「みんな〜!!」
世界最大規模の動画投稿サイトPokeTubeに1つの配信動画が上がった。
「この地方はおしまいで〜す!!」
まるで正気を失ったかのように狂気的な笑みを浮かべながら叫ぶ投稿者。
彼の背後に映し出される光景はまさに地獄絵図だった。
空一面に広がる巨大なウルトラホール、そこから湧き出す異世界からの侵略者に、かつてガラルで起きたブラックナイトを再現するかのように、ダイマックスした野生ポケモンが凶暴化し暴れ回る。
さらには全てを焼き付くさんと照りつけるような日照りに全てを呑み込まんと降り注ぐ大雨が二つに分かれ拮抗し合う異常気象。
見たこともないポケモン達がそこに住む人とポケモンを襲う。
さらにはそこら中に時空の歪みが発生し、未来や古代のポケモンが流れ込み暴れ回っている。
こんな中で正気を保っていられる方がおかしいのだ。
そんな投稿者にも1匹のポケモンが襲い掛かる。
筋骨隆々な赤い身体をした異形のポケモン。
狂ったように配信を続ける投稿者に一瞬で近づき腕を振り上げる。
「ボスゴドラッ!りゅうのはどうッ!!」
間一髪、拳が振り下ろされる寸前に横槍が入る。
吹き飛ばされたウルトラビースト、マッシブーンは吹き飛ばされながらも宙で羽を動かし体勢を整え、横槍を加えた下手人を睨む。
「もう一度りゅうのはどうッ!!」
時間は与えない。直ぐ様第2射を放つように指示を出し、白いマントをはためかせる男は騎士のような装いをした青年。
名はカイラ、このエスパニ地方のチャンピオンである。
青年の横で四足でどっしりと構え、背にある巨大な砲門を向けりゅうのはどうを放つのはエスパニ地方特有のリージョンフォームのボスゴドラ。
マッシブーンは放たれたりゅうのはどうを躱しながら突貫する。
すかさずカイラはボスゴドラとの間に滑り込むように入り込み、マッシブーンから放たれたばくれつパンチをアッパーの要領で上に受け流す。
「メタルキャノンッ!!」
明確に出来た隙にボスゴドラのメタルキャノンがマッシブーンに撃ち込まれる。砲門から放たれた鋼のエネルギーの塊は、ウルトラホールへ向けてマッシブーンを吹き飛ばした。
それを確認したカイラは振り返り、投稿者の方へ駆け寄る。
「おい!何してる!?早く避難しろッ!!」
「避難〜?何処に?俺たちはここで死ぬんだよ?きっと時期にこの地方だけじゃなく世界中に広がるんだ。逃げ場なんてあるものかァアッ!!
ほら、空を見なよチャンピオン、その前に星が終わりそうだよ!アハハハハハハッ!!」
完全に壊れた投稿者は空に指をさしながら笑う。
それに視線を向けるとそこには…
「隕石…!?」
宙に存在するウルトラホールの遥かに上空。ムゲンダイナが悠々と泳ぐ様に飛んでいる宙よりも更に上、宇宙から巨大な隕石がこの地へ迫っていた。
「この世の終わりだァー!!」
喚く投稿者尻目にカイラは口に指を当てて指笛を鳴らす。
それに反応し、次々と野生のカイリュー達が続々とカイラの周りに集まってきた。
このカイリュー達は、元々この地に住んでいたポケモンであり、この非常事態に力を貸してくれている大切な仲間である。その数は凡そ20匹程。
「はかいこうせん!!」
その20体による同時に放たれたはかいこうせん。それはしばしの拮抗の後、隕石を粉々に粉砕した。
そしてその中から、自身の居場所を破壊され憤怒するポケモンが姿を現した。
「デオキシス…だと!?なぜこのタイミングで!?」
怒り狂うデオキシスは、より攻撃に特化したフォルムに姿を変え、複数の触手にサイコパワーを集め、自らの住処を破壊したカイラとカイリュー達に狙いを定める。
「………ッ!!」
「ハイドロカノンッ!!」
しかしデオキシスのサイコブーストが放たれることは無かった。
デオキシスは怒りで我を忘れていたにも関わらず、無意識に生存本能が警鐘を鳴らし、寸前のところで丸みを帯びたフォルムに変化し、凄まじい火力を誇る猛火と激流を防ぐ。
「レッドさん!グリーンさん!」
デオキシスを攻撃したのはレッドとグリーンのリザードンとカメックスだ。
