後ほどあとがきを投稿させてください。
おねーちゃんがあたしの告白を飲み込むのに、暫らくの時間を要した。
「……そう。あなたの不合理な感情は、恋だったのね」
沙汰を下される被告人のような心地で、手の中のペットボトルに目を落とした。
「どうして、今なの。高校を卒業する前なら、私はきっと受け入れた」
「受け入れちゃ、駄目だよ。損得抜きのおねーちゃんの感情で受け入れてくれるなら嬉しいけど、あのときは、だって──おねーちゃんにとっていちばん大切なものは、前世のことだったでしょ」
「……だから、区切りなのね」
深く溜息を吐いて、力が抜けたようにおねーちゃんが項垂れた。
「自己嫌悪よ。気にしないで」
しゃがみこんで、もう一度溜息。
見下ろすと意外なほど華奢な背中に手で触れることもできなくて、指先が中空をさまよった。
「私は、貴方に同じ種類の感情を返すことができない。貴方を妹だと思っているし、大切な家族だと思っているから」
「…………うん。聞いてくれてありがとう。整理は自分でつけるから、その、あんまり気にしないでね」
口に出す前は、あんなに強気でいられたのに。言葉にしてしまえば、途端に後ろめたさが勝った。強気な思考は、告白に踏みきるための虚勢に過ぎなかったんだろう。
ううん、あんなに覚悟をしてきたつもりでも、感情がぐちゃぐちゃになる。結局おねーちゃんにどういう結論を出して欲しいのか、自分でもよくわかっていなかった。
「いいえ、気にするわ。……同じ反省をしてばかりね」
ペットボトルに残ったカフェオレを飲み干して、おねーちゃんは空になったボトルを手のひらで転がした。
「同じ感情は返せないけれど、同じ質量の愛を返すことはできる。貴方が身勝手にも私を救ったんでしょう。私にもやり返す権利があると思わない?」
まあ、貴方は勝手に立ち直ったけれどね、と呟いた。
昨年……もう一昨年か。一昨年のパスパレでのゴタゴタのことを言っているのだろうというのはすぐにわかった。
立ち直ったんだろうか。考え方が少し変わったのは確かだ。
「貴方が勝手に規定した『氷川紗夜の幸福』のルートに、私は乗っている。何度も言うけれど、この幸福自体は否定しないわ。私はかつてないほど充実した人生を送っていると思うし、能動的な幸せを享受している。父さんと母さんとの関係の崩壊を抜きにすれば、私は貴方に感謝してもしきれない」
「うん」
「失ったものもある。貴方への信頼とか、表面上は成立していた真の家族関係とか。それが少し引っかかっていて、貴方への態度を決めかねていた」
あたしへの信頼を、失いたくなかったものとして挙げてくるのが少し痛い。
どうしようもなく優しい表情。ゴミ箱にペットボトルを捨てて、背筋を伸ばした。
「『恋』ね。……私が言うべきことでは無いのだろうけど、献身的に過ぎるわ。誠実なのは貴方の美徳だけれど、少しくらい欲に振れたって良いでしょうに」
「ううん、欲に振れた結果が今なんだよ。あたしが欲しいおねーちゃんは、今のおねーちゃんなんだから」
「……迂遠過ぎるでしょうに」
「それはおねーちゃんが悪いよ。あたしの人生観をぶっ壊したのはおねーちゃんなんだから」
孤独だった。
千聖ちゃんに指摘されてようやく自覚に至ったくらいのものなのだけど、あたしは人と違うことに相応のコンプレックスを抱いていたらしかった。
何もかも、おねーちゃんの影響だ。人と違うことも、おねーちゃんとは同じだった。運動も、勉強も、書道も絵画も。そして、考え方も。似通った同級生は一人もいなかった。理解してくれる大人も。
同族は、あたしの先をゆくおねーちゃんだけだった。
同族だと思っていたおねーちゃんの前世のことを知ってから、特におかしくなったんじゃないかと思う。あたしが元々抱えていたコンプレックスが表出しただけの事ではあるんだろうけど。
