人類『『『ワアアアアアアアアアアッ!!』』』
人類が大歓声に包まれる。その中で、涙を流しながらルシファーを見守る一人の少女が居た。
真莉亜「ルシファー………」
真莉亜は、全てを聞いていた。ルシファーとアモンが親子である事。そして、ルシファーとアモンが離れ離れになってしまった理由を。
神の無情さに怒りがこみ上げるも、ルシファーの辛さが真莉亜も感じてしまい、泣かずには居られなかった。
真莉亜「………酷いよ。なんでルシファーが……折角再会出来たのに……血の繋がりを超えた家族なのに………」
あまりにも残酷で、哀しい決着。涙を止められなかった。
真莉亜「………行こう!」
真莉亜は暫く泣いていたが、目に涙を浮かべながら其処から走り出した。
今のルシファーには、誰かが傍に居る必要がある。
父親は居なくなった。しかし、まだ大罪の友人達や自分が居る。
真莉亜「何が出来るか分からないけど………何かしてあげたい!」
そう決意した真莉亜は、ルシファーの元へ走るのだった。
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ルシファーは勝利した後、七つの大罪との神器錬成を解いた。しかし、全員その体がボロボロだった。火傷が酷く、肉体も痣だらけで、中には腹に穴が開いて重症を負った者も居る。
彼女達はすぐに担架で運ばれた。
ゲル「ルシファー様!七つの大罪の魔王様方!」
医務室に運ばれる中、サンズの転移によってその場に現れたブリュンヒルデとゲル。ゲルが七つの大罪達に呼び掛ける。全員酷い重症だ。治療しなくては間違いなく死ぬだろう。
ルシファー「あー、ゲルじゃない………」
ゲル「大丈夫っすか!?死んじゃ嫌っす!」
ルシファー「死ぬ訳無いでしょ……ガフッ!」
ルシファーはゲルの元を向いて、強気な姿勢を見せる。しかし、血反吐を吐いてしまう。話すのがやっとだ。
ルシファー「……ブリュンヒルデ」
ブリュンヒルデ「はい」
ルシファー「………私は、私達は死なないわ。それより、真莉亜は―――」
真莉亜「ルシファー!!」
真莉亜の声が響く。全員が声のした方向を向くと、其処には涙と鼻水と汗で顔をぐしょぐしょにしつつ、息を切らしながらその場で立つ真莉亜の姿があった。
ルシファー「あら……真莉亜じゃない」
ルシファーの傍に来る真莉亜は、ルシファーの顔に目も暮れずその頬を引っ叩いた。
メイド「ちょっ!?何を!!」
真莉亜「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!お父さんを殺すなんて!!折角会えたのに!!あんな哀しい別れ方して!!」
真莉亜はメイドの静止も気に留めず、ルシファーをグーで叩く。何度も叩く。
ルシファー「ちょっ!いたたっ!今は止めなさいって!」
真莉亜「もう!!ルシファーの馬鹿!!こんなに心配させて!!」
真莉亜は暫く叩いた後に、ルシファーの頬を撫でる。
真莉亜「………でも………無事で良かった……元気になったらお説教だから!」
真莉亜は泣きながら、ルシファーの頬を撫でる。ルシファーは真莉亜が泣きながら怒ってきた事に驚きつつも、真莉亜に微笑んで言った。
ルシファー「生意気ね。でも……ありがと」
こうして、ルシファーは他の七つの大罪と共に医務室へ入る。真莉亜は医務室の扉の前で立ちながら、涙の出る目をハンカチで拭った。
その様子を、ブリュンヒルデ達は温かく見守っていた。
――――――――――――――――――――――――
闘技場では、神々が困惑していた。ルシファーに裏切られた上での敗北。そして、ルシファーの想像以上の強さに唖然としていた。
神々『これがルシファーか………』
神々『此処まで強いのか………』
神々『俺達は此れで4敗だ………』
その様子を見ていたゼウス達。
ヘルメス「此れで2勝4敗………まさか此処まで勝ち越されるとは」
アレス「ああ……しかもルシファーに裏切られた上での敗北だ……手痛い一敗だ」
ゼウス「現在、流れが人類側に来てる……これ以上……」
ゼウスの目が光る。その全身から雷が放たれたかと思えば、枯れたように見える片足が踏み付けた床が粉々になる。開いた穴の上をゼウスが浮いた。
ゼウス「どんな手を使っても、勝たねばならん!」
その圧倒的なオーラが、闘技場を含めたこの宇宙全体を揺らす。更に、他の世界にもその余波が伝わる。多元宇宙が揺れ始める。他の世界は恐らく天災が起きてる頃だろう。控室や稽古中の代表達も、各々反応を示してるだろう。それは、同じ神々も同じ事。
ゼウスが、他の神々と比べて格が上だと言う事を。
アレス「っ!」
アレスが息を呑む。
ヘルメス「それはそうと、ルシファーの空いた出場枠は、どうなさいますか?」
ゼウスはオーラを静める。多元宇宙各宇宙で起きる天災も運命も、すぐに収まり始めてるだろう。
ゼウス「奴等は強い。況してや、あの若者達は未来を切り開く力が、神にも届く成長性がある。下手をすれば、ワシ等が少し隙を見せるだけで一気に越えてゆくぞ」
ヘルメス「ええっ……本当に」
人類が強いのは分かっている。その上、若者達は逆境を乗り越えて成長する。グレたとしても、やり直して成長する。無限の可能性を秘めている。ユウキ、スペシャルウィーク、トウカイテイオー、ライスシャワー、モンキー・D・ルフィ、そしてメイプル。今まで対戦した若者達も、無限の可能性を持っていた。未来を諦めない、黄金の精神を備えていた。ジョーカーさえも、諦めずに闘っていた。
生半可な神では歯が立たない。
アレス(どうする?誰が出る?あのアポロンに出させるのも俺のプライドが許さない!だが、奴等は………ええい!何を臆している!俺は軍神だ!!ヘラクレスとも互角に闘ったんだ!!大丈夫だ!!自信を持て!!天界に勝利を齎すのだ!!大丈夫だ!!行ける!!俺はオリュンポス12神の一柱!!軍神アレスだ!!)
