終末のワルキューレvs若き戦士達   作:ちいさな魔女

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OP:『uni-verse(オーイシマサヨシ)』


雷の戦士VS絶剣の少女

700万年続く人類の歴史が、今、終わりを迎えようとしていた。その原因は、核戦争でも、隕石の衝突でも、地球外生命体の侵略でも、魔法戦争でも、パンデミックでも、異種族との抗争でも、無い。

 

人類は今。

 

他ならぬ人類の創造主。

 

“神”の意思によって、“終末”を迎えようとしていた。

 

ーヴァルハラ評議会・議事堂ー

 

???「い、いよいよっスね…お姉さま……!」

 

『北欧神話:ワルキューレ13姉妹・末妹(まつまい)ゲル』

 

???「…………」

 

『北欧神話:ワルキューレ13姉妹・長姉(ちょうし)ブリュンヒルデ』

 

???「ブリュンヒルデ。どうするつもりだ?神々の会議にわざわざやって来るという事は、何か考えがあるって事で良いんだな?」

 

『Undertale:サンズ』

 

青いジャージを羽織るスケルトンが、ブリュンヒルデに尋ねる。

 

ブリュンヒルデ「ご安心を。私には考えがあります」

 

サンズ(全世界の神々が揃うこの会議………圧巻の光景だな)

 

ゲル「凄い光景ッスね。ヒルデ姉さま」

 

ブリュンヒルデ「……………」

 

そして、神々は会議を開く。議事堂の中心には、ドラゴンが寝ている玉座があり、其処に1人の老人が座っていた。ドラゴンの口元を撫でながら、老人は言葉を放つ。

 

???「では皆の衆。前回からはや1000年が経った。例の会議を始めるぞい」

 

『ギリシャ神話:ヴァルハラ評議会議長・ゼウス』

 

此れから開かれるのは、1000年に一度、全世界の神々が一堂に会し開催される、“人類存亡会議”である。つまり、神々によって人類がこの先1000年もの存続が可能かどうか判決が下る。

 

ゼウス「問おう。人類に次の1000年の存続を『許す』か?それとも『終末を与えるか』?神々の意思を示せ」

 

ゼウスの言葉はしわがれているが、神々のトップとしての威厳と強さ、そしてその身に秘めた圧倒的な力が込められていた。

 

神々は冷や汗を流しながらも、人類の存続を話し合う。

 

一番最初に意見を出したのは、甲殻類と巻き貝が合体したような甲羅を頭に被り、無数の触手を殻から伸ばして体に巻き付かせている少女だ。殻の両端からは蛇の頭部が生えており、蛇達は意思があるようで時々鳴いている。両手は伸縮自在でハサミのような手袋を付けている。髪の毛も自由に動かすことが可能で髪先は殻と同様に紫色の花柄が浮かんでいる。

 

???「ほろぼしたーい!人類のぜつぼーした顔がみたいの!はやくぶっ殺して泣かしてわめかせて、光なんて消しちゃお!ぜつぼーさせよー!!ウキウキワクワク!はやくやろーよー!!」

 

『ウルトラマンティガ&ウルトラ怪獣擬人化計画:邪神ガタノゾーア』

 

ガタノゾーアは早く人類を滅ぼしたくてたまらない。

 

ゲル「そ、そんな滅茶苦茶な………」

 

同情の余地すらない、あまりにも理不尽な動機。

 

???「ガタノゾーアみてぇに苦しませるこたぁねえよ。一瞬でサクッと壊せば良いんだよ。人類なんかそれだけで終わりだ」

 

『インド神話:破壊と創造の神シヴァ』

 

シヴァ「つーかよぉ。この1000年見てきたけどさ。人類何度も同じ事繰り返すしよぉ。反省するような事言っておきながら同じ事繰り返してんだぜ?サクッと破壊して今度は虫共進化させようぜ。彼奴等のほうがよっぽどお利口さんだぜぇ」

 

シヴァの言葉に次々と人類存続に反対する神々。

 

日本神話の神々『その通りだ!』

 

北欧神話の神々『奴等は害悪!』

 

インド神話の神々『人類は救いようがない』

 

ケルト神話の神々『もう滅ぼすか』

 

クトゥルフ神話の神々『………………』

 

そして、更に追い打ちを掛ける女神達。

 

???「シヴァ様の仰る通りです。人類は美しい世界を汚し続け、挙げ句には同胞すらも蔑んでます。海は油とゴミに汚染され、豊かな森は減り続けるばかり。最早彼等は地球どころか世界を蝕む寄生虫…………いえ、寄生虫以下の害悪とでも言うべきでしょうね」

