嘗て至高だった父へ【OVERLOAD】   作:エーブリス

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このメッセージが書かれているという事は、前書きのネタが無くなっているという事です。


第10話

日も沈みかけた夕暮れ時ジョナサンは、ふと湧いてきた疑問をオスカーへとぶつけた。

 

「しかし、今回の仕事…冒険者としてアウトなのでは?」

 

「まあ要件は一応対モンスターの露払いだし。

その過程で対人戦の発生が懸念される、と言うのは俺の勝手な想定だ」

 

「つっても国営干渉っちゃ国営干渉だから、思っクソにグレーゾーンではあるんだがなぁ…。

でもまぁ、アダマンタイト級もやってるらしいからギリ大丈夫っしょ、って事で」

 

イナミはそう言うものの、アダマンタイト級冒険者の強さの希少だ。

故に、結構な我儘の効く立場であるらしい。

 

少々アテにはならない話だった。

 

 

何はともあれ、一行は最初で最後のモンスター多発ポイント付近に到着した。

…というか其処に“潜む”という怪物、それらしき面影は…どうも隠れる気は無い様だ。

 

火を焚いて、ガヤガヤと騒いでいる。

 

「…妖巨人(トロール)だな、あれは」

 

「え…?

トロールって、火を使えるんですか?」

 

ナターシャの質問に「あぁ」とオスカーが簡素に答えた。

 

「確かに奴ら…ウチのバカよりバカそうな顔こそしているが、いっぱしに料理をする。

前に戦った大陸からやって来たというトロールの群れが、人間の女から取り上げた赤子を照り焼きにするか味噌煮込みにするかで言い争っていたよ」

 

「ったく…あん時ぁ、気分最悪だった」

 

まるで親の仇かの様に憎悪を噛み締めた表情をするイナミを「何をそこまで…」とジョナサンは訝しんだ。

 

「――――…こいつ、過去に一人目の子供が流産しかけた事があってな。

それ時の一悶着で、赤子殺しみたいな話には敏感だ」

 

「それは…。

一応、留意しておきます」

 

「大丈夫、もう終わった話だ…。

―――それよか、初仕事頼むぞ。ジョン・ウィング」

 

「お、ついにか…それではっ」

 

その一言を残してジョナサンは飄々と駆け、闇夜に溶け込みトロール種の群れが居ると思われる森の中へと潜入を開始する。場に残った、ナターシャ含むブラックサイスの面々も、背の高い草木にその身を隠しつつ、彼の帰還を待つ事となった。

 

しっかし早いなアイツ…それでいて音も無いとは

 

俺より遅いくらいで、静穏性は俺以上だ

 

スピードは兎も角お前にステルスのスの字も無いだろ

――――所でナターシャ嬢、お父上に闇視(ダークヴィジョン)系の何かは持っているか?

 

えぇ、確か仮面にあったと思います(本当は種族として持っているけど…)。

…そういえば()イハルトさん、吸血鬼でしたよね?

 

あぁ…けどアイツ、デイウォーカーでな」「それで…

 

デイウォーカーとは、吸血鬼種の中でも日光下での能力ペナルティが発生しない種を指す。

しかしその分種族的能力は他の同種とはやや劣り、飛行能力も闇視も持たない等異形種としての旨みが殆ど無い為、ユグドラシルでは不人気種族として有名だった。

 

 

それと、()イハルトな?

 

「あっ…。

すみません、素で…

 

ナターシャは赤面した…恥ずかしさで。

ライハルトも赤面した…主に怒りで。

 

 ウェズリー・スナイプス

 「赤面するか?」

 

さて、場面は切り替わり…只今斥候中のジョナサンは、木陰からトロール達の会話を聞いていた。

 

「…(さてさて、トロールが一体どんな会話をするんだか…何となく想像できるが)」

 

 

「おい!今日の夕めしは何だ!?」

 

「喜べ…今日はドワーフ肉と香味野菜のビーフシチューだ。

この青いキノコを入れるのがミソなんだよ」

 

「えー、やだ。

ドワーフの肉は臭い」

 

「だからこの特性スープを作っているんだろうが!

