神々も人類も、代表達も殆どが驚いていた。中には予想通りといった表情を浮かべた者も居た。
神々『………な、何だそりゃ?』
神々『神側でありながら、人類側から出る?』
神々『ふ、ふざけんじゃねぇ!!』
神々『なめてんじゃあねぇぞ!このビチグソがぁ!』
神々『テメェも神側の癖に何言ってやがる!!』
神々『引っ込めこのクソアマァ!!』
神々『この裏切り者がぁ!!』
すると、ルシファーはヘイムダルから奪ったギャラルホルンを握り潰した。ヘイムダルが隣でギャラルホルンを握り潰されて、顔を青くした。
神「この、いい加減に―――」
ルシファー「“黙れ”」
神々『『『『ッ!!』』』』
ルシファーはその一言を放つ。それだけで、神々は背筋が凍った。そして、ゼウスの居るVIP席に剣の切っ先を向けた。
ルシファー「私がそうすると決めたのよ。アンタ達神々に従う気なんて毛頭無いわ。というか、私を地獄へ叩き落としたアンタ達みたいなガキ共に、私の行動を指図される筋合いは無いし、此処でアンタ達の悔し顔を拝みたかったから、私は満足だわ」
ルシファーが神々に向かって笑う。何時だって思い出すのは、神々に堕天された時の事。ルシファーにとっては、今でも忌々しい記憶だ。しかし、此処でその雪辱を晴らす時が来た。
ルシファー「でもまだよ。此処で勝って、アンタ達の更に悔しがってる顔を見せて頂戴」
神々は動揺を隠せなかった。人類も同じで、驚きを隠せなかった。
特に、主神級達は驚愕しつつも、様々な反応を見せた。共通しているのは、その殆どがルシファーへ怒ったりしている。
外で雷が鳴り響く控室では、トールが隻腕の状態でミョルニルの柄に手を置き、第6回戦の映像を見ていた。その顔は笑っていた。
医務室では右目に眼帯を付けて居たまどかは椅子に座って、沢山のメイド達と共に試合を見守っていた。メイド達に傷口を消毒してもらっているまどかは、ルシファーが人類側から出た事に嬉しく思った。人類の為に動いてくれた事に、まどかは嬉しく思う。
まどか「ルシファーさん………やっぱりあの人はこうすると思ってたよ」
ほむら『そうね。まあ、人類の為というより、あの人自身の為でしょうけど』
次にシヴァ。特別席にある椅子に座りながら、その全身から炎のようなオーラを放っていた。宇宙が燃え尽きそうな程の闘志を放ち、今にも飛び出しそうな雰囲気だ。
シヴァ「へへっ!ニャロウ!」
次にガタノゾーア。彼女は控室の中にある物を次々と壊していた。ルシファーは本来人類に敵対する側なのに、人類側から出場を宣言した。人類側をどう苦しめてくれるか、殺してくれるか、絶望を与えるか期待したのだが、待ってたのはこの結果だ。その腹いせに、周囲の物へ八つ当たりしていた。
ガタノゾーア「はぁー!?いみわかんない!!しねよ!!にんげんにぜつぼーあたえないなんて!!あいつころしたい!!なかせたい!!わめかせたい!!ぜつぼーさせたい!!しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね!!」
次に異界のヘカーティア。彼女も控室で、地球や月の自分と映像を見ていたが、それぞれが怒りを示していた。月は分かりやすいが、異界と地球は笑ったまま青筋を立てていた。
異界「裏切りなんて………随分と大胆ねぇ」
地球「許しませんよ?捕まえて私達の恐ろしさを思い知らせなくては」
月「ざっけんじゃねぇぞ!!今からでもぶちのめしてやらぁ!!」
次にアインズ。控室のモニターでアルベドと共にその様子を見ていたが、さほど動揺していなかった。どうやら彼もルシファーが裏切る事を前々から分かってたようだ。
アルベド「アインズ様。裏切り者を排除しに参りましょう」
アインズ「いや、それには及ばない。ルシファーが裏切る事は分かっていた。だが我々にはそれを咎める権利はない。彼女がどうするのか見届けようではないか」
アルベド「畏まりました。アインズ様」
他にも、胸を支える従者達を今にも振り切って飛び出しそうなアフロディテ、顔が美と豊穣の女神とは思えない位怒りに歪むフレイヤ、やっぱり裏切ってた事に怒りを募らせて指を血が滲む程に噛むロキ、肩に乗るフギンとムニンがビビる程の怒りを雰囲気で悟らせるオーディン、座っている椅子の大理石の肘掛けを握り潰すだけでなく顔を歪めて怒りを表すアレス、無表情であるものの怒りを隠し切れないヘルメス等、主神級すら動揺隠せていなかった。
