終末のワルキューレvs若き戦士達   作:ちいさな魔女

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まどかはジョーカー一味のようなクズ達でも、殺さずに無力化して拘束し、罪を償わせる。謂わばスパイダーマンやバットマンのような、殺さずの正義。但しバットマンと違って、悪人や罪人を必要以上に痛め付けず、更生のチャンスを与える慈悲深い女神。あるウルトラマンの歌詞の通りの闘い方である。その為、ジョーカーも本当は殺したくないし、ジョーカーがどれだけのクズでも罪を償って欲しい気持ちが強く、殺したくないのも本音。しかしラグナロクでは相手に降参させない限り、殺す以外に勝つ方法が無い為、まどか自身、複雑な気持ちで胸が張り裂けそうである。

一方、ほむらの場合は…………。


希望の魔法少女VS絶望の道化師 その9

太宝楼の扉を開けると、その中には多数の神器持ちのジョーカー一味が待ち構えていた。

 

一味「こんにちはお嬢さん!ランチをご馳走してやるぜ!」

 

一味の一人が金属バットを持ち、持たない手の掌を軽くバットでポンポンと叩く。

 

一味「へへへッ!まさかこんな嬢ちゃんが女神様なんてな!」

 

一味「ジョーカーの話じゃ、入れ替わったって話だぜ?」

 

一味「あらそう。まっ、軽くいたぶってやりましょう!」

 

恐らくかなりのNPCがジョーカー一味となっている。顔のメイクはまだ塗り立てで新しい。様々なピエロのマスクを付けた男女の集団。

 

一味「ジョーカー!適当にいたぶって構いやせんか?」

 

すると、レストラン内に設置された監視カメラとカメラの隣に付いたスピーカーから声が響く。

 

ジョーカー『ああっ、勿論だ。楽しませてやれ』

 

ほむら「………ホントに屑ね。一つ言うわよ」

 

その時、ほむらの首の痣が赤黒い稲妻を放つ。

 

ほむら「まどかは貴方達を攻撃すれど、必要以上に痛め付けないし殺さない。でも私は………貴男達に情けを掛けられる程、優しくないのよ」

 

その時、ほむらの首の痣から、赤黒い縄が飛び出した。

 

ほむら「此れはさっきのグローブと違うわ。“貴方達は“罪人”と見なし、私が断罪する”」

 

まどか『ほむらちゃん!!』

 

ほむら「まどかは黙ってて」

 

まどかの怒声も聞く耳持たず、ほむらはジョーカー一味に攻撃を仕掛ける。

 

ほむら「『贖罪の縄(ペナンス・ロープ)』」

 

ほむらがそう叫んだ途端、赤黒い縄がジョーカー一味に向かって飛んで行く。ジョーカー一味は仮にも神器持ちの為、避けられた者達も10本の指で数えられる程に居た。

 

しかし、他はそうは行かなかった。

 

一味「ごあっ―――」

 

一味の一人が、縄に当たる。その瞬間、首の骨と頸動脈がブチ切れる音が同時に響く。

 

天井の何処から現れたのか現れない縄に、一瞬にしてジョーカー一味の一人が首を吊るされていた。

 

一味「お、おい!?お前どうしたんだ!?」

 

一味「自殺なんて笑えねぇぞ!」

 

一味は困惑していた。仲間………ではなくジョーカーに惹かれて集まった寄せ集め集団だが、目の前で一味の一人が絞首刑のように首を吊った事に、驚きを隠せなかった。

 

更に、一人、また一人と、縄に当たった者達は一瞬にして天井からの縄に吊るされる。吊るされる時間は無く、どのように吊るされたのか、見ても分からない。

 

ヘイムダル『こ、こいつぁひでぇ!!ジョーカー一味のチンピラ共が、次々と首を吊っていく!!』

 

生き残ったジョーカー一味は、ほむらの元を見た。ほむらは首の痣から伸びる縄を掴みながら、妖艶な笑みを浮かべている。

 

ほむら「縄は“絞首刑”に良く使われるわ。他にも、こんな刑罰もあるのよ?嘗てキリストを殺した時に使われた、この刑罰がね!『贖罪の十字架(ペナンス・クロス)』!」

 

