オリキャラ多分最後だから許して……
《70》紙月と揺籃
生きるのがつまらない。そういう感覚が立ち返ってきた。
大学2回生にもなれば、高校での思い出も薄れている。軽音サークルで一時的にバンドを組んでいた先輩達も卒業してしまって、本格的に私の人生は一人で完結し始めた。
まあ、バンドを組んでいたとは言ってもライブをしたのも1回きりで、ほかはセッションをしたくらいのお遊びでしかなかったのだが。
そういう僅かな繋がりすら減って、同じ学科の極小数の友人と話すか、バイト先の同僚と話すか、日菜から電話がかかってくるくらいしか人と話すことさえ無い。
それはそれで構わない、と思う。
そもそも高校時代が恵まれすぎていた。あんなにも与えられるべき人間ではないのだ、私は。
個人的に、男性と関わることに苦手意識を抱いたのがショックだった。
まさか性欲を向けられることがこれ程恐ろしく、気持ちの悪いものだとは。
よくよく考えてみれば、私は女子校育ちの純粋培養なのだ。耐性をつける機会がなかったとも言える。
男であった時分には、女性から向けられる性欲にあまり、忌避感を抱いた覚えがない。それは単純に、自分が弱者側に立っていなかったからなのかもしれないし、多少なりともこちらから矢印を向けていたからでもあるのだろう。
今の私は男性に性欲を抱くこともないし、それでいて本気で迫られれば多少の被害は避けられないことも知っている。
それゆえの恐怖であるし、嫌悪、厭悪でもある。
自分にかかっているバイアスだとか、自覚していなかった異常性だとか、そういうものを改めて目の前に突きつけられた時に、なんだかどっと徒労感を覚えてしまった。
先輩たちが卒業していって、今年からどうしようかと思っていた頃。サークル内でいくつか誘いを受けて、そこでようやく、ここに私が好きな音楽は存在しないのだと気が付いた。
別に、多くを求めているつもりはない。Roseliaのようなストイックさも、上手さも必要ない。ただ音楽を楽しめればそれで十分だったのに、人間関係の圧がそれを邪魔する。
空きがあるからと私をバンドに誘ってくれる人がいて、そこに入ろうかと思ったら不和が起きた。どういうわけか私の取り合いが始まって、既存のバンドの枠組みまで崩壊しかねない状態になって、収拾がつかなくなる前に私が1度距離を置く羽目になった。
Roseliaと私の関係は、特に隠しているわけでもないからあっさりと広まった。とうのRoselia側がメディアで私の存在について言及することもあったし、私が最初に話した先輩達経由ではないルートでも話が広まっているようだったから、まあ、正直隠しても無駄だったろうとは思っている。
今は大人気メジャーバンドになっているRoseliaにいたという事実と、あとは同じく人気を博しているPastel*Palettesの日菜の姉ということもあって、私と関わりを持つことがステータスのひとつになると感じる人もいるらしい。道理は分からなくもないが、実際の私に価値は無いから空虚な幻想に過ぎない。
あとはまあ、私が女だという現実と、それなりに美人の部類に入るらしいということくらいだろう。
先輩方はかなり過保護に守ってくれていたらしい、と今更ながらに思う。
こんな有様でこれから先上手くやっていけるのか、と危惧を抱きながら、どうしようもなく彷徨っている。
キャンパス内でもギターを持ち歩かなくなった。比較的人通りの少ない西側の門から構内に入って、少しだけ回り道になるグラウンドの端を通り抜ける。
共通棟へ行く時には、この道を通ることが多かった。今年度に入ってから、こちらの道を歩くと軽音サークルの借りている、ほとんど使われていないロッカールームから、一人ずっと練習しているドラムが聴こえてくるのだ。それに誘われている。
