【第1章完】キラキラ!~美人七姉妹とのドキドキ同居生活!?※キラキラしたものとは言ってない~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第4話(1)模範とすべき人

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 エメラルドに促され、山田が長テーブルの短い辺に置かれた椅子に座る。すっかり定位置となった。それを見て、エメラルドが声を発する。

 

「それでは……いただきます」

 

「いただきます」

 

 山田と向かい合う場所の椅子に座ったエメラルドに続いて、左右両側に三人ずつ座った六人の妹たちが食前のあいさつをする。昼食以外、朝食と夕食はよほどのことが無い限りは、七姉妹揃って食事をすることがこの家のルールの一つ。七人は山田が用意した朝食をそれぞれ口に運ぶ。

 

「うん、今日も美味しいわ♪」

 

「そうだね」

 

 トパーズが頬を抑え、ダイヤモンドが満足気に頷く。

 

「……食事のメニューがまたちょっと違うようね? 特にサファの分……」

 

 エメラルドがテーブルの上に並べられた料理を見比べながら山田に問う。山田は落ち着いて答える。

 

「サファイア先輩……いや、サファイアさんは朝からかなりカロリーを消化するということが分かりましたので、メニューを変更しました」

 

「……分かったってどうやって?」

 

「朝のランニングを並走させてもらったので……」

 

「ええっ⁉ 本当に⁉」

 

 アメジストが驚く。山田が頷く。

 

「あ、はい」

 

「こっから学校までか? マジかよ……」

 

 アクアマリンが苦笑する。オパールが頷く。

 

「あ~だから山田パイセン、電車に乗っていなかったのか~」

 

「仲良くランニングだってよ?」

 

「……なによ、マリンお姉ちゃん」

 

「出し抜かれちゃったね~」

 

「ど、どういう意味よ、ダイヤお姉ちゃん」

 

「別に~ねえ?」

 

「ああ……」

 

 ダイヤモンドとアクアマリンがニヤニヤとオパールを見つめる。

 

「なによ、二人してニヤニヤして!」

 

「ほらほら、オパちゃんをからかっていないで、早くご飯食べちゃいなさ~い」

 

「は~い……」

 

「はいはい……」

 

 トパーズに注意され、ダイヤモンドとアクアマリンは食事に集中する。

 

「なによ、もう……」

 

 オパールは頬を膨らませる。

 

「……オパール」

 

「え、なに? アメお姉ちゃん?」

 

 アメジストは斜め前に座る二人を見ながら小声で呟く。

 

「姉妹とはいえ、付き合う人はきちんと選ばないとダメよ」

 

「おっと……」

 

「……そりゃあどういう意味だ?」

 

 アメジストの呟きにダイヤモンドは吹き出し、アクアマリンが睨む。

 

「……言葉通りの意味よ。良い、オパール? この二人にペースをいちいち乱されてはダメ」

 

「はあ……」

 

「もっと尊敬すべき人間を模範としなさい……」

 

「例えば?」

 

「貴女の隣にいるでしょう……」

 

「え~サファちゃんの真似は無理だよ~ストイック過ぎるって~」

 

「でしょうね」

 

「で、でしょうねって……即答⁉」

 

「貴女にとって、もっと模範にふさわしい人物はいるわ」

 

「え? どこに?」

 

 オパールがキョロキョロとする。それがしばらく続くとアメジストが痺れを切らす。

 

「ここに! いるでしょう⁉」

 

「ああ、なんだアメお姉ちゃんか~」

 

「まったく……とにかく。学業もこなしつつ、既にプロとしての仕事もいくつもこなしている私から学ぶことは多いと思うわ」

 

「向き不向きがあんだろ、オパがお前と同じ進路を取ると決めたわけじゃねえ」

 

 アクアマリンが不満そうに反応する。アメジストがそれを無視して話を進める。

 

「真ん中トリオなら圧倒的に私が良い模範になるはずだわ」

 

「真ん中トリオ……三女、四女、五女のことか……」

 

 ダイヤモンドが苦笑する。アクアマリンが反発する。

 

「とは言っても、オパはまだ高校生になったばかり……同じ高校生でしかも同じ学校に通うサファの方がより多くを学べると思うけどな……なあ、サファ?」

 

「……」

 

「おい、サファ?」

 

「……はっ、失礼しました。ぼうっとしておりました」

 

「め、珍しいな」

 

「ところでダイヤモンド姉さん」

 

「うん? どったのサファ?」

 

「今日はeスポーツの練習に付き合って頂きたいのですが」

 

「ああ、良いよ、ス〇ラ、ス〇ブラ?」

 

「いえ……ス〇リートファイターと〇拳でお願いします」

 

「え? 格ゲー苦手じゃなかった?」

 

「昨日の深夜に及ぶトレーニングでコツは掴みました」

 

「深夜に及ぶトレーニング?」

 

「そういえば、夜中までなにやらゴソゴソやっていたわね……」

 

 ダイヤモンドは首を傾げ、アメジストは側頭部を抑える。

 

「一夜漬けでどうにかなるもんかね~」

 

「ご心配なく、ガー君……山田さんが夜通し良いアドバイスをくれましたから」

 

「「「「「「!」」」」」」

 

「そ、それは場の流れというか……あくまでトレーニングに付き合っただけですから!」

 

 山田が慌てる。ダイヤモンドが笑い、アクアマリンが戸惑い、アメジストが顔をしかめる。

 

「お~もう部屋に上げるとは、なかなかやるね~サファ」

 

「ちょ、ちょっと早くねえか⁉ こういうのはもっと段階を踏んでからだな……」

 

「……破廉恥ね」

 

「そ、そんな……」

 

 オパールが衝撃を受けている。ダイヤモンドが笑う。

 

「いや~優位性が一晩で失われたわけだからね、オパの心中察してあまりあるわ……」

 

「ダイヤちゃん、あまりからかわないの……ゲームをしていただけよね?」

 

 ダイヤモンドをたしなめながらトパーズは山田に問う。山田は答える。

 

「は、はい、それはもちろんです!」

 

「じゃあ、この問題はとりあえずおいておきましょう。良いわねエメちゃん?」

 

「ああ……」

 

 食事を終えたエメラルドが食後のお茶を飲みながら答える。トパーズが尋ねる。

 

「そういえば、なんかあったんじゃなかったっけ?」

 

「ん? そうだね、アメ……」

 

「なに?」

 

「マネージャーが人手不足だって言っていたよね?」

 

「長い病欠でね……」

 

「山田君を臨時マネージャーに連れていったらどう? 体力も申し分なさそうだし」

 

「はあ⁉」

 

「ええっ⁉」

 

 エメラルドの提案にアメジストと山田が揃って驚く。

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