なので今回は、短く終わります。
ヘイムダル『第3コーナーを突破していよいよ最終コーナーに突入!!此処から先は直線だ!!此処で神側が勝てば神側は2勝目!人類側が勝てば人類は神から勝利をもぎ取れる!!果たして勝負を征するのはどちらか!?』
ヘイムダルの実況が競馬場に響く。全身植物化したライスシャワーと、全身機械化したバイアリーターク。最終コーナーさえも共に並んで曲がる。お互いに一歩も譲らず、互いに抜かす事の無い激しいレースも、後数kmの直線で終わる。
ライスシャワー「ライスは、負けない!!」
バイアリーターク「私も、負けん!!」
バイアリータークは全身から蒸気を噴き出し、徐々に体も熱を帯びて冷却が追い付かなくなり始めた。このままでは回路も焼き切れてしまうだろう。
バイアリーターク(体が熱い!!回路も焼き切れそう!!だが構わない!!体なんてどうなろうと走れ!!冷却なんてしない!!全エネルギーを一気に全身へ駆け巡らせる!!熱さも痛みも無視しろ!!この試合、絶対に負けられないんだ!!)
ライスシャワー(植物の体なのに、今にもボロボロになりそう!!でも構わない!!全身を絶え間なく動かして!!痛みなんて無視しろ!!二度と走れなくなっても良い!!このレースだけは……………何があっても、絶対に負けたくない!!皆の生きる、未来を生きたい!!)
バイアリータークは四肢に装着された冷却装置を取り外した。もう冷却をしないつもりだ。冷却する分のエネルギーを走るエネルギーに回す事にした。安全性も合理性も無視して、この試合に勝つ為にエネルギーを解放する。手加減したら勝てない。ライスシャワーは油断したら負けてしまう。自分を応援してくれる友達や、ライバル、そしてトレーナー二人の思いに答える為にも。
ライスも全身から浴びる陽光を浴びて、更にエネルギーを得て行く。光合成によって得た酸素を皮膚から吸収し二酸化炭素を放出し、光合成で二酸化炭素を取り込んで酸素を生成する。走る際に皮膚呼吸で酸素を含む空気を補給する事によって、エネルギーを半永久的に得て行く。バイアリータークに勝ってしまったら、前のユウキみたいに神側のウマ娘は消えてしまうだろう。しかし、自分は人類の運命を背負っているのだ。だってライスは、ヒーローなのだから!
ライスシャワー&バイアリーターク「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」
二人は駆ける。お互いに並んで走る。
アレス「バイアリータークウゥゥゥ!!」
ヘラクレス「頑張れええええええ!!」
フギン「負けるなあああああ!!」
ムニン「走れええええええ!!!」
ゼウス「フォッフォッフォ!後数百メートルじゃ!」
ヘルメス「この直線で、全てが決まります!」
ブリュンヒルデ(ライスさん!お願いします!)
ゲル「ライスウウゥゥゥ!!!頑張れええええええええええええええええええ!!!」
ミホノブルボン「ライスウウウウウウウウ!!頑張れええええええええええええええええええ!!」
ミホノブルボン、普段の口調が乱れる程に応援する。
メジロマックイーン「ゴールは目前ですわあああああああああああ!!!」
そして、ベンチで待機していたスペ達も応援を始める。
ゴドルフィンバルブ「タークちゃん!勝ってえぇ!」
ダーレーアラビアン「ターク!!俺達の希望を託す!必ず勝ってこーい!!」
スペシャルウィーク「ライスさあああああん!!絶対勝ってええええええええええええええええええ!!!!」
トウカイテイオー「ライス!!僕も振り切った君なら、絶対勝てる!!頑張れええええええええええええええええええ!!!!」
人類&神々『『『『頑張れええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!ライスシャワアアアアアアアアアアアア/バイアリータークウウウウウウウウウウウウ!!!!!!』』』』
全人類、全神々が声を上げて、二人を応援する。
ライスの全身の花が光り輝きながら咲き誇り、ライスの両目から青白い炎が噴き出し、全身から無数の枝木や枯れ果てた花が崩れ落ちていく。
バイアリータークの全身が赤く輝き、関節は熱を帯び過ぎて溶岩のような色に変化していく。
ライスは全身の植物が枯れ果てていき、バイアリータークはオーバーヒートを起こし始めていた。お互いに限界を迎えていた。それでも走り続けた。
ゴールまで………………
500メートル
400メートル
300メートル
200メートル
100メートル
そして、二人はゴールを通過した。
先にゴールしたのは―――――――――
ライスシャワーだった。
ライスの伸ばした手が、バイアリータークよりも先にゴールに到達していた。
