投稿が遅くなってしまいました。
今度こそ早く投稿します。
軟体暦2025年6月16日 オクタリアン領 蛸足地方 連合軍 第542ミサイル連隊 指揮車
第542ミサイル連隊は、作戦日時に合わせハイカラシティへ攻撃を仕掛ける準備を行っていた。
今回の作戦では、まずミサイル連隊が先制攻撃を行い次に歩兵連隊とオクタリアン軍主力部隊でシティ全域を制圧するというものであった。
準備する彼らの手には現代と比べると先進的なデザインの銃が握られていた。
国連軍兵士の主力小銃は、20mmライフルであるU21を30年近く前から採用している。
このライフルは、エネルギー弾を使用するため物理弾よりも多くの弾を持ち運ぶことができるほか毎分940発以上もの弾を発射できる高性能な小銃であった。
近年では、最新式の開発が目立ち始めておりU21が旧式になる日も近いとされている。
「まったく、上層部も人使いが荒いな。ミサイル連隊なんざ他にもいるだろうに、」
「仕方ありませんよ、他の部隊は国内の防衛に割かれていますし、」
「それに、ラエントの一件からシャケ?の襲撃も絶えませせんしどうにもなりませんよ」
ラエントへのシャケ襲撃事件から毎日のように現れるようになり、そのたびに高速が封鎖されたり避難命令が出たりと海岸部は危険地帯となってしまった。
シャケはたちは、今のところラエント諸島にしか上陸していないが、いずれは他の島や大陸にも上陸するだろうと予測されている。
そして、現在のラエント諸島は海岸部に近づけばそこかしこでパトカーのサイレンや銃声、怒号などが聞こえる、もはや戦場と化していた。
ラエント諸島には、全体の8割を超える上陸場所が存在している。
スーパービーチだ。
スーパービーチはラエントで4番目の人口を誇る大都市であり、毎年長期休みに入ると、大勢の人々で賑わう場所として国内では有数の観光スポットとして有名であった。
しかし、転移以降『非常事態宣言』やシャケなどの襲撃も相まってかつての面影はなくなりつつある。
シャケの中には空跳ぶ者も多くいるためミサイル連隊を使わざる終えなかったのだ。
時刻を確認した指揮官は、部下に指示を出す。
「そろそろ時間だな、よし予定通りデストロイヤーミサイルを発射する」
「目標ハイカラシティ、照準合わせ完了」
「オクタリアン軍部隊の配置も完了です、」
「ついに来たか、発射!」
指揮官の合図とともに、計40輌のイマン型車両から発車されるデストロイヤーミサイルはハイカラシティへと向かい飛翔を始める。
数分後、偵察機は破壊の限りを尽くされたハイカラシティを上空から撮影した。
後の歴史では『ハイカラ爆撃』と呼ばれる攻撃である。
◇◆◇◆
ハイカラ地方 ハイカラシティ 首都軍 第18師団
第18師団はイカ軍の中でも精鋭であった。
20分ほど前に起こった爆撃でも冷静に対処し、多くの市民を救助しているのだから。
もっとも精鋭なのは彼らだけではない、首都警察の第2武装隊であったり、新カラストンビ部隊第1師団、救助隊などの活躍も著しい。
「くそ、一体どうなってんだ?これ全部インクじゃないぞ?」
「火薬式ミサイルでしょうね、我が軍にもミサイルはありますが、あれはインク式です」
彼らは、空から信じられないような速度で飛翔してきたデストロイヤーミサイルの残骸を見ながら自分たちの兵器との違いを比較する。
2年前から始まった兵器改革により、従来のインク式銃とともに火薬式銃も新たに開発されるようになった。
とは言っても、基本的には新カラストンビ部隊以外で配備されているのは軍や警察でもごく一部の者達だけではあるが。
これは、新カラストンビ部隊が制圧したオルタナやクマサン商会、ネル社から発見された旧人類の兵器から得たものだった。
