あの映画が何処まで主人公の本当の悲劇?もしくは喜劇?を映したかは不明ですが、少なくとも私は本当だと思ってますよ。
彼がジョーカーとなったのは、あの日の頃だった。本名が何だったのか、今となっては思い出せない。
何時ものように、ピエロの化粧に被り物、そして陽気なスーツを身に着けてピエロの派遣会社で仕事をする。
将来は、テレビに映ってる有名で憧れのマレー・フランクリンのような、コメディアンになる事。
しかし、其処はゴッサム。犯罪率はうなぎ登り。大半の富裕層は腐っており、貧困で苦しむ人達は数知れず。
仕事中に暴力的な子供達に襲われ、仕事を邪魔される事もあった。会社に説明しても、納得してもらえない。
そんな彼の支えであったのが、母のペニーだった。彼女は認知症気味で、毎日お世話をしなくてはならなかった。それでも続けた。彼にとって手慣れた事だった。
母曰く、ウェイン家からの援助を待っている。あのトーマス・ウェインが父親と聞かされ、母や自分を助けてくれると期待した。
そんな彼だが、緊張や興奮を感じると笑いが止まらなくなる障害を抱えている。そのため、普段から病気の事を記したカードを持ち歩いているのだが、周囲に理解されず、煙たがられる始末。
友人から護身用に拳銃を渡された。しかし、派遣先の病院でピエロのダンス中に落としてしまい、そんなミスを切っ掛けに会社をクビにされる。
母の介護、貧困、そして自分を理解してくれなかった会社やゴッサムの人々からの理不尽な扱い。彼の心は、徐々に壊されていく。
そんな彼にとって支えとなった筈の彼女も、そんな彼の疲弊した心が生みだした妄想だった。
そして、彼は3人の男達を殺した。3人の男は『ウェイン・コーポレーション』の社員だったが、善良なトーマス・ウェインの元で働いてるにも関わらず、性格は最悪。彼がその3人を見かけた電車内で、ほかの客に迷惑を掛け、最悪なタイミングで障害によって笑ってしまった彼も、3人から酷い暴力を振るわれる。
彼は手に持って居た銃で、一人を殺害。先程まで彼を虐めていた二人は、仲間が殺された事に動揺し、先程までの態度と違って怯え始めた。彼は躊躇わずもう一人に向かって銃を撃った。駅で止まって最後の一人が逃げるも、彼の手で銃殺される。彼は自分のした事に動揺し、逃げた。公共のトイレへ逃げ込み、激しく動揺したものの、鏡に映る自分を見て、踊った。人を殺したというのに、不思議と罪悪感が消えて行った。
ウェイン家からの援助も無い為、彼はウェイン家を尋ねる。其処で幼きブルース・ウェインに出会うが、執事のアルフレッド・ペニーワースによって邪魔者扱いされる。彼はアルフレッドに、自分の母ペニーとトーマス・ウェインの息子であり、ウェイン家の支援を求めてる事を伝えた。しかし、アルフレッドから出た言葉は、ペニーがイカれた女である事を告げられる。
彼はとあるイベントで、自らの父である筈のトーマス・ウェインに出会う。しかし、彼の口からも、ペニーが頭のイカれた女だと告げられた。
3人の男性殺しの捜査で警官が彼について聞きに来た時に、母のペニーが脳卒中で倒れ、病院に入院する。かつて入院していた病院の記録を調べた彼は、残酷な真実を知る。
彼はペニーの実子ではなく、何処で産まれたのか分からない孤児であった事。引き取ったペニーが「妄想性障害」「自己愛性人格障害」と診断されていたこと、幼い彼の健康を危険にさらした罪で逮捕されていたこと、彼が恋人の男性に虐待されていたのを見て見ぬふりをしていたこと、彼は養子でウェインが父親ではないことを知ってしまった。
最愛の母から受けた愛は、偽物だった。自分がこんな障害を抱えたのは、自分を虐待した元恋人の所業と、その人のやってる事を見て見ぬふりした、母の仕業であった。そして、妄想癖によってペニーは、彼がトーマス・ウェインとの子供だと思い込んでいた。
そして、彼を更に絶望へ沈ませる、決定的な出来事が起きてしまう。
彼が尊敬するマレー・フランクリンが、嘗てとある劇場でネタを披露する彼の映像をテレビで流した。アーサーもそれを観ていたが、マレーは彼を馬鹿にし、彼の事を『ジョーカー』と呼んだ。勿論、軽蔑の意味を込めて。自分が尊敬する相手が、自分を馬鹿にした。
誰もが自分を見て笑う。虐めて笑う。世界は自分を虐めて楽しんでる。
なのに自分は誰も笑わせてない。だって、彼は虐めてなんかいないから。
そうか。
自分が笑いたいから、俺を虐める。
転ぶ奴を見て笑う人達。壊れた椅子から転ぶ人を見て笑う人達。大切な物を壊された人を見て笑う人達。
周りから見れば面白い。しかし、本人から見ればどうだ?
