才数多持つ私のヒーローアカデミア 作:スプライト・エルフ
昨日侵入したマスコミは警察が追い返したそうだ。
一番パニックの酷かった食堂も飯田君の尽力で負傷者0。生徒間ではもう終わった話になっている。
だけど...
「今日のヒーロー基礎学だが...俺とオールマイト、もう一人の3人体制で見ることになった。」
先生方は違う。私とは別口で敵の痕跡を見つけたようだ。
「はーい。何するんですか?」
「災害水難なんでもござれ、
それはそれとして授業は進む。
そして人名救命訓練という事は“あの場所”を使うのか...
「おい、まだ途中だ。」
前の皆がテンションを上げている所を躊躇無く壊すのは流石相澤先生だな...
コスチュームの着用は各自の自由である事等が伝えられ、訓練を行う場所へはバスで移動する事も伝えられた。
さて、頑張りますか。
私は席を立ち、更衣室へ向かった。
更衣室で頸を斬ってからバス停まで移動した私は、飯田君がフルスロットルで真面目さを発揮しているのを見て、まるでロボットに熱血が宿ったようだと感じた。
彼は高速バスの座席配置をイメージして2列に並ぶ事を推奨していたけれど、残念な事に雄英のバスは座席配置が市営バスの物だ。
それを伝えるとかなりショックを受けていたものの事前に教えたからか感謝された。
そんな一幕もあって今バスにA組の21人が乗り込んでいる。
移動中の雑談はそれぞれの個性の事へと移って行った。
「アナタの個性オールマイトに似てる。」
とは緑谷君に対する蛙水さんの言葉だ。しかしすかさず切島君がそれを否定。確かに彼の言う通りオールマイトは個性を使う度に負傷したりはしない。
しかし、蛙水さんの言う通り“膂力を莫大な力で増強する”という性質は近しい個性だと言えるかもしれない。
すると、周りの目がほぼ全て私に向いている。
「あれ...どうかしたの?」
「いや、今思うと扇耶...さんって謎な人だなぁ...って話になって...
「うん。そうだよ。16だから一つ年上だね。」
「では他校から編入されたのですか?」
「んや?私の場合は留年だね。単位が足りなかったの。」
「「「えぇ!?」」」
確かに、クラスに突如出没したのが落第生だと知ったらそれは驚くか。そこに相澤先生がフォローを入れてくれた。
「扇耶の留年はやむにやまれずの事態だった。そいつ自体に過失はない。」
「そうなのですね...」
「そして、もう着くからな。準備しとけよ。」
バスを降りて演習場に入ると、テーマパークのような様相に切島君が大阪にある某テーマパークの名前を出したが、この演習場の名前は
つまり、大阪にあるユニバーサル何某そのままである。
それでいいのか雄英高校。いいんだろうなぁ...
そして、この演習場を作ったスペースヒーロー“13号”に緑谷君や麗日さんが嬉しそうにしている。...緑谷君はヒーローだったら基本喜びそうだがそれはそれ。
「えー始める前にお小言を1つ2つ...3つ...4つ...」
増えた...
「僕の個性は“ブラックホール”。どんな物でも吸い込んでチリにしてしまいます。」
「その個性でどんな災害からでも人を救いあげるんですよね!」
「しかし、簡単に人を殺せる力でもあります。」
13号の言葉にクラスが沈黙に包まれる。
「皆の中にもそういう“個性”がいるでしょう。」
緑谷君の超パワー。
爆豪君の爆破。
その他にもA組だけでも強力で...それだけ危険な個性が揃っている。
私の自論だが個性とは人が生まれながらに持つ“凶器”と言い換えられる。
「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制する事で一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる“いきすぎた個性”を個々が持っている事を忘れないで下さい。」
それだけに、13号の話は考えさせられる物だった。
「相澤さんの体力テストで自分の秘めた力を知り」
「オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを実感したと思います。」
「この授業では...心機一転!人命のために個性をどう扱って行くかを学んで行きましょう!」
「君達の力は人を傷つけるためではない。人を救うためにあるのだと学んで帰って下さいな!」
「以上、ご清聴ありがとうございました!」
13号の講話にA組が湧き、それを見て相澤先生が授業開始を宣言しようとした瞬間。
“ソレ”は来た。
階段下の広場。黒い点はモヤを発して開いていく。
「
感じるのは、剥き出しの悪意。
まだ状況を呑み込めてない内の一人、切島君が呑気な声を出した。
「なんだありゃ、入試みたいなもう始まってんぞパターン?」
今だけは、少し羨ましい。
「動くな!アレは、
敵の一部が発した言葉に相澤先生が反応した。そこから分かったのは先日のマスコミ侵入の時点でカリキュラムを抜かれていた事。
「どこだよ折角大衆引き連れて来たのに...平和の象徴...オールマイトいないなんて...」
ドス黒く途方もない悪意が私達に牙を剥く。
「子供を殺せば来るのかな?」