話し合いで理屈を説いても理解されないのが苦痛だった。ほんの少し感情を堪えればより良い結果が残せるとわかっている場面で、何故理性の箍を緩めるのか理解できなかった。何故僻むのに努力をしないのか謎だった。
おねーちゃんは何度も人の心の機微をあたしに説明してくれたし、納得はできなくても理屈として理解することは可能だった。それで得られた結論が、彼女達はあたしとは違う思考回路を持った、全く違う人種なのだろうということ。
おねーちゃんと育ってきたからこんな人間になったのか、元々あたしがこんな人間で、おねーちゃんが寄り添ってくれていたのか。そればかりは分からなかったけれど、おねーちゃんの内面を知って、今度こそあたしは一人になった。
恋なのか、依存なのか。世界で唯一の同族に恋をするのは、多分、ごく自然なことだろうと思うのだけど、夢が覚めても心は変わってくれない。
「私の返事は、きっと間違っていないのでしょうね。けれど、貴方を救うことはできない」
「必要ないよ。はつ恋が実らないなんて、別に普通のことじゃん」
「……そうね。嘘をついて欲しくもないのだろうから、私が返せる言葉は否定だけ」
──話をしましょう。
おねーちゃんはそう言って、ギターケースを背負い直した。
コンビニの駐車場を出て、行き先も不定のままに細い川沿いの道を歩く。水の匂いって、別にあんまり良い臭いじゃないよなぁと思う。命の匂い、生長と腐敗、死と誕生の匂い。命は
「あたしね、おねーちゃんと離れてバンドやって、ちょっとだけおねーちゃんが言ってたことにも納得したよ。外の世界は広くて、あたしの知らない世界が広がってるって。おねーちゃんがあたしを縛り付けたくないって言ってた意味も少しはわかるし、あたしの成長だけを考えるならもっとおねーちゃんから離れるべきだって主張に一定の理があったことも……うん、理解した」
「それこそ、白鷺さんとの出会いがそうだったでしょう? 貴方は私の後ろばかりを追いかけようとしていたけど、私よりもはるかに凄い人間がこの世界には山ほど存在しているのだもの。……実際、貴方を変えたのも白鷺さんやPastel*Palettesなのだろうし」
大学には変な人がいっぱいいた。あたしよりもずっと知識欲に溢れていて、ずっと本を読んだり調べ物をしていたりするような人。特定の思想にのめり込んで哲学者のように思考を巡らせている人。麻弥ちゃんみたいに特定の分野に物凄く詳しい人。
あたしだけが外れているわけじゃないって、そこでようやく理解した。
あたしとおねーちゃんだけが同じで、あとはみんな違う生き物だったあたしの世界に、歩み寄ってくれる人ができた。
「高校の時に、おねーちゃんが『人と人は決して分かり合えない』って言ってたの覚えてる? 分かり合えないから尊重し合うし、刺激を受け合えるって」
「ええ。貴方が納得しなかったんでしょう」
「まあ、そうだけど。そういうのって、結局おねーちゃんと一緒にいたら今でも飲み込めなかったと思うんだよね」
狭い歩道で、おねーちゃんが立ち止まった。軽自動車が後ろを通り抜けていって、街路樹のスダジイの木立を揺らす。
「分からないから良い、とか。みんなほんとは孤独を感じてるんだ、とか。あたしはあんまりわかってなかった。おねーちゃんだけいれば、あたしは満ち足りていたから。千聖ちゃんって友達ができて、麻弥ちゃんみたいな凄い人とも出会って、彩ちゃんみたいなよくわかんない子と関わることも増えて、イヴちゃんみたいな面白い感性の子に影響を受けて。それで、あたしは少し変わって──」
口に出す度に、心に整理がついていく。
「──やっぱりおねーちゃんが好きなんだって思った」