嫌なら喰うな!料理人を、怒らせない方が良い」

 

恐らくリーダー格である、相応サイズの曲剣を装備したトロールが部下トロールをぶん殴った。

 

ビーフシチューだが、入れるのはドワーフの肉らしい。

少し辺りを見渡せば確かに縛られたドワーフが一人居た…見るからに6体はいるのだが、ドワーフ1匹で腹が満たされるのだろうか?

 

 

…にしてもペッパーミル・ソルトミルを使うあたり、妙にグルメなトロールである。

 

「なんだと貴様ら!

この俺がトロールの胃袋になんか収まると思っているのか!このっ、離せ!縄を解けウスノロ共!俺を解放してハンマーを返せ!貴様ら全員コテンパンにして大地と一体にしてやる!」

 

「おい、誰かそのドワーフを黙らせろ」

 

「触るな貴様!おい!その汚い手をムグォ――――」

 

「殺すなよ、食肉は何よりも鮮度が命だ」

 

ドワーフらしく高圧的に叫んでいたドワーフの男は、部下トロールに地面へと押し付けられ、拘束されていない足をジタバタとしていた。

そんな土やらが付着した状態で鮮度などある物なのか?と、ジョナサンはまた訝しむ。

 

ついでに今気が付いたがドワーフの隣に馬?牛?…いや、蹄が二股に分かれている偶蹄目なので多分牛かその類だ。おそらくドワーフの度のお供だったのだろうそれらは、手綱を雑な杭に繋がれ大人しくさせられていた。

 

…アレもシチューに放り込むというならば、ビーフシチューで間違いないし人数分の肉になりそうだった。

 

 

 

…この構図をどこかで見たことがある、そう思った時ジョナサンは一つの古い映画に思い至った。

 

「…正に“思いがけない冒険”だ(思えば俺とナターシャも…物理一辺倒の脳筋集団に入った一人ずつの“忍びの者”と“魔法使い”か…アイツがガンダルフで、俺がバギンズ?ちょっと納得が行かない)」

 

実はホビットという種族にそこまでの魅力を感じて居ない彼は「何ならもうちょっと別の登場人物に例えられたかった」と独り言ちた。

 

 

所でその話題で思い出した事が一つ、彼の頭に存在していた。

 

「…(ナザリックにほぼノリと勢いで着手して大真面目に作り切ったNPCがいたな…あの指輪の幽鬼(ナズグル)達は元気だろうか?)」

 

確かかなり酷い設定を付け加えていたような気がするが…そう考えていると、バチコーン!と甲高い音が響いた。

 

 

「てめぇ勝手に味見しようとするんじゃあねぇ!

きたねぇ手垢が入るだろうが!料理は手際と清潔さが命なんだよ!」

 

恐ろしく野生的に暴力的な風景とは裏腹に、言ってる事はどうにも人間社会にも通じそうなのが余計に頭を狂わせる。

ジョナサンは既に必要な情報を入手したとして、ネズミたちともこっそり一瞥してメンバーの元へと帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 ~いつかの記憶~

 

LEO_TTTO0325

「このゲーム、運営が変わってからどうも肌に合わなくなってきたな。

…ヴァル失も出たし、もうユグドラシル一辺倒に切り替えてもいい様な気もしてきた」

 

G=R=G=D-1

「アプデ来る度に言っているぞ、その言葉。そしてまた直ぐ慣れるのだろう」

 

LEO_TTTO0325

「いやぁ、今度こそって感じだ…此処まで酷くリコイルパターンが変わったのは初めてだろ。

それと、まるで人を万能人間の様に言うのはいい加減止めてくれ」

 

G=R=G=D-1

「漫画のブラック・ジャックをそのまんま技術職にテイストチェンジしたような男が何を…」

 

LEO_TTTO0325

「どういう意味だソレ」

 

G=R=G=D-1

「初めて見る宇宙人の外科手術を成し遂げるような男って意味だ」

 

LEO_TTTO0325

「本当にどういう意味だよ。

――――もしや前の仕事のアレ、まだ引きずってるのか?」

 

G=R=G=D-1

「それはそうだ…お前のお陰で寿命が縮んだ。

只でさえ短い寿命が、な…」

 