ヘイムダル『ゴオオオオオオオオオルゥゥゥッ!!ライスシャワーが先にゴールしたぁぁぁぁぁ!!』
ブリュンヒルデが、ゲルが、やよいが、たづなが、スペシャルウィークが、トウカイテイオーが、セイウンスカイが、キングヘイローが、ツルマルツヨシが、サイレンススズカが、エルコンドルパサーが、グラスワンダーが、メジロマックイーンが、シンボリルドルフが、キタサンブラックが、ナイスネイチャが、ミホノブルボンが、ゴールドシップが、ダイワスカーレットが、ウォッカが、そして全人類が、大歓声に包まれた。
全人類『『『『『『ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』』』』』』
ライスはその場で膝を付き、植物化した体を元に戻していく。全身が痛み、息が荒くなる。
バイアリータークはその場で立ち尽くしていたが、その顔は満足に満ちた顔をしていた。
それをベンチで見ていたゴドルフィンバルブやダーレーアラビアンは、その光景をただ見る事しか出来なかった。
ゴドルフィンバルブ「私達の、負けね」
ゴドルフィンバルブの全身が少しずつ、緑色の破片となって空中へ四散していく。
ダーレーアラビアン「そうだな。だが、今までで一番素晴らしい試合だった」
ダーレーアラビアンも、全身が消えかけていた。
バイアリーターク「ライスシャワー」
ライスシャワー「はい………」
ライスは見た。バイアリータークの全身が、徐々に消えていくのを。
バイアリーターク「私達はもうじき消える。だから、話せるだけ話しておきたい。おいで」
ライスシャワー「はい」
ライスはバイアリータークの前に立つ。しかし、その体は光の粒子となって消え始めていた。
ライスシャワー「あ、あの!本当に、本当に消えちゃうの!?止める方法は、無いの!?」
バイアリーターク「無い。だから、こうさせてくれ」
バイアリータークはライスを抱き締めた。
それを見ていたゴドルフィンバルブも、自分と競ったスペシャルウィークを抱き締めた。
ゴドルフィンバルブ「良い試合だったわ。スペちゃん」
スペシャルウィーク「は、はい!ゴドルフィンバルブさんも、素晴らしい走りでした!!」
ゴドルフィンバルブ「私達と競った事、絶対に忘れないで」
スペ「はい!」
ダーレーアラビアンも同じだ。
ダーレーアラビアン「見事だったぞ!!素晴らしい走りだ!!テイオー!!」
トウカイテイオー「エヘヘッ!ありがとう!」
ダーレーアラビアン「俺等はもうじき消える。でも、俺等の事を決して忘れるなよ?」
トウカイテイオー「忘れないよ!アラビアンさんとのレース、凄く楽しかったよ!」
そして、バイアリータークはライスシャワーに別れの言葉を告げる。
バイアリーターク「我々はもうじき消える。だから、此れだけは覚えてて欲しい。私達は例え消えたとしても、心は何時も傍に居る。そして、次はお前が人類に希望と祝福を届けるんだ。だってお前は『ライスシャワー』なのだから」
ライスシャワー「ッ!ライス、頑張るね!」
そして、三女神は消える前にある事を思い出した。
――――――――――――――――――――――――
数千年前。
ゴドルフィンバルブ、ダーレーアラビアン、バイアリータークは目を覚ますと、天界のとある草原で眠っていた。起き上がった後に辺りを宛もなく彷徨う。
すると3人は、馬車を引く多数のウマ娘を引き連れた二人の男達に出会う。因みに3人が彷徨っていたのは、とある草原であった。土に汚れすら無く、風も空気も現代より心地良い。正に天国だ。
アレス『おい!貴様等此処で何をしている!?此処は我等ギリシャ神界の管理する神聖な土地だぞ!』
ゴドルフィンバルブ『あっ、も、申し訳ございません!私達、気が付いたら此処に居て!』
ダーレーアラビアン『君は………誰だ?此処は、何処なんだ?』
ヘラクレス『むっ?アレス、この3人はウマ娘ではないか?』
アレス『何っ?』
ヘラクレス『君達は、人間界で活躍したウマ娘か?是非、名前を聞かせて貰えないか?』
ゴドルフィンバルブ『あっ、はい。私はゴドルフィンバルブと申します』
ダーレーアラビアン『俺はダーレーアラビアンだ』
バイアリーターク『バイアリーターク』
アレス『そうか。俺はアレス。ギリシャ神界屈指の軍神にして、ゼウスの実子の一人だ』
ヘラクレス『俺はヘラクレスだ。宜しく頼む』
お互いに自己紹介を終えると、ヘラクレスがとある提案をした。
ヘラクレス『そうだ!お前達、神界でレースをしてみないか?』
アレス『何っ?』
ダーレーアラビアン『えっ?まあ、俺達ウマ娘は走る事は大好きだが、急に何だ?』
ヘラクレス『此処には人間界のウマ娘より一癖も二癖もあるウマ娘、いや『ゲンソウウマ娘』が存在する。彼女達のレースを見れば、お前達もきっと戦いたくなる筈だ』
