才数多持つ私のヒーローアカデミア   作:スプライト・エルフ

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第五輪 分断

 

 

 

(ヴィラン)ンン!?バカだろ!ヒーローの学校に入り込んで来るなんてアホ過ぎるぞ!」

 

 

いや...これは...!

 

 

「先生!侵入者用センサーは...!」

 

 

「もちろんありますが...!」

 

 

空間転移、即ちテレポートすれば破れるなんてヤワなセキュリティを雄英は採用していない。

それ即ち...

 

 

「現れたのがここだけか学校全体かは分からねぇが...校舎と離れた隔離空間、そこに少人数(クラス)が入る時間割...馬鹿だがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ。」

 

 

言いたい事を大体言われたけど...そういう事だ。加えて...

 

 

「このクラスに狙いを定めたのは、先程の敵の発言も相まって間違いなくオールマイトが狙いだね。つまり、相手はオールマイトと事を構えても問題ないと思ってる。結構ヤバイよこれ...」

 

 

「13号!避難開始!学校に連絡(電話)試せ!センサーの対策も頭にある敵だ、電気系の個性(やつ)が妨害している可能性がある。...上鳴、お前も個性で連絡(ため)せ。」

 

 

だけど、この分担だと...

 

 

「相澤先生は!?一人で戦うんですか!?あの数じゃ幾ら個性を消すっていっても!」

 

 

緑谷君の心配に相澤先生はただ一言。

 

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。」

 

 

13号に後を託して階段下に躍り出る相澤先生。

 

発動型の個性を“消し”て2人を縛り上げてぶつけた。あれは気絶確定ルートだろう。

 

敵も相手が“イレイザーヘッド”である事を認識したのが相澤先生が“消せ”ない異形型を前面に押し出して来た。

 

だけど、それだけじゃ個性“抹消”は突破できても“イレイザーヘッド”は攻略できない。

 

流れるような形で異形型の敵を更に二人気絶させた。

そのまま多対一へ。

 

私は分析する緑谷君の肩を掴んで引っ張った。

私達がここに居る限り先生は遅滞戦闘の択も取れない。

 

 

だけど、避難を始めた瞬間、私達の行先に黒いモヤが広がる。

これは...先程のワープの個性(やつ)か!

 

 

「初めまして、我々は(ヴィラン)連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいたのは...」

「平和の象徴。オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして...」

 

 

やはり目的はオールマイトか...!

 

 

そのまま攻撃態勢に入った敵のモヤを13号がブラックホールで吸い取ろうとする。

が、切島君と爆豪君がその射線を塞いでしまった。

硬化した一撃と爆破が敵を襲う。

 

 

「その前に!俺らにやられる事は考えてなかったか!?」

 

 

「危ない危ない...そう生徒と言えど優秀な金の卵...」

 

 

...ッ!攻撃がまるで効いていない、避けられたか!

 

 

 

「ダメだ!退きなさい二人とも!」

 

 

13号が警告を発した。

 

 

「散らして、嬲り、殺す。」

 

 

黒モヤに22人が包まれていく。

 

モヤが晴れると、そこに居たのは男子は砂藤君、飯田君、瀬呂君、障子君。女子は芦戸さんと麗日さん、私。

 

13号を含めれば8人が...8人しか残っていない形となった。

 

 

「皆はいるか!?確認できるか!?」

 

 

「散り散りになってはいるが、この施設内にいる。」

 

 

飯田君と障子君で現状を確認。どうやら施設内から出してはくれないらしいね...

