ウルトラマンレオ -別世界-   作:桂ヒナギク

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Episode 1 新たな戦い

 東京のど真ん中。

 自衛隊の戦闘機が、怪獣を基点に周回している。

 もちろん映画の撮影なんかではない。

 現実に。

 今。

 ここに。

 怪獣は存在していた。

 怪獣は何するわけでもなく、ただそこに居座っていた。

 今の所、怪獣は害がなさそうだと判断した自衛隊は、警戒するだけにとどめていた。

 一方、亜空間を飛行する一人の赤い巨人ことウルトラマンレオ。

(この辺のはずだが)

 刹那、 時空乱流が発生し、ウルトラマンレオを襲う。

「うわああああ!」

 時空乱流に飲み込まれたレオは、亜空間から別の空間へと放り出されてしまった。

 

 

 日向(ひゅうが) (さとる)は、仕事をせずに家に引きこもり、親のスネをかじっているいわゆるニートであった。

 部屋を出た彼は、喉が乾燥したのか、コンビニへ行くために階段を降り、玄関へと向かう。

「悟、どこに行くの?」

 中年の女性が悟の元にやってきて声をかける。母親だ。

「コンビニ」

「コンビニはいいけど、あんた、ちゃんと探しなさいよね。あんたが働かないせいで、私が苦労してんだから」

「俺は準備に忙しいからね」

「なんの準備よ」

「さあな」

 行ってきます——悟はそう言って家を出た。

「うん?」

 門の前にライオンを模った指輪が落ちていた。

「なんだこれ?」

 悟は指輪を拾う。

「……か」

 どこからか、いや、直接頭に声が響いてくる。

「誰?……まあ、いいか」

 悟は指輪をポケットにしまい、コンビニへ向かうために歩み出した。

 

 

 ここは地球から三〇〇万光年離れた、オリオン座に位置するM78星雲・光の国の通信司令室だ。

「レオ、どうした!? 何があった!? 応答せよ! レオ……!」

 参謀がレオの双子の弟であるアストラを呼ぶ。

「アストラ、兄のレオが消息を絶った。至急、調査に向かえ!」

「はい」

 アストラは兄を追うため、準備をして亜空間へと進入した。

(この辺で反応が消えたようだけど……)

 アストラは兄が消息を絶った周辺の調査をする。

「ん?」

 ここで時空乱流が起こった痕跡を見つけるアストラ。

(もしかして、兄さんはこれに飲まれて? だとしたら早く戻って報告しなきゃ!)

 アストラは元来た道を急いで戻り始めた。

 

 

 コンビニ。

 悟はアクアウォーターというスポーツドリンクを手に、レジでお会計をしている。

 支払いを済ませた悟は、アクアウォーターを飲みながらコンビニを出る。

「暇だなあ。なんか面白いことでも起きないかなあ?」

 刹那、地響きが発生し、地中より怪獣が出現した。

「か、かかかか、怪獣!?」

 驚き戸惑う悟。

「いやいや、これは夢だ!」

 悟は自分の(ほお)(つね)った。

「夢じゃない」

 怪獣は悟を見つけると、火球を吐き飛ばしてきた。

 悟は咄嗟に腕で体をガードする。

 と、時間が止まり、悟は光に包まれた。

「なんだここ?」

 悟のポケットが光り輝いている。

「あ?」

 ポケットから指輪を取り出す。

「悟!」

 脳裏に謎の声が響く。

「誰?」

「僕の名はウルトラマンレオ。亜空間を飛行中に時空乱流に遭い、この世界に迷い込んだ。この世界に危機が訪れようとしている。僕と共に戦ってほしい」

「ウルトラマンレオ? 世界を救え?」

 混乱する悟。

「その指輪を左手の薬指にはめるんだ」

「こうでいいのか?」

 言われるがまま、悟は指輪を左手の薬指にはめた。

「共に叫ぶんだ!」

「「レオー!」」

 二人がほぼ同時にそう叫ぶと、赤い巨人・ウルトラマンレオが、怪獣の前に現出した。

 

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