歌詞を書くようになって、自分の感情に向き合うことが増えた。
この恋を抱えていること自体を苦しいと思ったりもするけど、こんな穢い恋もあたしには大切なもので。
依存を抜け出してみて、それでも褪せなかった感情に、尊ささえも覚える。
「おねーちゃんは、恋ってなんだと思う?」
「言語化できるような感情であって欲しくない、とは思うわ。尊ぶ気持ちでもあり、愛でもあり、執着でもあり、依存でもあり、所有欲でもあり、性欲でもあり、憧憬でもある。『恋』という言葉の解釈ほど、その人間の人生観が出るものもない」
「おねーちゃんにとっては?」
「相手を尊重したいと思う気持ちの最上系、かしら。本当は、もっと欲望に振れるべきなのだろうと思ったりもするのだけど」
尊重するだけでは恋愛は成立しない、とおねーちゃんは言った。それは多分、前世の失敗談。維持しようと互いが努めなければ、人間関係は持続しない。相手に主導権を委ねあってしまえば、消極的なまま関わりが薄れてしまうのも、何となく想像がつく。
「恋は欲なのだと思うわ。愛とは違う」
おねーちゃんらしいな、と思った。
おねーちゃんは他人に求めない。きっと、彼女さんに対してもそうだったのだろうし、あたしに対しても、そしてきっとRoseliaに対してもそうだ。求められれば応えるし、どちらかというと尽くすタイプ。
「……だから、私が貴方に抱いている感情は、やっぱり恋にはならないのだと思う。肉体関係を結べるかと言われればきっと可能だし、今までに、その、性欲を向けたことだって……皆無とは言えない、けれど。私は姉として貴方を尊重したいし、愛したい」
遠慮がちに、あたしの左手をおねーちゃんが結んだ。すこし冷えた指先。いつもは遠慮がちにあたしに触れるおねーちゃんの、少し意外なほどの力強さ。
少し歩いているうちにおねーちゃんのマンションの方に戻ってきた。これ以上外にいるつもりは無いようで、無言のまま部屋に入った。
犬のマスコットキャラクターのキーケース。千聖ちゃんのプレゼントだった気がする。
「ねぇ、日菜。私は、きっと貴方に釣り合う良い姉じゃないんだと思う」
「そんなことは──」
「ううん、聞いて。……今更貴方に言うことでもないけれど、私は卑屈で、無関心で、悲観的で、無気力な、どう言い繕っても面倒臭い人間だった。今でもあまり変わっていないのだけどね」
ギターケースを置いて、おねーちゃんが椅子に腰掛けた。あたしはベッドに座って、肩の重荷を下ろす。
「ただ朽ちていければよかった。逃げた先に安寧が待っていると思っていた。それを全部壊したのは貴方。赤子の頃、混乱の中自暴自棄になっていた私の、最初の生きる意味になったのは貴方だった。環境ストレスで気が狂いそうになったり、躁鬱気味の適応障害を起こすくらいには参っていた私をこの世界の日常に縛り付けたのも貴方。前世を吐き出したのも、両親への負い目を壊したのも、全部貴方ね。これじゃあ、どっちが姉かわかったものじゃない」
子どもの頃のことは、あまり覚えていない。おねーちゃんが弱っていたことも、あたしにはよくわかっていなかったと思う。わかっていないのだから、当然覚えてもいられない。そういうことだ。
だからあまりピンと来ないけれど、おねーちゃんが言うならそうなんだろう、ということにしておく。
「感謝しているの。実の所ずっと、私は貴方に支えられてきた。貴方が肯定してくれたから、私はここに居る。久しぶりに自分の足で歩いて、自分の目で見て、そして、完全な未知を楽しめている」
話が支離滅裂なことになっているわね、とおねーちゃんが苦笑した。
それから立ち上がって、あたしの目前まで距離を詰めた。
「口下手な自覚があるから、冗長に言葉を並べる気はないわ」
