シン・仮面ライダー対じごく大使   作:スローダンサー

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(これまでのあらすじ)
人々のプラーナを奪い肥料に変えているサラセニアオーグ。彼女の植物的特徴に苦戦を強いられた仮面ライダーだったが、謎の少年の活躍もあり撃破した。その少年は仮面ライダーに弟子入りを宣言する。


殺人ヤモリオーグ

多くのスーパーコンピューターが音を立てて演算を行う基地の中、鞭を持ち、エジプトのファラオがつけていたマスクに酷似したマスクをつける男は表示された画面を見て哀悼の意を表した。

 

「コブラオーグ、サラセニアオーグが旅立ったか………」

「はい、その通りです」

 

胸に二輪の白い花を刺したロボット"ケイ"は目の前の男の呟きに同意した。

 

「ケイよいつの間にそこに?」

「それが私のAbilityですので、"地獄大使"様」

 

ケイの言葉に納得し難いという表情を浮かべる。この神出鬼没の怪ロボットに対して若干の苦手意識があった。

 

「ケイよ、現れる時はなんらかの連絡をよこせ」

「はい、ではMessageを事前に送るよう心がけます」

 

その言葉に返答しない。どんなに嫌味を言ってもこの怪ロボットには無意味なのだ。苛立ちを隠さず地獄大使はモニターを確認する。

 

「この戦闘地域と情報漏洩からして次に攻められるのはヤモリオーグだな。ケイよ」

「はい」

「ヤモリオーグに伝えろ、『バッタオーグを必ず始末しろね』とな」

「Order承りました」

 

ケイは一礼するとその場から消えた。

 

「俺の幸福のために邪魔者は排除しなければ、ヤモリオーグなら万が一ということもないだろう………」

 

スーパーコンピューターの演算音と共に笑い声が高らかに響き渡った。

 

 

 

 

「僕を弟子にしてください、仮面ライダー!」

「弟子っ?」

 

サラセニアオーグを爆発四散させた後、シンサイクロンに乗り込み、後をさろうとした一文字隼人は目の前に立って少年に邪魔されていた。

 

「弟子とかいう前にまず名前を言ってくれよ。名前を言えないような奴は弟子にはできない」

「………ゴロウ」

 

一文字隼人の目と耳は少年の嘘を簡単に見破っていた。しかし偽名を使われたことを一文字隼人は咎めなかった。

人には事情がある。深く詮索するほど興味はなかった。

 

「ふーん、ゴロウね。」

「名前教えたから良いでしょ?お願いします!」

「駄目だね」

「そんな!?名前教えたのに?!」

「名前言わないやつと組む気になれないとは言ったが名前教えてくれたから組むとは言ってないよ」

「なんて詭弁!大人ってずるくない?!」

「ずるくない大人はそんなにいないんだよ。」

 

シンサイクロンのマフラーをジェット噴射に変え、ゴロウの上を飛び上がる。そのままシンサイクロンは風となって夜に溶け込んでいった。

 

「………絶対諦めませんから!!」

 

ゴロウの負け惜しみが山の中で響く。

 

 

 

 

 

 

 

一文字隼人はアンチショッカー同盟の面々からヤモリオーグの情報を得る。

そのアジトの周囲には大量の行方不明届けが出されており、ヤモリオーグの仕業であることは確定だ。

 

一文字隼人が訪れた場所は捨て去られた墓場である。卒塔婆が刺され、墓石が規則正しく並び、いやでも死者の匂いを漂わせる。

 

「で、なんでいるの君?」

「仮面ライダーあるところにゴロウありですよ!」

「君ねぇ俺の心は今どうなってるとおもう?」

「何って僕がいるから心うれしい?」

「いや心怖い、その歳でストーカーなのは良くないと思うよ」

「ストーカーじゃないですよ!ただ貴方の行きそうなところを簡単に予想つけて監視カメラから追ってるだけですから」

「その能力別のところで使ってくれないかなぁ………」

 

一文字隼人はぼやくと共に後ろに拳を放つ。手の甲を受け墓石に吹っ飛ばされたSHOCKER下級構成員。

 

ザッザッザッ、卒塔婆の影から現れるSHOCKER下級構成員!容赦無く一文字隼人とゴロウに曲刀を振り翳す!