此処までのアレスの思考。0.02秒。
アレスは深呼吸をした後に、手を上げて宣言しようとした。
アレス「………よし!!俺が――」
ハデス「余が出よう」
ゼウス&ヘルメス&アレス「「「………ッ!?」」」
1秒間の沈黙の後、ゼウス、ヘルメス、アレスは驚愕した。
アレス「へ、へ……
ゼウス「ほう。冥界の王たる
ゼウスの問いに、ハデスは右目に付けた眼帯外す。
ハデス「決まっている。愛弟ポセイドンの……仇討ちだ」
ハデスは片手で眼帯を握り砕く。アダマンタイトで造られた眼帯が砕ける。
ハデス(ポセイドンよ。お前は仇討ちを頼む奴ではない。あの麦わらの海賊との闘いで、とても満足したのだろう。だから、此れは余の我が儘だ。お前の仇を、取らせてもらう)
ハデスは握り砕いた眼帯の破片を床に撒き散らす。その際に小さな砂状の欠片が空へ舞っていった。その眼帯に隠されたハデスの右目が、夜の闇の中で輝くのだった。
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ブリュンヒルデはゲルやサンズと共に、次の人類代表の選抜を行っていた。選手代表を選別する部屋で、人類代表達のホログラム写真を指でスライドしながら選ぶブリュンヒルデ。
ブリュンヒルデ「現在、流れは此方に傾いています。この機会を逃さず、一気に畳み掛けます」
ゲル「でも、良かったっすね。ルシファー様や他の七つの大罪の魔王様方も、命に別状は無い様で」
サンズ「流石は七つの大罪の悪魔達だな」
すると、選別部屋の扉が開いて、6人の少女が入って来た。
可奈美「失礼します!」
姫和「失礼します!」
舞衣「失礼します!」
沙也加「失礼します」
エレン「失礼しまーす!」
薫「失礼するぜ」
ねね「ねねー!」
可奈美達だ。
サンズ「よお。数時間ぶりだな」
サンズが手を振る。
サンズ「あの時は挨拶出来なかったな。俺はサンズだ」
サンズが手を差し出して来た。
可奈美「あっ、よろしくね。衛藤可奈美です」
可奈美は握手を交わす……のではなくその手を叩いた。嫌な予感がしたからだ。
すると、可奈美がサンズの手を叩いた瞬間、おならのような音が一瞬響く。
ブリュンヒルデ「…………」
ゲル「………」
沙也加「えっ」
舞衣「嘘……」
ねね「ねね……」
エレン「ワーオ」
薫「可奈美、まさか………」
可奈美「違うから!!私じゃないよ!!信じてお願い!!」
舞衣達は驚愕の表情を浮かべた。可奈美が涙目で顔を青くしており、どう弁解するか迷ってた。しかし、可奈美だけでなく、姫和もその仕掛けに気付いた。
姫和「………ブーブークッションか」
サンズ「おっ、バレたか」
サンズが手を差し出す。サンズの骨の手には、掌サイズのブーブークッションが握られていた。
可奈美「酷いよサンズさん!!」
可奈美が涙目になる。危うく友情に亀裂が走る……事は無いだろうが気不味い雰囲気になってただろう。
サンズ「古い手だが、何時やっても面白いもんだ」
可奈美「………でも、此れって油断するなって事?嫌な予感がしたからつい叩いちゃったけど」
サンズ「おっ。気付いたか?さっきのロキの件もあるからな。お前等代表に手を掛けて出場させなくしてやろうとする奴も居るらしい。まあそんな勇気のある奴は居ないだろうが、気を付けておけよ」
今回は確かに可奈美は良い判断を出した。もし握手に応じてたなら、ブーブークッションに引っ掛かっていた。
可奈美「ありがとうサンズさん。それで、次の相手は誰ですか?」
ブリュンヒルデ「まだ決まってはおりません。ですが、次の人類代表は貴女と決めておりました。衛藤可奈美」
可奈美「えっ!?本当ですか!?」
可奈美の目が輝く。
舞衣「………そうか、可奈美ちゃんの番なんだ」
舞衣は哀しい笑みを浮かべる。可奈美を応援したい。しかし、可奈美が二度と帰って来ない可能性を考えてしまい、
ゲル「えっと、柳瀬舞衣さんでしたっけ?どうしたんすか?」
ゲルが舞衣の様子がおかしい事に気付く。
舞衣「あっ、ううん!何でもないよ!」
サンズ「………当ててやろう。衛藤可奈美に戦いに行ってほしくないんだな?」
舞衣「あっ……なんで言うの!?」
舞衣が顔を赤くするが、サンズはお構い無しに続けた。
サンズ「こんな状況だからこそ色々言える事もあるんだぜ。応援も本音も、愚痴も感謝も、手遅れにならねぇよう今、言いたい事を全部ぶち撒けるべきだと思うぜ」
舞衣はそう言われて、何も言い返せなかった。
