【第1章完】キラキラ!~美人七姉妹とのドキドキ同居生活!?※キラキラしたものとは言ってない~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第10話(1)全員一致

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「マ、マスコミやら野次馬やらが殺到しているよ、ネットニュースでも話題だし!」

 

「自宅の周囲で起きている事態をネットで知るなよ……窓から見りゃ分かるだろ」

 

 リビングに駆け込んできたダイヤモンドにアクアマリンが冷ややかな視線を向ける。

 

「へ?」

 

「オパ、御覧なさい、これが情報化社会の波に翻弄された悲しきモンスターです……」

 

「モンスターって、随分と酷い言い様だね、サファ!」

 

 ダイヤモンドがサファイアに対して声を荒げる。

 

「来世は人間で生まれますように……」

 

「そこ! 勝手に来世を願うな!」

 

 ダイヤモンドは両手を合わせて拝むオパールにも声を上げる。

 

「しかし、すごいことになってんな……」

 

「げに恐ろしきはセンテンスオータム砲の社会的影響力ぜよ……」

 

「なんだよ、その唐突な高知弁は……」

 

 アクアマリンは自分の隣の席に座るダイヤモンドに突っ込む。

 

「センテンスオータム……」

 

「あ、雑誌の『週刊文秋』のことだよ?」

 

「それくらいのネットスラングなら自分も知っています……」

 

「あ、そう……」

 

 サファイアの答えにダイヤモンドは少しガッカリとする。

 

「まさか週刊誌のターゲットになっているとは……驚きました」

 

「それだよな」

 

 サファイアの呟きにアクアマリンが頷く。

 

「色々と噂になっていたみたいだからね~」

 

「噂に?」

 

 オパールの言葉にサファイアが首を傾げる。

 

「そうそう、噂。話題の中心というか……」

 

「別に噂されるようなことはした覚えがありませんが……」

 

 サファイアが不思議そうに呟く。それを見てダイヤモンドは呆れたように両手を広げる。

 

「いやいや、自覚がないってのは、時に罪だね~」

 

「罪?」

 

「そう、ギルティー」

 

「英語で言い直さなくても良いです」

 

「サファ、こいつは無視しろ」

 

 アクアマリンが告げる。サファイアが首を振る。

 

「そういうわけにも参りません」

 

「お前は真面目過ぎるんだよ……」

 

「自覚がないとは一体どういうことでしょうか?」

 

「美人七姉妹だよ? 噂にならない方がおかしいでしょ」

 

「自分で美人って言うなよ、恥ずかしいな……」

 

 アクアマリンが呆れる。

 

「美人はともかくとして……七姉妹というのは、よその家庭に比べて多いかもしれない……でも、果たしてそれだけで噂になるものでしょうか?」

 

 サファイアが顎に手を当てて考え込む。ダイヤモンドが舌を鳴らす。

 

「チッチッチッ……問題はその内訳だよ」

 

「内訳?」

 

「そう、長女は世界的IT企業の美人社長、次女は数々の人気飲食店の美人看板娘、三女は超美人の有名配信者、四女は目下売り出し中のインディーズバンドの美人ボーカル、五女はアニメファンを中心とした若者に大人気の美人アイドル声優、六女は成績優秀、スポーツ万能という文武両道を体現した美人JK……」

 

「ちゃっかり自分だけ超って付けやがったな……」

 

 アクアマリンが再度呆れる。

 

「ボ、ボクは?」

 

 オパールが期待に膨らんだ目でダイヤモンドを見つめる。

 

「おい、続きを促すな、オパ」

 

「あ……」

 

「え……」

 

 オパールが悲しい表情になる。

 

「い、いや、七女は……」

 

「うん」

 

「美人の……」

 

「うんうん」

 

「すっごい元気な子」

 

「ボ、ボクだけなんか漠然としてない⁉」

 

 オパールが愕然とする。

 

「だからこいつを相手にすんな」

 

 アクアマリンがダイヤモンドの頬を軽く押す。ダイヤモンドは口を開こうとする。

 

「ちょ、ちょっと待って……」

 

「待たねえよ」

 

