まどか「
まどかが再び“獣”を喚び、自身に宿らせた。その瞬間、まどかの両腕に無数の赤い目玉が生えてきた。胸の中心には、紫色に輝くコアが存在していた。そして、まどかの頭部から枝分かれした金色の角が無数に伸びて、まるで木の枝を彷彿とさせる。更に、魔法少女服は金色に変化し、炎のようなデザインとなって風と共に揺らめいていた。
ヘイムダル『また新たな“獣”を纏うまどか!今度は何をする気だ!?』
そして、それを見ていたさやか達は、まどかの新たな姿にまたしても驚く。
マミ「獣って言ってたわね………鹿目さんにしてはとてつもない能力ね」
杏子「だよな。ありゃ、マトモじゃねえよ」
さやか「………キュゥベェ。アンタはまどかのアレ、どう思う?」
さやかの問いに、キュゥベェは答えた。相変わらず、機械的で感情的ではない話し方で。
キュゥベェ『僕も正直驚いてるよ。ティンダロスの猟犬、シャンタク鳥、そして僕も知らない“獣”といい、まどかにしては実におかしい能力だ。もしかしたらだけど、まどかが嘗て全ての魔女を消し去った際に、その代わりとなるように『魔獣』が生まれた。その名残りなんじゃないかな』
杏子「つまり、お前も分かんねぇって事か」
マミ「………」キョロキョロ
マミは他にも気になる事があるのか、周りを見渡していた。
マミ「………やっぱり来てないのね。暁美さん」
杏子「ん?どうした?」
マミ「暁美さんが来てないのよ。鹿目さんを救う為に、円環の理から一部だけ奪い、全てを変えた彼女が」
さやか「ホントに!全く何処で何してるのやら……」
キュゥベェ『僕も彼女が何処に居るのか分からないんだ。同胞達も探してるけど、まだ見つかってない』
暁美さんとマミが呼ぶ少女が来てない。彼女がまどかの戦う大事な試合に、来ない筈がない。
一体何処へ行ったのか?その答えを、彼女達はすぐに知ることになるとは、思ってもいなかった。
――――――――――――――――――――――――
そして、米花町エリアの道路を走るまどか。闘技場内は既に夜を迎えており、街灯やビルの明かりが街を照らす。
まどか「おいで。私の“子供達”」
まどかは米花町最大の高さを誇るビルの屋上に立つと、両腕を広げてお腹を曝け出した。すると、まどかのお腹から多数の獣達が飛び出して来た。お腹を突き破るのではなく、桜色の魔力がお腹から飛び出した後に色が変化していき、獣の姿へと変化していく。
異形の狼系の獣、たてがみが無数の蛇となっているライオンのような獣、一つ目から無数の触手を生やす獣、三つの頭を持ち、三つの脚に6つの翼を生やす烏のような獣等、多種多様な獣達がまどかのお腹から産まれ出た。
ヘイムダル『こ、こりゃスゲェ!まどかの腹から大量の獣達が出て来やがった!!何をするつもりだ!!』
と、ヘイムダルの実況が響く中、突然まどかの元へ獣達が飛び掛かり始めた。
狼系の獣はまどかを押し倒して顔を舐め続けて、ライオン系の獣はまどかの腕に抱き着き、触手の獣は背中からまどかの四肢やお腹へ触手を巻き付け、ゴリラ型の獣は抱き締めて頬にキスしてきたり、蜘蛛型の獣に糸を吐かれて捕まってしまったり等、獣達に過激なスキンシップをされるまどか。
まどか「きゃっ!!こら!!今は駄目!」
獣達はしょんぼりするが、まどかは獣達の頭を優しく撫でた。
まどか「この闘いに勝ったら、だよ♥今は、皆の力を貸して!」
獣達『『『――――――――ッ!!!』』』
獣達が歓喜の声を上げる。
まどか「ジョーカーを探して!彼に味方してる人達は極力殺さないで!ジョーカーは、私が捕まえて殺す」
すると、それを聞いた触手の獣が、一本の触手でまどかの頬を撫でた。目も悲しそうである。
まどか「分かってるよ。でも……あの人にこれ以上殺しをさせたくない!ジョーカーを倒して、私が全てを終わらせる!だからお願い、力を貸して!」
触手獣「…………キュウッ!」
触手の獣は、覚悟を決めた目でまどかを見つめる。周りの獣達も覚悟を決めたようだ。
ジョーカーは何処へ行った?獣達はそれぞれ町へ降りていき、ジョーカーを探し始めた。まどかもビルを駆け降り始めた。
まどか「私も探そう」