LEO_TTTO0325

「何言ってるんだ。

俺達は才能が10%、努力が20%、臆病さが30%、残りの40%は運…それで十分長生き出来るってのが鉄則だろ」

 

G=R=G=D-1

「いいや、お前のは才能が50%~60%はある…努力や運は雀の涙で、臆病の欠片も無い」

 

LEO_TTTO0325

「一体何がお前をそこまでヨイショ中毒にさせるんだ」

 

G=R=G=D-1

「お前の狂った仕事ぶりを見ればそうもなる」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…よし!最高のスープだ。

おい、そこのドワーフを洗って来い」

 

「あいよぉ」

 

「やめろぉおおお!貴様ぁあああ!離せぇええええッ!

――――お、俺の腹には、俺の腕くらい太い寄生虫が住み着いてるんだぞ!」

 

いよいよ殺される…という状況にまで陥ったドワーフの男は、ここに来て漸く僅かな知恵が回りトロールの足を止める事に成功した。

 

「何だと!?

ダメだ!こいつを食ったら俺達まで死んじまう!」

 

「そうだ!俺を食ったら俺の中の虫が、貴様らの腹の中に住み着き、そしてその内蔵を喰らい尽くすだろう!」

 

うわあ!と慌てふためくトロール達。

しかし親分であるウォー・トロールは至って冷静だった。

 

「落ち着け!そんな虫が住み着いていたら、今頃そのドワーフは死んでいる…全て嘘だ」

 

「じゃあ大丈夫か…」「なぁあッ!?」

 

全くもってその通りである…こうして頼みの綱である蜘蛛の糸を切られたドワーフは、トロールによって森の更に奥まで連れていかれた。

 

 

――――しかしここで異変が起きる。

突然、ドワーフを掴んだトロルが停止したかと思えば、そのまま後頭部からドサリと倒れた。

 

ギョッとしたウォー・トロールが、倒れた子分の顔を覗き込むと…それはそれは悍ましいものだった。

 

 

鼻から血を流しているのは兎も角、眼球すらも破裂しており…尚且つそれが再生しない。

…そして周囲に居た他の子分たちも1体、2体と崩れ落ちる。

 

「何だ!?

お前ら、武器を抜け!」

 

立ち上がったウォー・トロールは曲剣を抜き、構えてまだ残っている子分へと指示を飛ばした。

 

 

 

――――そんな彼の眼前から、黒くはためく何かが飛来する!

 

ギャハハハハハハハハハ!

 

「なッ!?

ぐぅうッ!」

 

正体は、大鎌を振り回す“啄木鳥頭”イナミだった。

並大抵のグレートソードを上回る程大ぶりなソレをを振り回す彼に対して、ウォー・トロールは己が種族らしくない繊細な剣捌きで、どうにかそれを防ぎ切る。

 

「【剛腕剛撃】ッ!

だぁらっしゃああああああ!」

 

「ぎゃぁあああああああッ!?」

 

その足元で“片手槌(ライトハンマー)”ダズが、ヴェルレーヌと並走してその奥にいる通常トロールの膝小僧を砕く!因みに彼含めたブラックサイスメンバー大半の武器は、ヴェルレーヌの補助魔法で軽度の炎エンチャント済みであり、少なくとも表皮は焼け爛れた状態を維持するだろう。

 

「腰入ってないじゃん!

ちゃんとやりなよダズ!」

 

「お前が近くに居て危ねぇんだよヴェルレーヌ!せめて3歩は後ろ下がれ!」「だ、ダズ…///」

 

何故かいちゃつき始めた二人の遥か頭上を、火球が飛来してそのトロールを焼き尽くした!

3秒もせずに消し炭と化したトロールを見て、これをやった魔法詠唱者(マジックキャスター)のいる方角を二人は見る。

 

「ふ、火球(ファイアーボール)一撃でトロール燃やしやがった…」

 

「やっぱナターシャちゃんすごいって…あの子ヤバい!」

 

 

そしてバカップルがうだうだとやっている内に、“司祭(プリースト)”クーランがやたら鎖の長いフレイルをぶん回しながらトロールを牽制…時折、その不揃いな刃がびっしりと並ぶ鉄球部分で、トロールの比較的柔らかい肉を削いでいた。

 

…もちろん軽度の炎エンチャント済みである。

 

うぉおおおおおおお!