開発当初こそ当時の政府からは「威力が高すぎて環境に影響を与えるだけの無用な長物」と吐き捨てられていたが、数ヶ月が立ちその有効性の証明や新カラストンビ部隊支配下の海洋軟体党が世界の支持を得ると人々は現政府よりも彼らを指示するようになる。
与党に君臨する頃には政府も国民も世界も何もかもが塗り替えられていた。
決して逃げることはできない闇に落ちたのだ。
ニンゲンの兵器を発見しそれを複製することで自分たちは無敵だと知らず知らずのうちに思い込んでしまった。
だが、それも、、、
「おい、あっちで銃声が聞こえるぞ!!」
「マジかよ!もう来たのか!?はやすぎだろ、」
第18師団と第1師団、第2武装隊は連合軍の襲撃に応戦しようとそれぞれの武器を構える。
相手はオクタリアン、であるならば主力武器はインク式であるはずだ。
彼らは、出てきたオクタリン兵にインクや弾丸を打ち込む。
しかし、インクや弾丸がタコゾネスに当たる前にすべてがはじかれる。
「なに!?ビーコンだと!?まさか、バトル以外で利用するとはな、」
ビーコン発動中は直接中に入り込むか上部の装置を破壊又は時間切れにならない限りは弾をはじいてくれるのだが、所詮はバトル用でしかなく大した性能はないのだ。
従って、バトルエリア以外では都市部ならともかく、平坦な土地なら攻撃が集中してしまいすぐに使えなくなってしまう。
迷彩模様のインクを出す第18師団、青いインクを出す第2武装隊、黄色いインクと銃弾を撃ち続ける第1師団。
一見すればオクタリアン軍の方が不利に見える。
だが、オクタリアン軍の歩兵達は何事もなかったかのようにバリアを作動させ続けていた。
「何故だ!?バリアが壊れないだと?」
「敵上空からも多数接近!」
「我々の攻撃は大して効いてないぞ!」
第1師団の放つ銃弾以外では、全くと言っていいほど無被害であった。
「ぐっ!足がぁぁ、」
「おい!大丈kっ」
足に弾が被弾し動けなくなった者を助けようとした大尉の頭部にも弾が命中。即死だった。
ここは、バトルエリアじゃない、市街地だ。
当然、スポーンパットも無ければリスポーンなど出来るわけがない。
それは、かつてのヒーロー達でさえ体験したことのない恐怖がそこにはあった。
この一方的な戦闘を見た多くのイカ軍兵士や武装隊隊員は逃げ出し統率がとれなくなっていった。
混乱はますます広がり、彼らは急激に前線を崩されてしまうことになる。
都心へと突入した連合軍は主要官庁の制圧へとかかり多くの武装勢力の抵抗を受けながらも徐々に大統領官邸と首相官邸が建っているグリーンムールへと迫まっていた。
それは、バンカラの地でも同じ事であった。
『バンカラ地方で武装蜂起、イカ軍兵士も多数参加か!?』
『本日正午頃、バンカラ地方を中心とする『すりみ連合』が主催するバンカラジオにおいて、イカ軍将校が登場。将校によると、『我々は、イカ国から度重なる経済支援を要請していた。しかし、彼らはその要請を蹴り我々に兵力の供述を要求した。それだけではない。我々は元々バンカラ連合と言う独立国としていたにも関わらず、大ナワバリバトル開戦を口実に強制的に併合したのだ。これは、許されざる暴挙であり判断であった。そして今回の開戦。もはや、我々はイカ国の傀儡になるつもりはない。すでにバンカラ地方の県知事には話を通してある。ただいまを持って我々バンカラ地方は複数の県知事の署名の元イカ国から離脱しバンカラ共和国の建国を宣言するとともにイカ国に対して宣戦を布告することを決定した。これは即座に有効となる。地方の皆様にはご迷惑をおかけしますが、どうか我々バンカラの為にご協力をお願いいたします』と独立と宣戦布告を行いました。バンカラ地方は100年以上前からイカ国の有数の地方であるので今回の独立による損害は著しいものとされています。勝のは、国連・オクタリアンとバンカラか、それともイカ国か』
シオカラ新聞
『我々を倒しても、必ず同じ思想を持つ者が政権を奪いにくるだろう』
ー1945年 メルテ・ラクナ ー