終末のワルキューレvs若き戦士達   作:ちいさな魔女

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冥界の王VS刀使ノ巫女 その3

ハデスと可奈美が向き合う。お互いに沈黙が走る。ハデスは可奈美を睨み、可奈美は全身に白い光のようなオーラを纏う。

 

すると、可奈美はハデスにお辞儀をした。

 

ハデス「っ?」

 

神々『なんだ?』

 

神々『何してる?』

 

人類「お辞儀?」

 

人類「何故?」

 

神々も人類も驚く。

 

ゲル「な、何してるんすか!?」

 

ブリュンヒルデ「衛藤可奈美は………この試合に全人類の運命が掛かってるとしても、闘う相手への敬意を忘れない。あれはきっと、ハデス様への敬意なのでしょう」

 

そしてそれは、ハデスにも伝わっていた。

 

ハデス「………ふっ、そうか」

 

ハデスは面白いと感じ、可奈美の一礼に応じた。ハデスも可奈美にお辞儀を返す。

 

その様子を人類側観客席で見ていた姫和や舞衣は、可奈美のお辞儀に笑っていた。

 

姫和「可奈美の奴……相変わらずだな」

 

舞衣「うん。可奈美ちゃんらしいね」

 

そして、ハデスと可奈美はお辞儀の姿勢から元の姿勢に戻る。

 

ハデス「………衛藤可奈美と言ったか。貴様に言う事は何も無い。ただ貴様が………」

 

ハデスは槍を持つ右手を斜め後ろに振り上げた。

 

ハデス「弟を討ち取った、人類である事を恨め」

 

ハデスは後ろへ振り上げた右腕を、可奈美へ向けて突き出した。その時、槍が可奈美に向かって真っ直ぐ伸びる。

 

ポセイドンの刺突攻撃は多彩かつ繊細な技。しかしハデスの刺突攻撃は、剛力と正確さに長けた力の一撃。

 

可奈美は横に避けた後に千鳥の刀身で槍の柄を弾くが、その背後にバイデントから放たれた衝撃波が闘技場を突き抜けた。

 

衝撃波は星を突き抜けて行く。

 

その瞬間、全人類は見た。ハデスが突きを放った先、放った先にあった巨大な惑星が、大爆発を起こした。超新星爆発が発生したのだ。ハデスの突きの一撃のみで。

 

可奈美「ッ!」

 

可奈美は腕が痺れるのを感じた。受け流したにも関わらず、両手には衝撃による激痛が走る。

 

可奈美「いたた!こんなに強い一撃は初めてだよ!」

 

可奈美はハデスに迫る。ハデスは懐へ入ろうとする可奈美に向かって槍を振り下ろす。横から迫る槍を可奈美は避けるが、槍から放たれた波のような衝撃波が闘技場を粉々に粉砕する。観客席は結界で守られて無事だが、それ以外は粉々に粉砕される。そして、その先に広がる星空の殆どが消えて暗黒の空間となる。数百万光年先の星が、ハデスの一振りで消えたのだ。

 

神々『なんて力だ……!』

 

人類「此れが冥王の力か…!」

 

神々も人類も、ハデスの力に戦慄する。槍の一振りや刺突の一撃全てが、宇宙を滅ぼすに等しい威力を持つ。可奈美に一撃でも当たれば、致命傷は確実だ。

 

ハデス「ハッ!」

 

ハデスは刺突を放つ。しかし、可奈美は体を後ろに傾けて避けた。しかし、可奈美はそれだけでは終わらない。

 

ハデス「ッ!?」

 

ハデスは見た。可奈美はバイデントの刺突を避けつつ此方を見ており、そして体を傾けたまま回転して、刀を振り翳して来た。

 

そして、可奈美はハデスの腹筋を斬った。しかし、浅かった。ハデスは斬られる直前に体を後ろへ傾けて、深く斬られるのを避けたのだ。お陰で体皮を斬られただけで済んだ。

 

ハデス「ッ!」

 

ハデスは驚愕した。まさか人類に先に攻撃を受けるとは思わなかった。

 

ヘイムダル『め、冥界の王ハデス様に肉薄!!衛藤可奈美がハデスの腹を斬り付けた!!』

 

人類『『『ワアアアアアアアアアアッ!!』』』

 

ハデスはバイデントを振り上げて風圧で可奈美を吹き飛ばした後、斬られた腹を手で抑える。

 

可奈美は千鳥を地面に突き刺して、飛ばされた勢いを相殺した。

 

可奈美「浅い!これじゃ足りない!」

 

可奈美は冷や汗を流す。ハデスに攻撃を加えられたものの、倒すには程遠い。力、速度、正確さ、その全てがタギツヒメや折神紫、そして十条姫和とは比にならない。

 

可奈美「凄いよフリストさん!私、益々興奮してきちゃった!!」

 

???『ったく、お前は血気盛んだねぇ。まっ、それでこそアタシのパートナーだよ!』

 

『ワルキューレ次女:震える者 轟かす者(フリスト)

 

フリストはワルキューレの中で、2つの名を持つ異色のワルキューレ。そのワルキューレが可奈美の隣に半透明の姿で現れる。

 

可奈美「だってそうでしょう?こんなに強い神様と試合が出来るんだから!!」

 

可奈美は再び駆け出す。刀使の能力である“迅移”によって速度を増し、ハデスの目の前に現れる。

 

ハデス(通常の時間の流れより速く動くか!)