 

空気を割きながら卒塔婆を切る曲刀を簡単に白羽取りし、その勢いのまま回転投げを行う一文字隼人。ゴロウも、身体能力を活かしたフットワークにより斬撃を避け、溝打ちで昏睡させる!

 

「そんなに強いの君?」

「こう見えても打撃の天才ですから!」

 

一文字隼人は殴る。吹っ飛ぶSHOCKER下級構成員!ゴロウは殴る。蹲るSHOCKER下級構成員!

一文字隼人は殴る。吹っ飛ぶSHOCKER下級構成員!ゴロウは殴る。蹲るSHOCKER下級構成員!

一文字隼人は殴る。吹っ飛ぶSHOCKER下級構成員!ゴロウは殴る。蹲るSHOCKER下級構成員!

一文字隼人は殴る。吹っ飛ぶSHOCKER下級構成員!ゴロウは殴る。蹲るSHOCKER下級構成員!

一文字隼人は殴る。吹っ飛ぶSHOCKER下級構成員!ゴロウは殴る。蹲るSHOCKER下級構成員!

 

だがSHOCKER下級構成員の数は減らない。

 

「一文字さん!」少し離れたゴロウの声を強化された聴覚は捉えた。彼は懐から閃光手榴弾を取り出す。彼の考えを一文字隼人は理解した。

 

世界が一瞬真白になる。SHOCKER 下級構成員の目と耳を潰し、隙ができる。そして一文字隼人は両腕を右に広げ、半回転。両腕を左に集め拳を握る。風の中に漂うプラーナが彼のベルトの風車を回す。身体が超人へと変貌し、その眼に赤光が灯される!

 

「変身!」

 

真白に赤が光り、バッタの面影を思わせる仮面が墓場に存在していた!

 

「出たな仮面ライダー!」

 

その声と共に卒塔婆の影から全身赤の男が現れる。その手はヤモリを思わせる蛇腹構造。そして目がむき出しのマスクはヤモリを思わせる爬虫類の形だ!

 

「デンジャーライトを喰らえ!」

 

ヤモリオーグの右手には照射器。その銃口は仮面ライダーに向けられていた!

 

デンジャーライトの危険な名前を聞いてのこのこ当たる仮面ライダーではない。回転ジャンプにより照射器の光を避ける。その先にいたSHOCKER 下級構成員にその赤い光りに照らされる。悲鳴を上げる間もなく白骨死体となる!

 

「光だけで白骨に?!」

 

ゴロウの頭脳はあまりに常識外の光景に理解が追いつかない。

 

「俺のデンジャーライトは人間のプラーナを瞬時に蒸発させ、プラーナの存在しない骨と変える!」

 

ヤモリオーグはデンジャーライトを照射、照射、照射!仮面ライダーは風のように軽やかに避けるが、攻撃に転じることができない。

 

「恐れたか仮面ライダー!ヤモリは家守り、俺の居場所を守るために死んでもらうぞ!」

「この祟られそうな墓場が家なのかあんた。変わってるな」

「俺の家族にしてやる。骨にしてな!」

 

ヤモリオーグはデンジャーライトを腰のホルスターにしまい、仮面ライダーに接近。手の蛇腹構造を使って仮面ライダーの首に掌がベッタリとつける。ただそれだけで仮面ライダーの首に掌がつく。ヤモリオーグは仮面ライダーに対して合掌捻り!360度回し、墓石にぶつけ続けた!

