月輪より滴り   作:おいかぜ

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《67》奏同帰喚

 

 

 

 

「二人とも、何を読んでいるの?」

 

 千聖が予定よりも少し早めにレッスンスタジオに到着した頃には、日菜以外の3人が揃っていた。麻弥がいつも通りに機材を弄っているのを余所に、何らかの冊子を覗き込んでいる彩とイヴに声を掛ける。

 

「あ、千聖ちゃん。おはよう」

「チサトさん! ヒナさんの秘伝書です!」

「秘伝書って……ノートよね。見ても良いものなのかしら」

「私が日菜ちゃんに借りたんだ。日菜ちゃんがパスパレについて考えてきたことを知りたいって言ったら、『もう使わないから』って」

 

 4冊程度のキャンパスノートだった。思考を取り留めるメモらしき走り書きと、アイディアや予定をまとめた清書が入り交じった『秘伝書』。日菜のアイディアノートだ。千聖もその存在は知っていた。特に隠すわけでもなく持ち歩いていたし、付箋やメモを挟み込んでいる姿も何度か目撃したことがあったからだ。

 

「私、やっぱり日菜ちゃんのことなんにも知らなかったし、考えてなかった。私がレッスンとお仕事で精一杯になってる間に、日菜ちゃんや千聖ちゃんはこんなに動いてくれてたのに。それも、きちんと実感してなかった」

 

 各テレビ局へのアプローチ。作曲家達と模索している新展開。千聖が繋いできた人脈の活用案。麻弥の意見を取り入れた機材の考察、試案。市場調査のデータと所感。傾向が似ている他のバンドの分析。懇意にしている雑誌の編集者との今後の特集案、パスパレ公式チャンネルのニーズ分析と今後の運用案、ラジオの企画提案、ライブの演出案、etc.

 

 千聖が日菜から共有されていた内容は、この中の2割ほどだろうか。ここに記されている中にも没案は多いし、千聖には活用できなさそうなデータも無数に散らばっている。必要分の情報は与えられていたと見ていい。

 

「役割の違いよ。彩ちゃんは彩ちゃんの仕事をしていただけ。少なくとも、パスパレは彩ちゃんを中心にまとまっているわ。その役割は、私にも日菜ちゃんにも代替できないもの」

「それとこれとは違うというか……でも、知らなくていいってことはないと思う」

「気づいたら私たちの仕事が多いことを負い目に感じてしまって、空回ったりしない?」

「しない……とは言えません……。ううん、でも、知ってなきゃいけなかったよ。私はリーダーなんだから」

「……まあ、そうね。理想を言えば、彩ちゃんが全部把握しておいた方が良かったのかもしれないわね。けれどそれはあくまで彩ちゃんが主体的にパスパレの進展に関わるために、という意味であって、私たちの負担に関しては本当に気にしなくていいのよ。私には日菜ちゃんを引き留めた責任があって、そもそもこの役割が自分の糧になると思ってやっているものだし、日菜ちゃんもパスパレを成長させることに楽しみを見出してやっていたのだから」

 

 彩に無駄なプレッシャーをかけることを恐れて、千聖は彩に対して積極的な情報共有をしてこなかった。こんな仕事が取れたからこういうアプローチをしたい、というような報告のみで、泥を被る部分は千聖や日菜のみが担当した。

 そこには日菜の同意も含まれている。彩に負い目を感じさせるべきではないし、二人の負担を慮って活動に遠慮が混じってしまうのは面倒だ、という主張。

 

 それだけは失敗だった、と思う。

 

 天羽の一件は、それが顕著に表れた。

 日菜がパスパレのことをどう思っているのか。3人がそれをいまいち把握できていない。こちらから日菜への感情は別として、日菜からこちらへの思いがどれほどのものなのか。日菜は全く主張をしないし、態度に示そうともしないから、千聖くらいに直接的なやり取りをしていなければ何となくしか読み取れないのだろう。

