嘗て至高だった父へ【OVERLOAD】   作:エーブリス

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あ”~、戦争描写苦手過ぎてからい。
個対個とか個対多数は行けるんだけど、多数対多数がマジでもう。


第13話

 

リザードマン達が“祖霊”と呼ぶその光が第二の太陽として現れた時、閑静だった湿地は怒号で包まれた。

規模は小さいが、その迫力は7ヵ国の軍隊にも勝るとも劣らない。

 

 

 

暴力的な不協和音があちらこちらで反響し、土が泥水が海水が…そして血潮が飛び散り、そして骨や腐肉が砕け散る。下級スケルトン種らの軍勢が一直線に突撃し、その鋭利な得物達を振るい蹂躙を始めた――――かと思えば、リザードマン達のこん棒や剣、更に下級インスマス兵らの両刃三又槍が容易にそれらを押し返し、逆襲を始めた。

 

不死者の軍勢は撤退を始める間もなく、リザードマン・インスマス連合軍と荒れ狂う泥水に飲み込まれて最前線の部隊は跡形もなく消えた。そして続いて出て来たデス・ナイトも突然増した水位に足を取られ、満足に動く事さえもできず、小隊に分けられ別行動を取っていた上級インスマス兵及びロイヤルガードに各個撃破されつつあった。

 

デス・ナイト及びその他の上位アンデッド軍の布陣は包囲範囲を広げるために感覚を広くおいていたが、今回それが仇となったようだ。

 

 

「すごい…湿地の精霊(スワンプ・エレメンタル)がここまで強力になるなんて」

 

「我らには海流或いは水流を操る能力がある。

魚神様程では無いが、あの程度のアンデッドを洗い流すには十分だろう…しかし」

 

「あぁ。

…余りにも、だな」

 

「全くです…我らを侮っていたにしても、余りにも“脆すぎる”」

 

司令塔である族長達とアンディは、余りにもすんなりと行き過ぎる自分たちの作戦に危機感を覚えていた。いくらインスマスという強靭な種族が加わったとは言え、敵がここまで“ドツボに嵌って”くれるのは逆に怪しい。

 

まるで自分らの軍隊を倒してくれと言わんばかりに、攻め立てられるのだ。

 

 

とは言え…敵の数はまだまだ多い。

 

「…持久戦か」

 

「むぅ、やはりか。

――――しかし、あの調子ではアンデッド共の“疲れ知らず”を活かせないのでは?」

 

「敵の首魁がネクロマンサーであるのなら、活動停止したアンデッドの再起動は容易だろう…その復活させた軍隊と残った軍隊で、挟み撃ちにするとか」

 

「たしかに ありうる はなし」

 

「けどよ…結局それも泥水魔神で流されちまうってんだ。

やる意味無くねぇか?」

 

「それを含めての持久戦よ、きっと。

無駄に力を使わせて、消費させようとしてるのかもしれないわ」

 

クルシュの発言を聞いたアンディは、ふと戦場の方を見た。

 

「…今のうちに、こちらの進行速度を落とそう」

 

「しかし、流石にインスマスの守備が硬いと言えども、持久戦でアンデッドに挑むのは些か無謀では?」

 

「完全に足を止める訳ではない、挟み撃ちへの警戒を強めるだけだ。

それに…今なら仕掛けた罠も使える」

 

彼女は発言の後、総指揮を担当するシャースーリューへと目線を向けて同意を求めた。

それを認識した彼は「むぅ」と口癖を漏らし、悩んだ様子を見せた…だが状況が状況な為に、判断までの時間は短かった。

 

「アンディ の ていあん さんせい。

てき かくしだま もっているかも」

 

「分かった、アンディの案を飲むとしよう。

――――合図を出せ!陣形を変えるぞ!」

 

シャースーリューの指令の後、本部の作業要員のリザードマンが奇怪な装置を操作すると、そこから『えぇぐいてぇーッッッ!』という謎過ぎる音声が鳴り響いた。これを初めて聞いたザリュースのペットであるロロロは、目をぱちくりさせながら驚いていたが、事前に聞いていた指令陣その他数人は(冷や汗は流れていたようだが)誰もが無視していた。

 

…装置は、リザードマンの文化にはそれほど大きな音を出す楽器が無かった為に、急遽デルモんが用意したボイスレコーダー及びにスピーカーである。音声の録音元は第4話参照だ。

 

 

これを合図に、連合軍は物凄い速度で陣形を整え、そして湿地の端々に隠されていた謎のロープを切ると、水底に仕掛けられていた恐ろしい罠の数々が一斉に稼働状態へと切り替わった。

 

時を同じくして、アンデッド側も隠し持っていた戦力を引っ張り出してくる。

…元は豪華だったのだろう、悲惨なほどにボロボロになった高級ローブを身に纏った、まさに“やんごとなき身分”のゾンビであるかのようなアンデッドだ。

 

「アレは…地下聖堂の王(クリプトロード)!?