可奈美が負けるかもしれない。勝つと信じてるけど、不安もある。
ならば、今のうちに言いたい事を全部言うのも良いかもしれない。
ブリュンヒルデ「っ!失礼!」
ブリュンヒルデが端末の震えを感じ取り、次の神側闘士が誰かの通知が来た事を悟る。
そして、画面に映る次の神側闘士を見た瞬間、顔が青ざめた。
サンズ「決まったのか?次の相手が」
ブリュンヒルデ「……衛藤可奈美。次の相手は、貴女が闘った全ての相手より、格上です」
可奈美「っ!それは、誰なんですか?」
ブリュンヒルデ「次の相手は………ハデス様です!」
ブリュンヒルデは冷や汗を大量に流しながら、可奈美に端末の画面を見せた。いや、可奈美だけではない。姫和達やゲル、サンズも画面を見た。
ゲル「げええぇぇっ!?次がハデス様っすか!?」
姫和「ハデス?」
舞衣「ごめん……外国の神話とか、あまり詳しくなくて……」
沙也加「同じく」
エレン「ハデスはゼウスやポセイドンの一番上お兄さんでーす。でもゲルルンの反応を見る限り………強いんですね?」
ゲル「ゲルルン!?いやそれより、エレンさんの言う通りっす!ハデス様は天界最強とされるゼウス様やポセイドン様の長男っす!嘗てヘカーティア様と共に天の星をも超えるティターン神族を葬り去ったんす!そんな冥界の王たるハデス様に勝つなんて、流石に無理っす!」
薫「そうなのか?可奈美は寧ろ、嬉しそうだがな」
ねね「ねねー」
ゲル「へっ?」
ゲルが可奈美の方を向いた。
可奈美は画面に表示されるハデスの名前を見て、更にハデスの武勇伝を聴いて、獲物を見つけた飢えた狼の如き目付きで、再び画面を見ていた。
冷や汗は頬に流れ出ている。しかし、その顔は競い合う事でいっぱいだった。
ブリュンヒルデ「衛藤可奈美………本当に宜しいのですか?」
可奈美「………大丈夫!寧ろ、早く闘いたい位だよ!」
あの第3回戦の時に聴いた、曰く“解放のドラム”を聴いたあの時から、可奈美は早く試合がしたかった。それが今、叶おうとしている。
ブリュンヒルデ「……分かりました。第七回戦は貴女に託します!」
可奈美「はい!!」
その後、舞衣は可奈美に言いたい事を全て打ち明けた。もう可奈美に離れ離れになってほしくない事。戦って欲しくない事。負けて二度と帰ってこなくなる事が怖い事等、心の内に秘めていた不安を全て打ち明けた。
しかし、その後に可奈美の勝利を信じる気持ちや、勝って欲しいという思いも打ち明けた。
姫和も、沙也加も、エレンも、薫も、ねねも、可奈美に打ち明けられなかった想いを、全て打ち明けた。不安も、期待も、全てを吐き出した。
可奈美「………皆、ありがとう!約束するよ!絶対に勝つって!!」
そして、いよいよ迎える、第7回戦。
ED『進化系colors(刀使ノ巫女:OP2)』
次のお遊び回で使って欲しい曲は?
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ユメヲカケル!
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ブルーバード(いきものがかり)
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ルードルーズダンス
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インパーフェクト(オーイシマサヨシ)
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ALONES
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ささやかな祈り(ライスシャワー)
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心臓を捧げよ
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涙の種、笑顔の花
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空色デイズ
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REASON(ゆず)
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ALIVE(ClariS)