 

「ヤモリの壁張り付きを利用してるんだ!?」

「ははは!君は賢いな!気に入った、仮面ライダーの後はお前を家族にしてやる!」

 

ヤモリオーグは散々仮面ライダーを回転させた後、首から手を離す!仮面ライダーはクルクルと投げ捨てられた!だが仮面ライダーは風の使者。自由となった仮面ライダーは空中で回転するとプラーナを高密度圧縮、さらに身体能力を上げ、地面についたその瞬間飛び上がった!

 

 

仮面ライダーの背中にバッタの羽が輝く。回転とバッタの脚力、その二つを組みわせた必殺キックの体勢である。だがヤモリオーグはこのセットアップを完全に予想していた。

 

「そうくると思ったぞ仮面ライダー!」

 

ヤモリオーグはデンジャーライトを取り出して仮面ライダーに構えた!

 

「空中でキックする。非常に強力だが急な体勢変化はほぼ不可能!光速のデンジャーライトを避けることはできん!!」

 

ヤモリオーグのデンジャーライトは刹那、赤く光り始める。このままでは仮面ライダーのプラーナが吹き飛び、骨だけになってしまう!

 

「死ね、そして家族にしてやるぞ、仮面ライダー!!」

 

だが、ヤモリオーグは家族を増やすことはできなかった。仮面ライダーに集中するあまり、ゴロウのパチンコに対応できなかった!むき出しの目玉に石が当たり、怯むヤモリオーグ!

 

それが命取りだ。

弾丸の速度に爆撃の衝撃がヤモリオーグの全身を貫く!哀れ、ヤモリオーグは多くの墓石を吹き飛ばし地面に激突した。

 

「ヤモリオーグかなお前は」

 

四肢があらぬ方向に曲がっているヤモリオーグに近づく仮面ライダー。

 

「生きてるんですか?」

「少しばかり手加減したからな」

 

手加減してこれなのかとゴロウが引いているのをよそに仮面ライダーはヤモリオーグに尋ねた。

 

「お前が地獄使節団にいることはわかってる。質問は一つだ、地獄大使はどこだ?」

 

仮面ライダーの質問に対してヤモリオーグは答えようと口を動かしかけ、タイマー音が鳴り始める。

 

「………!」

 

仮面ライダーはゴロウを掴むと飛び上がり、その直後ヤモリオーグは大爆発した。

 

「これで振り出しか」

 

爆発の煙を見る仮面ライダーの顔を伺うことはできない。しかしゴロウは仮面ライダーの顔が静かに僅かに下がり、また上がるのを見た。

 

(………優しい人なんだ)

 

ゴロウは心中でそう思うと共に、また頼んだ。

 

「僕を弟子にしてくれませんか?」

 

その姿を観察しつつ白い一輪の花を胸ポケットにいる怪ロボットがいた。

 

 

 

 

 

 

多くのスーパーコンピューターが音を立てて演算を行う基地の中、地獄大使は舌打ちした。

 

「負けた挙句、情報を漏らしそうになるとは………期待はずれもいいところだ!」

 

あからさまにイライラしている地獄大使。すると闇の中から青いトカゲの仮面をつけたオーグメントが現れた。

 

「地獄大使。次は私が迎え撃ちます。」

「トカゲオーグ。ということは………完成したのか!」

「はい。オーグメント再生計画、その第一弾です。」

「朗報朗報………トカゲオーグよ貴様の働き楽しみにしておるぞ」

「了解しております。つきましては」

「予算だろ?前金で2倍、成功したらさらに2倍やる!」

「ありがとうございます」

 

去っていくトカゲオーグの足音は非常に重く太い。足取り軽く、足音重く、マスクの下の素顔は喜悦と憎悪があい混ぜとなっている。

 

 

「待ってろよ、本郷猛。」

 





我らの仮面ライダーを狙う、地獄大使。次なる相手はトカゲオーグと怪人軍団。計画や幸福を阻まれ続けたSHOCKERは一挙に10体のオーグメントを復活させ仮面ライダーに襲いかかる。仮面ライダーはどのようにて立ち向かうのか!
次回シン・仮面ライダー対じごく大使
トカゲオーグと怪人軍団にご期待ください。
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