そして、アレスとヘラクレスに案内されたレース会場へ案内されると、其処は未知の世界だった。
バイアリーターク『此れは………空を跳んでいる!?』
バイアリータークは目の前の光景を見た瞬間、目を疑った。
アナウンス『おっとぉ、此処でペガサスが仕掛けて来た!翼をはためかせて空を飛び、次のコースまで最短で進むつもりだ!!』
ペガサス『空は気持ち良いよぉ!ユニコーンちゃん追い付けるかなぁ!?』
ユニコーン『こんにゃろー!!僕を嘗めるなぁ!!』
ユニコーンが突如として加速したかと思えば、地面を蹴って空中の道路へ向かって跳んだ。
アナウンス『ユニコーン仕掛けて来た!!圧倒的跳躍力で一気に進んでいく!』
ゴドルフィンバルブ『凄い……!此れが、神様達のレース!』
アレス『因みに、お前達人間界では妨害は認められないらしいが、此処ではそれが認められているのだ。例え妨害されても、それは妨害に負けた奴の責任だからな』
アレスの言葉通り、ある画面に映る氷の世界のレース場では、黒いウマ娘によって撒かれたローションで多数のゲンソウウマ娘達が転ばされてしまう。
バイコーン『ギャハハハハハッ!!地面にキスでもしてなぁ!!』
アナウンス『あーバイコーン仕掛けて来た!バイコーンの撒き散らす媚薬ローションがゲンソウウマ娘達を転ばせ、発情させて身動きを封じていくぅ!!』
ダーレーアラビアン『おい!?妨害じゃないのか!?』
ヘラクレス『ああっ。認められているとはいえ、ロキがトレーナーのウマ娘達は平気でああするぞ』
アレス『だが安心しろ。俺達は認められてるからと言っても、決して俺達のウマ娘にそうはさせんし許さん』
ゴドルフィンバルブ『あらあら〜素敵な方ねぇ。あら?』
ダーレーアラビアン『お?』
その時、ゴドルフィンバルブとダーレーアラビアンがあるウマ娘に注目した。
それは、あまりにも速すぎて足が八本に増えたように見える、高潔なウマ娘であった。
アナウンス『出たー!!スレイプニル様は妨害無くともやはり強い!!オーディン様のウマ娘である事は伊達ではない!!』
画面に映る虹色の曲がりくねった道路を巧みに走り、まるで八本も足が増えたかのような残像を見せる、スレイプニルと呼ばれたウマ娘。
スレイプニル『ふっ。まあ当然だな』
スレイプニルはゴールして、会場が歓声に包まれた。
ゴドルフィンバルブ『………アレスさん、ヘラクレスさん。私達、このレースに挑みたいです!』
ダーレーアラビアン『俺からも頼む!スレイプニルと競ってみたい!』
バイアリーターク『どんな妨害も乗り越えてみせる!』
アレス『そうか。だが、人間界よりずっと厳しいぞ。それでも構わないか?』
三女神『『『はい!』』』
ヘラクレス『そうか。なら、今から俺達がお前達のトレーナーとなろう!!お前達の実力を、次のレースで示すんだ!』
三女神『『『はい!!!!』』』
こうして、神界でアレスとヘラクレスがトレーナーとなり、ゲンソウウマ娘として歩み出した三女神。
トレーニングの日々は、かなり辛いものもあった。それでもアレスとヘラクレスの厳しさに、三女神は鍛えられていく。
走り込みは基本だが、それ故に妥協を許さない厳しさがあった。
ゴドルフィンバルブ『ハァ!ハァ!ハァ!』
アレス『走りが乱れているぞ!リズムを整えるんだ!』
筋トレも行うが、その回数は人間界における通常回数を遥かに超えていた。
ダーレーアラビアン『うぐぐぐ!』
ヘラクレス『どうした?そんなものではレースで勝てんぞ!ほら立て!立つんだ!』
ダーレーアラビアン『は、はい!』
次に水泳、自転車、そして走り込みだ。しかしその実態はトライアスロンそのものだった。
バイアリーターク『ぐっ!』
アレス『どうした!この程度で疲れては他のゲンソウウマ娘に勝てんぞ!!』
バイアリーターク『ああっ、分かった!』
辛い修行の日々。しかし必要以上の厳しさの中にある愛を三女神は感じており、どんなに厳しいトレーニングも乗り越えてきた。
そして、レース当日。三女神はゲンソウウマ娘と始めて闘う。
当然空を飛ぶウマ娘も居れば、罠を張って妨害するウマ娘も存在する。
ダーレーアラビアン『うおおおおおおおおっ!!』
ダーレーアラビアンは大地を蹴って、大地を破壊してゴールに向かって跳んだ。ゴドルフィンバルブは加速し続けてゴールに向かって高速で進む。バイアリータークは背中のジェットを噴射して空を飛んだ。
そして、第一回のレースでは、ゴドルフィンバルブが勝利した。
会場は大歓声に包まれた。三女神は始めての試合は絶好調の結果となり、嬉しさのあまり観客全員に手を振った。
アレス(此れは凄い……!早くもコズミックパワーや神器を扱えるようになるとは!)
