才数多持つ私のヒーローアカデミア   作:スプライト・エルフ

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第六輪 巨大な力を

 

 

 

 

「“個性”を消せる…素敵だけどなんてことは無いね。圧倒的な力の前ではつまり、ただの無個性だもの。」

 

 

(ヴィラン)の首魁が放った言葉が耳に入らない。

 

 

『観察者』(ファーブルの才能)が告げている、“アレ”はダメだ。

生物を…命を冒涜している。

 

 

「人間の…キメラ…」

 

 

恐らく複数の個性を扱うために“混ぜた”んだ。でも、あんな状態になって自意識が残ってるとは思えない…ッ!キメラ敵が相澤先生の頭部を掴んで、地面に叩きつけた。

 

…!何やってる馬鹿!恩師の危機に動かずして、ヒーロー、名乗れるかよ!

 

 

ここからじゃ距離が遠いけど…あの才能を使って…!

 

 

「今回はゲームオーバーだ…」

「帰ろっか。」

 

 

…は?

帰る…?

 

私は止まった思考を無理矢理動かした。

ゲームオーバー、と奴は言った。

 

この襲撃を“ゲーム”だと捉えていた…?

それが失敗したから、ゲームオーバー…?

 

オールマイトを殺すにしては動きに一貫性がない…

これじゃわがままな子供だ…

 

気になる事は多い。

けれども今は…

 

そう思って目を見開く。

 

緑谷君の元へ現れた首魁の…手だらけ敵。

相澤先生が無理矢理“抹消”を使うレベルのヤバイ相手。

 

しかも、脳みそ丸出しの敵は緑谷君の超パワーに耐えた。

けどさ…

 

 

「こっちゃ約束したんだよ…“先輩に任せんさい”って…」

 

 

“才能”

 

ノストラダムス…『予言者』

 

 

ここから緑谷君達の所まで瞬時に行くのは現実的じゃない。

だから、この力で敵の企みを妨害する…!

 

そのまま階段を駆け下りる。

 

ここで予言書に新たな一文が記述された。

 

その文を見て、勇気が湧いてきた。

その記述を消さぬように、それでも素早く、緑谷君達が死ぬ未来に纏めて横線を引く。

 

たった二秒程度の出来事だ。ただその二秒が欲しかった。

 

瞬間、USJの入口を吹き飛ばして、轟音が鳴り響く。

 

 

「私が来た!」

 

 

平和の象徴が、来た。

 

 

「待ったよヒーロー。社会のゴミめ。」

 

 

オールマイトの存在感に一瞬気圧された寄せ集めの敵達は、目にも留まらぬ動きに一瞬で気絶させられた。

 

そのまま緑谷君達と相澤先生を回収したオールマイトは、緑谷君の力押しが効かないという忠告を聞いて、それでも敵へとカッ飛んで行った。

 

が、壁役と見られる敵はオールマイトのクロスチョップをも意に介さずむくりと瞬時に起き上がって反撃してきた。

 

 

「マジ…で全っ然効いてないな!」

 

 

オールマイトの言葉に手だらけ敵が反応する。まるで新品の玩具を自慢するかのように。

 

 

「効かないのは“ショック吸収”だからさ。脳無にダメージを与えたいなら、ゆうっくりと肉を削り取るとかが有効だね…それをさせてくれるかどうかは別として。」

 

 

「わざわざサンキュー!そういう事なら、やりやすい!」

 

 

脳無と呼ばれた敵にオールマイトはバックドロップを決めた。頭から地面に深々と突き刺さったように…一瞬見えた。

 

オールマイトの脇腹に脳無の指が刺さった。

地面に突き刺さる瞬間、黒モヤが脳無の上半身を転移させてオールマイトの下から現れた。

 

あの体勢だと…手持ちの才能をどう組みあわせてもオールマイトを直接助けられない…!

 

そこに、緑谷君が突っ込んだ。

 

その行先には黒モヤがあるけど…そうか、君が来たか。

 

 

「どっけ!邪魔だデク!」

 

 

爆豪君が黒モヤの敵を、轟君が壁役のキメラ敵を、切島君が手だらけの首魁敵を、それぞれ攻撃、

 

 

「スカしてんじゃねぇぞ!モヤモブが!」

「くっそー!いいとこねぇ!」

「てめぇら如きに平和の象徴は殺れねぇよ。」

 

 

轟君が脳無の腕が凍らせた事で、オールマイトは拘束から脱出できた。

 

そして爆豪君が説明する。

 

 

「このウッカリヤローめ!やっぱ思った通りだ!」

「モヤ状のワープゲートに成れる箇所は()()()()()!そのモヤゲートで実体部分を覆ってるんだろ?そうだろ?」

「全身モヤの物理無効人生なら、“危ない”っつう発想は出ねぇもんなぁ!」

 

 

爆豪君も“中身”の存在を見抜いたらしい。

だが、敵の悪意も止まらない。

 

 

「攻略された上に全員ほぼ無傷…凄いなぁ最近の子供は、恥ずかしくなってくるぜ敵連合…!」

「おい脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ。」

 

 

「嘘ぉ…流石の複数個性だけど…そりゃ反則でしょーが…」

 

 

脳無が凍結を無視して動く、更に崩れた部分も瞬く間に再生する。手だらけ敵によれば脳無は“対オールマイト用サンドバッグ人間”であり、超再生の“個性”も持っているとの事。

 

貴重で強力な個性のオンパレードだな…

 

凄まじいスピードで脳無の再生が終わ…っ!

