星を覆う大海の向こう。
宇宙(ソラ)の海さえ渡らんとする大いなる方舟。
それは世界の事象そのもの。曰く、全能の大神と―――
「おいおい、」
海域を突破して空想樹へ近づいてみると、今まで見ていたこの空想樹が蜃気楼であることが判明した。
「蜃気楼か 。ふむ、空中庭園よ、そのまま前進せよ!」
蜃気楼を土台に都市があるはずもなく、空中庭園を更に進ませると虚ろの穴からはるか降りた地底に都市部があることに気づく。
「くくく、そら、敵の本陣が見えたぞぉ、マスター。」
「あぁ、何があるか分からない。最大限の警戒を敷いてくれ。」
空中庭園陣営は、オリュンポス・そして空想樹の本体をついに捉える。宇宙へと伸びる空想樹を抱える巨大な浮遊都市、それは宇宙の海をも渡ろうとする星間都市の姿だった。
「ひひひ、まっこと不思議な光景よ。わえらは今からあれらと交戦するのであろう?ならば、わえが先陣に立ち、あれらを踏み潰してくれよう。」
「腕がなりマース!あそこからは神気の匂いがぷんぷんするデース!」
「それはそこの邪竜さんがお風呂キャンセル界隈だから臭っているのだと推測するの、マスターも、そう思うでしょ?」
アビゲイルが意地の悪い顔でそう毒を吐くとヴリトラと取っ組み合いを始めた。それを面白がってコアトルも参加する。
(何やってんだ、こいつら......)
いつもの光景過ぎるので放置しよう。横へ広がる都市エリア、すぐ上方に見える金属状の構造物、さらに上に見える結晶で出来た高い山脈、その全てを上回る高度に空想樹の本体が見えている。
(セミラミスを含めたこの場の四人以外のサーヴァントは庭園外に配置させている。)
実はセミラミスにも言ってないんだがウチのアーラシュさんに聖杯を無理矢理ぶち込んでLV120の最強アーチャーにさせて貰った。宝具レベルMAXでスキルも全て10のグランドに相応しい大英雄と化している。
(オリオンなんて目じゃない程の強化だ。)
それに礼装はガッツ付きを渡している。宝具(ステラ)の使用は1日に一度は可能。なんなら宝具使わずともウチのアーラシュならアルテミス単騎で撃破可能なのだ。
(くくく、我が軍は最強なのだ。少数精鋭故に素材をふんだんにぶち込めるのが強みだぜ。)
一人を除いてだけど。
「う、ぐぐぐ……。はぁ……。あのさぁ、全部きこえてるんだよね!わざと私にだけパスで聞かせてくるあたり、ピグレット、いい性格してるよ!」
そりゃ、キュケオーンをいまだに食べさせてくるからね。とは言え、キルケーも聖杯を捧げてLV100にはあるのであまり文句は言っていないのだ。彼女曰く、戦闘面での活用よりも魔術師として運用ならば無理に種火と聖杯を捧げなくともいいとのこと。
(ただ、オデュッセウスの登場時には前線に出たいと希望があったため、その時だけは戦闘狂どもに加わっていた。)
アトランティスでオデュッセウスにとどめを刺したのも彼女である。しゃああああおらぁあああ、故郷恋しいなら私を無理矢理連れてけばよかっただろぉ!!?と叫んでいたことを思い出す。