回せ回せ回せ回せ―!!!

 

「ウギャアアアアアア!

熱いッ!痛いッ!」

 

「いでぇ!いでぇよおおおお!

かぁちゃああああん!」

 

身体を引き裂かれ、焼かれる痛みにのたうち回る子分たち…そのうち1体を飛び出したライハルトが襲う!

 

「ッ!」

 

その剣に斧、刀に薙刀といった刃と言う刃を一つに溶融させたような複雑怪奇な両手剣を振り回し、トロールの下半身を切り刻む!洗練された振りでは無かったものの、少なくとも戦闘センスは抜群に感じられる攻撃だ。

 

「このッ死ねッ!死ねぇ!

――――あっ(ヤバッ…!)」

 

遂に腰から下を切り飛ばしたライハルト…だがあまりに下半身へと集中するあまり、落ちてくる上半身…その腕が持つ棍棒が頭上にある事を失念していた。

 

思わず身を屈め、目を瞑る。

…その瞬間、何か“いい匂い”が突風に運ばれてきたのを彼は感じた。

 

 

「はぁあッ!」

 

「うぎぃいッ!」

 

その匂いの主…ナターシャは、魔法の杖を兼ねたポールメイスを振るい、トロールの(棍棒が握られた)腕を丸ごと“粉砕”する。その際に飛び散った血のシャワーが辺り一面を赤く紅く染め上げた。

 

更に間髪入れず火球を叩き込み、トロールへととどめを刺す。

 

 

…因みにこの瞬間ライハルトは、メイスを振るった勢いで巻き上げられた彼女のスカートの下の…やや際どいお召し物と、太腿半ば以上まであるハイソックとの間をチラチラと覗くのにやや必死でその破壊の凄惨さには気が付かなかった。

トロールの次は気になる女の下半身と、中学生気分を引きずりまくる吸血鬼である。

ナターシャ自身はこの視線にちゃんと気が付いていたが…どうもソレを愉しんでいる様だった。

 

 

 

「セイッ!ハァーッ!」

 

「うおっ危なッ!

ジュ――――じゃない、オスカーッ!」「何年目だ、馬鹿野郎!」

 

ウォー・トロールの攻撃を紙一重で受け流したイナミは、何故か燃え盛っている“残滓公”オスカーとチェンジし、自身は一度体勢を整えるために後衛へと回った。

 

 

「むぅ!燃えている人間!

――――所謂、生まれながらの異能(タレント)というヤツだな!」

 

「ご想像にお任せするッ――――!」

 

入れ替わったオスカーとウォー・トロールは、ここから一進一退の攻防を開始する。

先ず踏み込みから放たれた大斧によるかち上げを、曲剣の巧みな動きで受け流しつつトロールは左手でへし折った細木による突きへと繋げた。

 

人間からすれば馬上用の突撃槍ほどはあるその一撃を、大斧の腹で受けつつ彼はバックジャンプする。

…その着地の瞬間には、既にトロールは一気に間合いを詰めており、その刃は次の一瞬にはオスカーを切り裂いている所まで来ていた!

 

「――――チュ=パ!」

 

間一髪、間に入ったチュ=パが呻きつつ、何らかの武技を発動した事で、その暴力的な手甲による防御力が増す。これによってウォー・トロールの斬撃は硬いものにぶつかった弾丸よろしく跳ね返り、大きな隙を晒した。

 

…その刹那、何処からともなく飛び出して来た“雪男(スノーマン)”ドニーが、居合切りでトロールのアキレス腱を狙う!

 

「――――斬ッ!」

 

「何ッ――――【超回避】ッ!」

 

寸での所でウォー・トロールが武技を発動…後方にとんでもない勢いですっ飛んでいく。

 

 

武技による一瞬の効果が切れ、漸く地面に着地した――――その瞬間、1発の矢がトロールの太い左腕を貫通した!

 

「ぬぐぉおッ!?

