ロストマジシャン   作:浮雲のソル

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第5話 喪失

「メルネスの娘がいません!」

 

 

山賊のアジトの方で兵士の声が聞こえた。

 

 

カッシェル「チッ・・・いくぞアージュ」

 

 

アージュ「しょうがないなぁ。運がよかったね君たち」

 

 

アージュはリグイを鞘に納め、カッシェルと共に山賊のアジトへ向かって行った。

 

 

ジャン(運がよかったか・・・・気に食わないけど、あいつの言う通りだ)

 

 

ウィル「ジャン、無事か?」

 

 

ジャン『僕は大丈夫です。でも、クロエが』

 

 

ジャンは倒れているクロエを見る。

 

 

ウィル「少し気を失っているだけだな。俺はセネルを治療してくる」

 

 

ジャン『分かりました』(魔星刀リグイ・・・・まさかこんなところで見つけるなんて)

 

 

クロエ「はっ!」

 

 

気を失っていたクロエが目を覚ました。

 

 

ジャン『クロエ、大丈夫?』

 

 

クロエ「ああ、・・・・あの男は!?青黒い刀を持った男はどこだ!?」

 

 

ジャン『お、落ち着いてクロエ。僕たちどころじゃなくなったみたい』

 

 

ジャンは山賊のアジトの方を見る。

するとクロエは謎の軍隊が集まっている山賊のアジトへ向かおうとした。

 

 

ジャン『クロエ!行っちゃだめだ!』

 

 

クロエ「私はあの男に聞かなきゃならないことがある!」

 

 

ウィル「バカ者!よく考えんか!得体の知れない連中に無防備につっこむなど!」

 

 

ウィルもクロエを止めに入る。

 

 

ジャン『今はシャーリィを助けることを優先しないと』

 

 

クロエ「・・・・クローロの言うとおりだ。分かった」

 

 

セネル「う・・・・」

 

 

ウィル「気がついたか」

 

 

セネル「シャーリィは!?」

 

 

ジャン『アジトにはいないみたい。あいつらが引くまで今は待とう』

 

 

ウィル「そうだ。次にあいつらに会ったら、殺されると思ったほうがいい」

 

 

 

 

 

ジャンたちが山賊のアジトにいる謎の軍隊の様子を見ていると

アジトの奥から金髪の少女が出てきた。

 

 

シャーリィ「待ってください!わたしがメルネスです!」

 

 

セネル「シャーリィ!」

 

 

セネルは山賊のアジトへ飛び出そうとするが

 

 

ウィル「待てセネル!今出て行っても何もできん!」

 

 

セネル「待てるか離せ!」

 

 

ウィルがセネルを止める。

 

 

「ほう・・・・自ら名乗ったか」

 

 

アジトの方ではひとりの男が現れた。

 

 

「ヴァーツラフ将軍閣下に敬礼!」

 

 

その場にいた兵士たちが全員敬礼する。

 

 

クロエ「ヴァーツラフだと!?クルザンド王統国の第3王子じゃないか!」

 

 

ジャン(あれ?今度は左目が疼く・・・・まさか!?)

 

 

ジャンはヴァーツラフが装備している籠手を見る。それはとても青黒く禍々しい物だった。

 

 

ヴァーツラフ「他人を助けるためとは、さすが行動がよく似ている!」

 

 

シャーリィ「に・・・・似てるって・・・・誰に?」

 

 

ヴァーツラフ「貴様の・・・・姉だ」

 

 

セネル「ヴァーツラフ!」

 

 

セネルは一目散にヴァーツラフのもとへ飛び出した。

 

 

ウィル「バカ者!」

 

 

セネル「ヴァーツラフ・・・・お前だけは!」

 

 

セネルはヴァーツラフに殴り掛かるが、簡単に受け止められてしまう。

 

 

シャーリィ「お兄ちゃん!」

 

 

セネル「このっ」

 

 

セネルは再びヴァーツラフへ向かうが複数の兵士に取り押さえられてしまう。

 

 

クロエ「何を考えているんだあいつは!考えなしもいいところだ」

 

 

アージュ「あれれ?君、さっきカッシェルにボコボコされたネズミじゃん」

 

 

カッシェル「先日の件でこいつがメルネスを連れて逃げ出したと思われます。始末しておいたほうがよろしいかと」

 

 

ヴァーツラフ「そうか・・・・アージュ」

 

 

アージュ「はい」

 

 

ヴァーツラフ「殺れ」

 

 

アージュ「ご命令とあらば」

 

 

アージュはリグイを抜き、セネルに向ける。

 

 

シャーリィ「やめて!」

 

 

アージュがリグイをセネルに振り下ろそうとしたとき

 

 

「ガウッ!」

 

 

一匹の魔獣がアージュに飛びかかり

 

 

「こんのやろうっ」

 

 

山賊たちが一斉に暴れだした。

 

 

ウィル(今だ!)

 

 

「武器が凍ったぞ!」

 

 

ウィルが氷の爪術を使い、兵士の武器を凍らし、隙を作る。

その隙にセネルは兵士に蹴りをいれて脱出した。

 

 

セネル「シャーリィ!」

 

 

ウィル「来いセネル!逃げるんだ」

 

 

セネル「邪魔するな!」

 

 

ジャン『ちょっとごめんよ』

 

 

ガンッ

 

 

セネル「グッ!」

 

 

ジャンはセネルの後頭部をステッキで叩き気絶させた。

軍隊と山賊が乱戦になっているうちにジャン、セネル、クロエ、ウィルはその場から去った。

 

 

アージュ「あーあ、殺し損ねちゃったよ」

 

 

カッシェル「これ以上の長居は無用かと」

 

 

ヴァーツラフ「そうだな。メルネスを手に入れ、この魔星拳ニッドがあれば・・・・くっくっく・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

水晶の森

 

 

 

ジャン『誰も追ってきてはいないですね』

 

 

ウィル「ここまで来れば大丈夫か・・・・」

 

 

セネル「シャーリィは!?」

 

 

ウィルに抱えられていたセネルが目を覚ました。

 

 

クロエ「連れて・・・・いかれた」

 

 

セネル「早く助けないと!」

 

 

ジャン『もちろんそのつもりだよ。でも』

 

 

ウィル「セネル、お前はついてくるな」

 

 

セネル「は・・・・」

 

 

ウィル「お前は感情的に行動しすぎる」

 

 

セネル「何を言って・・・・」

 

 

ジャン『はっきり言ってあげるよ、君は足手まといなんだよ』

 

 

セネル「な・・・・」

 

 

ウィル「行くぞジャン、クロエ」

 

 

ジャンたちはセネルを置いて去っていった。

セネルはジャンたちの背中を見ることしかできなかった。

 

 

To be continued

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