ふわりと香るシトラス。あたしの好きなおねーちゃんの匂い。
ぎゅぅ、と抱きしめられる。おねーちゃんからこんなことをされるのは初めてで、脳の理解が遅れた。
「大好きよ、日菜。ありがとう。私を肯定してくれて。私を見てくれて。私を愛してくれて」
たった一言で全部報われた気がした。おねーちゃんは本当にズルい。こんなの、もっと好きになるに決まってるのに。
「私の妹でいてくれてありがとう。私を姉でいさせてくれてありがとう。……結局、どう接すればいいのか迷っているうちに、もう大人になってしまったくらいにはダメな姉を、私を、◼️◼️◼️◼️を、氷川紗夜を、それでも好きでいてくれてありがとう」
背中に回された手が、あたしの頭を撫でる。おっかなびっくり抱き締め返した手のひらにおねーちゃんの鼓動を感じて力が抜ける。
「貴方とは色が違う感情だけれど、同じくらいの大きさの感情を、私だって持っているつもりよ。でなければ、たとえ2度目の人生だって貴方に委ねても良いとは思わないもの」
「駄目だよおねーちゃん。もっと好きになっちゃう」
「なればいいじゃない。私だって日菜に好かれたい」
泣き笑いを零したあたしに、おねーちゃんは柔らかく笑って、それからティッシュを優しく目元に押し当てた。
「あたしの事も好きになってよ」
「恋愛的に?」
「うん。諦めきれないかも」
「私じゃどうしようもないから、貴方に惚れさせてもらうしかないわね。頑張ってくれる?」
抱き合ったままベッドに倒れて、目を合わせて、笑いあって、感情がぐちゃぐちゃになったまま目を瞑った。
頬にキスを落として。返さないわよ、と言われて。代わりに抱き寄せられて、おねーちゃんの匂いに包まれる。
「たったこれだけのことを、どうして私は貴方に言ってこなかったのかしらね」
「お父さんとお母さんのこと、今でも怒ってる?」
「……少しね。でも、結局は私が責任を負うべきことだし、生まれてきてすみません、なんて言ったらみんな、烈火のごとく怒るのだもの。だからまあ、関係をまた作り直すしかないと思ってるわ」
外行の服のままベッドに寝転がっていることに今更抵抗を覚えつつ、それを指摘するのさえ億劫になるくらいグズグズに溶けていく。
恋敗れた人間が感じるべき多幸感じゃないよなぁ、と内心で苦笑い。
「やり直しましょう、全部。随分待たせてしまったけれど、ライブもね」
返事は、言葉にもならない頷きひとつで。
【エピローグ】
『真昼と月』ではなく、『真昼の月』であることに意味があるらしい。太陽と夜、表裏一体の私たちは、真昼の月という形でだけ共存できる。
日菜の『恋』について、私は未だに確かな答えを出せないでいる。拒絶したくはないけれど、肯定もし難い。日菜の意志を尊重するなら、日菜のためになあなあでその恋を受け止めるなんてことはしてはならないだろうし、そうなると日菜に惚れさせてもらうしかない。
だからとりあえず、日菜の告白は私が拒否して終わり、ということになっている。
それから一応、仲直り、ということになるのだろうか。あの夜、大概支離滅裂な話をした自覚がある。それでも、日菜に伝えた感情だけは嘘じゃない。
というか、『恋』だと言われた瞬間に、私は日菜に感じていた
日菜が私に執着する理由の一つが、恋する少女の不器用な足掻きだったのだと言われてしまえば、もう。
毎度同じ反省をしている気がするが、いくら賢くて聡いとはいっても日菜は等身大の少女に過ぎない。過剰に恐れて、警戒して、強く当たってしまった自分が情けないやら、消えてしまいたくなる。
「おねーちゃん、緊張してる?」
「いいえ。少し、考え事を」
「はじめてのライブの時もこんな感じだったよね」
「よく覚えているわね」