詳しく内情を知っているわけではないが、軽音サークルは練習ができる場所を大学内にかなり多く借りていた。部員が多い割に少人数のグループに分かれて活動する必要があることから認められているのだろうが、実際はスタジオを借りて練習しているバンドも多いし、常時揃って練習しているバンドなんてあまりないから、結局腐らせてしまっている練習場所も多くあった。
私が今通っているロッカールームもその一つで、少なくとも去年は誰も使っていなかったはずだ。わざわざ離れた場所にあるロッカーを使う運動部がないから、あまり使わない機材やドラムセットが置いてある。
このドラムは、ずっと独りだ。もしかすると、私が通らないタイミングで誰かと合流しているのかもしれないが、私が耳にするタイミングではいつもソロだった。
どうにも、初心者らしい。基礎トレーニングでさえリズムが乱れがちだし、最初の方は凄まじい勢いで走っていくこともあった。
それと、Roseliaのファンらしいということもわかった。最初はあまり分からなかったが、かなりの頻度でRoseliaの曲を叩いている。
6月になれば、それなりに聴けるようになっていた。8月には独創性が生まれて、面白いアドリブが散見されるようになった。飽きずに毎日叩いているだけあって、上達も早い。
相変わらずRoseliaばかり叩いているのは、1ファンとして嬉しい。
変化が訪れたのは、秋に差し掛かった頃だった。二回生の後半戦。大学生活も折り返しが近付こうとする頃。
久しぶりに、ギターを背負って大学に来ていた。
日菜に送る分の動画を帰りにスタジオに寄って撮り貯めよう、という目論見があっての事だったが、なんとなく向けられる視線が増えた気がして憂鬱だった。
日菜には頻繁にギターの演奏動画と音源を送り付けている。最初の半年程度はそういうこともしていなかったのだが、毎月かなりの額が私の口座に放り込まれるのに私の罪悪感が耐えきれなくなってこうなった。
日菜の交渉の結果、彼女のチャンネルで得られる収益の4分の1が私に振り込まれることになっている。日菜の主張としては、私単独の動画も複数あること、MiDDayMoon名義であること、スタートアップに私の協力があったことなんかを論拠にしていたが、それでも10分の1が精々だろう。
今は日菜が企画を動かしているし、私単独の動画は1割程度だ。どう言い返しても日菜が主張を曲げないので、仕方がなく動画を送ることでチャンネル内の私の割合を上げることにした。日菜の催促を断らないようにした、とも言い換えられる。
お金があるに越したことはないから、ありがたいと言えばありがたい。あまり手は付けていないけれど、おかげでバイトを詰め込まないでもなんとか生活出来ている。
ギターケースに隠れるように小さくなって歩いていると、いつものドラムの音色が聞こえてくる。
今日はRoseliaの曲ではなかった。週に1度くらいの頻度で訪れるRoselia以外の日を、私はこっそり「裏切りの日」と読んでいた。誰に対してかは分からない。
私の知らない曲のようだった。とは言ってもドラムを聴いてすぐにわかるのは、弾いたことがある曲か、頻繁に聴く曲くらいだと思うから、私の知識プールが少ないだけかもしれない。
少し残念、と思いつつ、スタジオの予約までの時間をどう潰そうかと思案する。今日は曇りだから、外にいても夏の終わりの風が心地よい。気温は薄らと汗をかく程度。
このまま外にいようか。変わらずセミは鳴いていて、ドラムにメロディを乗せている。……テンポがズレた。虫や蛙の声とセッション、なんて考えが一瞬浮かんで、そんな恣意的な「エモ」に浸るのは浅ましいかと振り払った。
ドラムに合わせて、指先でリズムを刻む。通りかかる人達の歩くリズムも、心臓の鼓動も、全てがロッカールームを中心に揃っていく。
こういう、ふとした拍子に再確認できる音楽の魅力に堪らなくなる。湊さんに言われた通りに、私はちゃんと、音楽が好きなんだろう。日菜の言った通りに、思い出と郷愁、感傷の世界に音楽を浸らせてはいられない。
