夢だと思ったら現実で、皆がヤンデレ化してた件   作:狼黒

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再会

「この役立たずが!誰がお前を養ってると思ってるんだ!?ああ!?」

 

「ひっ…ご、ごめんなさい…」

 

「誰が謝れって言ったぁ!?」

 

「うぐっ!?」

 

頭をビール瓶で思いっきり殴られた

痛い、血が出た、けど一向に殴るのをやめてくれない

何で?どうして?

 

「またこんな点数なの?」

 

「ご、ごめんなさい…次は…がふっ!?」

 

「もう聞き飽きたのよその言葉は!何回同じこと言ったら気が済むわけ!?」

 

蹴られてそのまま壁に激突する

頭を打ったせいで一瞬意識が飛びかける、けど

 

「誰が寝て良いって言った!?」

 

「うぐっ!?」

 

腹に蹴りを入れられたことによって意識が戻る

けど代わりに耐えられない程の痛みが体を襲う

でも痛がったりしたらますます殴られたり蹴られたりするから、歯を食い縛って耐える

何で?何で私だけこんな目に?

外の皆は幸せそうなのに…何で?

 

…いや、分かっている、この容姿が原因なんだろう

特にこの、片方だけが赤い、この目

加えて容姿は、銀髪に両目がオッドアイという、両親に当たる人達からは似ても似つかない、

この目が気持ち悪くて、皆私を殴るんだろう

えぐり出そうとしたこともあった、けどいざやるとなると恐怖が押し寄せてきて結局出来なかった

どれだけ勉強しても成績なんて上がった事がなくて、いつも中間より少し上程度

それに加えて何の才能もない、ただの役立たず

 

あぁ、だけど…夢の中の人達は皆優しかったなぁ

何というか…暖かさを感じた、夢の中の出来事の筈なのに

特にスライムの人…リムルさんは優しかったなぁ

多分年上なのに気軽に呼び捨てで良いって言ってくれたり、夢の中とは言え美味しいものを食べさせて貰った

前者は流石に畏れ多かったから丁重に断ったけど

それに私の事を話したら、まるで自分の事のように怒ってくれて、優しい人なんだなと思った

夢の中とはいえ、そんな人はリムルさんが初めてだった

部下の人達も皆優しかった、リムルさんの方が大切な筈なのに、私まで気に掛けてくれて

楽しかった、ずっと夢の中に居たいと思っていた

でも…その夢の世界も最近見ていない、多分二度と見ることもない

だって、夢の中で私は死んだんだから

何で死んだのかはよく覚えていない、けど何かリムルさんを庇って死んだのは覚えてる

夢の中の出来事とはいえど、ちょっと怖かった

夢から覚める時に起こる暗転していく意識の中で、抱き起こしてくるリムルさんや部下の皆さんの泣き顔見た時

 

悲しかった、そんな気持ちが沸き上がっていた

 

そんな顔させるために庇った訳じゃないのにって、思っていた

おかしいよね、夢の中での出来事の筈なのに

体を殴られ蹴られされながら思い出していると、両親の気配が遠ざかる

不思議に思って体を起こした時には戻ってきていて、父親はバット、母親は包丁を持っていた

二人ともお酒を飲んで完全に酔っぱらってるから、手加減なんて効かないだろう、そもそも手加減なんてされたこともないけど

私死ぬかもしれないなぁと考えながら目を閉じながら体を丸めて、少しでも痛みを和らげる体勢をとる

そう言えば何か私の母校に何者かが侵入して、学校にいた生徒や職員が全員殺されたとかいうニュースがあったな…

唐突にそんなことを思い出して、そしてそろそろ来るだろうと思った瞬間

 

 

ピンポーン

 

 

 

家の呼び鈴がなる音が響く

 

「おい、お前何か頼んだのか?」

 

「知らないわよ、何も頼んでないわ、どうせキャッチセールスマンでしょ、無視しましょ」

 

初めは両親がまた何かを頼んだのかと思ってたけど、会話を聞く限りどうもそうじゃないらしい

そう言って呼び鈴を無視する両親、だけど

 

 

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン

 

 

しつこいというレベルではない頻度で鳴り続ける呼び鈴

 

「…あぁ、もうしつこいな!誰だ!」

 

そう言って玄関へ向かう父親

仮にキャッチセールスマンか何かだったら、私へのストレス発散が酷くなる

それは別に構わないんだけど、呼び鈴を鳴らしている人が殴られたりしないか心配だ

世間体を気にしてる両親だから、多分そんなことはしないとは思うけど

けど…何か…懐かしい感じがするような…?