カントー地方の殿堂入り者にして世界からレジェンドと言わしめるカントー地方最強戦力。彼らはカントーリーグからの救援要請でこの地方に訪れていた。
「カイラはウルトラビースト達を頼む!コイツはアイツらに任せるッ!」
次の瞬間、さらにデオキシスが龍のエネルギーと共に弾き飛ばされる。それに追撃をかけるようにガリョウテンセイで突撃する緑色の龍、レックウザ。
それに跨る1人の青年。ホウエン地方チャンピオンのユウキ。
それを追従するかのように紫のジェット機のような姿をしたポケモン、メガラティアスにメガラティオス。
メガラティアスにはオダマキ博士の娘にして殿堂入りを達成したチャンピオンの好敵手のハルカが跨っていた。
「よし、これなら何とか…!!」
遠くには虹が出る。そこに虹色のポケモンが姿を現し、三犬を引き連れムゲンダイナに行進する。
ガブリアスがウルトラビースト相手に空中をマッハで飛び回る。生まれたソニックブームが次々とウルトラビーストを切り裂いていく。
メタグロスとオノノクスが未来を撃ち抜き古代を潰し、荒れ狂うポケモン達を鎮圧していく。
キョダイマックスしたリザードン、アップリュー、カジリガメ、マルヤクデ、カイリキー、ブリムオン、セキタンザン、ジュラルドンがダイマックスで暴走したポケモン達を打ち倒していく。
僅かに生まれた希望…
直ぐにひび割れる。
空が割れる。新たにウルトラホールが開いたのだ。
更なる伝説のポケモン達がエスパニ地方に舞い降りた。
皆正気を失い暴れ回る。
ウルトラネクロズマ…かがやき様が降臨し、ウルトラホールの数が莫大な量に増えていく。。
破壊の化身、イベルタルが次々とエスパニ地方の生命を奪い取っていく。
別個体のレックウザが乱気流を起こしあらゆるものを吹き飛ばす。
空間の神、パルキアが空間を乱し数多の平行世界を紡ぐ。
時の神、ディアルガが時間を乱し様々な時代が混濁する。
守護者であるはずのギラティナが役割を忘れ怒りのままに現世を乱す。
キュレムはかつての姿を取り戻し、周りを全て凍てつかさんと冷気を発する。
ヒードランはひのたまプレートを吸収し、全てを燃やし尽くしながら地や山を這い回る。
伝説のポケモン達がムゲンダイナの影響でダイマックスし、ディアルガの影響でグラードンとカイオーガは原始に還る。
悪い話だけでは無い。
まず秩序を守るために監視者のジガルデが顕現した。
トモダチを守るために英雄が立ち上がった。
平行世界からウルトラホールを通じてやって来た来訪者が力を貸した。
傷を負う前の巨人が世界の為に動き始めた。
ガラルの英雄が2人、再度ブラックナイトに立ち向かった。
海の神であるルギアの名のもとに祖の三鳥が集った。
エムリット、ユクシー、アグノムが三神を止めるために降臨した。
ありとあらゆる地方の実力者達がこの地方に集結した。
だかそれでももう…
逃げ惑う人やポケモンに踏み荒らされた花畑。
荒れ狂うポケモン達に破壊された建物。
干上がった大地に、激流に全て流された街。
伝説のポケモン達の攻撃の余波で抉られた大地。
草の根も何も無いこの地方は…
もうどうしようもなく、終わっていた。
ボスゴドラ (エスパニのすがた) 鋼・地面
特性 メガランチャー・頑丈 夢 アーマーオフ(登場したターンにS一段階上昇にBD一段階ダウン)
通常のボスゴドラが密入国してきたデカヌチャンに絶滅させられかけた頃から姿を現し始めた。
デカヌチャンを見ると、仲間の仇とばかりに怒りのままに蹂躙する。
背中の砲門は遠距離からデカヌチャンが近づき何かをする前に仕留め切れるようにするために生えてきた。撃ち出される鋼のエネルギーは食べた鉱石から抽出されている。
デカヌチャン(エスパニのすがた) 鋼・フェアリー
特性 かたやぶり・頑丈
パルデア地方から人間の手により渡ってきた。アーマーガアのいないエスパニにおいて、武器となるハンマーの素材はボスゴドラの鋼が好みらしく、1度絶滅寸前まで追い詰めた。
近代でも1匹になったボスゴドラを罠や搦手を使い複数匹で狩りをする。
その身に纏うボスゴドラの鋼で出来た甲冑はボスゴドラの砲撃を受けても壊れないほどに頑丈。