「オパに関してはひとつ良い話があるんだけど……」

 

「どうでも良いんだよ」

 

「ど、どうでも良い……」

 

「い、いや、この場合のことだ。お前のことをどうこう言っているわけじゃねえよ」

 

 ガックリとするオパールをアクアマリンが慌ててフォローする。

 

「……何を三人で馬鹿馬鹿しいことを言ってるのよ?」

 

 リビングに入ってきたアメジストが席に座る。アクアマリンが声を上げる。

 

「ちょっと待て! オレを頭数に入れんな!」

 

「まったく、お気楽でいいわね……」

 

「いや、聞けよ!」

 

「これは由々しき事態だわ……」

 

「ちっ、聞いてねえな……」

 

 テーブルに肘を付き、顔の前で両手を組むアメジストをアクアマリンが呆れて見つめる。

 

「集まっているな……」

 

「大変なことになっちゃったわね~」

 

 エメラルドとトパーズが揃ってリビングに入ってくる。二人が自らの席につく。アメジストが立ち上がって声を上げる。

 

「どうするの⁉」

 

「それをこれから話し合うんだよ、少し落ち着け、アメ」

 

「し、失礼……」

 

 アメジストがエメラルドに頭を下げて、席に座り直す。

 

「さて、この事態だが……」

 

「まず、ご近所さんに結構なご迷惑がかかっているわよね~このままじゃあ、お買い物にも行けないし……」

 

「そうだな、その辺は早急になんとかしよう」

 

 トパーズの言葉にエメラルドが頷く。

 

「人がいなくなれば落ち着くかな?」

 

「騒音系のトラブルはなくなるな」

 

 オパールの呟きにアクアマリンが応える。

 

「問題にすべきはそこじゃないでしょう」

 

「どういうこった?」

 

「こうして記事が出てしまったことよ」

 

 アクアマリンの問いかけにアメジストが答える。

 

「火消しの必要性があるね、ただ……」

 

「ただ?」

 

 トパーズがダイヤモンドの方を見る。

 

「一歩対応を間違うと、さらに炎上する恐れがある……」

 

「こ、怖いわね……」

 

「……会社から声明を出すというのは?」

 

「それは大げさ過ぎるよ」

 

 サファイアの言葉に対し、ダイヤモンドが首を振る。

 

「……それでは沈静化を待つというのは?」

 

「こういうネタはいつまでも擦られるからね~」

 

 ダイヤモンドが苦笑する。アメジストが口を開く。

 

「スルーは有り得ないわ。手を打つべきよ」

 

「……手を打つとは?」

 

 エメラルドがアメジストに問う。

 

「それは分かっているでしょう……」

 

「ふむ、そうだな……」

 

 エメラルドが頷く。オパールが問う。

 

「ど、どういうこと?」

 

「問題をそもそも無かったことにする……」

 

「! そ、それって……」

 

「そういうことだ」

 

 エメラルドがオパールを見つめて頷く。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 

「時間をかけ過ぎるのも良くない。賛成か反対か……どうするお前ら?」

 

「賛成、何故なら職業柄スキャンダルに繋がるのは致命的だから」

 

 アメジストが断言する。

 

「賛成、ウチもアメちゃんほどじゃないけど、影がちらつくのはマイナスかな……」

 

 ダイヤモンドが苦笑気味に呟く。

 

「……賛成だな、大事な時期だから集中したい」

 

 アクアマリンが頷く。

 

「……賛成です。反対する強い理由がありません」

 

 サファイアが冷静に述べる。

 

「……アタシも賛成だ。そもそもの原因はアタシのケアレスミスだからな、反省している……すまんな」

 

 エメラルドが頭を下げる。

 

「エメちゃんが謝ることじゃ……わたしも反対する材料が弱いわね、賛成」

 

 トパーズが控えめに右手を挙げる。

 

「そんな……くっ……さ、賛成……」

 

 オパールが言葉を飲み込み、頷く。

 

「……珍しく全員一致で決まりだな。それでは山田ガーネット君には、家政夫を直ちに辞してもらい、さらにこの家から去ってもらうことにする……」

 

 エメラルドが淡々と告げる。

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