 

 日菜にとってのパスパレは、飽きたら適当に抜ければいい程度のものなのか。困難が降りかかっても、共に立ち向かうくらいに思い入れのあるものなのか。自分たちは仲間なのか。利害関係が一致しただけの同志でしかないのか。

 

 だから、彩のこういう行動は千聖にとっては都合が良かった。

 

 日菜に面白さを提供できているパスパレなら、ビジネスライクな距離感でも何も問題は生まれなかった。ある程度の信頼関係があって、互いに尊重し合う空気があれば。

 けれど今のパスパレは、日菜にとっての価値を薄れさせてしまった。

 日菜にとってのパスパレが無価値になったわけではない。得られている収入は大きなものだし、日菜とてパスパレの活動そのものを楽しんでいないわけではない。だからプロデューサーの一件や、天羽の一件で即座に日菜が離反するようなことは無いだろう。

 

 だが、1年後は? 東京アイドルサミットが終わった後なら? 

 日菜が退屈を感じてしまえば、今のパスパレに引き止める術はない。

 

 だからと言って、義理や人情で日菜を縛り付けようと画策しているわけでもない。そういう打算を抜きにして、パスパレの結束が強ければ強いほど良い。

 

 今まで、あまり意識してこなかったが、日菜とて一人の人間なのだ。千聖がかつて日菜に言ったように、人間関係とは概ね鏡のように作用する。

 こちらの好意は向こうにも伝わるはずだし、それが日菜の心境を変える一助にでもなれば良い、と思う。

 

 

 そして、落ち込む影が一つ。

 

「私、ヒナさんを傷付けてしまったでしょうか……」

「どうしてそう思うの?」

「チサトさんみたいに、ヒナさんを庇えませんでした。ヒナさんは私のためにこんなに戦略を考えてくれていたのに……」

 

 イヴが見ていたのはちょうど、イヴのタレント売りについて書き込まれたページだった。純粋で無邪気なキャラクターと、日本文化への造詣の深さが好評だったこと。モデル時代にも海外向けのアプローチとしてイヴの和装が一定の評価を受けていたこと。

 アイドルらしい動物との触れ合いやオシャレなグッズとの組み合わせ路線にも適性はあるけれど、ハーフであることと本人の興味を組み合わせて押し出した方がギャップがあって映えるだろうということ。和服業界への愚痴。本人の希望も含めて、個人の仕事を振るよりも誰かとセットの方がキャラクターの強みが出るだろうということ。

 いくつか確保してきた仕事とその講評、今後の方針まである程度書き込まれているそのページは、イヴに大きな衝撃を与えたらしかった。

 

「傷付きはしないんじゃないかしら。日菜ちゃんも、イヴちゃんが優しい子なのは知っているわ。彼方ちゃんを否定したくなかったんでしょう?」

「そう、ですけど、私はヒナさんの味方でいたかったです」

「なら、今からでも、そう伝えてあげたらどうかしら。まだ遅くはないでしょう?」

 

 実際には、千聖の対応も、3人の対応も間違っていない、と思う。日菜のことを考えるのなら千聖の対応が正解で、パスパレの正解、アイドルとしての正解を考えれば「選ばない」という選択肢もまた無難な回答になる。

 それに、イヴと麻弥に関しては積極的には答えなかっただけで、答えを求められたら迷わず日菜を選んだだろう。日菜もそれは察しがつくだろうから、千聖としてはあの場面に関して日菜は何も感じないんじゃないだろうかと思ってしまう。

 

 彩がパラパラとノートを捲る。4冊目、中盤辺りで彩の手が止まった。“武道館ライブ”。彩が目指す、日本最高峰のライブ会場。アイドルにとっての、一種の頂点。

 