ほむらの首から、巨大な十字架が出現。短い先端が先に出てきて、ほむらが長い部分を掴んで首の痣から引き抜いた。

 

ほむらは一味に向かって走る。

 

一味「このアマァ!!」

 

一味の中で大柄の男が、拳を振り下ろしてきた。その手にはメリケンサックを握っており、当たればほむらもダメージを受ける。

 

しかし、ほむらは男の振り下ろした拳を片手で掴んで止めた後、下に反らして男に十字架を当てた。その瞬間、男は地面から現れた十字架に磔にされた。まるで、磔刑を受けたキリストのように、十字架に拘束される。

 

男は何もない空間で磔にされたまま一人取り残される。

 

周りの者達には、男が十字架に磔にされてすぐに死んだようにしか見えない。しかし、磔にされた男は、永遠の空間で磔にされたまま無限地獄に取り残されている。

 

一味「この野郎!!」

 

一味の男女が次々とほむらに襲い掛かる。

 

ほむら「世界一の聖人と同じ死に方よ?光栄でしょう?」

 

しかし、ほむらは彼等を次々と返り討ちにしていく。バットを振り下ろして来た男も、ナイフを振り下ろす女性も、メリケンサックを振り下ろす体格の大きい男も、ほむらは次々と十字架で迎え撃つ。全員が叩かれて、その度に十字架へ磔にされる。勿論全員が、磔にされたときには既に死んでいる。

 

一味「ひゃあああっ!!」

 

一味「化け物だぁー!!」

 

一味は神器を放り出して逃げ出した。

 

ヘイムダル『な、なんて光景だ!!絞首刑、磔刑!!まどかとは正反対の戦法!!これが女神の闇なのか!?女神様の本来の姿だと言うのか!?』

 

子供達「やめてーー!!まどかさまー!!」

 

子供達「おねがい!!もうころさないで!!」

 

ほむらは後を追おうとするが、突然その腕が無数のタコの触手に止められる。

 

ほむらは触手の伸びてくる方向を見た。

 

それは、まどかが呼び出した獣達の一匹であるタコの獣だった。

 

タコ『にゅるるるっ!!にゅるうう!!』

 

タコの獣の目は、ほむらを睨んでいた。まるで、まどかの怒りを伝えるかのように。

 

ほむら「………大丈夫よ。まどかがこの罪を背負う必要はないわ。まどかが間違いを犯しても、私がどれだけ殺そうと、私がまどかの罪を全部背負うと決めてるの。ヘイムダル!」

 

ほむらがヘイムダルに呼びかける。

 

ヘイムダル「は、はいぃっ!?」

 

ヘイムダルはほむらに話し掛けられて動揺する。

 

ほむら「此れはまどかの意思とは関係無いわ!!此れは私が勝手にやってる事よ!!まどかに罪は無い!!」

 

まどか『違うよほむらちゃん!!』

 

すると、ほむらの姿が再び変化する。そして、白い光と共にほむらの姿がまどかの姿に変わった。

 

まどか「ほむらちゃん!!私は、ほむらちゃんが何をしたとしても、例え間違いを犯しても、私も一緒にほむらちゃんと罪を背負うし、自分の犯した罪からも逃げないって決めてるの!!今この惨状を生みだした罪も、ほむらちゃんだけに背負わせない!!私も一緒に背負っていく!!でも、いくら悪人でも、どれほどのクズでも、これ以上此処まで酷いことをするんだったら、いくらほむらちゃんでも許さない!!」

 

観客は、まどかに変わった事で安堵し、そしてまどかの言葉に誰もが心惹かれた。例え間違いを犯しても、その罪も背負った上で、己の正義を貫き通すという強い覚悟を、闘志を観る者達は感じ取った。

 

神々『『『『ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』』』』

 

すると、再びほむらの姿に変わる。しかし、先程と違ってまどかに言われた事が余程堪えたのか、動揺して目が泳ぎまくっていた。

 

ほむら「あぁ………ごめんなさい!ごめんなさいまどか!ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

しかし、まどかはほむらに優しく語り掛ける。

 

まどか『大丈夫だよ、ほむらちゃん。私にも背負わせて。ほむらちゃんが何をしても、私はほむらちゃんを嫌いにならないよ。だから、一緒に戦おう!ほむらちゃん!』

 