ヘラクレス(此れが若さか!素晴らしい!)
アレスとヘラクレスは、三女神のトレーナーとなれた事を嬉しく思った。
それから、三女神は新たなライバルが徐々に増え始めた。
アレイオーン『父上に私が勝った事を報告したが、喜んでくれなかった。目線すら合わせてくれなかった。しかし、それでも私はレースを止めない!水中ウマ娘の異名通り、水中戦では誰にも負けるつもりはない!!』
ゴドルフィンバルブ『まあ酷いお父様ねぇ。でも大丈夫よ。私が貴女を認めるから』
ゴドルフィンバルブ、アレイオーンと仲良くなる。
ペガサス『空を飛んでたのに追い付くなんて、凄いなぁ』
ユニコーン『ホントだよ!一体どうなってんの?レース場ぶっ壊す程の足のパワーなんて、他のゲンソウウマ娘にも居ないよ!』
ダーレーアラビアン『俺も驚いてるんだ。自分が彼処までのパワーを出せるなんて』
ダーレーアラビアンもだ。
スレイプニル『バイアリーターク。全身が機械化するなんて、始めて見た時は驚いたぞ。オーディン様もお認めになっているのだ。お前も軍馬にならないか?』
バイアリーターク『いや、私はいい』
バイアリータークはライバルであるスレイプニルと話し合って、意気投合しあう。
何時しか三女神は、ゲンソウウマ娘の頂点に立ち、こうして神と人類の最終闘争に選ばれた。
――――――――――――――――――――――――
時は現在の時間に戻る。
ライス、スペ、テイオーは空を見上げていた。かの三女神はもうその場に居なくなっており、空には光の粒子が空へ消えて行った。
テイオー「………居なくなっちゃった」
スペ「ゴドルフィンバルブさん………」
ライス「………ライス、あの人達の意志を、継いで見せるよ」
そして、大歓声の中で、ヘイムダルは人類側の勝利を宣言する。
ヘイムダル『ら、ラグナロク第二回戦!!勝者は、人類側のウマ娘!!スペシャルウィーク、トウカイテイオー、ライスシャワーだあああぁぁっ!!!!』
その宣言と共に、再び3人を祝福する大歓声が響き渡った。
神側のウマ娘VS人類側のウマ娘
試合時間:5分12秒
決まり手:ライスシャワーのゴール
勝者:人類側のウマ娘
『ゲンソウウマ娘』
人間界側のウマ娘と違って、“この世に存在しない幻想生物”がモデルのウマ娘である。ある意味人間界側のどのウマ娘よりも特殊であり、背中に翼を生やしたり角を生やしたり、中には水の中を走るように進んだり、処女好きだったり穢れた女性が好きなウマ娘も居る。
レースは人間界と違ってかなりフリーであり、場所も距離もそれぞれ違っている。水中を泳いだり、空を飛んだり、山を登ったり、星々を駆けて移動したり、またまた命に危険が無い程度の妨害はOKと、様々なレースが存在する。本来ならこのルールの筈だったが、三女神の要望により人間界側のルールで採用してくれた。
神側のレース会場は、『カービィのエアライド』や『マリオカート』のレース場を想像して頂ければ幸いです。
次回、大海の暴君VS麦わらの海賊
次のお遊び回で使って欲しい曲は?
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ユメヲカケル!
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ブルーバード(いきものがかり)
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ルードルーズダンス
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インパーフェクト(オーイシマサヨシ)
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ALONES
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ささやかな祈り(ライスシャワー)
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心臓を捧げよ
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涙の種、笑顔の花
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空色デイズ
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REASON(ゆず)
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ALIVE(ClariS)