すると、まどかの隣に馬の獣が現れた。まどかを見ながらビルを駆け降りており、その目は『乗れ!』とまどかに伝えていた。まどかは馬の背中に飛び乗ると、馬はビルの壁から跳んだ。アスファルト道路の上に降り立った後、車にも負けない速度で走って行く。
すると、まどかの目の前にトラックが現れた。トラックはまどかの隣を通り過ぎて行くが、開いた荷台から複数人の男女が此方を見ていた。そして、その中に見つけた。
ジョーカー「よおっ!また会ったな!」
まどか「もう逃さない!」
まどかの乗る馬は、まどかの意思に答えるようにUターンしてジョーカーの乗るトラックを追う。
ジョーカーが銃を撃ち始める。飛んでくる弾丸を、光の壁で防いでいく。
まどか「ハァァッ!!」
まどかが両腕を広げると、両腕の無数の目玉から光弾が放たれる。光弾はトラックの荷台を撃ち抜いていき、荷台に乗るチンピラ達は光弾に当たるも、球体に包まれて荷台から放り出された。ジョーカーは光弾の雨を避けて行き、次にショットガンを取り出した。ジョーカーはショットガンを撃つが、まどかは手を翳してバリアを展開し、ショットガンの弾を全て防ぐ。ジョーカーはショットガンを絶えず撃ち続けて、まどかのバリアにヒビを入れていく。
まどか「っ!」
馬の獣『ヒゥゥ……』
まどか「大丈夫!」
まどかが両腕を交差させて、その中心に光の玉を形成。
ジョーカー「こりゃヤバいな。“俺等のバズーカじゃ歯が立たない”」
ジョーカーがそう言った後、チンピラから受け取ったバズーカでまどかへ狙いを定める。
馬『ヒヒィィーンッ!!』
馬の獣がまどかに危険を知らせる。
まどか「大丈夫!」
まどかは弓を構える。
まどか「人類の歴史は、絶望と希望の歴史……泣いて、怒って、困って、笑って、出会って、別れて、誓って、争って、それでも皆頑張って生きてきた!人類のお陰で私は強くなれる!ありがとう………人類の皆さん。今まで頑張ってくれてありがとう。今までよく頑張ったね」
まどかは人類にそう告げた。
人類の歩みを肯定する女神の言葉に、人類の殆どが涙を流す。
まどか「この一矢は、人類の歩んだ歴史の結晶!」
ジョーカー「HAHAHAHA!なら俺が全部ぶち壊してやるよ!」
そして、ジョーカーはバズーカからミサイルを放つ。神を殺せる神器と化したバズーカから放たれたミサイルは、流石のまどかでも受ければ瀕死は確実だ。
まどか「穿て!!」
まどかが放つ一矢。それは、人類の歴史をエネルギーに変換して放つ一撃。人類の歩んで来た歴史を束ねたエネルギーの矢と、まどかの絶対に当たる矢を放つ弓。2つが組み合わされば、生き残れる者は殆ど居ない。
バズーカから放たれたミサイルは貫かれたが、爆発せずに素粒子状に分解され、消滅した。
しかし、相手はジョーカーであった。ジョーカーは世界を思うがままに編集出来る、脚本家となっているのだ。
ジョーカー「“お前の矢は俺に当たらねぇ”」
ジョーカーがそう叫ぶ。そして、まどかの放った矢はジョーカーの横を通り過ぎていき、一台のパトカーへ向かって飛んで行く。
まどか「あっ!戻れぇ!!」
まどかは攻撃を解除した。その瞬間、光の矢は一瞬にして霧消して、あっという間に消えてしまった。
しかし、それがまどかの隙を作った。
まどかがジョーカーの元を向くが、目の前にナイフが飛んできた。まどかはナイフを弾き飛ばすが、ジョーカーのバズーカから再びミサイルが放たれる。ミサイルを弓から放つ矢で撃ち落とした。しかし、今度はまどかの先程放った光の矢が、まどかに迫る。
まどか「あっ」
ヘイムダル『よ、避けられ―――』
まどかに迫る矢の後方で、トラックの荷台から覗くジョーカーは、不気味に笑っていた。
ジョーカーが改変したのだ。先程のまどかの放った、ミサイルを撃ち落とした矢が、跳ね返ってまどかへ飛んで行くように。
まどかは未来を視ようとした。しかし、どの未来を見ても、矢を避けられる未来は見えない。もしジョーカーが改変して、自分と同じ攻撃を放てるようになったとしたら、不味い自体だ。
すると、まどかの頭の中に声が響く。
???『苦戦してるわね』
まどか(……ほむらちゃん!)