厄介なモノを」

 

「知っているのか?」

 

「あぁ、奴は仲間のアンデッドをやたらに強化する…先ほどまでとは敵の力は段違いだろう」

 

「どうやら、陣形変更は正解だったようですな。

敵も丁度隠し玉を引っ張り出して来たようだ」

 

「全くだぜ、こりゃあ…流石にあのまま突っ込んでたらヤバかっただろうよ」

 

彼らの言う通り、戦局は新たな方向へと進みつつあった。

互いに、相手がどれ程の鬼札を隠し持っているかは分からない…故に、弱いカード一枚を繰り出すその手さえ容易にそして強く震える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 ~いつかの記憶~

 

ランドナ

「種族レベルねぇ。

…実はそんな上げる必要ないんだ、アレ」

 

ニモエル、デルモん、リリューム、カーキィ

「「「「えぇー、そんなー」」」」

 

ランドナ

「んまあ、そう言うと思った。

――――何、全部が全部って訳じゃ無いさ。例外も存在する…俺の死体変異動体(ネクロミュータント)がいい例だ。他には…」

 

ニモエル

「他には?」

 

ランドナ

「そうだな、星海使(スターゲイザー)の認識災害スキルはヤバいな。

ショボい効果しか無い幻術と違って、使われたら心底やり辛くなる」

 

デルモん

「あとはあとは~~!」

 

ランドナ

深海魚人(インスマス)深海魚神(ダゴン)までに獲得できるスキルはかなりタンク・指揮官向けだ。

インスマスが元々レベル以上に硬い種族だからな、そいつ等にヘイト集めて盾にするとベストポジションに行けた俺でも困る」

 

リリュ―ム

「それだけ…ですか?」

 

ランドナ

「まだあるさ。

使用例が少ないから、そこまで断言は出来ないが…不完全蕩泥(ハーフスライム)のマジックキャスターはかなりの高機動高火力ビルドになるらしいぞ?その上で敵の機動力も大幅に削げるって話だ」

 

カーキィ

「なんかこう、もっとガチャガチャ出来るの無いの?」

 

ランドナ

「ガチャガチャした、かぁ…自動人形(オートマトン)系の上位種族にシンギュラノイドって奴がいたな。

それでなんちゃってアーマードコアをしていたプレイヤーは見かけたことがある…強いかどうかはまた別の話として」

 

カーキィ

「へぇ、いいじゃん」

 

ニモエル

「何だか技術的特異点(シンギュラリティ・ワン)みたいな名前で、貴女好きそうじゃない」

 

カーキィ

「うん。

めっちゃ好き」

 

 

ランドナ

「後は…暗黒騎士との相性がいいシンメツジュウシンとか、状態異常フルコースのラッド一族とか、後はアストラル系列でも屈指の凶悪さを持つ指輪の幽鬼(ナズグル)とかだな。

ま、好きなように選んでみろ…ビルドはその都度一緒に考えよう」

 

四人

「「「「はーい」」」」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――んでよ、ウチぁ元々【海神の使者の選定(ポセイドンズ・オーディション)】って名前でやるつもりだったワケ。でもダセェだろ?だから俺が【死せる神の黒鎌(ブラックサイス)】にしたってワケさ」

 

「オーディションってのが妙にダサかったからな…やっぱり命名センスだけなら副リーダーは最高だ」

 

「えっ、何?ダズお前喧嘩売ってんの?」

 

「喧嘩売ってるんじゃない、チームとして当然の不満を上に届けてるだけだ俺は。

アンタの作戦結局は全部『高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応せよ』に収まるのどうにかしてくれよ」

 

「あ、それは…ね?」

 

「詰まる所の“行き当たりばったり”というヤツですね」「バチクソ刺すやん、ジョン・ウイング」

 

ある時のジョナサン含めたブラックサイス一行。

彼らは立て続けに舞い込んだ仕事により、リ・エスティーゼ王都へと向かっていた。

 

道中をオスカーが借りたというボロボロの馬車で進む途中、雑談は何時しかチームの命名秘話について話題が移っていた。

 

 

――――因みに件のオスカーは先んじて王都の到着しているようだ。

イナミ曰く「アイツ色々ズりぃのよ」という事で、何らかの特殊・特異な手法を用いたのだろう。

 

「しかし、海神の使者、とは…?