 

『ギリシャ神話:美の女神アフロディテ』

 

従者達に重い胸を下から支えてもらい、蹲る従者の背中に座るアフロディテは、端末に映る地球の荒廃し汚れた自然、そしてイジメや虐待、戦争に差別の光景を見て蔑みの目線を向ける。

 

???「そうよね。自らが産んだ子供達を苦しめ、自然だけでなく自分達の住む街も汚しておきながら、反省もせずに悲劇を繰り返すだけ。挙げ句の挙げ句には体が大きくて建物を壊したりする理由で、星に元から暮らす怪獣をも平気で殺して行く。もう人類は世界に不要よ。正義?平等?慈愛?救済?人類はそんな理想論を掲げて来たけど、不義や不平等、堕落や暴力の間違いではないかしら?というわけで、シヴァ様の言う通りサクッと破壊する方でも良いし、ガタノゾーアが言ったように苦しませながら終わらせるのも良いわ」

 

『北欧神話:美と豊穣の女神フレイヤ』

 

???「そうよねん。流石の私も、もう養護は出来ないわ。“地球”の私も嫌気が差してるし、“月”の私も既に見捨てる気満々よ。ゴッサムや神室町だけでなく、汚職や堕落、悪逆無道、差別、無関心が蔓延る文明も増えて来たわね。良い人間や強い人間が居るのは知ってるし悪党の中には仁義を通す者も居るけど、だからって暴虐を見逃すなんてしないわ。時に割り切る必要があるわよん」

 

『東方Project&ギリシャ神話:地獄の女神ヘカーティア・ラピスラズリ/ヘカテー』

 

それを見ていたゲルは、驚く他無かった。まさか親しみやすいヘカーティアからそんな言葉が出るとは思わなかったからだ。

 

ゲル「ヘカーティア様………」

 

次々と人類存続に反対する神々。

 

しかし、全員が反対した訳では無い。

 

???「それでも……私は人類滅亡に反対です!!」

 

それは、白と桜色をベースとしたドレスを身に着けた少女で、ピンク色の明るい髪が特徴的で、白いリボンでツインテールにしている。

 

『魔法少女まどかマギカ:鹿目まどか』

 

ゼウス「ほう。その理由を聞こうじゃないか」

 

ゼウスがまどかに問い掛ける。まどかは臆さず答える。

 

まどか「私は嘗て人間でした。確かに人間の中には救いようのない人達も居ます。私だって鈍臭くて、弱虫で、役立たずで、なんの取り柄もない人間でした。ですが、その中には必死に毎日を生きて、病に苦しむ人達やその人達を救おうとする人々も居ます。もし此処で人類を滅ぼしてしまったら、その人達の頑張りも無駄になってしまいます!それに、誰かのために何度も泣いて、傷ついて、それでも誰かの為に必死で頑張る人も居ます!嫌な事も悲しい事もあるかもしれないけど、それでも皆、頑張って生きてる!そんな人達が居るなら、私は人類を何度でも信じます!!」

 

まどかは人類存続に賛成する『○』の札を掲げた。

 

それに対して、ある神の両肩に一匹ずつ留まる二匹のワタリガラスが返事を返す。

 

???『随分物を言うようになりましたね。まどか』

 

???『けっ!元々人間だからそんな事が言えんだよ!』

 

???「………………」

 

『北欧神話:オーディン、オーディンの白鴉フギン、オーディンの黒鴉ムニン』

 

まどか「じゃあフギンとムニンは人間と直接お話ししたことはあるの?触れ合った事は?共に過ごした事はあるの?そんな事もしてないのに分かったつもりにならないで」

 

フギン『ハッ!何を言うかと思えば?』

 

ムニン『人間なんかと話す事なんてねぇよ!』

 

フギン『話してどうなると言うのです?人間が我等の言葉に聞く耳を持つわけがない!今更彼等が我等神々の言う事を聞くとでも?』

 

ムニン『んなわけねぇだろ!話したって無駄だ!というか、オメェの親友だって言葉すら届かず“魔女”になっちまったじゃねえかよ!!』

 

まどか「っ!」

 

まどかは拳を握る。その事はまどかの中でも、トラウマになっていた。ショックなのは変わらない。忘れたくても忘れられない。

 

それでも、まどかはへし折れない。忘れない。それを忘れてのうのうと生きるなんてしたくない。

 

何故なら自分は、神である以前に魔法少女だ。夢と希望をもたらす存在。ならば、突き進む。それがどれだけ、苦しい道だとしても。

 

