シン・仮面ライダー対じごく大使   作:スローダンサー

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(これまでのあらすじ)
コブラオーグを爆散させた仮面ライダー、一文字隼人。しかし爆散して消えたコブラオーグの惨状に心の中で疑問を持つ。

そんな中、タチバナとタキが一文字隼人と接触。今後の作戦予定について説明を行う。


三つ巴の幸福

政府のセーフハウスの一角。髭の男、コートの男、眼鏡をかけた髭の男が緊張感漂う雰囲気の中、机を前に対峙した。

 

「コブラオーグ撃退ご苦労だった。」

「ご感謝どーも」

 

コートの男はカメラを構える。

 

「アナログか」

「デジカメは嫌いだ。今のCG技術だと真実も簡単に作り出せるからな。」

 

髭の男の疑問に答えるコートの男。彼は一文字隼人。元ジャーナリストにして、仮面ライダーである。

 

「アナログは確かに理にかなってる。SHOCKERの情報収集能力を考えるとな」

「………そういう話じゃねぇんだがなタキ」

「………………」

 

一文字隼人のぼやきを一切無視する髭の男。彼はタキと名乗る政府の男だ。

 

「まあ待て、今はこれからの話だ。」

 

眼鏡をかけた髭の男、タチバナを名乗る政府の男は、不穏な空気を変える為、話を切り出した。

 

「SHOCKERのオーグは途絶える気配がない。このままいけば手が回らなくなるのは見えてる未来だ。」

「癪な話だが、そりゃそうか。絶望を抱えてる人間はそこらかしこにいるだろうしな」

 

苦い顔で一文字隼人は改造された洗脳状態を思い出す。絶望に蓋をし、多幸感を促す。洗脳が解けた今でこそ、あの状態への恐ろしさを感じている。

 

(偶々抗えただけで他の人間が抗えるかといえば否。………心がスッキリしない)

 

「そうだ。だからこそ、根本を倒す必要がある。」

 

タチバナは赤枠に囲まれた極秘を刻印してある紙を取り出す。

 

「"アイ"?」

「SHOCKERの創設者が作り出した人工知能の名前だ。」

 

"アイ"。

創設者が自決後、最後に下された命令「人類を幸福に導く」を実行する為、演算した結果、「人類の目指すべき幸福とは、“最大多数の最大幸福”ではなく、“最も深い絶望を抱えた人間を救済する”ことである」と定め、組織を運営している。現在のSHOCKERの要と言える存在だ。

 

「………つまり、アイを破壊することができればSHOCKERを撲滅できるというわけか?」

「今のところはそうだ。」

「随分と曖昧な言い草じゃないの。」

「SHOCKERの科学力を考えるとな、少しばかり不安要素がある。とはいえ現状そのような痕跡は存在しない」

「叩くなら速くってわけね」

 

一文字隼人の言葉に同意する2人。

 

「現在アイに接触する為に必要な"鍵"は四つ手にしている。」

「"鍵"か、だが四つだけとは思えんな」

「その通り、鍵は残り四つ、そのうちの三つは所在が判明した。」

「手早い仕事だことで」

 

一文字隼人の言葉の直後、タキは世界地図を広げた。そこにはSHOCKERの勢力について分布図が記されている。

 

一文字隼人はその地図で一際大きく記されているマークに気づいた。日本、サハラ砂漠、ロシアの上に存在するマークの下には名前があった。

 

「このでかい鳥マークは?」

「ここが鍵が存在する場所だ。」

「この下の名前は?」

「そこに存在しているグループの名前だ。」

「グループ?オーグが協力でもしてるのか?」

「その通りだ」

「おお………」

 

一文字隼人は天を見上げる。あまり考えたくない事実を知らされた。

 

「なんだよSHOCKERはボトムアップな組織と思ってたんだがな………」

「気持ちは理解する。だが、目的の方向性が似ている連中が集まるのは自然な流れだろうな」

「そりゃあそうか………」

 

タキの返しは理解できる。だから肩を下ろすのだ。

 

「で?俺はどうすれば良い?」

 

一文字隼人の言葉に対する返答は日本に大きく表示されたマークを叩く音だった。

 

「せっかく日本にいるんだ。まずはここから鍵を入手して欲しい。」

 

「"地獄使節団"………なんだ?日本には地獄の領事館でもあるんか?」

「我が国はまだ国交を樹立してないがな」

「リーダーの名前は?」

「地獄大使」

「なるほど、しっくりくる名前だ。」

 

一文字隼人が勝手に納得しているとファイルをタキから投げ渡される。

 

「地獄使節団の構成員と思われるオーグ、サラセニアオーグだ。まずはこいつから話を聞き出すと良い。」

「はっ、了解したぜタチバナの親父さん」

 

シニカルに笑いながら一文字隼人はその場から立ち去る。シンサイクロンと地図を開き、1人暗闇を走り出した。

 

その姿をドローンで追う、少年が1人。彼は非公式の会合の情報を掴み、一文字隼人の後を追っているのだ。

 

「あれが僕を助けてくれた『仮面ライダー』」

 

その目には好奇と羨望の光に満ち満ちていた。

 

 

 




サラセニアオーグ、彼女は自らの幸福のため、人間のプラーナを回収していた。
阻止するため、仮面ライダーはサラセニアオーグの前に立つ時、少年ゴロウは仮面ライダーの正体を確信する。
次回シン・仮面ライダー対じごく大使
「人喰いサラセニアオーグ」
にご期待ください。
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