 

 

「ゲホッ!ゲホッ!」

 

 

「扇耶少女!大丈夫か!?」

 

 

「あぁ?変なとこ行ったな…」

 

 

爆豪君に向かうはずだった攻撃は私へと進路を変えた。

正直賭けだったけど、上手くいった。

 

 

“才能”

 

ジョシュア=エイブラハム=ノートン…

『アイアムエンペラー』

 

 

アウグスト=フェルディナント=メビウス…

『メビウスの輪』

 

 

柳生十兵衛…『一寸の極み』

 

 

今のは物理攻撃から仲間を庇うために生み出した小技だ。

『アイアムエンペラー』で攻撃を引き付け、『一寸の極み』が高めた“視る”力が敵の攻撃を見切って逸らす事を可能にし、『メビウスの輪』が運動エネルギーを吸収する。

 

だけど、脳無とやらの前では小技では足りなかったらしい。

階段まで吹き飛ばされた上、メビウスの輪を構成する背後の帯も元に戻った。許容量超過(キャパオーバー)…か。

 

 

「加減を知らんのか。」

 

 

怒りに燃えるオールマイトに楽しげな言葉を返す敵の首魁(手だらけ)

 

奴が言ったのは、“ヒーローは抑圧のための暴力装置”…そう、一見正論に聞こえる物だ。寄せ集めも、それに釣られたんだと思う。

 

しかし、平和の象徴はその虚飾を見逃さなかった。

 

 

「そういう思想犯の目は静かに燃ゆるもの…自分が楽しみたいだけだろ嘘つきめ。」

 

 

「バレるの…早…」

 

 

切島君、轟君が申し出た加勢を却下したオールマイトはこちらを安心させるように「プロの本気を見せる」と宣言した。

 

 

「黒霧、脳無、やれ。俺は他の子供をあしらう。」

 

 

迫る敵、だけど私は何ら心配をしていなかった。何故なら、『予測演算』と『予言者』(私のエセ未来予知)にオールマイトの敗北は現れなかった。

 

放たれるのは平和の象徴の気迫。

それに気圧されたのか、緑谷君達に向かっていた手だらけがこちらを見た。

 

脳無と呼ばれた壁役とオールマイトの拳が激突する。

 

 

「“ショック吸収”だって…さっき自分で言ってたじゃんか。」

 

 

「そうだな!」

 

 

手だらけの嘲笑う言葉に笑顔で返したオールマイトは、そのまま正面からの殴り合いに入った。

そのあまりの風圧に誰も近づく事を許されない。

 

 

「“無効”ではなく、“吸収”ならば!限度があるんじゃないか!?私対策!?私の100%を耐えるなら、更に上からねじ伏せよう!」

 

 

オールマイトは血を吐いている。脳無に与えられた手傷がそれだけ深かったのか。

 

 

「ヒーローとは、常にピンチをブチ壊して行くもの!」

「敵よ、こんな言葉を知っているか!?」

 

 

フィニッシュブローと共にオールマイトが叫ぶ。

 

 

Plus ultra(更に向こうへ)!!!

 





[人名]

ジョシュア=エイブラハム=ノートン

『才能』
???

[アイアムエンペラー]
強制的な自身への標的変更。攻撃及び視線の誘導と敬礼を強いることが可能。繰り返し使う事で敵対者にも敬意を芽生えさせる事が可能。

〈小話〉
セイのお気に入りの一つで元となった才能の再現度もかなりのもの。一人“無敵の盾”パーツその1

[人名]

アウグスト=フェルディナント=メビウス

『才能』
???

[メビウスの輪]
向き付け不可能性帯が触れたあらゆるエネルギーを吸収する。
しかし、エネルギーの排出機能は無く、帯の中でエネルギーが対消滅を繰り返している。

〈小話〉
習得にあたって、少し苦労した経験が。
向き付け不可能性帯…即ちメビウスの輪の形に帯を操る形があり、『進化論』など身体変化系の才能と一緒にコネコネする事でようやく習得に漕ぎ着けた才能。
一人“無敵の盾”パーツその2

[人名]

柳生十兵衛

『才能』
???

[一寸の極み]
視覚限界使用の才能。mm単位で周囲を認識し、全ての動きがスローに見える。

〈小話〉
セイはこの才能を習得するにあたって毛嫌いしていた才能に手を出す事になったためにあまりいい印象がない。
しかし単純故に小回りが効き、扱い安く重宝してもいる。
一人“無敵の盾”パーツその3

パーツ4は“あの才能”…?
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