【第1章完】キラキラ!~美人七姉妹とのドキドキ同居生活!?※キラキラしたものとは言ってない~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第2話(1)揃っての朝食

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「ああ、君もそこにかけなよ」

 

「あ、はい、失礼します」

 

 エメラルドの言葉に従い、山田が長テーブルの短い辺に置かれた椅子に座る。それを見て、エメラルドが声を発する。

 

「それでは……いただきます」

 

「いただきます」

 

 山田と向かい合う場所の椅子に座ったエメラルドに続き、左右両側に座った六人の妹たちが食前のあいさつをする。昼食以外、朝食と夕食はよほどのことが無い限りは、七姉妹揃って食事をすることがこの家のルールになっているらしい。七人は山田の用意した朝食をそれぞれ口に運ぶ。

 

「うん、美味し~い♪」

 

「へ~やるじゃん」

 

 トパーズがほっぺたを抑え、ダイヤモンドが感心したように頷く。

 

「……食事はトパ頼みになっていたけど、どうかしら?」

 

「うん、エメちゃん、これならわたしの代わりを十分任せられるわ~」

 

 エメラルドの問いにトパーズが右手の親指をグッと突き立てる。エメラルドが笑う。

 

「それはなによりだわ」

 

「最近お店のお手伝いが忙しくなってきたから、みんなの食事を用意するのはなかなか難しくなるからどうしようと思っていたけど、これで問題クリアね~」

 

「まあ、ウチは腹が膨れれば、基本なんでもオッケーなんだけどね」

 

「ダメよ、ダイちゃん、ちゃんと栄養の取れた食事を取らないと~」

 

 トパーズが左隣に座るダイヤモンドを注意する。

 

「う~ん、そうは言ってもね~」

 

「酒飲んだ後とかどうしても辛いんだよな……」

 

 ダイヤモンドと、その左隣に座るアクアマリンが苦い表情になる。

 

「生活リズムがめちゃくちゃな人たちは嫌だわ……」

 

 二人の斜め前に座るアメジストが呆れ気味に呟く。ダイヤモンドがおどける。

 

「夜型ってやつなんだよ」

 

「美容と健康に悪いわ。私だったら考えられないわね」

 

「お、おめえだって、夜の仕事とかあるんじゃねえのか?」

 

「私、夜9時以降の仕事は基本NGにしてもらっているから」

 

 アメジストがアクアマリンの問いに答える。

 

「そ、そんなわがままが……」

 

「通るのよ、結果を出しているからね」

 

「ぐっ……」

 

 アメジストの言葉に対し、アクアマリンが黙り込む。それを聞いたアメジストの右隣に座るサファイアがボソッと呟く。

 

「結果か……」

 

「? どうかしたの? サファちゃん?」

 

「なんでもないです……ごちそうさまでした」

 

 サファイアは右隣に座るオパールの問いかけに首を振り、食事を終える。

 

「早っ」

 

「……行ってきます」

 

 サファイアが皆に頭を下げる。トパーズが手を振る。

 

「いってらっしゃ~い♪」

 

「気をつけてな」

 

「はい……」

 

 エメラルドの言葉にサファイアは静かに頷く。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ! サファちゃん!」

 

「……なんですか、オパ」

 

「せっかく同じ学校になったんだからたまには一緒に登校しようよ!」

 

「断る」

 

「即答⁉」

 

「自分には自分のペースというものがありますから……」

 

「あ、行っちゃった……」

 

 オパールが残念がる。アクアマリンとダイヤモンドが首を傾げる。

 

「自分のペースねえ……」

 

「サファはちょっとばかりストイック過ぎないかな?」

 

「……貴女たちが怠惰過ぎるのよ」

 

「んだと?」

 

「ははっ、言われちゃった」

 

 アメジストの言葉にアクアマリンはムッとなり、ダイヤモンドは苦笑する。

 

「はいはい、みんな仲良く、仲良くね~」

 

 トパーズが優しく声をかけ、場を和ませる。

 

「……ごちそうさま」

 

 エメラルドが席を立つ。他の皆も順に食事を終え、それぞれ席を立つ。

 

「皆、慌ただしいね~食後のお茶を所望したいんだけど」

 

「あ、はい……」

 

「ダメよ、ダイちゃん、彼も学校なんだから、それくらい自分で用意出来るでしょ?」

 

 トパーズがダイヤモンドをたしなめる。ダイヤモンドが唇を尖らせる。

 

「ちぇっ……」

 

「行ってきま~す!」

 

「行ってきます……」

 

 オパールと山田が揃って家を出る。

 

「いや~こうしてパイセンと揃って登校するなんてなんだか不思議な気分ですよ」

 

「そうですね……」

 

「うちにはもう慣れました?」

 

「い、いや、まだ実質初日なので……」

 

「あはっ、そうですよね~」

 

「しかし……」

 

「ん?」

 

「あのような立派なビル住まいなのに、徒歩と電車通学なんですね……」

 

 山田は自分が出てきたビルを眺めながら呟く。オパールが首を傾げる。

 

「え? どういうことですか?」

 

「いえ、車で送り迎えしてもらうとかじゃないんだなと思いまして……」

 

「あ~いや、あのビルはビジネスホテルを買い取ってリフォームしたものなんですけど、お金は全部エメお姉ちゃんが出したんです」

 

「はあ……」

 

「お姉ちゃんは中学卒業後、ほとんど一人で会社を立ち上げちゃった凄い人なんですけど、教育方針?みたいなものがありまして……」

 

「教育方針?」

 

「ええ、例えばボクらに必要以上のお小遣いは与えないとか、そういうことです」

 

「ああ……」

 

「だから、タクシー通学とかもってのほかですよ。学費などは出してくれてますけど、基本は『早く自分で稼げるようになれ、アタシを頼るな』っていうのが、昔からの口癖です」

 

「な、なるほど……」

 

「そんなこと言ってますけど、エメお姉ちゃん、仕事以外はからっきしなんですよ。家事はほとんどトパお姉ちゃん頼みだったし、新しくパイセンにも来てもらいましたからね。いやいや、自分はめっちゃ頼ってんじゃん!って話ですよ」

 

「ははっ……」

 

「でも、ボクたちみんな、エメお姉ちゃんのことを尊敬していますよ……多分」

 

「多分って」

 

「あははっ、少なくとも感謝はしていると思います。だって普通、温泉付きの物件なんてなかなか住めないですからね。そう思いません?」

 

「ええ、そう思います」

 

「そうでしょう?」

 

 山田とオパールは色々な話をしながら学校へ登校した。

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