何、だとぉおおおッ!(この俺が捉えきれぬ程の矢…!一体誰がッ!)」

 

貫通の際に肉の大部分が持っていかれ、激しい痛みが伴ったが――――流石は戦闘に特化したウォー・トロール、咄嗟に自身の傷口から弓使い(アーチャー)の位置を割り出す。

 

 

「…副リーダー達は王国軍との合流を」

 

「あいよ!

そいつは頼むぞ、ジョン・ウイング!」

 

「アイ・アイ・サー。

――――さてと。シェフ、悪いが店舗はあの世で出してくれ」

 

ジョナサンは滑車弓に矢をつがえながら、眼前のトロールを挑発した。

 

「ほう?この俺をシェフと見抜くか…」

 

「見抜くも何も、手際と清潔がどうとかって叫んでたろ。

―――料理そのものの評価は出来ないがな。先ずあんたのフルコースを食べる予定が無いし、食べてもウチの故郷は環境が死んでてな…豊かな味覚の持ち主は生き残れんよ」

 

「ならばァ!このダ・ドンが貴様に最高峰の料理というものを教えてやろう!

お前自身が食材となる形でな!」

 

ダ・ドンなるウォー・トロールが会話の終わりと同時に放った真空波を、ひょいっとワンステップで避けたかれは、そのままくるりと回れ右して暗い森へと逃げ込んだ。

 

 

「あれだけの大口を叩いて、結局は逃げるのか!?」

 

「弓使いが近づいてどうする!」

 

「それもそうだ!

であれば、俺自身が近づいて活け造りにしてやる!」

 

「やめとけ…合成マグロ程にも映えないぞ」

 

深く暗く、何処に何があるかも分からない森を…片や木から木へと軽快に飛び移り、片や邪魔な木々を全て切り払う。どちらが同程度の速度で森林を突き進む途中…一度着地したジョナサンの隣に二人ほどの、明らかに目立たないような工夫を施された装束の男が居た。

 

何を隠そう…彼らが先の“ネズミ”である。

 

 

「そいつは頼むぞ、同業者」

 

「えっ…」「何ッ…待て!」「お、おい!前見ろ前!」「は?――――うわっ!」

 

“ネズミ”もとい、暗殺者たちは突撃してきたダ・ドンの五月雨斬りの餌食となり、瞬く間に半数が殺害された。

 

「む?まだ仲間がいたのか…。

そりゃ逃げ込む訳だな!」

 

「クソッ!何でウォー・トロールが!?

――――とにかく攻撃だ!」

 

「対人毒だぞ!?トロールに効くのか?」

 

何はともあれ…と、暗殺者たちは四方からナイフを投げた。

しかしそれら全て――――内訳としては、3方向からのナイフが曲剣で跳ね返され、残る1方がその太い指で器用に止められた。

 

「うがッ!」「ァ”!?」「ぐっ…うげぇえッ!」

 

跳ね返ったナイフは持ち主の元へと飛んで行き、それが刺さった彼らはやがてその毒で死に至った。

そしてダ・ドンは、摘まんだナイフの匂いを嗅ぎ、塗られた毒物を特定する。

 

「これは…蛇毒か、それもかなり小型の。

――――大間違いだ!!」

 

「ぎゃああッ!」

 

彼はナイフを捨てるや否や、回転斬りで最後の暗殺者を3枚おろしにした。

 

 

――――直後、ダ・ドンの頭に何かが付きつけられる。

 

「…そうか。

奴らはお前の敵か…俺に後片付けをさせたな?」

 

「あぁ…実は種族の割に毒耐性が無くってね」

 

「ふん…まこと恐ろしき“戦闘者”よ。

いいだろう!この命くれてやる、やれぃ!」

 

ダ・ドンが潔い世辞の句を詠んだ後―――拳銃フランツカフカでその頭部を撃ち抜いた。

回復阻害の力を持つ弾丸により、傷口が再生することなく確実に殺しきられたそのウォー・トロールは、その場に倒れ伏した。

 

 

「ふぅ…。

――――?、何だコレ」

 

