亡くして甘えられる相手がいなかったけど俺が生きていた。家族になってからは本当に二人きりのときは遠慮がなくなったと思う。けどそれも不思議なものでそんな状況なのに今の俺はそれが嫌だとは思ってないから。

 

 

「リュール、色々ありがとな」

 

 

俺はお前と出会えて良かった。そう言ってリュールが泣き止むまで頭を撫で続けた。そして俺たちは仲良くのぼせてしまった。そこからはあまり覚えてないけど目を覚ました時はヴェイルがほっぺを膨らませてたことだけは覚えていた。横にいたモーヴは両手を合わせて合掌してきて全てを察した。

 

 

うんっ、永久機関って怖いな(白目)

 

 

 

そしてヴェイルはこの一件でリュールは俺に甘えるのを1週間禁止と命じた。リュールはこの世の終わりの顔をしていたけどそれで許してくれるあたり実の姉には甘いよなと俺は思った。これがリュールじゃなくてフランだったときのこと考えてみろ。目のハイライトなくして「はい切腹ね」とか冗談抜きで言いかねないから。

 

 

 

さてとヴェイルの機嫌を直す方法考えないとなぁとぼんやりと天井を見ていた。




アンケートはもうちょっと続くんじゃ。投票してええんやで。



ちなみにのぼせたのでフランとクランの提案したことは失敗に終わってます(ただそれ以上のことをやらかしてはいるけど)




登場人物
ラインハルト
千年前のときは絶賛反抗期だった。家事スキルはこの頃の時点でルミエルより高い。世界を救う竜を目指して旅してた時に邪竜だった頃のリュールと出会う


リュール
千年前のときに欠陥品としてソンブルに捨てられた後にラインハルトと出会う。感情を表現するのが絶望的に苦手だっただけで多分喜怒哀楽はおそらくあった。この頃からラインハルトに撫でられるのが好き


ヴェイル
実は千年前にラインハルトと一度だけ会ったことあるらしい(そのエピソードを語るときは来るのだろうか)


ルミエル
ラインハルトの実の母、リュールの育ての親。今の二人きりの時に甘えん坊になるリュールを作ったのはこの人が愛情注ぎまくったせい。ただし反抗期だったラインハルトにも原因がある。

リュール、ヴェイル以外で主人公との絡みが見たいキャラ

  • フラン
  • セリーヌ
  • アイビー
  • オルテンシア
  • ミスティラ
  • マデリーン(四翼)
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