彼の中で、何かが壊れた瞬間だった。
そして、彼は母にこう告げた。
???『僕の人生は悲劇だと思っていた。だが今わかった。人生は喜劇だ』
そして、母を窒息させて殺害。更には自宅を訪ねて来た二人の知り合いの内、一人を殺害した。その人は、彼に銃を渡した本人であり、彼がクビにされた時も養護してくれなかった。しかし、もう一人は殺さなかった。だって彼を、唯一馬鹿にしなかったのだから。
そんな中、彼はマレーに出演を依頼される。嘗て憧れていたマレーの番組だ。彼は番組に出る事にした。
テレビスタジオにやって来た彼は、スタッフにこう告げた。
『“ジョーカー”と呼んで欲しい』と。
そして、彼は出演した。マレーと対面し、彼と話す間にジョーカーは話し始める。
ジョーカー『男を3人殺した』
マレー『………それでオチはないのか?』
ジョーカー『オチなんて無いよ。此れはジョークじゃない』
観客が動揺する中、ジョーカーは続けた。
マレー『君が電車で男3人を殺した?どう証明する?』
ジョーカー『僕にはもう失う物が無いからさ。誰も僕を傷付けられない。僕の人生は喜劇だ』
マレー『彼等を殺したのが、面白い事だというのか?』
ジョーカー『そうさ。もう演じるのはうんざりだ』
観客はどよめき、ブーイングが飛び交う。ジョーカーとマレーの話は続く。
ジョーカー『コメディーってさ、何が面白くて何がつまらないのか、それは君達が決める。善悪を決めるのと同じようにね』
マレー『それで、君は何かのシンボルになりたいのか?』
ジョーカー『おいおいマレー。こんなピエロが何かのシンボルになると思うか?彼奴等は最低だから死んでもらった。本当に酷いよ。狂ったってしょうがないじゃないか』
マレー『それで、殺した事を正当化しようとしてるのか?』
ジョーカー『いいや。彼奴等は『死ぬ程』音痴なんだ』
観客がブーイングを上げる。『帰れ』『人殺し』『殺された人達が可哀想』と、ジョーカーを理解しようとしない声が響く。
ジョーカー『ah………なんで皆あんな奴等を守りたいんだ?僕が路上に倒れてても踏みつけて通る癖に。僕が皆の目の前通っても見てくれない。もしかして、トーマス・ウェインがテレビで悲しんでくれたから同情してるのか?』
マレー『ウェインさんと何かあったのか?』
ジョーカー『ああっ、そうさ。なあマレー。アンタは街がどうなってるか本当に見てるのか?スタジオの外を見たことがあるか?誰もが罵り合って、怒鳴り合って、礼儀も思いやりもない!誰一人他人の事なんて気にかけず、理解しようともしない!ウェインみたいな金持ち共が、僕等のような立場になって考えるか?考えない!従順な子供みたいに言う事を聞くと思ってる!狼みたいに暴れられないと思ってるんだ!』
マレー『言いたい事はそれだけか?何を言ったって君は、殺人の言い訳をして、自分を憐れんでいるだけだ。良いか?皆が皆、最低じゃないんだ。君こそ他人を理解したらどうなんだ』
ジョーカー『………お前は最低だ、マレー』
マレー『私が?何故だ?』
ジョーカー『………僕の映像を流し、この番組に呼んだ。笑い者にするために。他の奴等と変わらない』
マレー『私の事など知らない癖に。君のせいで暴動が起きてる。君が何をしたか分かってるのか?』
ジョーカー『そうだね……………ジョークをもう一つどうだ?』
マレー『もう君のジョークは懲り懲りだ』
ジョーカー『まあ聞けよ』
マレー『黙れ!』
ジョーカー『孤独で障害持って周りから捨てられた奴と、そんな奴をゴミのように扱う社会を合わせればどうなるか分かるか!』
マレー『警察を呼べ。こんな奴を呼ばなければ―――』
ジョーカー『今から教えてやる!!報いを受けろ!!このクソ野郎!!』
そして、ジョーカーはマレーに引き金を引いた――
――――――――――――――――――――――――
第4回戦。最終決戦の舞台、アーカム・アサイラムにまで戻る。
銃声が一つ響き渡る。
ジョーカーは手にした銃で、まどかの腰の真ん中を撃ち抜いた。
まどか「あっ………ぐっ」
まどかは床に倒れた。脚が動かない。脚に力が入らない。
まどかが撃たれたのは、下半身の動きを司る骨の部位だ。其処を撃たれれば、半身不随は確実である。
ヘイムダル『か、鹿目まどか!下半身を撃たれた!床に倒れ、ジョーカーが迫りくる!まどか、絶体絶命だぁ!』
子供達「「いやああぁぁぁぁっ!!」」
さやか「まどか!!」