 

「誰だ!何回も何回も呼び鈴鳴らしy」

 

玄関口に行った父親の怒鳴る声が急に途絶えたかと思うと、何かが地面に落ちるような音がする

何なんだろうと思っていると、大きな音と共に部屋に転がり込んでくる…

父親の頭が

 

「ひぃっ!?」

 

急な出来事に腰を抜かした母親

多分いきなり落とされたんだろう、顔が酔っぱらって怒っている時の顔のままだし

そんなことを考えられるほど、私は落ち着いていた

あの夢の中で見ることがあったからだろうか

そうしていると、誰かの足音が聞こえる

聞き覚えのある足音と、懐かしい感じがする気配

だけど、それは夢の中の世界の出来事、現実にあるわけがない

そうしているうちに、足音の主が部屋に入ってくる

水色の髪、顔には仮面、黒い服を纏っていて、そして抜身の日本刀みたいな刀…

 

「な、だ、誰よあなた!警察呼b『黙れ』」

 

精一杯の虚勢を張ってその人物に怒鳴る母親だったけど、次の瞬間には首が落ちて物言わぬ肉塊になる

刀を納めると、仮面越しにこちらを向いて近づいてくる

やがて私の近くまで歩み寄ってきたかと思うと、優しく抱き締めてくる

その感触で、今起きていることが現実なのだとわかる

となれば、私の間違いでなければ、この人…いや、スライムさんは

 

「り、リムルさん…?」

 

「…やっと、やっと、見つけた…ミオネ」

 

やっぱりリムルさんだった、夢の世界での私の名前を呼んでいるし

でも何で、リムルさんは夢の世界でしか…

まさか、あれは現実だった?

でも、現実ならあの時、私は死んだはず

そんな感じで混乱していると、抱き締めるのをやめるリムルさん

何でここにいるのか聞こうとしたら、仮面を外すリムルさん

美少年にも、美少女にも見える顔立ちに金色の瞳、相変わらず綺麗だ、私なんかより

でも、何故かその金色の瞳が、今はどす黒く染まっている

その瞳に若干恐怖を抱いていると、それを察知したのか優しく頭を撫でてくるリムルさん

 

「怖かったな、もう大丈夫だぞ」

 

「は、はい…あ、でも、このままじゃ…」

 

「ん?…あぁそうか、これ邪魔だな」

 

そう言って両親に片手を向けたかと思うと、途端に燃え始める両親の死体

次の瞬間には灰すら残ってなかった

さりげなく死体を燃やしたリムルさんに引きつつも、今度は何で私の居る場所が、いや、何でこの世界に居るのかという疑問が頭を支配する

 

「あ、あの、リムルさん?どうしてここに?」

 

「どうしてって…お前を連れて行く為だよ、皆も待ってるぜ?」

 

そう言って私の手を取るリムルさん

連れて行くって言うのは多分、あの異世界の事なんだろう

でも

 

「すいません…行けません」

 

「…何?」

 

私がそう言うと、動きを止めてこちらに振り向いてくるリムルさん

どす黒い瞳に射抜かれながら、行けない理由を説明する

 

「私なんかが行った所で、皆さんに迷惑をかけるだけですから」

 

リムルさんみたいに皆に慕われるようなカリスマ性や、強さは私にはない

そこら辺のスライムにすら敵わないだろう

そんな私があの世界に行ったって、迷惑しか掛けないのは目に見えている

それに、私の両親を手に掛けさせてしまったという負い目もある

だから、行けない

 

「…そうか」

 

私の説明にそう言うと、そのまま黙り込むリムルさん

諦めてくれたのだろうか

そう考えていた、けど

 

 

 

「なら、無理やりにでも連れて行く」

 

 

 

リムルさんがそう言ったかと思うと、突如体が重くなる

おまけに何故か猛烈な睡魔が襲ってきて、立っているのも億劫になった

 

「必死に探してやっと見つけたんだ、嫌だと言っても無理やり連れて帰る」

 

その場に倒れこみそうになったところをリムルさんが支えながら何かを言っているけど、よく聞こえない

重くなる瞼、そして急に力が入らなくなった体

 

「もう二度と…離さないからな?」

 

消えゆく最後に見えたのは、虚ろな目をして何かを呟くリムルさんの顔だった




ミオネ・テンペスト(本名 森沢峰樺)

生まれた時から虐待を受けてきた少女
夢の中の世界だと思っていたのが現実で、しかもその世界の魔王が自分のところに来てビックリ
リムルの様子が何かおかしい…?
迷惑を掛けたくないから断ったが、拉致されて無理矢理連れていかれた
なお、シズさんを生還させたり、ユウキの攻撃を見切ってリムルを庇う、魔王と一方的とはいえ一応戦うことが出来るなど、リムルには劣るがチート

リムル・テンペスト(本名 三上悟)

スライムで魔王
異世界でたまに現れるミオネと過ごしながら境遇などを聞いて曇り、徐々にヤンデレ化
そして、目の前でミオネが死んだことによりSAN値がピンチ
現実世界に渡れるようになってからは、執務の合間にミオネを必死に探していた
やっと見つけたと思ったら実の親に暴力を振るわれていたので、そのままキュッとした
ミオネが傷だらけになっていて更に病む
断るなら無理矢理連れていく
なお、学校襲撃皆殺し事件の犯人はこの人
ミオネを傷つける奴は生きる必要性ないだろ?
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