子供とは時にとんでも無いことを平気でやらかすことがある。それが無くなるのは大人になるにつれて想像力が成長するからに他ならない。
だけどそれは衝動を理性で抑えているだけで、欲求自体は大人になっても本物だ。聞くところによると世の中には廃車をハンマーで叩き壊してストレスを発散する人もいるらしい。気が合いそうなので是非とも仲良くしたい。
そして、俺にも衝動は存在する。それを自覚したのはマグカップを手に取った時だった。アケルナルに言わせれば子供舌むけの甘ったるいコーヒー飲料と言われそうな飲み物がたっぷり入ったマグカップ。このマグカップを目の前の巨大なモニターに投げつけたらどうなるだろう。おとなしくゲームにいそしむ俺にふとそんな衝動が舞い降りた。
しかし、そこは一度転生した大人である。衝動に身を任せることはしない。というよりも建物の方に被害がいく。じゃあどうするか。そう、マグカップを投げつけても許される対象はその辺にいるではないか。
そして、俺には大量のマグカップがある。こんなこともあろうかと今度発売予定の俺が描かれたマグカップのサンプルをいくらかもらってきていたのだ。俺は魔法少女に変身すると、そんなマグカップを全てを袋に詰め込んで飛び上がった。ノイリンは何やら言っているが別に悪事を働こうというわけでは無い。そう、全ては魔物退治のためだ。
最近では、俺は通常の魔物相手に呼び出されることはほとんどない。魔人だとかホットスポットだとかそう言った類に対して要請があり次第動くというのが今の仕事形態で、そこらの魔物との戦闘はよっぽどのことがない限りは呼ばれない。それに学園で後輩を指導するというのも仕事に入っているので、意外と忙しいのも配慮してくれているのかもしれない。
要するにルビアをはじめとしたこの近辺の魔法少女たちが頑張っているので俺の出番はないということだ。
ただ、参加してはいけないというわけではない。魔法少女の規定に無謀な相手への単独での戦いを禁止する項目はあれど、その逆の雑魚狩りをしてはいけないなんてルールはそこにはないのだ。
したがって、俺が近くの魔物相手にマグカップを投擲してもなんら怒られる謂れはない。
しばらく獲物を探してエリア移動を繰り返していると、ちょうど一周したところでルビアちゃんたちが魔物と戦っている姿を見つけた。
市民の避難を促しながら矢で魔物の群れの動きを制限している。ということは獲物はまだ狩られていないらしい。手ごろなところにこんなに良い獲物がいるとはなんともありがたい。
俺は手に持ったマグカップに思いっきり魔力を流し込む。普段使いのハンマーとは比べ物にならないほどの抵抗を感じるが、無理矢理魔力を捩じ込んで行く。
充填が終われば、投擲。
上空数十メートルから放たれたマグカップはほぼ直進して蛇のような魔物の胴体に命中した。
なにやら周りの魔法少女たちが騒いでいるが、俺のテンションは最高潮に達している。
着地するや否や背負っていた袋から取り出したマグカップを次々投擲していく。
魔力に耐えられなかったマグカップが魔物に当たる前に砕け散り、散弾のように魔物の体を貫いた。
一通りマグカップを投げつけるとめぼしい魔物は倒れるか機動力を失ってのたうち回っている。マグカップに驚いていた魔法少女たちも徐々に掃討戦に移り始めている。
さあて、次の現場でマグカップを投げつけるかと袋を担ぎ直すとルビアちゃんが駆け寄ってくる。
「アスター先輩、何やってるんですか。」
顔を見るに呆れ半分困り半分といったところか、
「あー、いや、ちょっと」
と思ったが、ルビアの方はこの辺りを纏めるリーダー的魔法少女に立派に成長していた。
「また変なことを始めて。先輩に惹かれてハンマー使いたがる子を止めるのに大変なのに今度はマグカップって。マグカップ投げるって言い出す魔法少女が出たらどうするんですか」
と俺は暫くルビアに怒られるのであった。
なお、聞くところによると俺の姿がプリントされたマグカップは大量に売れたらしい。
【投擲】魔法少女アスターについて語るスレ part 2001【天使】
434:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:/LzG4WNcx
新宿店 全部品切れ
436:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:oCzRs9ovo
いや、どういうこと。
そりゃ人気魔法少女のグッズだからってのは分かるけど、
その分沢山作ってるはずだし
まあ、例のブームなんだろうけど
439:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:NZzUlWnkw
品薄くらいはあったけどネット予約もできないし店舗三つ回って全くなしとはね
440:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:fbnASRIOa
ブームの火付け役が魔法少女たちなので...
というかマグカップは流石に邪魔では?
442:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:6P6iVA+jB
>>440 いざとなったら投げつければいいから
443:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:M/gqSxWEG
>>442 それで魔物を倒せるのはアスターちゃんだけ定期
ハンマーぶん回してるのもだいぶいかれてたと思ったけどマグカップとはなぁ
445:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:0HR8Uw00N
というかマグカップでなんで倒せるんだ?
446:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:VKc8RW7dG
>>445 アスターちゃんだからだとしか
448:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:lEP0er+Vo
>>445 まず、魔法少女が魔物を倒すには魔力の籠った武器でシールドを抜いて、そのあとは普通に物理法則でダメージを与えていると考えられている。逆に言えばシールドさえ抜ければ矢とか剣より銃やミサイルとかのほうがダメージが出るし、いくら魔力がこもっていても素手ではほとんどダメージが通らない。例外があるとすれば実体にダメージを与えるほどの高密度の魔力くらい。
従って、考えられる可能性は二つ。
一つはマグカップやその破片が物理的に魔物を倒すレベルの威力を持っている。
もう一つは魔力を過圧縮してマグカップに詰め込んでいて、魔物の体内でそれが暴発している。
ここでヒントになるのが、映像を見る限り魔物にあたる前にマグカップが砕けていることがあること。これは手から離れて魔力が不安定になったことで、物体が耐えられなくなっているせいだと考えれる。
よって個人的には後者を推したい。
450:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:NFzntb6Yb
>>448 早口はタイピングも速いのか
452:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:JBr2wP8h8
>>448 とつぜんの解説
455:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:0HR8Uw00N
分かったような分からないような
456:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:llrcFa8KK
まあ、本人以外は普通にお守りとしてしか使ってないから
458:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:JXZ8OgYV5
そうか、アスターちゃんマグカップを見ると魔物が逃げていくみたいなのが飛び交ってるから怪しいんじゃないか
460:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:5fsTO1igd
>>458 ありそうだから広まるんだよ
462:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:Vh/ZixVrK
危ないときにマグカップを割るとアスターちゃんが飛んでくるってのも
464:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:qcGo8NNoZ
>>462 マジでただのマグカップなのにどうなってんだよ
465:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:GeWETXzLi
その結果がこれだよ
【悲報】転売ヤーアスターちゃんマグカップに押し寄せる
自作アスターちゃんマグカップの作り方 その効果は
467:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:I3I76cirI
コースターも出回ってるらしい
469:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:xg8xDGCXi
本人は突然マグカップを投げたくなったと供述しており
472:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:T1L0wFvb+
>>469 最近見てると本当に言いそうなんだよなぁ
474:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:RNhDz2PqN
純粋に天使ちゃんだと思っていたが...
475:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:hpAbIAifP
見方を変えるんだ。
精神もちゃんとロリだったことを喜ぼう
478:名無しさん@魔法少女見守り隊 ID:41v1znHFD
>>475 死ねロリコン