神々も人類も、まどかが腰を撃たれた様子を見て、顔が青ざめる。
まどか「ぐっ………」
まどかの撃たれた箇所から血が流れ出てくる。しかし、傷穴は徐々に塞ぎ始めた。とはいえ、内部も治るのに時間が掛かる。
ジョーカー「皮肉なモンだなぁ?このリベレーター。弾が撃てるだけの欠陥だらけのクソ銃が、お前を動けなくするなんてよ!!」
ジョーカーがまどかの腰に馬乗りになる。そして、右手に握り締めたバールでまどかの頬を殴る。そして、再び顔を殴る。神器化したバールは、まどかの頬に内出血を起こし、顔に痣を作っていく。顔は腫れていくが、ジョーカーは止めない。
ジョーカー「HAHAHAHA!!お前の甘さが招いた事だ!!他の奴等の事なんか考えず、俺を殺していれば早々片付いたのによぅ!!」
ジョーカーがまどかの額をバールで殴る。額から大量に出血するまどか。
まどか「………確かにそうかもしれない。でも!」
まどかは、ジョーカーが振り下ろして来た右腕を掴み、ジョーカーの攻撃を止めた。
まどか「私はそれでも止めない!引き返したりもしない!」
頭突きでジョーカーの胸を攻撃し、ジョーカーを突き飛ばす。ジョーカーは後ろへ後退りしたが、バールを捨てて懐の鞘から再び刀を抜いた。
まどかは立ち上がる。本来なら治らない筈の傷は、もう塞がっていた。砕けた腰の脊髄も既に治っている。頬も腫れがあった顔は既に戻っている。
ジョーカー「どんな体してんだ?」
まどか「
ジョーカー「お前はそうやって周りを理解したつもりか?」
まどか「そうかもね。それでも、私は皆を愛してる!勿論、貴男もだよ。ジョーカー…………ううん」
まどかはジョーカーに告げる。彼も忘れてしまった、彼の本名。
まどか「“アーサー・フレック”」
ジョーカー「………なんだそりゃ?」
少し、ジョーカーの顔が歪む。それは、ジョーカーにとって何処か引っ掛かる名前だからだ。正直、ジョーカー自身も自分が嘗てどんな人間だったか覚えてなかった。
しかし、その名前は何処か引っ掛かる。
まどか「今はまだ理解したつもりのまま。だから、私は貴男を理解したい!!行くよ、アーサー!!貴男を必ず、救って見せる!!」
すると、ほむらが声を上げた。
ほむら『まどか。無理しちゃ駄目よ』
まどか「大丈夫。あの人の名前が分かった。あの人を理解したい。私は、あの人を救う!救ってみせる!」
まどかは、弓をその場に捨てた。しかし、ジョーカーに向かって歩み続けるまどか。
ヘイムダル『なっ!?神器を捨てたぁ!?まどかは、何をするつもりだ!?』
神々『な、なにしてやがる!?』
神々『神器無しで戦うつもりか!?』
神々も動揺を隠せない。
まどか「行くよ、アーサー」
ジョーカーは刀を構える。まどかは構えを取らず、ジョーカーに向かって歩いて行く。
次回、最後の戦い。
前半は映画『JOKER』の完全なネタバレです。というか、これだけの回になりましたね。もしこの続き、本当の流れやシナリオを観たい方は、是非映画を観てください。
次回、真の最終決戦。勝つのはジョーカー、まどかか。
次のお遊び回で使って欲しい曲は?
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ユメヲカケル!
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ブルーバード(いきものがかり)
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ルードルーズダンス
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インパーフェクト(オーイシマサヨシ)
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ささやかな祈り(ライスシャワー)
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心臓を捧げよ
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涙の種、笑顔の花
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空色デイズ
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