ほむら「………ヘイムダル。私のした事はきっと、まどかの罪にもなるわ。でも、もう大丈夫!私は、まどかと共に罪も共に背負って生きていくわ!」

 

まどか『ほむらちゃん。私、やり方が分かった気がする。私とほむらちゃんで出来るよ。きっと』

 

ほむら「………えっ?」

 

すると、店の奥の扉が開く。ジョーカー一味の登場だ。

 

ジョーカー「いやぁ、凄い光景だったなぁ。みーんな殺しちまった」

 

ほむら「ジョーカー。わざわざ自分から来たって事は、私達と戦うつもりになったのかしら?」

 

まどか『話しながら聞いてね』

 

まどかの説明を耳に入れつつ、ジョーカーと話を続けるほむら。

 

ほむら「それとも、私達をまた何か別の人質を使って救出をさせたいのかしら?」

 

ジョーカー「いやいやそれはもう止めだ。そんな事したって、お前等に止められるだけだ。だから、変えた」

 

ジョーカーがそう告げた後、ほむらにある物を投げた。それは、2つの無線傍受機だった。

 

無線A『此方ゴッサム・バンク!!強盗が襲撃した!!強盗共は銀行の金を根刮ぎ奪い、人質を用済みとして殺すつもりだ!!子供達が人質に取られてる!!』

 

無線B『見滝原市に集まれ!!武装した犯行グループが強過ぎる!!中学校の学生や教師達を人質にしてる!!30秒後に虐殺を開始すると犯行声明を出した!!』

 

更に別の無線も拾う。

 

無線A『こっちに回してくれ!!米花町は大混乱だ!!帝丹高校をピエロマスクの奴等が立て籠もってる!!残り30秒で要求が遂げられなければ生徒を全員皆殺しにすると宣言された!!』

 

無線B『此方アルファ1!!ミレニアムタワーに立て籠もったテロリスト達が、高齢者達を人質にしてる!!タワーに無数の爆弾が仕掛けられている!!犯人達は逃げようとしてない!!自爆テロの可能性がある!!』

 

ほむら「っ!!!」

 

ほむらは、ジョーカーが何をさせようとしてるのか理解した。

 

ほむら「選べって事?」

 

ジョーカー「ああっ、急いだ方が良いぞ?此処に来た時からカウントしてたんだ。2分前からやってたけど、もう一分切ってる」

 

………もう時間が無い。まどかに入れ替わって聖なる弓矢を放っても、全部に対応出来ない。一つに絞ればその場での人質救出は可能だ。しかし、他のエリアは助けられない。

 

ヘイムダル『こ、これは、選べという事か!?4つのエリアの皆を救い切れない!!かといってジョーカーを殺す事を選べば、闘いは終わるが、4つのエリア全ての人質は殺されちまう!!』

 

観客全員が息を呑む。ほむらも、まどかも、一体どうするのか。誰もが注目していた。

 

まどか『一緒に唱えるよ。ほむらちゃん!合わせて!!』

 

ほむら「………ええっ、了解よ!まどか!」

 

そして、ほむらとまどか、それぞれの秘策を唱え始める。

 

ジョーカー一味がそれぞれ武器を構える。アサルトライフルを構える者達も居たが、ジョーカーが両手を広げて止めた。

 

ジョーカー「まあ待てよ。彼奴等何するか見てみたい」

 

ジョーカーは、まどかもほむらも殺したくないのだ。だってそうしたら、せっかく自分が用意したこのシナリオが台無しとなってしまう。だって彼女達を堕とすには、生きてる間が一番なのだ。

 

正直此処までやるとは思わなかったが、それでもまどかとほむらの人格がどんなものか大体分かってきた。典型的な魔法少女の在り方そのものだ。ジョーカーにとって利用し易い存在だ。

 

そして、まどかとほむらは唱える。まどかは『獣』を呼び出す呪文を。ほむらは『魔法少女』を呼び出す魔法の言葉を。

 

女神と悪魔が、共にジョーカーの企みを阻止する為、動き出す。

 

 

 

 

まどか&ほむら『「我へ宿レ(キナサイ)/召喚(おいで)。『愛の悪魔(暁美ほむら)/『希望の女神(鹿目まどか)』」』

 