何かの宗教が絡んでいるのですか…?」

 

「あー、んっとね?ナターシャちゃん。

俺、というか俺とリーダーはな、ちょっとした探し物があるんだ――――」

 

ふと表情を変えたイナミは、ナターシャの質問に答える様に語り始めた。

 

 

 

――――曰く、ある伝説によれば複数の姿を持つ神格的実体が存在するとの事。そのエメラルドグリーンの光を放つという実体は、時や突発的な厄災と共に変化を繰り返し、この星…或いは宇宙全体を統べる存在へと成り得るのだという。

 

オスカーとイナミは“考古学的興味”からこの神格の姿とされる幾つかの実体を調査したが、確定したのは今の所2機のみ。それまでに集積した情報から、この地にて生まれる実体こそが3機目である可能性が高いとして、各地を回る事が出来る冒険者という役職に就き早数年か十数年、各地を回っているのだと言う。

 

…この会話でジョナサンはかなりの異質さを感じた。

嘘を言っている様には思えない、だが“何か間違っている”ような感覚が拭えないのだ。別に彼がとんでもない勘違いを言っているというワケでは無い、寧ろ何かをちゃんと知っていて、その上で何かを隠しているような。

 

 

最も、そういうイナミのミステリアスめいた雰囲気で、実際なんでも無い様な所は初対面からそうだったのだが。

 

「――――まあ、それでいろんな所に顔売ってたらな、プラチナ級としては妙に色んな事を任されるようになったってワケよ」

 

「俺達ぁ、この話をもう15回は聞いてるぜ。

…ぶっちゃけ誰も信じちゃいねぇだろうよ」

 

「そーよねぇ、リーダーは兎も角として副リーダーが考古学なんてシブいモン興味持つとは思えないしぃ?」

 

「ねぇお前ら副リーダーへの敬意とか無いワケ?」

 

「「「「「無い!」」」」」

 

そんなぁ…と、わざとらしく崩れ落ちるイナミを他所に、ライハルトが「小便」とだけ言い残し、馬車を降りて森の奥へと消えていった。確かに妙にソワソワしている様な雰囲気であったが、どうやら便意を催していただけのようだ。

 

 

ソレを見た運転手のチュ=パは馬車のスピードを緩めるが、決して歩みを止める事は無かった。

彼は吸血鬼なのだ…その気になればトロい馬車など余裕で追いつけるだろう。

 

 

ここで訝しむ様な顔をしていたクーランが「けどよ…」と口を開く。

 

「アイツさ、エ・ランテルを出る前にウンコしてたんだよ。

俺、連れションで付き添ったから知ってっけどよ。アイツ個室でしっかり踏ん張ってたぜ?」

 

「大出したからって小が収まるわけじゃねーだろ」

 

「でも普通、大も小も一緒に出ねぇか?」

 

「人それぞれ…ではないのでしょうか?それは」

 

かなり品の無い会話に、臆することなく参加したナターシャは、一度軽く立ち上がって足の位置を直し、スカートの皺を伸ばした。

彼女の言う通り、便意など個々人で差があるのだろう。

 

 

「…まあいいや、人ん便意の話なんざ何時までもしてらんねぇよ。

――――所で、王都の冒険者と言やぁ“蒼の薔薇”だが…」

 

「蒼の…。

あ、何時ぞやのガガーランさんのチームか」

 

「え?ジョン、お前蒼の薔薇のガガーランに会った事があるのか?」

 

「はい。丁度エ・ランテル近辺の森でトラブルに巻き込まれていた所を助けられまして…」

 

マジかよ!