クライマックス。
途端に、世界が淡白に戻る。セミの音はリズムを刻まないし、足音はまばらに散ってゆく。
余韻を、唸る風の音がかき消した。
声をかけてみたい、と思ったのは、自分でも意外な事だった。
別に、それで何か新しいことをしたい、とかそういうわけじゃない。
いつも楽しませてもらっている、とか、素晴らしい演奏ですね、とか、あなたの演奏が好きです、とかその程度の感想を、一言二言伝えておきたいと、そう思ったのだった。
まあ、行動には移さないのだが。
今度サークルに顔を出して、彼あるいは彼女のことでも聞いてみよう。
撮るつもりの動画についていくつか日菜にメッセージを送って、返事待ちの間に移動しようとベンチを立つ。スタジオのネット予約を見ればかなり空いて居そうだったから、前入りできないか聞いてみようと番号を調べたところで、ちょうど、ロッカールームの扉が開いた。
「あ」
私が無意識に声を漏らしたのかと疑った。向こうからすれば私はただの見知らぬ通行人のはずで、気に止める意味もないだろうから。
ロッカールームから顔を出したのは、予想外にも少女だった。結構激しいドラムだったから、てっきり男だと──というのは偏見か。赤みがかった黒髪に、オレンジで入れたのだろうインナーカラー。ダメージデザインのキャップに、ウルフカットが良く似合う。オーバーサイズのシャツにハーフパンツ。典型的なバンドマンといった感じの装いだ。あまりアクセサリを身につけていないのは好印象だった。ピアスもチェーンやフックではなく邪魔になりにくそうな小さめのスタッドのもの。
「ひ、氷川紗夜!?」
「はい」
「え? ほんとに? 氷川紗夜!?」
言葉を交わす前に、既に酷い取り乱しようだった。目の前に芸能人が現れたような。……こう言うと思い上がりみたいだが、実際に日菜に対面したファンの焦りようを隣で目撃してきた身としては、それにそっくりだなという感想しか浮かんでこなかった。
「ずっとドラムを叩いているのは、貴方ですか?」
「え、あ、はい! 鶴見かなめって言います! 1年なんで敬語なんか使わないでください!」
「……そう。少し、話さない?」
さっきまで腰かけていたベンチを指し示すと、彼女は首が取れそうな程に頷いた。
「僕、氷川先輩のファンなんです!」
ひとしきり、これが現実であることを確認してから、鶴見さんはそう言った。
「Roseliaのファン、ではなくて?」
「Roseliaも大好きなんですけど、どちらかと言うとMiDDay-Moonのファンで……えっと、その、ドラムを始めたきっかけも氷川先輩で……」
Roseliaのファンで、Roselia経由で私のことを知っているという話なら分かる。ファンだと言うのもリップサービスだと理解できるし、そんなところだろうと思ってRoseliaの名前を出した。
それで返ってきたのは、予想外の返答。
「MiDDay-Moonのライブを、たまたま観てたんです。父がCiRCLEのオーナーさんと知り合いで、僕の実家はこの近くなんですけど、何度か東京にまでライブを観に行くことがあって、それで──一目惚れ、しました」
感想ノートも書いたんですよ、と言われても、目を通した記憶が無い。当時はゴタゴタしていたから仕方が無いが、少し後ろめたかった。
「バンド名を覚えて帰ったのに、なんにも活動してなくて、泣きながら転がり回ってました。父を経由してライブハウスのスタッフさんに聞いたら、1度きりのライブかも、とか言うし……SNSにアカウントがあるわけでもないし……半年くらい毎日検索かけてたらいきなり動画サイトのチャンネルがヒットして、それに飛びついて……なんとか、今日まで生き長らえて……」
「……まさか私も日菜も、あのバンドにファンがついているとは思わなかったものだから。ごめんなさいね」