しかし、ブリュンヒルデやサンズは動揺していない。隣でゲルが驚いてるが、二人は驚いてる様子が無かった。まるで、こうなる事が分かってたように。
ゲル「お姉さま?サンズさん?」
サンズ「ん?どうした、ゲル?」
ゲル「いえ、お二人が驚いてないなって………でも、どうしてルシファー様が人類側から?あっ………まさか、これもお姉さまの策なんすか?」
ブリュンヒルデ「…………七つの大罪で最も重い罪である傲慢。そして、傲慢の魔王たるルシファー様。残念ながらあの御方は、誰かの意思で動くようなタマではありませんよ」
サンズ「ああっ。話してみて充分分かったよ。まっ、次は本来俺になる筈だったんだけどな」
――――――――――――――――――――――――
遡る事数時間前。
ルシファー「私はゼウスに第6回戦に出場するよう言われたけど………」
ルシファーがブリュンヒルデにそれを告げる時、サンズがその場に現れた。
サンズ「よお。次の――」
ルシファー「私、人類側から出るわ」
サンズ「………えっ?」
ブリュンヒルデ「……承知致しました」
サンズ「……マジかよ」
ルシファー「何よ、リアクション薄いわね。もっと言う事あるんじゃないの?」
ブリュンヒルデ「………いえ、貴女が神側に付かない事は承知しておりました」
ブリュンヒルデは知っていた。ルシファーが釈迦に並ぶレベルの神嫌いである事を。
ルシファー「あっそ。で、此処までアンタの思惑通り?」
ブリュンヒルデ「何の事でしょうか?」
ルシファー「だってこのラグナロクが開催する前から、ワルキューレの『神器錬成』を強くする為に準備してたのでしょう。でなけりゃ、釈迦の所へ『一蓮托生』を習いに行く筈が無いものね」
ブリュンヒルデ「っ!何故それを?」
ルシファー「さっきロキに指摘されたばかりだけど、本当は見てたのよ。真莉亜やレヴィもそうだけど、私達は見てたのよ。アンタが釈迦の所へ出入りして、何かを教わりに行ってる所。それがまさか、『一蓮托生』を使って『神器錬成』を強化するなんてね」
勿論、その時は何を教わってたのかは分からなかったが、ロキから指摘されて全てが確信に変わった。
ブリュンヒルデ「……まさか見られていたとは」
ルシファー「それで、私か釈迦の奴をぶつけるつもりだったんでしょう?」
サンズ(マジか………初めから此奴を神にぶつけるつもりだったのか)
サンズはブリュンヒルデの計画に冷や汗をかく。しかし、ブリュンヒルデの答えは違った。
ブリュンヒルデ「まさか……そのような畏れ多い事を。ただ…………ここ
その様子を見守っていた真莉亜とレヴィも、冷や汗をかいて緊張していた。
ルシファー「あらそう。でも、私はアンタの目は好きよ。目的の為なら善も悪も無い感じ。じゃあ、私は行くわ」
そして、扉に隠れて様子を見ていた真莉亜とレヴィを連れて、再び立ち去ったルシファー。
ブリュンヒルデ「全く、恐ろしい御仁です」
サンズ「だな。あーあっ、次は俺が出る筈だったのにな」
ブリュンヒルデ「ええっ、ルシファー様の我が儘に付き合う事になって、申し訳ありません」
サンズ「いや、良いさ。ルシファーがどんな闘いをするのか見たいからな」
――――――――――――――――――――――――
そして現在、困惑する人類とルシファーにブーイングを飛ばす神々が騒がしい第6回戦の闘技場。
ヘイムダル「いやいやちょっとちょっと!駄目ですよ!駄目です!もう17人と17柱の登録メンバーは決まってるんですから!人類側から出るなんてそんな無茶な―――」
オーディン「構わぬ」
席に座るオーディンの言葉。それが闘技場全体に圧を掛ける。殆どの神々が冷や汗を流し、人類はオーディンからの威圧に言葉を出せなくなる。恐らく他の人類代表やその関係者達も、それぞれ反応を見せてる頃だろう。
宇宙を見れば、消滅した銀河もあり、いくつもの恒星や星も粉々に砕け始めた。
オーディン「神・人類それぞれ17の闘士を出し、先に9つ取れば勝利。それが、ヴァルハラ憲法62条15項で決まっている」
オーディンはニヤけていた。ルシファーの裏切りが許せないのは本当だ。しかし、これ程の熱い展開に興奮し、自分が闘いたいという欲が湧き上がっているのも本当だ。
すると、ゼウスが闘技場に降りてきた。跳んでルシファーやヘイムダルの元へ落ちてきたのだ。痩せ細った老人にも関わらず、華麗な着地を決めたゼウス。
ゼウス「そうじゃのう。北欧のジジイもそうじゃが、これ程熱い展開はそうそうあるまい?あやつもそうじゃろうが、本当ならワシがやりたい位じゃ」