 ロマン、と書かれた見出しの下に、武道館というハコの採算の取りにくさと、確保のしにくさが書かれている。

 収容人数は8000から1万。ライブにかかる費用は概算で6000万〜8000万程度。チケット代だけでトントンにするにもチケット代を8000〜1万円程度にする必要があって、黒字になるのは物販や配信、BluRayなどの売り上げだけ。

 ただし、これは例えば、その他のドームやアリーナライブなんかでも大差ない。

 

 日菜が問題にしているのは、会場を抑えにくいという部分だった。武道館の特性上、本目的でないアーティストのライブというのは、そもそも抑えられる日数が少ない。その上申し込みのタイミングも少なく、抽選勝負に勝てるかどうかという話にもなる。

 さらに、事務所が武道館ライブに消極的なことも懸念事項の一つだった。事務所としてはロックバンドやイベント部門に武道館を優先したいらしく、アイドル事業部としての武道館ライブ達成例はMarmaladeの一件だけだ。事務所が消極的な以上、明確な意志と実績を持って説得しなければ武道館ライブを開くことは難しい。

 

 彩ちゃんの意思次第、と注釈。

 

 パスパレの利益とコスパの良さを考えるなら、東京ドームなんかの方が余程実利を伴っていると書かれている。

 ページをめくると今度は東京ドームライブについてつらつらと書かれていて、そこまでを確認してから彩はノートを閉じた。

 

「……日菜ちゃんにとっては、武道館って手の届く場所だったんだね」

「武道館のことも書かれていたんですか?」

「あ、麻弥ちゃん。うん」

「その話、ジブンも日菜さんとしたんですよ。そのときに、『パスパレなら自力で行ける場所』だって言ってくれたんです。……その後突き放されたんですけど」

「パスパレのことを信じられてないのは私たちの方……ってことだよね。あーあ、日菜ちゃんに謝りたい……」

 

 イヴも彩も、今の時点で日菜に何かを言ったところであっさり流されるか軽く皮肉を返されておしまいだろう。それで手打ちになることには二人の心情的に意味があるけれど、日菜には響かない。

 千聖としては、日菜にいくつか新しい提案をしてみるつもりだった。

 

「それにしても、日菜ちゃんが遅刻? ……珍しいわね」

 

 集合時間を1分過ぎている。トラブルにでも巻き込まれたのかとSNSにメッセージを送るも既読がつかない。

 そのまま電話をかけると、10コールほどしてようやく反応があった。

 

『ごめん、遅刻! 30分くらいかかるから先やってて!』

「事故に気をつけて、焦らずに来るのよ」

 

 10秒経たずに通話が終わる。

 遅刻なんて珍しい。単なる寝坊や遅延ならいいのだが、と思いながら、先程のノートを片付ける。

 

「日菜ちゃんは少し掛かるらしいから、先に始めておきましょう」

「はーい」

 

 


 

 

「で、どうして遅刻したのかしら」

「ベッドから出られなくてさー。ぼうっとしてたら時間過ぎてた」

「……それ、大丈夫なの? 体調は?」

「んー、普通? 多分大丈夫」

 

 練習終わり、日菜を事務所内のカフェに誘って、二人がけの席に向かい合う。千聖が抹茶フラペチーノなんてものを頼んだのは、恐らく同居人の影響から。

 

 遅刻の理由を問うと、不穏な答えが返ってくる。単に寝不足や低血圧なんかによるものなら良いが、千聖としては心配せざるを得ない。日菜に限って、という思いと、彼女だって人間なのだから、という至極真っ当な思考。

 

「それで、話って?」

 

 お腹が減ったから、とフライドポテトとコーラ、なんてジャンクな組み合わせを頼んで口に運ぶ日菜に僅かな羨ましさを覚えつつ、思考を整理する。

 

「まず、プロデューサーへの対応を失敗したことなのだけど……ごめんなさい。やっぱり、何とかしてパスパレを独立したままにするべきだった」

「あー、あれはね、無理。着任前に初動で拒絶すれば何とかなったかもしれないけど、プロデューサーが来たときには根回しされてたっぽいし」

 