今しがた仕留めた死体を漁ると、謎の書物を持っている事に気が付いた。

確かにやたら賢いトロールだったが…と思いながらそれを手に取り開くと、書かれた内容はあまりにも驚くべきものだった。

 

 

「…えっ(何、だ?これ…嘘だろ?)」

 

掛かれている内容は、確かに異様――――しかしそれは“分からない”からではなく、“分かる”モノであるからこその感想だった。

 

学術書…今はそう表現するそれは、間違いなくジョナサンが異世界産だと分かるし魔法のような代物ではあるが、しかし彼が蓄えた知識で少なくとも8割は理解し得えた、ソレが実現可能かの判断は別として…。

 

「(あり得るのか?この世界では…)…実現したのを持ち帰ったら、間違いなく戦争だな。

―――――ッ!」

 

凄まじいモノを見てしまった…と言った様子の彼に伝言(メッセージ)が届く。

 

 

『お父様、こちらのトロール討伐及びに国軍の見送りは完了いたしました』

 

「そうか。

俺も今終わった所だよ…一先ず必要分の剥ぎ取りが終わったら合流する」

 

『はい…皆様にも伝え―――あ、この世界では伝言(メッセージ)の信用性はありませんでしたね』

 

「恐らくもう終わる、とだけ言っておいてくれ…それじゃ」

 

メッセージを切った彼は、今度はダ・ドンの持っていた曲剣を持つ。

人間からすれば大曲剣とも言うべきそれは魔法の武器だったらしく、ジョナサンが持てば人間用のシャムシール並みにまで縮んだ。

 

 

売れば金になりそうだ…と、彼はこちらをチームへの土産とすることにしたのだった。

 

「…帰ったら徹夜だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 ~ワンチャンあったかもしれない記憶~

脳内キャスト編

 

 

ランドナ

「うーん、ナザリックのアニメ化ねぇ。

―――俺のキャスティング、何かの間違いで山○宏一さんとかになったりしませんかねぇ?」

 

ぶくぶく茶釜

「いや高望みィ!?すっごい高望みィ!」

 

ペロロンチーノ

「その人、確かどんなに最近でもギリひいおじいちゃんの代の声優だよな?」

 

ぶくぶく茶釜

「大体そんな感じ。

もう超神話級(スーパーゴッズーザ)声優だっての」

 

 

ランドナ

「あー、江原○士さんとかでもいいなぁ」

 

ぶくぶく茶釜

「その人も超神話級(スーパーゴッズーザ)ぁああああああッ!!」

 

モモンガ

「そういえばその代の声優に『ゴットゥーザ様』って呼ばれてた人が居ましたね…確か」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何?蜥蜴人(リザードマン)の集落に…?

ソリュシャン、コキュートスは確かにそう言っていたのか」

 

『はい。

エントマからの情報ですが、確かに姿を確認したと』

 

「そうか…(何でだ?リザードマンは閉鎖的な種族だって話なのに…)。

所で他に要望はあったか?」

 

『増援の要請がありましたわ。

“アレ”らとの戦闘に耐え得るだけの戦力が欲しいそうです』

 

「ふむ…(流石に“アレ”がいるのは想定外が過ぎたけれど、侵略の目的―――いや、それ以外の観点からも十分に嬉しい誤算だ…さて、コキュートスは更にどう動いてくれるか)。

分かった。コキュートスには要望した分の戦力と、更に“奥の手”も送る…そう伝えてくれ」

 

『仰せのままに』

 

通信を終えたモモン――――いや、今はアインズ・ウール・ゴウンとしての姿か。

彼は宿屋のベッドから腰を挙げ、再びモモンの姿へと戻ると、窓から外の景色を眺めた。

 

 

「…誰か、居たかな」

 

この呟きは従者ナーベにも聞こえなかった。

 

 




前までやってた、後書きの設定集…リリュのド変態発言と共に需要がある様なので様子見しつつ復活は検討を加速しておきます。

後書きのオリジナル設定集要るかな?

  • 要るからリリュのセクハラ削れ
  • 要らんからリリュのセクハラ増やせ
  • リリュのセクハラ削らなくていいから書け
  • どむ・しゅとぅっつあー(無効票)
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