『MiDDay-Moon』のライブ。どういうわけか、8000人のシアター会場が埋まってしまった。この辺りは日菜の手腕という他ない。大した宣伝もなく、私と日菜の2人だけでこれだけの人数が集められていることが少し恐ろしくもなる。日菜曰くもっと大きな会場でもいける、とのことだが、果たして。
深呼吸をして、ギターのネックに手を伸ばす。フレットを軽くなぞって、ひやりとした感触に指の温度を溶かした。
ステージの裏で、スタッフが行き来する中、日菜と視線を交える。
それから、日菜の後ろの大和さんとも。
「大和さん」
「はい」
「改めて、よろしくお願いします。日菜と私のわがままに付き合ってくれてありがとう。せめて、貴方にとっても実りのあるライブになるようにしたいとは思っているのだけど……」
「いえいえ、主役の御二方が楽しんでくれるのが1番ですから。二人と演奏するのは良い刺激になってますし、それに、ジブンはサポートとしてドラムやるのも楽しいので」
「お賃金だって出してるもんねー」
「絶対割に合わない注文をつけていたでしょうに」
アナウンスが遠くで鳴る。
調子に乗った日菜の無茶振りに全て応えた大和さんと、今ある技術の枠を限界まで使い切ってこのライブに詰めてきた私たちと。それから、湊さんに詰められながらボーカルトレーニングを詰め込んできた私と日菜と。
「……思えば、最初のライブは苦い思い出になってしまったわね。あれほど楽しかったライブも、今に繋がるできごともなかったのだけど」
「終わり良ければ、の逆だったもんね。でも、今日はそうはならないよ」
日菜が私の手を取る。それから、大和さんの手も掴んで、ステージの方へ歩いていく。
「日菜さん! まだアナウンスですって!」
「アナウンスも覚えてるから大丈夫! あたしがやるよ」
「そういう問題じゃ──」
「いいのいいの、フライングするって宣言してるからさ」
「PAさんにですか!?」
「麻弥ちゃん以外に」
私は特に抵抗しないまま、ワタワタしている大和さんを宥めることもせず、日菜と共にステージへ。
開演三分前、ステージに立つ。会場をぐるりと眺めた。今までで最大規模、というわけでもないが、他人の知名度にタダ乗りしている感覚が無い中でこのキャパシティのハコでライブをするのは初めてだった。
「『アナウンスを繰り返しまーす! 本日はMiDDay-Moonのライブ、《月輪より滴り》へご来場いただきまして誠にありがとうございます! 開演に先立ちまして、お客様にお願いとご案内を申し上げます!
客席内での飲食・喫煙は禁止されております。飲食はロビーにて、喫煙は……全館禁煙です! 飲み物はいいけどね〜。あ、こぼして席を汚すのはやめてね。
それから、開演中、カメラやスマートフォンなどによる写真撮影・録画・録音は、かたくお断りします!
また、進行の妨げになりますので携帯電話や音の鳴る機器の電源はあらかじめお切りくださいますようお願い申し上げまーす!
それでは──開演だー!!!!! 』」
『紙月と揺籃』。偽りの月と揺りかご。
私と日菜の最初から最後までを綴るライブのイントロは、ギターソロから始まる。
大和さんと目が合う。目配せを交わして、それから、日菜の隣へ。観客へと視線が向いている日菜の左手を一度握り締めて、日菜が反応した瞬間に手を離す。
それから、第一音め。フレットに指を滑らせて、なめらかに滑る薬指に、ほんの少しの感傷。
今日は緊張なんかしていなかった。代わりにこの胸を満たすのは、幸福、高揚、絶頂に至りそうなほどの興奮。
何度目かの人生最高を更新するのだろうな、という予感があった。
──ペイパームーンから天満月へ。
──太陽を受け止められる私へ。
──さよなら、弱い私。
──初めまして、氷川紗夜。