装いに見合わず、明るくて表情がコロコロと変わる子だった。バンドマンの華美な見た目は、威嚇表現に過ぎないと知っているが故に、見かけに合わず小動物じみた動きをするのに微笑ましささえ覚える。
「ドラムを始めたのは、大学に入ってから?」
「はい。親が、受験が終わるまでダメだって。そもそもドラムセットをおけるような環境とかもなかったんですけど。高校のときはリズムトレーニングと、パット叩いたりはしてました。今もずっとソロで叩いてるんで、あんまり変わんないんですけどね」
「軽音サークルには所属しているんでしょう? バンドは組まないの?」
「あー……ドラマーは足りてるから、初心者は難しいって。人集めて来ればバンドは作れるし、場所も貸すけど、僕みたいな初心者が今からバンド組みたいならギターやった方が良いよって言われちゃって。バンドやってくれる子も集め損ねちゃったので1人です」
「……なるほど。ドラムにこだわるのは何故?」
「えっと、その、氷川先輩って、ギターじゃないですか。それで、日菜ちゃんはベース。いつか一緒に演奏してやるぞー! って思って始めたので……その、空いてるのがドラムだったというか……」
ツインドラムはハードルが高いし、バンドに迎え入れられないのもまあ仕方がないか、と思って尋ねると、予想外の答えが返ってくる。恥ずかしそうにキャップで顔を隠した鶴見さんに、「良い動機だと思う」と返した。実際に、何よりもモチベーションが大切だ。
「鶴見さん、この後時間はある?」
「え、あります!」
「半分だけで悪いのだけど、夢を実現させる手伝いをできたら、と思って」
日菜に送っていたメッセージに付け加える。面白いドラマーを見つけたから、動画は其方で。未だ既読はなし。普段は直ぐに返信を寄越してくるので、仕事中なのだろう。
行きます! と言って、おそらくバイト先に電話をかけ始めたのには笑ってしまった。サボりは良くない、と言ったら、「店長は夢を応援してくれるって言ってくれてたので大丈夫です」だとか。どう考えても大丈夫ではない。
スタジオへ行きがてら、いくつか話をした。地元がこの付近であることや、私を経由してRoseliaのファンになったこと。同じくPastel*Palettesも追いかけていること。Pastel*Palettesの最近の曲のドラムが難しすぎること。
最後については原因が日菜だと知っているだけに、苦笑いを返すしか無かった。この1年、メインで作曲をしている日菜が大和さんに信頼という名の無茶振りを押し付け続けているのだとか。
代わりに、私たちの話もした。MiDDay-Moonが即席の姉妹バンドに過ぎなかったこと。当時の日菜のベース歴はひと月ほどだったこと。チャンネルは日菜が道楽で運営していること。今から日菜が作った曲をレコーディングする予定だったこと。
「30分ほど待ってくれるかしら。その間に弾きたい曲をリストアップしてくれると助かるわ」
「はい! と言ってもRoseliaの曲ばっかりになるんですけど」
「……まあ、それでも構わないから」
この一年ほど、日菜は作曲に凝っているらしかった。そのほとんどはPastel*Palettesの曲だったわけだが、先月、ついに「あたしたちの曲」と名付けられたスコアが送られてきた。
本当は作詞も私にやらせたかったらしいのだが、日菜の頼みでもそれは受け入れ難い。
どうにも、日菜は無茶振りの対象を大和さんだけに限らなかったらしい、というのがスコアを見た感想。仮打ち込みの音源も聴いて、音作りからチューニングの模索、練習にまるひと月を要した。
エレキギターで4パート。アコギで3パート。ベースと歌唱は日菜。「
孤独。恨み辛み。寂しさ。
私への感情もきっと混ざっている。