ゼウスもルシファーと闘いたい欲が強くなっていた。
ルシファー「………私もゼウスと闘って構わないけど、
すると、オーディンがルシファーに問いかける。
オーディン「問おう。ルシファーよ。我等全ての神を敵に回す、その覚悟があっての事か?」
ルシファー「…………はあ、二度も言わせんじゃないわよ。敵とか味方とか、善とか悪とか、神も人間も関係無いわよ」
ルシファーは横髪を払いながら、堂々と答える。
ルシファー「アンタ等神々はガキ。私の方がアンタ等より強くて偉い。そんな連中に私は従わない。此れでどう?」
神々『何だとぉ!?』
神々『ふざけんな!!元天使の分際で!!何様のつもりだ!!』
神々『なめやがって!!』
女神『貴女見損なったわ!!』
神々『もう言った事は取り消せんぞ!!』
しかし、ルシファーは平然としている。ガキの喚く暴論を気にしない大人のように、堂々と欠伸をする程だ。
サタン「全く貴様は、相変わらずの傲岸不遜ぶりだ」
アスモデウス「あらぁ〜そんなルシファーも素敵ね♥」
マモン「全くですわ」
ベルゼバブ(格好いい……お肉美味い)ムシャムシャ
ベルフェゴール「神々がマジでガキらしいお〜」ゴロゴロ
レヴィ「はぁ〜♥そんなお姉様も綺麗だよ〜♥」
それぞれの七つの大罪も反応を見せる中、ルシファーはゼウスに問い掛けた。
ルシファー「それで、第6回戦の私の相手はもう来てるでしょ?さっきから、門の向こうから感じるのよ」
ルシファーがそう言うと、ゼウスは指を鳴らした。
ゼウス「そうじゃのう。何の因果か、あやつもお主との勝負を望んでおった」
そして、門が開く。神側の門が開いた後、突如として人類側の神父、シスター達が騒ぎ出す。
神父「あ、悪魔だ!!また悪魔が来る!!」
シスター「またですか!?何故今日は………こんなにも大量の悪魔が!?」
そして、神側から出て来たのは、巨大な異形の獣だった。蛇の尻尾を持ち、狼のような体に、口から炎を吐くフクロウのような頭を持つ悪魔だ。
それは、ソロモン72柱第7位であり、40個軍団の悪魔を配下に置く大いなる侯爵であり、悪魔の君主の中で最も強靭である悪魔。仲違いした者との友情を取り持ち、恋しい人との愛情を獲得させ、自らも美しい詩を詠むと云う。その詩は、ソロモン王に召喚された折に披露した際には居並ぶ諸侯を感動させたと云う。正に悪魔とは思えぬ人格者。
そして、ルシファーにとっては、因縁深い悪魔だ。
ルシファー「久し振りね。お
???『久しいな。
『ソロモン72柱:炎の侯爵アモン』
今ここに、第6回戦が始まろうとしていた。
七つの大罪の悪魔を全て登場させたのには、理由がありますよ。次回判明します。
オリジナル設定も追加してます。
次のお遊び回で使って欲しい曲は?
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ユメヲカケル!
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ブルーバード(いきものがかり)
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ルードルーズダンス
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インパーフェクト(オーイシマサヨシ)
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ALONES
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ささやかな祈り(ライスシャワー)
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心臓を捧げよ
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涙の種、笑顔の花
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空色デイズ
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REASON(ゆず)
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ALIVE(ClariS)