まどか「でも、その人は私を信じてくれた!私の友達でいてくれた!なら私は………何度だって信じるよ!私は、人類存続に賛成します!!」

 

フギン「っ!言うじゃありませんか!」

 

ムニン「大したもんだぜ……」

 

フニンとムギンは、まどかの決意の顔を見て後ろへ退いた。オーディンはまどかを見て笑みを浮かべる。久しく見る強き者の顔に、オーディンも興奮を隠せずに居た。

 

全員が賛同しなかった。満場一致でない以上、人類の完全な滅亡は間逃れられる。しかし、それでも人類存続に反対する神々が多い以上、人類の滅亡は避けられない。

 

ゲル「まどか姉さま……!」

 

サンズ「やるな」

 

それでも、ゲルは嬉し涙を流し、サンズはまどかの言葉に感心する。

 

ブリュンヒルデ「まどか様の仰る通りです!」

 

ブリュンヒルデは前に出る。本来なら神々が全員人類存続に反対した場合に止める手筈だったが、まどかの勇姿を見て決意を決めた。

 

神々は会議の場に乱入してきたブリュンヒルデに注目する。

 

ブリュンヒルデ「確かに人類の暴虐は目に余ります。しかし、ただ滅ぼすのはあまりにも芸が無い。いかがでしょう?次の1000年を存続する価値があるかどうか、神々の慈悲と神威を見せつけつつ、彼等人類を試してみては」

 

まどか「ブリュンヒルデさん………」

 

まどかはブリュンヒルデを見つめる。

 

ヘカーティア「へぇ〜。まあ最近退屈してたから、肩慣らしに丁度いいと思ってたのよん。で、何するの?」

 

ブリュンヒルデ「『神VS人類最終闘争(ラグナロク)』」

 

神々『『『…………ハッ?』』』

 

サンズ「何だそりゃ?」

 

ブリュンヒルデ「ヴァルハラ憲法第62条15項に定められた、超特別条項。神と人類による、タイマンです!」

 

ブリュンヒルデのその言葉に、神々は失笑していた。何故ならそれは、神々の戯れとして制定された超法規的条項なのだ。

 

17対17で行われ、先に9勝した方が勝利。人類が9敗すれば滅亡確定。万が一人類が勝利すれば1000年の生存が許可される。

 

そんな法は人類誕生以来、一度も適用されたことはない。

 

何故ならば………()()()()()()()()()()()()()()だからだ。

 

嘲笑う神々。ヘカーティアは何も言わないが、流石に無理があると思っていた。

 

フギン『ハッ!何を言い出すかと思えば!』

 

ムニン『人間なんか神の敵じゃねーよ!』

 

フギン&ムニン『『やるだけ無駄だ!!』』

 

しかし、ブリュンヒルデは神々にある物を見せる。端末を取り出し、画面を操作してある映像を神々に見せる。

 

ブリュンヒルデ「皆様はこう思っておりますね?『人間なんて神に勝てる筈が無い』と。此れを見てもそう思われますか?果たして本当に、人間は神に勝てませんか?」

 

ブリュンヒルデが見せた映像。神々は笑いながら映像を見つめる。

 

しかし、数分が経過した頃だった。神々の顔が曇り始める。中には驚くあまり目を見開いたり、言葉を失っていたり、感心したり、「たかが人間の分際で!」と悪態をついたり、「やるわね」と称賛を送ったりと、神々の反応は千差万別だ。

 

それは、様々な世界において、神と人間が戦い、人間が勝利した闘いの映像だ。

 

ある世界の人間は、クラスメイトと共に異世界へ召喚されるも、裏切りに遭って奈落に落ち、愛する者と共に這い上がって神を撃ち倒し、元の世界へ帰還を果たす。その時に出来た愛する女達と共に。

 

ある世界の人間は『盾の勇者』として召喚されながら、裏切りに遭って苦しませられながら、仲間と共に名誉を取り戻して全ての元凶である女神を倒した。

 

ある世界の人間は地球の怒りたる怪獣によって生き残った人類と共に宇宙へ追い出され、それでも復讐と共に生きて、ナノメタルで構成された鋼の神を、エクシフが信仰する星を喰う者たる神を間接的に無力化し、因縁の怪獣に倒させる。そして最後は、全てに決着を付ける為に因縁の怪獣へ向けて特攻を仕掛けた。

 

ある世界の男は、神にも等しい宇宙の力を得た男と一時は互角に闘うも、リミッターが外れた事で無限の成長性を得た事で強くなり、その男を打ち倒した。

 