日菜がこんな曲を書けるのは、おそらくPastel*Palettesのおかげなのだろうと思う。しばらく前、日菜について話があると言われて何度も白鷺さんと通話することがあった。本来私がやるべきことを押し付けてしまったのだろうな、というのは常々感じていて、この歌詞を受け取ってそれが確信に変わった。
少しの寂しさは覚えても、日菜の健全な成長の方が喜ばしい。弱音を吐ける友人がいて、自分の居場所があって、目指す場所が見えていて……家族がいて。
日菜が書く曲にはなるべく丁寧に向き合いたかった。
レコーディングは、ミスをしない限り基本一発録りで済ませることにしている。自分がミスをしにくい質である、ということには自覚があるが、それでも理想通りの演奏ができるわけではない。少しでもヒットがズレたり、思い通りの音にならなかったり、そういうほんの些細なミスや、理想との乖離というのは絶対に生じるものだ。
ただ、私は何度も試行を重ねても完璧な1回を生み出せるタイプではないし、それなら一番情念の籠った一発目が一番、力のある演奏だと思っている。
30分ほど、ぶっ続けで弾きこんでいたら集中力が切れた。
息を吐いて、汗を拭う。大きなミスをしなかったのは、我ながら上等。個人練習も馬鹿にできない。あとから聴き返して納得いかないものがあれば再度録り直すかもしれないが、一旦はこれで。
「曲は決まった?」
「……あっ、はい」
「……泣いているの?」
「えと、また生で演奏を聴けたのが、感無量で……すみません」
「今から一緒に弾くのよ?」
「途中で泣いたらごめんなさい」
「いや、いいけれど……5分だけど休憩してくるから、ドラムスを弄っておいて。それで、曲は?」
「『Song I am』と『ZEAL of proud』やりたいです」
「いいわね。それじゃあ、少しだけ待っていて」
ペットボトルを持ってロビーに出る。半分ほど残った水を一息に飲み干して、自販機の横のゴミ箱に捨てる。
身を削るような情念を込めた音楽から、楽しむための演奏へと心を切り替える。
許可が取れれば、鶴見さんの演奏も投稿してしまおうか。今すぐ日菜を紹介するつもりはないけれど、間接的なセッションくらいは、と思う。スマホを見れば、日菜からの返信も来ていた。面白そうだからOK、らしい。
スタジオに戻ると、鶴見さんがスネアのチューニングをしているところだった。
「鶴見さんさえ良ければ、日菜のチャンネルで動画を上げてみない?」
「…………いやいやいやいや、恐れ多すぎますって! 僕、まだ下手くその初心者ですよ!」
「嫌なら無理強いしないけれど、私は貴方の演奏、好きよ。音楽が好きなのも伝わってくるし、努力しているのも分かる」
「いや、でも、流石に……」
「日菜のベースも付けてくれるらしいのだけど」
「………………うぅ、やらせてください」
「じゃあ、後で録音もしましょうか」
承諾が得られたところで、軽く弦を爪弾く。ウォームアップは済ませているから、手慰み以上の意味は無い。スコアを流し読みして、大体の感覚を思い出す。Roseliaの曲は最新曲まで全て弾けるようにしているから、おそらく問題はないだろうと思う。歌は……まあ、仕方が無い。人に聴かせられるものでは無いと思っているだけで、歌うこと自体は嫌いじゃないのだ。
ギターボーカルは久しぶりだなと思いつつ、マイクを調節する。
「でも、いいんですか? Roseliaの曲、MiDDay-Moonのチャンネルにほとんど上げてませんよね。なにかこだわりとか、あるんじゃ……」
「……よく見ているのね。不仲だとか、そういうことでもないし、Roseliaの曲をやりたくないわけでもないのよ。日菜とは今まで散々弾き倒して来たから面白みがなかったというのと、日菜が選曲に挙げて来なかったからというのが理由にはなるのかしら」
弾く資格がない、と言うほどの自罰思考があるわけではなく、かと言って頻繁に弾いてみせるのも憚られて、結果としてそうなっただけだった。
「さあ、いきましょうか。貴方の音を聴かせて。1,2──」