【第1章完】キラキラ!~美人七姉妹とのドキドキ同居生活!?※キラキラしたものとは言ってない~   作:阿弥陀乃トンマージ

36 / 50
第9話(3)こんなコラボ動画、まいっちゃいますよねー!

「……というわけで今日は結構な筋肉痛です」

 

 山田は自らの足をさする。

 

「そ、そう……」

 

「頭も使いました……」

 

 山田は自らの頭を軽く抑える。

 

「それは大変だったわね……」

 

「ええ、さすがのサファイアさんもヘトヘトなようです」

 

「オパール……あの子ったら、全く何を考えているのか……」

 

 山田の話を聞き、アメジストが頭を抱える。

 

「いや、サファイアもサファイアだろう……」

 

 アクアマリンが困惑した表情を浮かべる。

 

「……真面目過ぎるのよね、あの子は」

 

「真面目って言うか、融通が利かないっていうレベルだろ、それは」

 

 アメジストの言葉をアクアマリンが正す。

 

「……そうとも言うわね」

 

「そうだとしか言えねえよ」

 

「……いちいち突っかかってくるわね?」

 

「そうか? 気のせいだろ」

 

「いいえ、いつも以上にうざったいわ」

 

「うざったいって」

 

「何をそんなにイライラしているのよ?」

 

「……お前は何も思わねえのか?」

 

「え?」

 

「いきなりわけのわからない所に連れてこられて、待たされているこの状況をだよ」

 

 アクアマリンが大げさに両手を広げる。アメジストが冷静に答える。

 

「わけがわからなくはないわ。撮影スタジオでしょ。私も以前来たことがあるわ」

 

「まあ、それは言葉のあやだ。待たされているのはなんなんだよ?」

 

「それは彼女に聞いてみたら?」

 

「は~い♪ 呼んだ~?」

 

 ハイテンションのダイヤモンドが部屋に入ってくる。

 

「……呼んではねえが、聞きたいことがある。何をさせる気だ?」

 

「撮影スタジオだよ。撮影に決まっているじゃん♪」

 

 ダイヤモンドがアクアマリンに向かってウインクする。

 

「はあ⁉ き、聞いてねえぞ」

 

「言ってないからね」

 

 ダイヤモンドが悪びれずに即答する。アメジストが口を開く。

 

「たまには外で食事でも……と聞いたのだけど?」

 

「ああ、それは嘘」

 

 ダイヤモンドはまたも悪びれずに答える。アメジストが絶句する。

 

「う、嘘って……」

 

「まあ、撮影が終わったら、近くのレストランを予約してあるからさ、安心して」

 

「帰らせてもらうわ」

 

 アメジストが立ち上がって帰ろうとする。ダイヤモンドが慌てて止める。

 

「な、なんでよ?」

 

「撮影なんて聞いてないからよ」

 

「い、いや、今帰られると困るんだって!」

 

「そんなの知ったことじゃないわ」

 

「きょ、今日は大事なコラボ撮影の日なんだから!」

 

「コラボ?」

 

「そう、他の配信者さんと一緒に動画を撮影するの」

 

「勝手になさいよ」

 

 アメジストがなおも帰ろうとする。ダイヤモンドがさらに慌てて止める。

 

「いや、だから困るんだって!」

 

「何が困るのよ?」

 

「有名な配信者さんなんだよ、登録者数も数十万人の……」

 

「そんなの私には関係ないでしょう」

 

「それが関係あるんだって! 4人組だからこっちも4人で行きますって言っちゃったからさ……1人足りないってなると、色々と撮影の段取りが……」

 

「お前、合コンじゃねえんだからよ……」

 

 アクアマリンが呆れる。アメジストがため息交じりで話す。

 

「はあ……あのね、私は事務所所属の声優タレントなの? 事務所を通さず勝手に動画出演なんてしたら大事になるのよ。分かる?」

 

「うん、だからアメちゃんにはノーギャラだよ」

 

「はあ⁉ い、いや、そういう問題じゃなくて……」

 

「大丈夫、顔は出さないからさ。マリンちゃんも含めて」

 

「オ、オレもか⁉」

 

「これを見て!」

 

 ダイヤモンドがパソコンを見せる。画面には美少女キャラのアバターが2体映っている。

 

「……なんだこれは?」

 

「ふたりにはVTuberになってもらうよ」

 

「「はあっ⁉」」

 

 アクアマリンとアメジストが揃って声を上げる。

 

「名前は『アマリ』と『メジス』!」

 

「アマリって!」

 

「本名から取ったらバレるわよ!」

 

「まあまあ、そこは案外なんとかなるって~」

 

「ならないわよ!」

 

「今日だけお願い! 姉を助けると思って!」

 

 ダイヤモンドが両手を合わせて頭を下げる。アクアマリンたちがため息をつく。

 

「ったく、しょうがねぇなぁ……」

 

「まあ、これも経験かしらね……」

 

「ありがとう!」

 

 ダイヤモンドが笑顔を浮かべる。

 

「おはようございま~す」

 

「あ、おはようございます! 今日はよろしくお願いします!」

 

 部屋に3人の太った男性と1人の痩せた男性が入ってくる。アメジストが首を傾げる。

 

「……どちらさま?」

 

「ちょっと、知らないの⁉ 『ボーイッシュCD局』の皆さんだよ!」

 

「し、知らないわ……知っている?」

 

 アメジストは山田に尋ねる。

 

「えっと……似ている方々は知っていますが……」

 

「パチモンじゃねえか?」

 

「ちょいちょいマリンちゃん! 失礼だよ! ボイD知らないの⁉」

 

「略されても分かんねえよ!」

 

「あの……」

 

「あ、すみません、御本人たちを前にして緊張しちゃってるみたいで……ははっ……」

 

 ダイヤモンドが笑いながらペコペコと頭を下げる。

 

「ああ、そうなんですか……」

 

「いつも漫画やアニメのパロディネタ楽しみにしています! 『男〇』ネタ最高でした!」

 

「『〇坂』のパロディって……私がこういうのもなんだけど、マイナーでしょう……」

 

 アメジストが目を細める。

 

「物真似も最高ですよね! 藤〇也さんの物真似爆笑です!」

 

「藤竜〇さん⁉ 藤〇竜也さんじゃなくて⁉ 渋いな!」

 

 山田が困惑する。男性の1人が頭を下げる。

 

「ありがとうございます……早速ですけど、撮影始めちゃいますか?」

 

「はい! 始めちゃいましょう! いや~楽しみだな~『兆候叩き』!」

 

「『気配斬り』じゃねえのかよ! やっぱパチモンじゃねえか!」

 

 アクアマリンの叫び声がスタジオ中に響く。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。