ある少女達は“勇者”となり、世界を脅かす存在と闘い続けた。しかし、世界の真実に気付いて自らを犠牲にしようとしたが、最後は人として生きる事を強く望み、その拳を持って天の神を殴り砕き、世界を救った。

 

シヴァ「おいおい、マジかよ~!」

 

アフロディテ「まあ、なんて素晴らしい♥」

 

ヘカーティア「へぇ〜。人間も捨てたものじゃないのね」

 

しかし、ほむらのようにまどかの力を奪い取って最悪なハッピーエンドに変えた映像もある。

 

まどか「ほ、ほむらちゃん………」

 

まどかとしては複雑な気持ちである。

 

フギン『に、人間が神を倒してる!?』

 

ムニン『馬鹿な!?そんな事ありえねぇよ!?』

 

ブリュンヒルデ「有り得ない……なんて事は有り得ない。仲間を欲し、自らの矜持を強く持った『強欲』な方の言葉です。どうです?此れでも、人類が神に勝てないと、言い張るおつもりですか?」

 

映像を観ていた神々は話し合う。信じられない光景が続いたが、それでも映像には事実しかない。

 

ゲル「凄い………」

 

サンズ「まあ、俺も知ってるぜ。神を力ではなく説得して分かり合わせた、そんな少女をな」

 

サンズの記憶にある、中性的な少女。彼女がモンスターを地下から解放し、人間との共存を見つけ出してくれた。しかし、1人の尊い存在を失った。それが誰かは言わないが。

 

ゼウス「フォッフォッフォ〜。此処まで来ると、流石に尊敬に値するわい。ブリュンヒルデよぉ………中々面白い提案を持って来てくれたのぅ?」

 

ゼウスがブリュンヒルデに向ける視線。それは、怒りではなく尊敬の眼差しだった。ブリュンヒルデとしてはゼウスがこの提案を出した自分に敬意を持った事に、意外性を感じなかった。

 

ブリュンヒルデ(神々は人間よりもキレやすい。それは神々が元来傲慢で強欲で、時に怠惰で、嫉妬深くて多く食べ、時にダラダラする種族。だからこそ、このような情報に興奮すると信じておりました!口では馬鹿にしつつも、この様な形とはいえ挑戦したいと願えば、受けてくださると信じておりました!)

 

ゼウス「のぉ〜!!!お主等も見たくは無いかのおおおおおおぉぉぉ!!神々の威光を!!暴力を!!雷を!!」

 

神々『『『そうだ!!!』』』

 

シヴァ「面白え!!面白えなおい!!俺も久々に戦いたくなったぜえええ!!」

 

アフロディテ「うふふふ♥興奮してきましたわぁ♥」

 

フレイヤ「そうね………人間の力、見てみたくなったわ!」

 

ヘカーティア「そうよねぇん。久々に私も闘いたくなったわよぉん!!」

 

ゼウス「良かろぉ!!神と人類で、勝負しようじゃないかぁ!!!」

 

ゼウスがそう叫んだ後、膨れ上がった拳を天に翳す。その瞬間、ゼウスの手元に槍のように長い稲妻が現れ、ゼウスの手に握り締められた。

 

神々『『『『『『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』』』』』』

 

神々が興奮する。自分達に勝てると驕り高ぶる人類に、思い知らせてやるのだ。神々の力を、暴力を、圧倒的な格の違いを。

 

その時、これまで寡黙であったオーディンが声を上げる。

 

オーディン「ブリュンヒルデ。楽しませよ」

 

普段は寡黙なオーディンが言葉を発した。つまり、オーディンさえもこの闘いを楽しみにしているのだ。

 

ブリュンヒルデ「此れからの1000年、人類の生きる未来を担う若き戦士達が居ます!若き戦士達は必ずや、神を越え、未来を掴み取るでしょう!!」

 

こうして、神対人類の真の最終決戦が幕を開けた。勝つのは神々か?それとも此れからを担う若き戦士達か?

 

最高の闘いが、今、始まる!




ED:『IGNITE(藍井エイル)』

次のお遊び回で使って欲しい曲は?

  • ユメヲカケル!
  • ブルーバード(いきものがかり)
  • ルードルーズダンス
  • インパーフェクト(オーイシマサヨシ)
  • ALONES
  • ささやかな祈り(ライスシャワー)
  • 心臓を捧げよ
  • 涙の種、笑顔の花
  • 空色デイズ
  • REASON(ゆず)
  • ALIVE(ClariS)
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