 

迅移。刀使の攻撃術。御刀を媒介として通常の時間から逸して加速する。隠世には段階的に時間の流れの早い層があり、深く潜れば潜るほどより高位の迅移を発動できる。鍛練を積んだ者ほど、より流れの早い深い層に到達することができる。

 

可奈美は一瞬にしてハデスの目の前に迫り、刀を振り上げる。しかし、ハデスは槍を離した左手で千鳥の刀身を摘んで止めた。そのまま刀を可奈美ごと真上に上げて、そのまま可奈美を地面に叩き付けた。うつ伏せで叩き付けられて、口から肺の息を強く吐き出す可奈美。しかし、苦しむ暇はない。

 

ハデス「消えよ!!!」

 

ハデスは己の全力を込めた一撃を持って、宇宙をも粉砕する剛力の槍を振り下ろした。槍は突き技ではなく、薙刀のように扱うのが本来の使い方だ。

 

可奈美は両手を地面に着けた後、両腕をバネのように一瞬伸ばしてその場から跳ねた。その瞬間、ハデスの振り下ろした槍の刀身が、先程可奈美がいた場所に振り下ろされた。地面に叩き付けられたその一撃は、結界に包まれた観客席以外の闘技場を大爆発と共に粉々に粉砕。

 

 

 

 

 

更に、その余波により、最終闘争宇宙(ラグナスペース)の銀河が全て……消滅した。宇宙は崩壊し、全てが無に還ってしまった。

 

 

 

 

 

 

軈てこの宇宙は、粉々に砕けた闘技場しか残ってなかった。闘技場は観客席は無事であったが、可奈美やハデスの闘う足場は空中に浮いており、少しでも足を踏み外せば落ちてしまいそうだ。

 

ハデス「今の一撃を避けたか」

 

可奈美(ヤバい………こんなに、勝ち目が見えない相手は初めてかも)

 

ハデスは息を切らしながら、浮かぶ足場に乗る可奈美を見た。可奈美は、勝ち目が無さ過ぎる相手に興奮しつつも、戦慄し始めていた。

 

アレス「こ、この宇宙が無に還った………」

 

ヘルメス「此れがハデス様のお力………恐ろしいものです」

 

アレスはハデスの力に驚愕し、ヘルメスは冷や汗を流しつつも冷静に試合を見る。

 

可奈美(でも、諦めない!私はまだ、死にたくはないからね!)

 

フリスト『ええっ!行きましょう!可奈美!』

 

可奈美は再び構えを取る。

 

ハデス(まだ立ち上がるか。面白い!)

 

ハデスも両手でバイデントの柄を持ち、槍の切っ先を可奈美に向ける。

 

第7回戦は、まだ続く。




人類:衛藤可奈美/刀使ノ巫女
神器:神滅刀・千鳥弐式
神器能力:衛藤可奈美の御刀・千鳥を神殺し用に強化した刀。
空気を斬り,空間を斬り,時間を斬るーーその気になれば事象すらも斬り捨てる事が可能。
コズミックパワー:『スピリット・ヴァース』
能力:ありとあらゆる精神の持ち主が闊歩する宇宙。
剣豪や武闘家といった己の精神を高めた強者達しか居ないーーー悪く言えば脳筋ばかりの宇宙。
衛藤可奈美自身の剣術や全集中の呼吸だけでなく、ありとあらゆる世界に存在する剣豪達の流派及び技を瞬時に修得し使用する事が出来る。

神:ハデス
神器:バイデント+トライデント
神器能力:海、大地、そして天候を操る力を持つポセイドンの神器と合体した、ハデスの武器。槍が持ち主の手元にある限り、時間と共に攻撃力、貫通力、速度、硬度、柔軟性、射程距離が増すというシンプルな性能。また、遠距離攻撃も可能であり、矛先から放つ光線は宇宙の果てさえも貫通する。
コズミックパワー:『レギオン・ヴァース』
全ての死者が最後に辿り着き、ハデスの総軍となって従う宇宙。
様々な宇宙、様々な次元の死者を呼び出し、自らの総軍として従える。総軍はハデスが居る限り不死身であり、殺されても何度でも蘇る。また、蘇る死者は生き物に限らず、高次元の生命体や精神生命体、命を持たない筈の物質でさえも総軍に加わる。しかし、逆に言えば蘇った死者達は意志や自我に関係無くハデスの戦奴にされて永久無限に戦い続ける為、戦争狂以外の人間にとっては地獄に他ならない。しかも自我はあっても主張も何も出来ないので余計に辛い。

次のお遊び回で使って欲しい曲は?

  • ユメヲカケル!
  • ブルーバード(いきものがかり)
  • ルードルーズダンス
  • インパーフェクト(オーイシマサヨシ)
  • ALONES
  • ささやかな祈り(ライスシャワー)
  • 心臓を捧げよ
  • 涙の種、笑顔の花
  • 空色デイズ
  • REASON(ゆず)
  • ALIVE(ClariS)
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