俺あの人のファンなんだよ!!チクショーまさかエ・ランテルに来ていたなんて」

 

「何ぃ?ダズ、浮気ィ?」

 

「ちげえって!鍛え方だよ鍛え方。

どういうルーティンなのか重量級戦士として気にならねぇわきゃねーだろが!」

 

いきなり興奮し始めたダズを中心に、やれどんな会話をしたのやら、やれサインを貰ったのやら…色々と質問攻めにあったジョナサンだった。

 

 

 

…ライハルトが戻って来たのは20分後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 ~いつかの記憶~

 

ランドナ

「おーい!デルモー!

何処行ったー!?――――ッ!」

 

デルモん

「あ………え、えへへ~?

ごめんね、とーさん。私、ちょっと迷っちゃった」

 

ランドナ

「(いや…この周囲のドロップ品、明らかにプレイヤーのものだな。つまりは――――)いや、案外早く見つけられたさ。頑張ったな」

 

デルモん

「ふっふーん…そ、っか~。

…ねーねー、とーさん?」

 

ランドナ

「なんだ?」

 

デルモん

「…皆には、絶対この事言わないでね…これで最後だけど」

 

ランドナ

「あぁ。

墓場まで持ち越す」

 

デルモん

「墓場なんて言わないでよー!とーさん本当に死んじゃうかもしれないんだからー!」

 

ランドナ

「そう簡単に死ぬかよ…絶対に」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――――そうだね、恐らくアインズ様のお考えは君が考える通りだと私は思うよ…コキュートス。

君は間違いなくあの方のご意向に沿った行動を取っていると言えるだろう』

 

「…ソウカ」

 

『だから、私はその上で言うよ。

“やってしまえ”。何も恥じる事はない、リザードマン…そしてインスマス達に見せつけてやるんだ。君の“作戦”は非常に素晴らしい』

 

「アァ、有難ウ」

 

『礼には及ばないさ。

――――さて、私もそろそろ仕事に戻らねば』

 

「分カッタ。

――――イグヴァノ“射出”準備ハ?」

 

「はい。いつでも行けます」

 

「デハ………出陣サセヨ。

奴ラニ、真ノ力ヲ見セツケテヤレ」

 

ぐっ、と…手をかざしコキュートスの後ろで、何かが爆音を立てて飛び立った。

 

 

 

そして丁度その頃の最前線。

 

インスマスの水砲、そしてリザードマンの投石――――数多のそれらを受けて、遂に地下聖堂の王(クリプトロード)は倒れた。

しかしその頃にはリザードマン連合軍もかなり痛手を負っており、戦力の要であったロイヤルガードも決死の特攻によって一人欠けた状態となっていた。

 

「(まさか確認できる戦力の殲滅まで行くとは…犠牲も少なくは無いが、まだまだ戦えるレベルだ)重傷者を本部へと運べ!けが人を選ぶなよ、くれぐれも…!そして残った者はこのまま陣形維持だ!気を抜くんじゃあないぞ!」

 

リザードマンの戦士頭の一声で、負傷者とそれを運搬する一部兵員の撤退が始まった。

いくら敵の切り札及びに指揮官と思われる存在を片付けたとは言え、敵が未知数の存在であることには変わりはないので警戒を解くまでには至らない。

 

 

戦士頭は空を見上げ、元からある太陽と“祖霊の光”である第二の太陽を見た。

そしてその中にある一つの黒点を。

 

 

 

 

――――まてよ?あの祖霊の光に黒点などあるものか?

そんな疑問が脊髄を通して脳に直撃した時には、文字通り周囲に暗雲が立ち込めていた。

 

黒い黒い、禍々しいそれはまさに今、徐々に大きくなる黒点へと収束しつつあったのだ!

 

 

――――いいや、あれが黒点である筈がない!黒点が急速に拡大などするものか!

 

「マズイッ…!

総員、上方だ!上から来るぞ!

 

彼が戦士・兵士達へと呼び掛けた時には既に黒点は、最早その明確なシルエットを映し出していた!

 

 

 

 

瞬間――――地面から巨塔のような水しぶきが上がり、辺り一面を薙ぎ払った。

 

 

 

 

 

 




貴方達、ドムドムバーガーそんなに好きか!?
いや設定したの僕だけども…もうなんか無効票にするのが勿体ないまであるような気がしてきた。

設定集、12話後書きみたいな形でどうかな?

  • アリだと思われ
  • 普通に後書きに書いて
  • 貼る必要も書く必要もない、他で勝手に
  • どむどむばーがー(無効票)
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