???『ここは私に任せて!』
その瞬間、まどかの全身から光のオーラが放たれた。矢が直撃するまで約0.1秒。その間に、まどかの全身から放たれた光のオーラが、黒く染まり始める。そして、まどかの全身が黒い闇に包みこまれたかと思えば、その姿がまどかの姿では無くなった。
黒いバレリーナのようなセクシーな衣装に身を包み、背中には黒い翼を持ち、紫色に輝く美しい瞳を持つ卑しい笑みを浮かべた『悪魔』が、まどかと入れ替わる形で顕現した。
ほむらが矢に手を翳した瞬間、矢はほむらの手前で止まった。止まった矢はほむらに掴まれると、そのままほむらの掌へ吸収された。
『魔法少女まどかマギカ・叛逆の物語:暁美ほむら/悪魔ほむら』
ヘイムダル『こ、これは予想外!!鹿目まどかの姿が変わっちまった!!まるで別人だ!!光の女神が闇の悪魔へと、姿を変えちまったぁっ!?』
神々&人類『『『ザワザワザワザワ』』』
神々は、突然まどかが姿を変えた事に驚いていた。人類側も同じだ。
アフロディテ「やはり、まどかには秘密がありましたか」
フレイヤ「女神様の裏の顔は悪魔ねぇ?なんて皮肉なものかしら?」
アフロディテとフレイヤは知らない様子だが、主神級の神々は知っていた。
ゼウス「やはり、出てきおったか」
ヘルメス「あの女神は………いえ、悪魔と呼ぶべきでしょうか?何故まどか様があれ程の悪魔に?」
アレス「………懐かしい顔だ」
ヘルメスの問いに、ヘラクレスが答える。
ヘラクレス「彼女の名は『暁美ほむら』。嘗て鹿目まどかより力の一部を奪い、宇宙を改変した元人間の少女だ」
ヘルメス「はぁ、そのような事が?」
ゼウス「お主は知らんようじゃが、初めて聞いた時はワシも驚いたわい。しかも行動力の源が、神にとって尊き物である“愛”とはのう」
ヘラクレス「……だが、元気そうで何よりだ。ほむら」
そして、北欧の神々も、ほむらの登場に驚いていた。
オーディン「久しい」
フギン「ええっ………相変わらず鹿目まどか一筋なのですから」
ムニン「あのレズ女、俺等から見てもかなりヤベェよ」
そして、ロキも面白そうに映像を見ていた。
ロキ「へぇ〜。慈愛の女神様が漆黒の悪魔になっちゃった♪こりゃ傑作だねぇ」
そして、舞台の方へ画面を戻す。
ほむら「んんっ………んんぅっ」
ほむらは片腕を真上に伸ばし、片手で伸ばした腕を掴みながら背伸びをする。
ほむら「聴こえてるかしら?ジョーカー。私はまどかみたいに、優しくはないわよ」
ほむらは歩き出す。慈悲深いオーラが溢れるまどかと違い、妖艶なオーラが溢れるほむら。ジョーカーの声が、近くの電柱のスピーカーから響く。
ジョーカー『こりゃ驚いたな。女神様の正体は悪魔だったのか?とんだ道化だな!』
ほむら「勘違いしないで!確かに私とまどかは二人で一人の神よ!でも、私は私で、まどかはまどかよ!貴男の思い通りにさせないわ!」
ジョーカー『とんだザマだな!だが俺は止まらないぜ!お前等がイチャラブしてる内に、俺は既に神室町エリアにやって来てんだ!其処でお前等をパーティーに招待するぜ!』
そして、スピーカーが爆発を起こし、壊れたスピーカーからノイズ混じりのジョーカーの笑い声が響いた。
ほむら「神室町ね。行ってやろうじゃない」
まどか『ほむらちゃん。気を付けてね』
ほむら「大丈夫よ。私は負けないわ」
そして、ほむらは翼をはためかせて空を飛んだ。そのまま神室町へ向かって、空を羽ばたいて向かうのだった。
『憐憫の魔神(ゲーティア)』
元ネタは、FGO第一部の最初に登場したラスボス『ゲーティア』。見た目は人王ゲーティアの衣装に加え、獣としてのゲーティアの姿を融合したような姿。
まどかの使役する『獣達』の中で、最も強い力を持つ13の獣の一匹。
能力としては、ゲーティアに近い能力。要は作者の曲解。
第1の能力:『人類の歴史』を集束させてエネルギー化し、その力を自身に宿す能力。そのエネルギーを一気に解き放てば、宇宙を終わらせる『ビッグクランチ』を引き起こし、宇宙を誕生させる『ビッグバン』を引き起こす。
第2の能力:『獣達』の召喚。まどかが纏う獣達は、全匹まどかの友達で、家族で、そして種族を超えた恋人達でもある。そんな獣達を召喚し、自由に操れる。
第3の能力:『神器を持たない人類』による攻撃や害意、能力、魔術等を否定・破却する。例えそれが即死したりするレベルであっても。元ネタ『ネガ・サモン』。
第4の能力:即死、時間操作系の攻撃を無効化する。例え歴史を改変したり、時を加速させたり、即死チートだろうと無効化する。元ネタ『単独顕現』。
第5の能力:千里眼。視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。尚、過去と未来さえも見通せる。
尚、指輪は無いので悪しからず。
ほむらの神器やコズミックパワーについては、後日出したいと思います。
まどかVSジョーカー。まだまだ続く予定です。
次のお遊び回で使って欲しい曲は?
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ユメヲカケル!
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ブルーバード(いきものがかり)
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ルードルーズダンス
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インパーフェクト(オーイシマサヨシ)
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ALONES
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ささやかな祈り(ライスシャワー)
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心臓を捧げよ
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涙の種、笑顔の花
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空色デイズ
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REASON(ゆず)
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ALIVE(ClariS)