 テレビ局とかのやり取りも全部プロデューサーに行くようにされてるっぽい、と日菜はどうでも良さそうに言った。

 

「プロデューサーはあたしの士気を下げないようにいろいろ考えてたっぽいけど、結局事務所が売れ筋のあたしたちに首輪をつけて全部管理したがった結果だから、どうしようもないよ。本来はこの状態が正常なわけだし」

 

 とオニオンリングをひとつまみ。日菜が今どういう心境でパスパレにいるのか、千聖は測りかねていた。

 

 日菜以外のパスパレのメンバーは、既にこの事務所、及び芸能界を自分の居場所として認識している。自分が芸能界で生きていく人間だと、何となく思い込んでいる。千聖は特にその傾向が強いし、麻弥は薄いだろうが、多かれ少なかれ4人ともがそういう認識を持っている。

 対して日菜は、芸能界に特別な意識を抱いていないように見えた。

 芸能界が自分の居場所であるという意識もないし、アイドルを特別な職業だとも思っていない。パスパレのマネジメントも、恐らく動画サイトのチャンネルを大きくすることの延長線上にしか捉えていないし、それさえ無くなった今、パスパレを割の良いバイトくらいに捉えていてもおかしくない。

 

「わかっていると思うけれど、本題はそれじゃないの」

()()あたしをどう縛るかって話? 今度は何をしてくれるの?」

「どうもしないわ。ただの提案よ。──曲を作りましょう」

「作曲? 急になんで──いや、まあ、そっか。なるほどね」

「なにかおかしい?」

「ううん、どこも考えることは同じなんだなーって」

 

 フラペチーノを一口。溶けかかったアイスクリームが急かしてくる。

 

 曲を作る、というのは、パスパレの最初期から考慮には入れていて、それでいて先送りにしてきた案だった。技術がなく、時間が足りず、クオリティの保証ができない。ならば外注してしまえばいいというのが最初の結論。楽曲を外部で影響力のあるコンポーザーに発注することで、むしろパスパレの音楽面での評価はそれなりに高い。

 

「作曲の必要性は薄いって話だったよね。それをどうして、今になって翻したの?」

「当然、状況が変わったからよ。技術も時間も足りていて、クオリティを高めるのに時間を使う猶予もある」

「それはそうだね。けど楽曲提供が話題性の高いコンテンツである以上、やっぱり必要性は低いと思うな。そもそも、事務所のコンポーザーが話のわかる良い人なわけだし、彼の曲を主軸に、話題性の獲得と味変でときどき外注するっていう今のスタンスを崩す意味が無い」

 

 日菜は、そう言いながらも特に反対の立場を取っているわけでは無いようだった。ディスカッションをする際に、賛成反対の立場に別れて議論を深めるように、敢えて反対意見をぶつけてより深い意見を聞き出そうとするような。とりわけ千聖に対してこういった態度を取ることが多いように思える。

 

「軸が無いのよ。楽曲面でのパスパレらしさが無い。アイドルなら、事務所の作曲家に委ねておくのが正解なのかもしれないけれど、私たちはバンドでもあるのでしょう? せっかく良いとこ取りをしようとするのなら、バンドの絶対的な強みを取り入れないのは損じゃないかしら」

「パスパレらしさを武器にしたいって考えはまあ、納得できるよ。Afterglowなんかはその典型例だし。今のパスパレのメインの曲調は、この事務所のアイドルの曲調って感じでもあるからね。自分たちが何者なのか、曲を通して発信するのは悪くないんじゃない? ……それで、誰が作るのさ」

「あなたよ」

「ほら出た!」

 

 日菜はケタケタと笑った。溶けかかった甘い抹茶風味のアイスクリーム部分を飲み干して、存外この状況を楽しんでいるらしい麒麟児をどう説得したものかと思考を巡らせる。

 

