終末のワルキューレvs若き戦士達   作:ちいさな魔女

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冥界の王VS刀使ノ巫女 その4

ハデスと可奈美が再び向き合う。足場は崩落しており、残ってるのは所々に浮いた足場だけだ。

 

可奈美「ヤァッ!!」

 

可奈美はハデスの背後に回り込み、ハデスに刀を振り上げた。ハデスは槍の柄で刀を防ぐ。しかし、可奈美は高速の剣技を繰り出してハデスを攻撃し続ける。

 

ゲル「か、可奈美は大丈夫なんすか?宇宙を終焉に導いたハデス様に勝てるんすか?」

 

ゲルは宇宙や闘技場を見渡した。この宇宙は闘いが終わる度に何度でも再生する。とはいえ宇宙を終焉に導いたハデスの力は圧倒的だ。

 

サンズ「ああっ……そう思うのも無理はねぇ。槍の一振りだけで宇宙が壊れた。あんなに綺麗な夜空も無くなっちまった。恐ろしい神だ。ゼウスやポセイドン、そして()()()()の兄なだけある」

 

その時、観客席の神々が震え始めた。アダマス。その名前を聞いた時からだ。

 

ブリュンヒルデ「サンズ。その名は神々の前で口に出すべきでは………と言いたい所ですが、今はポセイドン様もおりませんので、宜しいでしょうね」

 

ゲル「アダマス?」

 

ブリュンヒルデ「アダマス様はポセイドンの兄、即ち本来のギリシャ最強の4兄弟の次男です。しかし、嘗てゼウスに反逆を企てた時に、ポセイドン様に殺されました」

 

サンズ「それで今は、ポセイドンが次男の立場になった訳だ。最も、ポセイドンもアダマスを本気で殺した訳では無いらしいけどな」

 

ゲル(ええぇ〜っ!?それって神々の中でもかなりの秘匿情報じゃないっすか!?てかサンズさん、何処でそれを知ったんすか!?)

 

ゲルがそう考えた後、闘技場の中で爆発が起きる。

 

ブリュンヒルデ「ゲル!闘いに注目しなさい!どうやら双方動きがあったようです!!」

 

ゲルが舞台を見る。其処には…………ハデスの胸元を浅くとはいえ斬った可奈美の姿があった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

ハデス「実に素晴らしい腕だ。加えて、強い意志の力を感じる。余の攻撃が、()()()()()()?」

 

ハデスは可奈美に斬られた胸元に触れる。斜めに出来た切り傷から出血し、インナーシャツが血に染まっていく。

 

ハデスは、可奈美の動きに違和感を感じていた。自分の攻撃が先程から当たらない。見えてるだけでは速すぎる。最初から来る攻撃が分かってたかのように、此方が攻撃するタイミングを見破っていた。

 

可奈美「流石に分かっちゃうんだね」

 

ハデス「未来を視るとはやるではないか。それで余の動きを読んだのか」

 

可奈美は修行により、“覇気”を習得している。ハデスの攻撃を避けて来たのは、見聞色の覇気による“未来視”だ。そしてハデスに攻撃を与えるために武装色の覇気も使用している。

 

可奈美「フリストさん。お願い!」

 

フリスト『任せな!思いっ切り戦って来い!!』

 

その瞬間、可奈美の胸元から体全体へ宇宙が広がる。コズミックパワーを発動したのだ。

 

可奈美「行くよ!ハデス!」

 

可奈美がそう叫んだ後、突然ハデスの目の前に迫って来た。

 

ハデス「ッ!!」

 

ハデスはバイデントを振り下ろすが、可奈美は千鳥を握る手に力を込める。

 

可奈美「柱稽古の成果、見せてやる!!冨岡さん!鱗滝さん!!貴方方の技、お借りします!!」

 

可奈美は息を吸った。呼吸を行った瞬間、可奈美の刀が様々な色へ変色する。言うなれば、虹色の刀となった。

 

可奈美「ヒュゥゥゥゥッ――!!」

 

その瞬間、可奈美の刀が青色に変化する。

 

ハデス「来い!!」

 

ハデスは海の力をバイデントに纏わせた。ポセイドンの神器トライデントの持つ地球の力を、バイデントに込めたのだ。

 

そして、ハデスの突きが放たれる。変幻自在の水となったバイデントが、速くなるだけでなく無数の触手状になって可奈美に迫る。

 

可奈美「『水の呼吸・拾壱ノ型(じゅういちのかた)(なぎ)』」

 

ハデスの水の槍が、一瞬にして全て斬り裂かれた。

 

それは、修行中にある師が見せた技。この技は師だけの技だったが、それを可奈美は再現してみせた。

 

可奈美のコズミックパワーたる宇宙は、『スピリット・ヴァース』と呼ばれ、ありとあらゆる精神の持ち主が闊歩する宇宙。剣豪や武闘家といった己の精神を高めた強者達しか居ないーーー悪く言えば脳筋ばかりの宇宙である。其処には当然、鬼殺隊の柱も含まれる。

 

加えて、可奈美の手にする神器『神滅刀・千鳥弐式』。可奈美の御刀・千鳥を神殺し用に強化した刀で、空気を斬り,空間を斬り,時間を斬り、その気になれば事象すらも斬り捨てる事が可能な刀だ。虹色に輝くのは、可奈美が全ての呼吸の型を扱える事を意味していた。

 

ハデス「面白い」

 

ハデスはポセイドンの力で槍を再び水に変えて、空に向かって水を放つ。そして、水滴一つ一つが槍となり、水の槍が雨となって可奈美に襲い掛かる。

 

しかし、可奈美は冷静だ。再び刀の色が変化して今度は緑色になり、可奈美は新たな攻撃を繰り出す。

 

可奈美「シイアアアア!!風の呼吸・肆ノ型(しのかた)昇上砂塵嵐(しょうじょうさじんらん)!!」

 

その時、可奈美に降り注ぐ槍の雨が、風が吹き上げられるかの如く上方に向かって放つ斬撃によって全て打ち消された。

 

可奈美「不死川さん!!厳しく優しい教えを、ありがとうございます!!風の呼吸・参ノ型(さんのかた)晴嵐風樹(せいらんふうじゅ)!!」

 

可奈美は前方に渦を巻く斬撃を放つ。

 

ハデス「………良き師であったのだろう。だが余は、負けられん!!」

 

ハデスはバイデントに振動を纏わせた。

 

ハデス「余は冥界の王…………ハデス!!」

 

そして、ハデスはバイデントを振り下ろした。その瞬間、可奈美の放つ斬撃と振動を纏ったバイデントがぶつかり合った。その場で大爆発が発生し、可奈美は闘技場から投げ出された。其処は宇宙空間。投げ出されたらおしまいだ。

 

しかし、可奈美は闘技場の壁に千鳥を突き刺し、宇宙空間へ投げ出されるのを止めた。10メートルも下がった後、

 

可奈美「ッつう!!腕が痺れてくる!!」

 

フリスト『油断すんなよ!ハデス様はまだコズミックパワーも使ってない!!』

 

可奈美「うん!」

 

可奈美とハデスのぶつかり合いはまだ続く。

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