 

 

「物理攻撃無効でワープって...最悪の個性だぜオイ!」

 

 

砂藤君、多分そうじゃない。

奴にはちゃんと肉体がある。位置を絞れば物理攻撃も効くはずだ。

 

 

「委員長。君に託します。学校まで駆けてこの事を伝えてください。」

「警報鳴らず、そして電話も圏外になっていました。警報機は赤外線式、下でイレイザーヘッドが“個性”を消し回っているにも拘わらず無作動なのは...恐らくそれらを妨害可能な“個性(もの)”を咄嗟に隠したのでしょう。」

「ならばそれを探すより、君が駆けた方が早い!」

 

 

だけど飯田君は皆を置いては行けないらしい。

でも今は急を要するんだ。

 

 

「行けって非常口!外に出れば警報がある!だからコイツらはこん中だけで事を起こしてるんだろ!?」

 

 

「外に出れりゃ追っちゃこれねぇよ!お前の脚でモヤを振り切れ!」

 

 

砂藤君、瀬呂君が後押しを。

 

 

「食堂の時みたく、サポートなら私超できるから!するから!」

「頼んだよ委員長!」

 

 

麗日さんが一押しを。

 

 

「ここは何とかする。先輩に任せんさい。」

 

 

私の言葉で飯田君も覚悟を決めたらしい。

 

だが、タダで見ている敵でもない。

 

 

「手段がないとはいえ、敵前で策を語る阿呆がいますか。」

 

 

「語っても問題ないから語ったんでしょうが!」

 

 

モヤは13号のブラックホールに吸い込まれていく。

 

だが、

 

 

「13号。災害救助で活躍するヒーロー...やはり...戦闘経験一般ヒーローに比べ半歩劣る。...自分で自分をチリにしてしまった。」

 

 

13号の背後にワープゲートを繋げて...!

 

 

「先生!」

 

「飯田ァ!走れって!」

 

 

硬直した飯田君が砂藤君の言葉で再起動。走り始めるけど、初動が一歩遅い。

 

 

「教師達を呼ばれてはこちらも大変ですので...」

 

 

走りながら葛藤する飯田君を見て叫ぶ。

 

 

「そのまま走れ!」

 

 

障子君がモヤを六腕で抑え込んだ。

 

 

「障子君!こっちに!」

 

 

障子君はその指示に従ってくれたけど、投げ渡す前に腕から敵はワープで抜け出した。

 

 

「クッソ!」

 

 

私は悪態を着いて、背後の帯を展開しながら駆け出した。

 

 

“才能”

 

チャールズ=ダーウィン...『進化論』

 

 

ライト兄弟...『空の人』

 

 

同時行使。

 

 

一個体内で他生物の特徴を反映する『進化論』。

空を飛ぶ際、あらゆる気象条件を無視できる『空の人』。

 

合わせれば、こんな事も出来る。

 

 

「何だと!?」

 

 

まぁ、背から翼の生えた私が凄まじい速度で飛んでくれば驚くか。

 

 

「首根っこ掴まれれば、流石にね!...麗日さん!」

 

 

私の後ろから駆け出して来た麗日さんが五指の肉球でモヤの敵に触れる。これで条件達成だ。

 

 

「はい!...行けぇ!飯田君!」

 

 

無重力となって浮き始めた敵は瀬呂君の個性“テープ”を貼り付けられて遠心力で後方に投げ飛ばされる。

 

その隙に飯田君はUSJの外に出た。

 

 

「増援を呼ばれる...ゲームオーバーだ。」

 

 

モヤの敵は自分のワープゲートで、恐らく首魁の元へ戻ったな、コレは。

 

 

それを確認するために、階段下を見た私の目に写ったのは、敵に伸し掛られ、右腕を折られた相澤先生の姿だった。

 

 

...思考が、止まった。





[人名]

ライト兄弟

『才能』
飛行への飽くなき欲求が生まれ、それを満たせる翼が顕現する。

[空の人]
空の範囲であればどんな気候、気圧であっても飛行に悪影響が出ない。
“空を飛ぶための才能”と称される程。

〈小話〉
本編のセイは低空飛行なのに“空”なのか、という話ですがリィンカーネーションの花弁本編のライト姉妹が飛んでいる場所も高高度ではなく、恐らく対流圏の範囲である事からゴリ押しました。
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