「言いたいことは分かるよ。時間が空いた分をそっちに使えって言うんでしょ? 作曲家として挑戦してみるのも面白そうだし、どちらにせよ作曲には触れるつもりだったから、それはまあいいや。──絶対に千聖ちゃんは巻き込むけどね」

 

 日菜が追加のケチャップを頼んでからオレンジジュースに口を付ける。

 

「それと、曲を通してあたしを理解する、とか、気持ちを繋ぐ、とか? 千聖ちゃんって、『人間失格』から太宰の性格が分かるとか思うタイプ?」

「全てがそうだとは思わないけれど、読み取れることはあるでしょうね。彼の優しさ、とか」

「ふぅん」

「でも、別に私が日菜ちゃんを知りたくてこんな提案をしたわけじゃないのよ。私はおおよそ、日菜ちゃんの目的も、性格も、貴方が慢性的に抱えている『退屈さ』の正体も()()しているのだもの」

 

 日菜の余裕のある表情が崩れた。

 

「へぇ?」

「日菜ちゃんって、結構私のことが好きよね。以前の質問の答えは出た?」

「『なんで千聖ちゃんなのか』ってやつ? 感性が似てるから、とか言ったっけ。それ以上は思いつかないかな。……『私は理解してる』って言うつもり?」

「ええ。……気に食わない?」

「気に食わなーい!」

 

 そう言いながら、日菜は楽しそうだった。

 

「それで、日菜ちゃんに作曲を委ねる意図だけれど……」

「え、教えてくれないの?」

「人から指摘されて納得できるのかしら」

「うーん、わかんないけど、内容の説得力による。あたしは大概人間関係ド下手な自覚があるから、千聖ちゃんの言うことなら信じるかも」

「……でも、すぐには教えないわ。自分で気づくべきものだと思うし、それに、せっかく私が日菜ちゃんよりも優位に立っているんだもの」

「うわ、ズルじゃん」

「曲でも作ればいいんじゃないかしら。自分を見つめ直すきっかけになるんじゃない?」

 

 ずい、とフライドポテトのバスケットが差し出される。食べきれないかも、と言うのに、食事制限に引っかかるから、と拒んだ。フラペチーノなんて飲んでいる時点で大概だが、これだけでも調整が面倒だというのにさらに脂質と炭水化物はまずい。

 

「……パスパレのみんなが、日菜ちゃんのことをもっと理解してくれれば良いと思っているのは事実よ。……曲を通してね。でもそれは決して日菜ちゃんをどうこうしたいわけではなくて……私の感情としては、単に友人同士が仲良くして欲しいだとか、友人と何かを作り上げたいだとか、その程度のものでしかないのよ」

「さっきまで並べてた理屈は?」

「後付けよ」

 

 努めて無表情で千聖が言うと、日菜は呆気に取られた表情をした。

 日菜自身が言う通り、彼女は人間関係に長じているわけではない。それは最初に千聖が日菜を引き留めたときから、常々感じていたことだった。頭もいいし、ひねくれている部分もあるが、彼女は結局純粋で素直だ。ただ少しばかり人間関係に白々しさを感じているだけ。

 

「そもそも、理由が必要? 以前から思っていたけど、日菜ちゃんの悪癖よね。誰かをカフェに誘うのにも、遊びに誘うのにも、一緒にいることにさえ理由をつけたがる。誰かと仲良くすることに理由が必要かしら」

「あー……そんなに変?」

「それ自体はおかしいことでは無いけれど、いささか過剰ね」

「……多分おねーちゃんを誘うためについた癖なんだよね。癖というか、性格?」

 

 全くこの姉妹は、とため息を吐いた。力が抜けたようにテーブルに突っ伏した日菜にフライドポテトを突き返す。

 

「……ポテトを食べるのにも理由が必要?」

「いいえ。けれど食べないのにも理由はあるのよ」

「美味しいのに」

「太るわよ」

「筋トレしようよ」

 

 

 

 

 

 

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