 

その瞬間、光のオーラが螺旋を描き、闇のオーラもその場で螺旋となって光の螺旋と繋がり、遺伝子のように繋がり始めた。

 

そして、光の粒子と闇の粒子が雪のように降り注ぐ中で、ジョーカー達は見た。

 

まどか「行こう、ほむらちゃん。誰も、死なせない!」

 

ほむら「ええっ、まどか。ジョーカーを、此処で倒す!」

 

『魔法少女まどかマギカ:アルティメットまどか&悪魔ほむら』

 

女神と悪魔が、同時にその場に居る、その光景を。そして女神と悪魔の手には、まどかの弓にほむらの首の傷が螺旋状に彫られた究極の神器が、二人の手に存在していた。




ほむらの必殺技は、『ペナンス・(道具名)』という感じとなっております。

『贖罪の縄(ペナンス・ロープ)』
絞首刑に使われる縄。縄が当たった相手を縄で吊るして必ず死なせる。例え首吊りがしにくい相手や、首の無い(デュラハンだろうが、ろくろ首だろうが、たこルカ)だろうが、例え吊るせない場所(外や宇宙だとしても)だろうが、縄に触れた時点で縄で体を吊るされた時点で必ず死ぬ。蘇生不可能。

『贖罪の十字架(ペナンス・クロス)』
キリストを嘗て磔刑に処した際に使用された十字架。十字架に触れた敵(ほむらが敵と認識してる相手)を必ず磔刑にして死なせる。一瞬にして死ぬが、磔刑にされた者は死ぬまでの一瞬は永遠のように感じており、誰も居ないし何もない空間で一人ずっと居る孤独(例えるなら、無音で自分以外に誰一人も居ない上に、何もない空間で磔にされたまま取り残されてる)な空間『無限地獄』に送り込む。磔にされたままなので、何も出来ないまま無限に広がる無の世界に取り残される。寝る必要も無いし、食べる必要も無く、死ぬ事も出来ない。
最も胸糞悪い事に、ほむらもこの十字架にそんな力がある事を知らない。ただ磔にして死なせる事しか知らない。
簡単に言えば、とある魔術の禁書目録の『理想送り』の最悪バージョン。

しかし、この神器の本当の能力があるのだが…………それはまどかと同時に世界に顕現した時にのみ目覚める。

それは不可能と思われたが………………


↓ネタバレ注意!!




















まどか&ほむら(制限時間付き)
神器:『愛の弓』
神器能力:まどかの望む事を実現する絶対命中の弓矢と、ほむらの即死攻撃の首の痣が融合し、新たな姿となった神器。まどかとほむら、それぞれ一つずつ手にしている、聖なる女神の力と邪なる悪魔の力を持つ『愛』の弓。
一発限りしか撃てないし、一発撃てば元の神器に戻る。しかし、その能力はとても強力だが、それはまた次回に持ち越し。
条件:まどかが『獣』としてほむらを纏い、ほむらが『魔法少女』としてまどかを呼び出す事。このとき、ほむらとまどかが同時にその場へ出現出来る。
弱点:融合した神器は一発しか放てない上に、お互いが同時に存在出来る時間は1分のみと短い。
コズミックパワー:『フレンズ・ヴァース』
全ての種族が『フレンズ』となって過ごしている宇宙。その宇宙では全ての種族が『フレンズ』となり、誰もが自由に、そして仲良く暮らしている。
能力はまた、次回に。



気が付いたんですが、女神のまどかが魔法少女にとって凌辱や異種姦をもたらす存在たる『獣』を扱い、悪魔のほむらが『魔法少女』を扱ってるんですよね。それが合わさって『けものフレンズ』の要領でフレンズ化するなんて、これこそ正に異種族共存ではないでしょうか。

次のお遊び回で使って欲しい曲は?

  • ユメヲカケル!
  • ブルーバード(いきものがかり)
  • ルードルーズダンス
  • インパーフェクト(オーイシマサヨシ)
  • ALONES
  • ささやかな祈り(ライスシャワー)
  • 心臓を捧げよ
  • 涙の種、笑顔の花
  • 空色デイズ
  • REASON(ゆず)
  • ALIVE(ClariS)
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